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仲介手数料無料で不動産売却ができる?カラクリ・注意点を解説

【更新日】2023-11-12
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仲介手数料無料で不動産売却
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不動産売却ではいくつかの費用がかかりますが、その中でも特に高額なのが仲介手数料です。

賃貸の仲介では仲介手数料を無料や半額にしているところは元々多かったのですが、売買仲介ではキッチリ全額支払われるのが慣習でした。

しかし最近では、売買時でも仲介手数料無料を謳う不動産会社が増えてきました。

ただ理論上、仲介手数料の支払いがないということは、仲介業者に利益が発生しないことになってしまいます。

今回は、仲介手数料無料の不動産会社のカラクリ、注意点を解説していきます。

不動産売却の仲介手数料はいくらが相場?なぜ払うの?根拠・計算方法

仲介手数料無料で不動産売却をおこなうのは原則不可能

では、仲介手数料無料で不動産売却をおこなうことは出来るのかですが、これは原則不可能です。

なぜなら、不動産売買では業者の収益が基本的に仲介手数料のみとなるからです。

販売活動のために作成する広告のコストなどは各社の自腹となります。

その上で仲介手数料も貰わないとなると、その会社はただ潰れてしまいます。

このような背景から、仲介手数料無料の不動産会社には必ずカラクリがあると見て間違いありません。

仲介手数料と売却価格の関係性

仲介手数料の上限額は、売買価格に応じて以下のように設定されています。

取引額(不動産の売買価格) 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 (売買価格×5.0%)+消費税
200万円超400万円以下 (売却額×4.0%+2万円)+消費税
400万円超 (売却額×3.0%+6万円)+消費税

上記はあくまで不動産会社が請求できる上限価格であり、実際の手数料はこの金額以下であればいくらでも構いません。

しかし、実際は多くの不動産会社が上限価格=仲介手数料の請求額としています。

実際の仲介手数料をシミュレーション

例えば、中古のマンションを2,000万円で売却した場合、仲介手数料は以下のように計算します。

2,000万円×3%+6万円=66万円

この仲介手数料は、売主と買主両方に請求されます。

売主・買主はそれぞれが契約している仲介業者に対して仲介手数料を支払います。

この仲介手数料は成果報酬の意味合いがあるので、成約がない場合は支払わなくてOKです。

仲介手数料無料で不動産売却ができるカラクリ

仲介手数料無料で不動産売却をすることは前述できません。

それでも仲介手数料を謳っている業者がいるのはなぜでしょうか?

➀買主から仲介手数料をもらう

考えられるのは、両手仲介のみを目的としているケースです。

売り出された不動産はレインズというデータベースに原則全て登録されます。

例えば不動産会社Aに「○○県に引っ越すので物件を買いたい」と相談したら、そのエリアの良さそうな物件をレインズからリストアップして紹介します。

その上で、ある物件が購入されたらAは仲介手数料をもらえますし、その物件を仲介していた不動産会社Bも売主から仲介手数料をもらいます。

全国には数万の不動産会社があり、それぞれエリアが細かく分かれていることを考えると、売主・買主の仲介業者が同一の、いわゆる両手仲介状態にケースのはかなり稀です。

ただ、中には意図的に両手仲介にするため、外部への情報をシャットアウトしたり、「なかなか売れない」という嘘の情報を共有して遅らせたりする、いわゆる囲い込み行為をおこなう悪徳業者も多いです。

