アパート売却時に譲渡所得税の取得費となる費用を一覧で紹介!
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賃貸アパートを売る際にネックとなる税金の一つが譲渡所得税です。
譲渡所得税は、アパートの売却益が購入費を上回った場合、つまり出口戦略が成功した時にかかる費用です。
【譲渡所得税の計算式】譲渡所得税=税率×{譲渡価額-(取得費+譲渡費用) }
過剰な転売を避けるためにこうした税金を設けているわけですが、非常に高額な出費となるので注意が必要です。
譲渡所得税は取得費(購入にかかった費用)の額が大きいほど減税されます。
そのため、取得費は出来るだけ多く計上したほうがお得です。
今回は、取得費として計上できる費用を一挙紹介していきます。
➝アパート売却時の税金・費用はいくら?計算方法・節税対策を解説アパート売却時には様々な費用を取得費として計上できる!
取得費として計上できる費用は、大きく分けて3通りです。
- アパートの購入代金
- アパートの購入でかかった費用
- アパートの賃貸経営でかかった費用(設備交換など)
具体的な例を挙げると、こちらの費用が取得費に計上できます。
- 設計変更費用
- 増改築リフォーム費用
- 仲介手数料
- 不動産取得税
- 免許登録税や登記手数料
- 契約書の印紙代
- ローン事務手数料
- ローン保証事務手数料
- 固定資産税・都市計画税の精算金
- 抵当権設定の免許登録税や登記手数料
- 建物に付属する設備費
- 建築費や工事にかかった諸費用
- ローン借入日~所有開始までにかかったローン金利
- ローン借入日~所有開始までにかかったローン保証料
- ローン借入日~所有開始までにかかった団体信用生命保険料
かなり多くの費用を取得費に計上できます。迷ったら不動産会社に相談してみましょう!
取得費として計上できない費用一覧
一方、こちらの費用は取得費として計上することができません。紛らわしいので要チェックです。
- 町会費
- 引っ越しにかかった費用
- つなぎローンの金利
- つなぎローンの事務手数料
- 家電・家具・カーテン代など
- 管理準備金・管理費・修繕積立金など
- 火災保険料
- インターネット加入料・CATV利用料
これらの費用は、厳密に言うとアパートそのもののために支払った費用ではありませんよね?そのため、取得費として計上することができないのです。
区別が紛らわしいので注意しましょう。
アパート売却時の取得費は減価償却をして計算する
取得費は上で挙げた費用をただ足せばよいのではなく、総額を減価償却する必要があります。
減価償却とは、取得時からアパートがどれだけ劣化したかを計算し、その分を差し引くことです。
減価償却費は、以下の式で計算します。
減価償却費=物件の取得費×0.9×償却率×経過年数(築年数)
※経過年数が端数になっている場合は6ヶ月未満を切り捨て、6か月以上を切り上げ
ちなみに、償却率は建物の構造によって決まっています。
区分 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 | 金属造(肉厚4㎜超) | 金属造(肉厚3~4㎜) | 金属造(肉厚3㎜以下) | 木造・合成樹脂 | 木造モルタル造 |
---|---|---|---|---|---|---|
法定耐用年数 | 47年 | 34年 | 27年 | 19年 | 22年 | 20年 |
償却率 | 0.015 | 0.02 | 0.025 | 0.036 | 0.031 | 0.034 |
耐用年数が低い木造や軽量鉄骨などは、償却率もその分高くなっています。
アパートの購入価格がわからない時は取得費=売却価格の5%で計算
相続したアパートは購入価格がわからないことも多いです。
当時の契約書や領収書が見当たらない場合は、売却価格の5%を取得費として計上します。これを概算法といいますが、普通、建物は築年数の経過によって下がってくるので、概算法を使うと税金が高くなって損です。
購入価格を証明できるものは、大事に保管しておくようにしましょう。
土地と建物を一緒に買った際は2通りの方法で取得費を算出
昔買ったアパートの領収書に、土地と建物の価格が一緒に記載されていることがあります。
譲渡所得税は建物部分にのみかかるので、建物のみの価格を別途で算出しなければいけません。
土地価格と建物価格の区別がつかない時は、こちらの2通りの方法で取得費を算出します。
- 建物と土地の価額が区分されていない場合→消費税額の記載に注目。建物にしか消費税はかからないので、当時の税率で価額を割り戻す
- 建物と土地の価額区分がなく消費税の表記もない➝構造、面積などを参考に標準建築価格へ当てはめる
譲渡所得税が発生したら確定申告を忘れずに!
譲渡所得税が発生する場合は、引き渡し年の翌2、3月に管轄の税務署で確定申告をおこなう必要があります。
期限内に申告をしないと延滞金がかかってしまうので、なるべく早めに手続きを済ませましょう!
また、不動産の確定申告は記入がややこしく、特に未経験のサラリーマンにとっては大きな関門です。
確定申告のやり方はこちらに詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください!
➝不動産売却時は確定申告が必要!書類の書き方を完全ガイド【決定版】