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不動産売却をすると扶養は外れる?売却後の扶養・配偶者控除はどうなるのか

【更新日】2018-07-02
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扶養の申告書類

不動産を売却すると収入を得るためには、扶養についても注意しなければなりません。

扶養家族とは、収入面において援助の必要がある家族をさす言葉で企業で働く会社員の人が加入している健康保険でも一定の条件を満たすことで税金の支払いが軽減されます。

不動産を売却すると保険料はどうなる?

また、扶養に入っていることで、保険料を支払わずに社会保険に加入することができます。

税金や保険のメリットがありますが、不動産を売却することで大きな収入を得るため、扶養を外れてしまう恐れがあるので事前に確認しておいたほうが良いでしょう。

そもそも扶養とは?どうなったら扶養になれるの?

扶養とは、生活能力のない人の面倒を見ることです。

生活能力がない理由は健康面なども含まれますが、主には経済的な理由となっています。

扶養には、以下の2種類があります。

  • 税金上の扶養
  • 健康保険上の扶養

この2つの扶養は全く別制度の別物で、同じ内容でも呼び方が異なることがあります。

例えば、一般的に良く言われる「扶養家族」は税金上の扶養では扶養親族と呼ばれます。

税金上の扶養対象になる条件

経済的な理由で扶養対象となるためには、4つの条件を満たしている必要があります。

  • 年齢が16歳以上
  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族/3親等内の姻族)
  • 生計を一にしていること
  • 被扶養者の給与収入が少額であること

「生計を一(いつ)にする」とは、税制上の独特な表現です。

日常生活の資を共有するということで、親族と同居している場合はもちろんのこと、一人暮らしの場合も定期的に帰省していたり、生活費などの送金を受けていたりする場合は、生計を一にしているとみなされます。

年収103万円以下の人のみ扶養対象となる

最後の「給与年収が少額であること」という項目ですが、こちらは年収103万円以下の場合のみと所得税法に明示されています。

103万円超の年収があっても、特殊な事情で扶養を受けられるといったことはないので注意しましょう。

不動産を売却したら扶養を外れてしまう?

不動産を売却すると少なからず収入を得ることになります。

売却価格や不動産を得た時に、かかった費用に応じて配偶者控除の条件から外れてしまう可能性があるので、事前によく確認しておく必要があります。

確認するうえで重要なのが、譲渡所得があるかどうかです。

譲渡所得を簡単に説明すると、不動産を売った時に得た利益になります。

譲渡所得益が発生した場合は扶養から外れてしまう

不動産を売ることによって得た所得は、譲渡所得の出し方は売却価格から購入価格と仲介手数料等の取得費を引くことで算出することができます。

建物場合は購入価格をそのまま使って計算するのではなく、減価償却をした後の価格を使って計算します。

これらの価格が38万円を超えていた場合、その年だけ税金などの控除を受けることはできません。

しかし、現在の不動産価格は値下げするパターンが多いのであまり気にしなくてもいいですが、念のため譲渡所得を計算するほうが良いでしょう。

譲渡所得の計算方法!どうなると譲渡所得はプラスになる?

譲渡所得とは、簡単に言うと「(売却代金+売却にかかった費用)-(購入代金+購入にかかった費用)」のことです。

建物は築年数の経過によって価値が落ちていくので、譲渡所得がプラスになることは多くありません。

ただ、物件購入後に周辺が開発された場合や、別荘・デザイナーズマンションのように、築年数以外の魅力が多い物件なら、購入時より高く売れる可能性は十分あります。

譲渡所得の計算は、こちらの計算を使っておこないます。

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)

取得費と売却費用を合わせた額が購入価格(譲渡価格)よりも高い場合は譲渡所得がプラスとみなされ、扶養対象から外れてしまいます。

取得費の計算方法は2通り

取得費は不動産を購入(取得)したときにかかった費用ですが、実額法と概算法という2通りの方法を使って計算します。

実額法はオーソドックスな方法で、不動産の購入費+購入にかかった諸費用から、建物の減価償却費を差し引きます。

減価償却費についてはこちらにまとめてあるので、チェックしてください!
不動産の価値が減る?売却時の税金計算では減価償却が重要

もう一つの概算法は、譲渡価格の5%を取得費とする方法で、購入価格がわからなかった場合などに使われます。

購入額がわからなくても建物を売れるのは安心ですが、大抵の場合は実額法で計算したほうがお得です。

扶養を気にしなくてもいい人はどんな人?