売主の支払う仲介手数料が無料の場合、悪徳業者の可能性も高いので注意しましょう。

囲い込み・両手仲介とは?不動産売却で注意が必要な大手業者のグレー行為と対策法

②仲介手数料以外の費用で補填する

仲介手数料を無料とする一方で、他の費用で利益を補填している可能性も十分あります。

例えば、広告費用などを請求してくるケースです。

本来は販売活動にかかる費用等の対価は全て仲介手数料でまかなえるのですが、「広告費用がかかる」などと不動産屋から言われたら、素人は信じ込んでしまうことも多いです。

このように、仲介手数料無料を謳って顧客を募集した後、他の費用で稼いでいる悪質なケースも十分考えられます。

③期間限定・物件限定で手数料無料にしている

条件付きで手数料無料の取引をおこない、実績を積み上げた上で一気に仲介手数料を取る戦略の業者という可能性も十分あります。

売主からすればただただラッキーですが、通常とはイレギュラーの対応なので、何かしらのトラブルが生じる可能性に注意しましょう。

④他のサービス利用の特典で無料にしている

その他には、総合系の不動産会社が管理・賃貸・仲介などの様々なサービスを利用してくれる顧客を発掘するために、他のサービスの利用で仲介手数料無料になるような特典を提供している可能性があります。

継続的に関係性を構築できる顧客を作ることで、将来的に収益の柱とする狙いです。

仲介手数料無料の不動産会社と契約するメリット

仲介手数料無料の不動産会社にはカラクリがあると述べましたが、それでも高額な手数料が無料になるというのは大きなメリットです。

そもそも不動産売却は、仲介手数料以外にも以下のような費用を支払わなければいけません。

  • 印紙税
  • 抵当権抹消登記費用
  • 譲渡所得税
  • 測量費用
  • 不用品の処分費用
  • 各種書類の発行費用
  • ハウスクリーニング費
  • リフォーム費
  • 解体費

こうした費用も含まれるとなると、負担はかなり膨らんでしまいます。

この負担が少しでも軽くなるのは有難いですよね。

仲介手数料無料の不動産会社と契約するリスク

仲介手数料無料の不動産会社は表面上お得ですが、トータルで見ると損をするケースも少なくありません。

今回は、仲介手数料無料の不動産会社に依頼する際の注意点を解説します。

リスク①販売活動の意欲が低い

不動産会社の主な利益は、仲介手数料から算出されています。

報酬金になる仲介手数料を無料にしてしまうと、営業パフォーマンスの低下から販売活動に対する意欲が低く、まともな活動を行ってくれない可能性があります。

仲介手数料のところで売却依頼を出せば、売りに出す物件を自社宣伝の道具として扱われる可能性があり、いつまでも買い手が見つからない事態になります。

もし、仲介手数料無料のところに依頼する際は、売却活動の内容、物件広告の宣伝方法などを聞いてから媒介契約を結びましょう。

リスク②アフターフォロー・サービスの質が悪い

仲介業務の中には、物件の宣伝広告作成から内覧者の現地案内、売買交渉、書類作成などが主です。

仲介手数料無料で人件費を割いている会社では、慢性的な人手不足故、細かい要望の受付ができないうえ、アフターフォロー・サービスの質が他社よりも悪い可能性が高いです。

リスク③物件次第では有料

仲介手数料無料と公式サイト上に掲載していても、一部の取り扱い物件に限り有料での取り扱う会社もあります。

仲介手数料無料で売却を済ませるなら、どのような物件が有料で取り扱われ、無料扱いの物件にはどのような条件があるのかを依頼する過程で説明してくれる不動産会社を選ぶのがおすすめです。

