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不動産テックとは?最新の活用事例と課題を分かりやすく解説【2024年最新】

【更新日】2024-01-09
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近年不動産業界で提唱さえるようになったのが不動産テックという言葉です。

不動産テックを一言でいうと「不動産とITの融合」で、従来の不動産分野の仕組みをIT技術の導入によって変革される流れやサービスの総称となります。

ただ不動産テックと定義される領域は広範にわたり、一言では言い表せない部分も多々あります。

今回は不動産テックとは一体何なのか。どんな影響が予想され、どんな課題が残るのかなどを初心者にも分かりやすく解説していきます。

不動産テックはITの力で課題・習慣を変えようとする価値・仕組み

不動産テックはITの力で業界課題を解決したり、煩雑な商習慣を効率化したりする価値・サービス・仕組みのことです。

ITによって不動産業が変わった例を挙げれば、以前は郵送でやり取りしていたのがメールになったり、書類のデータをファイルで保管していたのがExcelに変わったり…という事例も含まれるでしょう。

不動産テックとは何なのかの定義が難しいところですが、メールやExcel、PowerPointのようなサービスは何も不動産業界の変革を目的として開発されたサービスではありません。

このことを考えると、不動産業界に向けて開発されたサービスを特に不動産テックと呼ぶのが自然でしょう。

不動産テックのサービスは大きく分けて3領域

不動産テックのサービスは、大きく分けてこちらの3種類になります。

  1. 不動産業界の業務効率化を実現するサービス
  2. 一般層に対して価値を提供するサービス
  3. 物件自体に付加価値を与えるサービス

それぞれの領域も更に細かく分かれています。

より詳しい事業領域の内容については後述します。

不動産テックが導入される2つのメリット

不動産テックが導入されるメリットとしては、大きく分けて以下の2つが考えられます。

  • 日本の不動産業界の透明化
  • 不動産関連作業の効率化

厳密に言うとスマートロックや空調自動調節なども不動産テックに含まれますが、それよりも上2つに対する影響が強いと言われています。

①日本の不動産業界の透明化

日本の不動産業界が閉鎖的で不透明という批判は以前から言われていたことでした。

不動産会社は一般向けに公開する内容を制限してもバレることはなく、業界の慣習という言葉を使ってその場を収めてしまうということが多々ありました。

これは情報の公開・非公開の決定権を不動産会社が強く持っていたのが原因ですが、不動産に関する情報が煩雑・膨大で、当事者に任せる他ないというのも理由の一つでした。

ここにIT技術が加わることで、より広い規模への情報公開が可能になる他、来店しなくても自宅でのデータ取得が容易になりました。

不動産売買であれば、売り出し物件の情報公開を制限することで、自社が契約している売主と買主を意図的にマッチングさせる「囲い込み」というグレーな手法がおこなわれていました。

囲い込み・両手仲介とは?不動産売却で注意が必要な大手業者のグレー行為

不動産テックの参入によって一般層でもこうしたグレー行為を監視することが出来るようになり、結果的に業界全体が顧客ファーストへ移行すると考えられます。

②不動産関連作業の効率化

日本の不動産会社が顧客ファーストではない理由はもう一つ、「実務作業が煩雑過ぎて、それどころではない」ということがあります。

書類の保管やデータ抽出、帯替えと言われる広告のラベル変更作業などによってほとんどの時間を取られるので、業務の質が上がらない、少ない時間で出来る作業は限られるため、どの業者も似たようなサービスになるというデメリットがあります。

近年はこうした煩雑な作業を効率化するために各作業にAIや保存データベース、OCR機能などを取り入れられるサービスが増えたことで事務作業の時間が大幅短縮され、顧客への相談などに割ける時間が大幅に増加した業者も多いです。

不動産テックを12の領域別に分かりやすく解説

不動産テックはサービスの特徴ごとに12の領域に分けることができます。

  1. AR・VR
  2. IoT
  3. スペースシェアリング
  4. リフォーム・リノベーション
  5. 不動産情報
  6. 仲介業務支援
  7. 管理業務支援
  8. ローン・保証
  9. クラウドファンディング
  10. 価格の可視化・査定
  11. マッチング
  12. メディア・プラットフォーム

それぞれの領域に当てはまる企業に関しては、一般社団法人不動産テック協会が提供する「不動産テックカオスマップ」によって整理されています。

ここからは、12領域の内容をそれぞれ紹介していきます。

①AR・VR

不動産の内覧サービスやインテリアコーディネートにAR・VRを導入することで、自宅にいながら結果を見ることが出来るというサービスです。

こちらの領域では、以下のようなツールが代表的です。

  • VR内見
  • houseVR
  • スペースリー
  • THETA 360.biz

②IoT

IoT:Internet of Things(モノのインターネット)とは、不動産に設置・内臓できるデバイスのことを指します。

例えば一般的なドアがデバイスを内蔵させることにより、センサーで感知して自動で開閉するといったものです。

住宅周りの様々な箇所にIoTは導入されており、家の鍵や空調設備など多様な事例で機能しています。

③スペースシェアリング

スペースシェアはその名の通り、あるエリアに資源を共有しておくことを指します。

今ではクラウドストレージといって、Web上で資源のデータ保管・共有などをおこなえる不動産テックが増えています。

④リフォーム・リノベーション

リフォーム業者やリノベ業者とWeb上でマッチングを図れるサービスが増加しています。

代表的な「リノベる」などは、Web上で情報取得・マッチングが可能です。

⑤不動産情報

不動産に関連するデータを提供・分析するサービスですが、カオスマップ上ではSUUMOのように物件情報を扱うメディアではなく、トーラスのように不動産登記情報をオンラインで取得できるサービスなど、不動産×ビッグデータの領域を指します。