多くの専業主婦の人は非課税で生活していますが、配偶者控除や配偶者特別控除の条件に当てはまらない人は、上記のことを気にせず不動産を売却することができます。

配偶者控除を受けるには、夫婦であり生計を1にしていることに加えて、配偶者の年間所得が38万円以下であることや、事業専従者でないことという条件を満たさなければなりません。

また、配偶者特別控除を受けるには、さらに納税者の年収が1000万円以下であり、年間所得が76万円であることが条件になるのでこれらに当てはまらない人は扶養条件から外れているため気にする必要はありません。

不動産を売却して扶養から外れるデメリット

不動産を売却し譲渡所得がプラスになり扶養から外れることはデメリットがあります。

扶養を外れない為には38万円を超えないことが条件になってきます。

若干少ないように感じるかもしれませんが、不動産の売却価格ではなく譲渡所得で計算するため、38万円を超えないことも多くあります。

税金の影響

不動産を売却し利益が出た場合は所得税が発生しているので、これに対して税金を支払う義務があります。

また、扶養から外れるために住民税の支払いもしなくてはいけないというデメリットもあります。

しかし、譲渡所得を計算してみた結果収支がマイナスだった場合は所得税や住民税は発生しないのでお税金を支払う必要はありません。

配偶者控除への影響

譲渡所得がプラスだった場合、納税者のほうにもデメリットがあります。

納税者は、税金を控除している人がいる場合、収入から38万円を控除して所得税を計算します。

そのため、納税者にかかる税金が高くなってしまうため、家庭の収入を見ると少なくなってしまう可能性があります。

しかし、これは一時的なものになるので不動産を売却した次の年からは配偶控除者に戻ることができます。

税金と同じく気になるのが健康保険に関してだと思います、社会保険にお加入する条件にも収入は大きく関係してきますが、健康保険は継続的な収入が対象であり、不動産を売却して得た一時的な収入は対象外になりますので気にする必要はありません。

不動産売却で扶養から外れるかチェック

近年の不動産の価格の傾向として、値上がりするケースはほとんどありません。

しかし、不動産売却で利益が出た場合は扶養から外れてしまう可能性もあるので注意しなければなりません。

現在、配偶者控除や配偶者特別控除の人は控除を受けられないために納税者の収入が大きく減ってしまう可能性があります。

折角、不動産を高値で売却できても、年収が減ってしまっては意味がないですよね。

このことを考えると、事前に確認しておくことがいくつかあります。

取得費を事前に調べる

取得費は購入時かかった仲介手数料などが含まれますが、不動産取得税や印紙税や登録免許税も含めて計算することができます。

取得費が分からないと譲渡所得が高くなってしまい、結果的に扶養から外れなければならない可能性もあるので事前に契約書などが残っていないか確認しておきましょう。

取得費をしっかりと計算に含めて譲渡所得を正確に出すことができ、譲渡所得がマイナスであれば税金や扶養を気にする必要はほとんどないので、なるべく正確な取得費を出せるように用意しておきましょう。

扶養が外れる基準は不動産の売却額ではなく譲渡所得になるのが、扶養が外れるかのポイントになります。

妻名義の不動産売却は配偶者控除から外れる可能性大!

配偶者控除

配偶者控除とは、継続的な収入のある夫を持つ妻が、年収0~38万円の場合に受けられる制度で、所得税を抑える働きがあります。

ただ、パートやアルバイトをしている妻であれば、年収103万円以下が控除の条件となります。

また、夫の年収が1000万円未満であることも条件となっており、それ以上ある場合はどんな理由があっても利用できません。

不動産売却で臨時収入が発生した場合は?