リスク④売却コストを抑えられる可能性がある

不動産会社は販売費用を自社負担で支払い、成約を取ってから仲介手数料で回収します。

高額で売れそうな物件は仲介手数料も高くなりそうなので、不動産会社もお金を使って売りやすいのです。

ただ、仲介手数料がもらえないとなると、販売コストは自ずと抑えられてしまいます。

そうなると高く売れにくいので、結果的に損する可能性が高いです。

リスク⑤売却の優先順位が下がる可能性が高い

1人の担当者が複数の物件を請け負っている場合、利益の少ない物件から後回しにされる可能性が高いです。

他の物件を売っていて、自分の物件は後回しにされている場合、成約は長引く上に金額が安くなってしまうので注意が必要です。

不動産会社が後回しにしていたとしても、定期的に電話で報告を受けるだけでは中々気づきにくい部分ではあります。

「何かおかしい」と思ったら早めに対応することをおすすめします。

リスク⑥隠れた費用の可能性がある

不動産の売却には、仲介手数料以外にも多くの関連費用が発生します。

発生する費用

  • 契約書作成費
  • 広告費
  • 登記費用

通常、これらの費用は別途明記され、売主が支払うことが一般的です。

しかし、仲介手数料が無料の業者の場合、これらの費用が高額に設定されるか、業者が負担する部分を売主本人に転嫁している可能性があります。

その結果、初めに提示された費用よりも実際には高額な費用が発生する可能性があります。

また、契約が進行する過程で予期せぬ追加費用が発生場合もあります。

いずれもこれらは契約の段階で開示されていない、「隠れた費用」になります。

リスクを避ける方法は、不動産業者との契約前に全ての費用について明確に確認し、契約書に明記させることです。

リスク⑦透明性の欠如

不動産売却における「透明性」とは、不動産業者の提供するサービス内容や費用構造が明確で、売主が十分理解できる状態を指します。

主に、適切な価格設定、マーケティング戦略、契約手続きなど、不動産売却に関わる各ステップがどのように進行するのか、どのような費用が発生するのかなどを、会社側は売主に明示する必要があります。