⑥仲介業務支援

仲介業務の自動化・効率化を図れるサービスが当てはまります。

顧客のリスト化や追客メールの自動送信、見込客の傾向分析ツールなどを指します。

⑦管理業務支援

不動産管理会社のPM業務に向けたサービスで、オーナーとのやり取りの効率化や物件データの集積化などを支援するツールが多くを占めています。

管理会社が顧客へ提供する際に付加価値を付けるため、査定サービスや相場の可視化サービスも併せて提供しているところも少なくありません。

⑧ローン・保証

不動産テックの中でも住宅ローンやローン保証に焦点を当てたサービスがこちらに当てはまります。

「WhatzMoneyローン比較」のような最適なローンのマッチングサービスや、「借り換え試算ツール」などが代表的です。

⑨クラウドファンディング

不動産投資の領域を中心に、クラウドファンディングサービスの拡大がおこなわれています。

お金のかかる大口取引を、クラウドファンディングの利用によってローリスクでおこなおうという取り組みです。

⑩価格の可視化・査定

住宅の市場価格などこれまで一般層の目に触れにくかったものを、ネットで可視化することで分かりやすくチェックできるサービスも拡大しています。

これにより一般の方も不動産売買や投資・賃貸の最適なタイミングを分析できるようになりました。

⑪マッチング

売主と買主、依頼者と業者、物件と購入希望者など、双方の需要をネット上でマッチングできる不動産テックは様々なバリエーションが生まれています。

マッチングサービスを利用することで、来店相談で何時間もかかっていた従来での手続きから、大幅に時間を短縮させることができます。

⑫メディア・プラットフォーム

SUUMOやライフルホームズなど、不動産に関連する様々な情報やサービスが掲載されているポータルメディアが当てはまります。

不動産テックが細分化されたとは言え、依然として多くの人を集客し続けており、新たなサービスとの連携が期待できます。

不動産テックの拡大は業界をどう変える?

不動産テックの開発によって業界全体に得られる第一の利益が実務作業の効率化です。

価格推移を高性能AIで分析するようなツールの開発は資金や時間がかかるのでスタートアップのIT企業では中々おこなえません。

ただ相場の可視化や書類の一括保管といった不動産業でおこなわれる煩雑な作業のうち1つに焦点を当ててWebツールを開発することは決して難しいことではありません。

そもそも、日本の不動産会社の中で独自のサービスを打ち出せている業者は一部の大手企業しかなく、全体の8割(従業員数人の小規模事業所)はいかに毎日の業務をこなすかに全ての時間を割かなければいけません。

逆に言えば、作業時間が50%短縮されるツールをどこかが導入すれば、そのエリアの中小業者の中でそこが圧倒的実績を得られるようになりますから、他の業者も「うちはアナログで行く」などと言っていられず、早めに導入していく必要があります。

多くの業者が不動産テックを導入せざるを得ない状況になることは確かですが、効率化された時間をどう使うかに関してはそれぞれの業者の方針や企画力によることが大きいのではないかと考えられます。

どのIT企業と協調・提携するかで個性が生まれる

正直なところ、今はどの業者へ不動産サービスを依頼しても同じという感想を持つ方がほとんどでしょう。

プロ目線で見れば違いはあるかも知れませんが、はた目から見た時にサービス内容の違いは中々分かりません。

しかし今後は独自の不動産テックを持つ企業と協調することで、「○○というツールを導入している」ということが各社の魅力になっていきます。

それぞれの業者がどう付加価値を付けるか=どのIT企業と協調するかを考えるようになり、競争が生まれることでツールを開発する側の市場も盛り上がり、相乗効果が生まれるのではないでしょうか。

不動産テック導入の目的はどこか・どの項目を評価するのか考えるのが今後の課題

不動産テックの導入には予算がかかるので、経営層としては「それが導入されることで、いくら利益が出るか」という視点で導入を決断しがちです。

ただ、不動産テックはあくまで作業をサポートするもので、実際に売り上げを出したり、課題を解決したりするのは人間です。

不動産テック導入が売り上げと直接結びつかなくても、辛い反復作業がなくなったことでサービス残業が減り、退職率が減ったという結果が出る可能性があります。

現場側が不動産テックをどういった視点・目的で導入するかが重要であり、不動産テックを開発する側も実際に現場を知った上で社員が本当に悩んでいることを解決するツールを作り続けることが重要でしょう。

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