不動産売却によって得られる利益は物件の種類・状態によって異なりますが、ほとんどの場合38万円は超えるでしょう。

お持ちの不動産価格を0秒診断!査定の前にまず売却予想額をチェック

そのため、基本的には不動産売却をしてしまうと控除からは外れてしまいます。

控除を受けているときは社会健康保険(夫が公務員の場合は共済組合保険)に入っていなすが、控除の適用外になった場合、国民保険に加入することになります。

不動産を売却した年は国民健康保険が値上がりする

国民健康保険は、年収によって保険料が変化します。

そのため、大きな額を得ることのできる不動産売却後は、料金が非常に高額になる可能性があります。

具体的にいうと、不動産の中でも特に価値が高いマイホーム(家+土地)を築10年前後で売る場合、代金は4000~5000万円になるというのが相場です。

この場合の健康保険料は最高限度額に定められている75~85万円の請求となることが予測されます。

保険料の値上げは不動産売却の翌年のみ

ただ、保険料は前年の年収をもとに算出されるので、大幅に値上がりするのは1年だけです。

とはいえ、1年だとしても月7~8万円の金額を払わなければならないのは大きな負担です。

特に住み替えを目的としている場合は、引っ越し費用や新居購入費などを代金から支払った上で、その翌年にこの額を負担する必要があります。

場合によっては不動産売却をおこなうほうが損ということもあり得るので注意しましょう。

不動産売却後も配偶者控除を受け続けられるケース

場合によっては、不動産売却によって高額利益が出た後も控除を受け続けることができます。

そのケースとは、購入費に比べて売却費が少なかったときです。

ほとんどの家、マンションは人が住み、築年数が経つにつれて大幅に価値を落とすので購入費のほうが高くなるのですが、本人が購入費を全額負担したとは限りません。

夫婦で分割負担したということもあるでしょうし、購入時はお金を出していないのに成り行きで不動産を持つことになった方もいることでしょう。

実際には、扶養を受けている人が本人名義で売却する場合は、ほとんどが利益と見なされてしまいます。

名義を変更して不動産を売れば扶養から外れずに済む

上記のように損をしてしまう大きな理由は、収入がない、あるいはわずかにも関わらず、本人名義で不動産を売却してしまったということが挙げられます。

そのため、無収入の妻が物件の所有者になっているときは、売却前に夫名義へ変更するのをおすすめします。

収入がある人が物件の所有者名義になっていたほうが、住宅ローンを借り入れるときなどにも便利ですよ。

変更手続きは司法書士に依頼をしておこないますが、費用が10万円ほどかかります。

離婚などで意見の一致が難しい場合

この名義変更は、両者の意見が一致して初めておこなうことができます。

ただ、離婚をした場合などは意思の疎通が難しいこともあります。

こうした場合は弁護士や司法書士の立ち合いのもとで話し合いをするといった対策が必要です。

離婚が理由で家を売却…手続きの流れや財産分与はどうなる?

共有名義である場合も

妻や夫の個人名義だと思っていたら、夫婦の共有名義だったというケースもよくあります。

通常は処理が厄介だといわれるこのケースですが、すんなりと夫の個人名義に変更することができるので、配偶者控除対策をしたいときは寧ろ都合が良いです。

共有名義(持分)の土地・家を売却する方法・流れを分かりやすく解説

被扶養者が不動産売却をしても”扶養対象”に変わりはない

扶養から外れたら、国民健康保険へ加入しなければいけません。

ただ、健康保険は勤務先(配偶者控除を受けている妻は夫の勤務先)によって加入要件が異なるので、不動産売却をしたら必ずしも保険加入の義務が発生するわけではなく、配偶者控除から100%外れるわけでもありません。

そもそも、不動産売却で得た利益は一時的なものであり、収入のベースアップにはなっていません。つまり、扶養になったことで得られるメリットは売却年は受けられないが、扶養対象から外れるわけではないのです。

売却代金が入った年は控除を受けられませんが、扶養対象から外れることはないので安心しましょう。

売却の翌年から配偶者控除をまた受けられる

妻名義で不動産を売却すれば、その年は配偶者控除を受けることはできません。

ただ前述の通り、扶養対象から外れることはないので、その翌年からは配偶者控除を再び受けられます。

また、配偶者控除は年収が少額であることが条件なので、売却代金を貯蓄に回した場合も問題はありません。

勤務先の扶養手当については条件を要チェック

勤務先によっても、独自に扶養手当が定められています。

ただこれは公的なものではないので、会社によって条件が異なります。

不動産を売却した場合の規定もそれぞれ異なるので、売却前に条件をしっかりチェックしておきましょう。

扶養について気にする前にまずは高額売却を目指そう

高額利益

前述の通り、物件が高値で売れると配偶者控除が外れてしまい、高額出費がかかってしまいます。

しかし、だからといって安値で売れれば良いというわけでもありません。

健康保険料は最高額でも85万円なので、物件を4000万円前後で売ることができれば仲介手数料などを支払っても十分負担できる額です。

また、不動産はちょっとした努力とコツを抑えていれば、査定額より高額で売ることができます。例えば、こちらの主婦の方はコツを使うだけで査定額より600万円高く売ることができました。

【マンション売却のコツ】5日で売却に成功!主婦が中古マンションを査定額より600万円高く売るまでの体験談

不動産のような高額資産を売るチャンスは一生に一度あるかどうかですし、あまり知られていない高額売却のコツも多くあります。

こちらの記事を参考にしながら、まずは不動産をより高く売ることを考えていきましょう。

専門家100人から聞いた不動産を高く売る方法!

一括査定サイトを使って高く売る!

一括査定サイトとは、不動産を査定額以上で売った9割以上の方が利用した経験のあるサービスです。

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こちらにより詳しい使い方とおすすめのサイトが載っているので、ぜひ参考にしてください!

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