しかし、仲介手数料が無料の業者では、その費用構造やサービス内容が不透明になっている可能性があります。

例えば、手数料が無料と謳っていても、後から別途費用が発生したり、提供されるサービスに対する明確な説明がされない状態で売却活動が行われる可能性があります。

このような透明性の欠如は、売主が不利な条件を受け入れるリスクを増大させます。

また場合によっては、売却損を被る可能性もあります。

リスク軽減を方法として、売主は、売却に関する全ての情報を把握し、適切な判断を下せる状態に持っていくことです。

その第一歩として、業者選びを行う際は、提供しているサービスについて詳しく説明してくれるかどうかを見定める必要があります。

仲介手数料無料の不動産会社選びのコツ

所有している不動産を高値で売却するなら、業者仲介の下で売買を行う売却方法が一番ですが、売却金額に応じて仲介手数料を支払う必要があります。

その仲介手数料が無料ともなれば、売り主にとってはかなりの儲けになります。

とはいえ、サービスの質が悪かったり、販売活動に意欲を示さなかったりなどのリスクが伴います。

それでも、仲介手数料無料の会社に依頼したいという方は、これからご紹介する3つのポイントを抑えて業者を探してみましょう。

コツ①物件の掲載数

両手取引を実施している不動産会社の場合、売り主から手数料を徴収し、買い手にかかる手数料を無料にしているところで依頼をするなら、取り扱い物件数をみてみましょう。

不動産会社は売り主と物件売却を行うにあたって、媒介契約を交わしていますので、取り扱い物件はすべて、媒介契約済みのモノのみになります。

もし掲載数が少ない会社の場合、仲介手数料が無料だとしてもほしい物件に出会える確率が低いです。

いい買い物をするためにも、掲載数が多い会社を選ぶのがベストです。

コツ②仲介手数料以外の費用が発生しないこと

仲介手数料無料を掲げていても、別項目で料金を請求してくることがあります。

例えば、物件掲載の為に必要な広告費用や住宅ローンの取次手数料、物件調査費用などです。

いずれも費用請求に問題がない項目になりますが、とりわけ高額な手数料を徴収してくる場合や説明がない物に料金を支払うのは、手数料無料のメリットを感じません。

物件売買にかかる費用は、会社と媒介契約を交わす前に確認し、疑問に思ったところは質問して詳しく説明を求めましょう。

コツ③真摯に対応してくる担当者の在籍

不動産売買では、大きな金額が動くため、売る側も買う側も軽率な行動ができません。

重要な取引を行う場でもあるため、仲介任をお願いするなら信用できる会社や真摯に対応できる余裕を持つ会社にお願いするのがおすすめです。

例えば、質問した時、曖昧な回答や返事するまでの間が長いところはおすすめしません。

仮にすぐに回答できなくても、こちら側が納得できるだけの対応をしてくれる担当者が在籍していると安心して取引が行えます。

仲介手数料無料の不動産会社を探す方法

仲介手数料が無料の会社を選んで売却活動を行った場合、様々なリスクを伴いますが、売主にとっては、売却費用の負担軽減につながるメリットがあります。

ここでは、不動産売却の仲介手数料無料の業者を探し出す方法を紹介します。

インターネットでの検索

インターネット上には、不動産売却を行った方が、自身の体験を共有するための掲示板やフォーラムが多数存在します。

その中には、仲介手数料が無料だった会社で売却活動を行った方の情報がある可能性があります。

その情報を頼りに、後述する方法で会社を探してみましょう。

不動産売却の一括見積りサービス

不動産売却の一括見積りサービスは、複数の不動産業者から見積もりを取ることができるサービスです。

査定額の比較に用いることはもちろんのこと、地元の不動産会社を探すときに役に立ちます。

また一括見積りサービスの中には、売却プランについて情報を開示しているところもあります。

今回のように、仲介手数料が無料の会社で売却を進めたいと考えているなら、提示している売却方法について問い合わせて確認を取ってみましょう。

地元の不動産業者に問い合わせる

地元の不動産業者に直接、問い合わせてみるのも一つの方法です。

仲介手数料が無料かどうかの確認はもちろんのこと、その他のサービス内容や評価などについても聞いてみると売却に関する疑問点の解決に繋がります。

仲介手数料無料の不動産会社を探す際のポイントをおさらい

仲介手数料無料でサービス提供している狙いとは?

不動産売却において、仲介手数料無料を提供する業者の理由は以下のように考えられます

手仲介の場合、売却物件を登録した不動産会社が買主とも契約し、買主から手数料を受け取ることができます。これにより、仲介手数料を無料と謳いながら、実際には買主から手数料を得ることが可能です。

仲介手数料を無料と宣伝しながら、他の費用や広告費用を請求して利益を補填する業者も存在します。顧客は仲介手数料が無料だと思い込むことがありますが、実際には別途費用がかかる場合があります。

特定の条件や期間限定で手数料無料の取引を行い、実績を積み上げた後に仲介手数料を取る戦略をとる業者もあります。これは一時的に顧客を引き込む戦略ですが、トラブルの可能性もある点に注意が必要です。

最後に、総合系の不動産会社が、顧客に複数のサービスを利用してもらうために、他のサービスの利用で仲介手数料が無料になる特典を提供することがあります。将来的な収益を見込んで関係性を築く狙いがあります。

仲介手数料無料の不動産会社はどのように選ぶべき?

不動産を高値で売却し、仲介手数料を無料で得るために、以下の3つのポイントを抑えて仲介手数料無料の不動産会社を選びましょう

両手取引を実施している不動産会社は、媒介契約を結んでいる物件の数が多い傾向があります。掲載物件数が多い会社を選ぶことで、望む物件に出会う確率が高まります。

仲介手数料が無料と謳っていても、広告費用や住宅ローンの取次手数料、物件調査費用など別の費用が発生する場合があります。事前に費用を確認し、不明点があれば質問して説明を受けましょう。

不動産売買は大きな取引であり、信頼性のある会社や真摯に対応できる担当者を選びたいものです。担当者の対応が迅速かつ誠実であるかを確認し、安心して取引を進めることが重要です。

仲介手数料無料のメリット・デメリットを把握しておこう

不動産売却を仲介手数料無料の業者に依頼するのは表面的にはお得ですが、結果的に損するケースもあるので注意しましょう。

ただ、それを承知で無料の業者に依頼する方もいるかと思います。

仲介手数料が無料でも、以下のような項目に影響することはありません。

  • 住宅ローン審査
  • アフターサービス
  • 契約不適合責任

仲介手数料無料のメリット・デメリットの線引きをしっかりおこなった上で、慎重に選ぶようにしましょう。

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