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不動産の親族間売買の注意点とは?親族の範囲や適正価格の相場・みなし贈与にならない売却方法を解説

【更新日】2020-11-05
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不動産の親族間売買

不動産売買を第三者とではなく、親族間でおこなうことも珍しくありません。

この際、2者間で価格等の条件を勝手に決めると、脱税などの違反が起こってしまいかねません。

親族間での売買とはいえ、不動産取引のルールを踏襲した上で手続きしなければいけないので注意しましょう。

不動産の親族間売買は仲介業者を立てる場合・立てない場合がある

不動産の親族間売買は、仲介業者を立てるか、立てないかで大きく変わります。

第三者に対して不動産売却をおこなう場合は仲介業者を立てるのが一般的ですが、親族間売買ではわざわざ仲介業者を立てることなく取引をするケースが多いという実情もあります。

【項目】 仲介業者を立てる 仲介業者を立てない
メリット 契約不成立のリスクや、みなし贈与と見なされる可能性を抑えられる 仲介手数料を支払わなくて良く、お得
デメリット 業者選び・契約に時間がかかる+仲介手数料の支払いが必要 トラブルが発生する可能性が高い

不動産の親族間売買で仲介業者を立てておこなう流れ

  1. 不動産会社への相談・査定依頼
  2. 査定・業者選び
  3. 媒介契約
  4. 売却活動・部屋のクリーニング
  5. 内覧対応
  6. 買付(購入申込書)をもらう
  7. 売買契約
  8. 引き渡し・決済

不動産の親族間売買で仲介業者を立てる場合は、一般的な不動産仲介売買の流れとほぼ変わりません。

ただ、第三者向けの広告作成・販売営業などを親族間売買ではせず、もともと売主・買主が決まっている中で仲介業者を立てるのが通常と大きく異なる点です。

不動産の親族間売買で仲介業者を立てずにおこなう流れ

  1. 売りたい不動産の相場を確認
  2. 図面や資料の準備
  3. 売却価格の決定・広告出稿
  4. 現地確認・問い合わせからの対応
  5. 価格交渉
  6. 契約書など諸書類の作成
  7. 契約・決済
  8. 引き渡し・アフターフォロー

仲介業者を立てずに親族間売買をおこなう場合は、不動産会社を選び、契約手続きをおこなう必要がありません。

ただ、当事者自身で書類の準備や作成をしなければいけないので、人によっては、より面倒と思うかもしれません。

詳しくは後述しますが、専門家を立てないことでトラブルが起こりやすいので注意が必要です。

不動産仲介業者の仕事は売却の代行だけではない

親族間売買は最初から売る相手が決まっているので、仲介業者に販売営業を代行してもらう必要はないと思われる方も多いでしょう。

ただ、実際に仲介業者がおこなうのは売却の代行だけではありません。

不動産売却が成立した時に業者へ仲介手数料が支払われますが、この手数料は以下のようなサービスの代金も兼ねています。

  • 不動産に関する相談
  • 専門的な書類の取得・作成
  • 検査サービスや住宅ローンの斡旋
  • 不動産取引のリーガルチェック
  • 税金・権利関係に関するサポート
  • 引き渡し後の瑕疵に関する相談...

安全かつ法に則った不動産取引へ導くのも仲介業者の仕事であり、彼らと契約することで売買時に起こるトラブルを大幅に抑えることができます。

素人同士が売買をすると、知らぬ間に法律を違反してしまう可能性が常にあります。

これを防ぐために、仲介手数料を取られて損してしまったとしても、仲介業者を立てるのがおすすめです。

親族間売買で最も注意したい「みなし贈与」とは?

不動産売買では、双方の合意があれば価格をいくらに設定しても構いません。

これは親族間売買でも同じですが、身内同士なのであえて価格を低めに設定して、タダ同然で不動産の引き渡しをしようとするケースも多数出てきます。

この時、税務署から「みなし贈与」と見なされ、高額な贈与税を徴収される可能性があります。

税務署からの勧告に応じない場合は脱税となってしまうので、十分注意する必要があります。

親族間売買がみなし贈与と見なされるケース

親族間売買が見なし贈与と見なされるのは、上記の3ケースが代表的です。

  • 安値で不動産を売買した
  • 不動産を売却する代わりに借金を帳消ししてしまう
  • 購入代金と持分割合に差が生じている

前述の通り、みなし贈与かどうかは税務署が調査の上、総合的に判断されます。

中には見逃されているケースも存在しますが、親族間売買は脱税のリスクが高いので、税務署側も力を入れてチェックをしています。

親族間で個人売買を行う場合は、かなり注意をする必要があります。

みなし贈与の具体的事例

ここからは、親族間売買でみなし贈与と見なされる具体的事例を紹介していきます。

例えば、親が所有している時価2,000万円の家を、子供に500万円ほどで売却したとします。

これは、慣例から考えると常識外れの安値と思われます。

このような取引を許してしまうと、国としても相続税を設定している意味がなくなってしまいます。

そのため、本来の時価との価格差1,500万円分を贈与したとみなし、贈与税が課されるのです。

つまり、2,000万円のうち500万円は正当な手続きで取引されたが、残りの1,500万円はタダであげた(贈与した)ということになる訳です。

相続税の税率を計算する方法

では、上記の1,500万円に対していくらの贈与税がかかるのかですが、税率の計算は一般贈与財産と特例贈与財産で異なるので注意が必要です。

区分 贈与の内容 受諾者のステータス
一般贈与財産 兄弟・夫婦・親族間の贈与 未成年者
特例贈与財産 直系尊属からの贈与 贈与された年の1月1日時点で20歳以上の子・孫

一般贈与財産の場合は未成年者が課税者になるので、特例贈与財産の場合よりも税率が低めに設定されています。

一般贈与財産の税率・控除額
課税価格(-110万円) 税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

一方、特例贈与財産の場合は一般贈与財産よりも税率が高くなっていますが、加えて控除額も高めに設定されています。

特例贈与財産の税率・控除額
課税価格(-110万円) 税率 控除額
200万円以下 10% -
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円 30% 90万円
1,500万円 40% 190万円
3,000万円 45% 265万円
4,500万円 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

上記の例だと、みなし贈与が1,500万円なので、一般贈与財産の税率だと、単純計算で45%×(1,500万円-110万円)となります。

みなし贈与にならないための適正価格設定の方法

みなし贈与にならないためには、親族間といっても適正価格で取引をすることが大切です。

適正価格で取引をするためには、現在の不動産相場を確認・設定することが不可欠です。

正確な時価を知る方法としては、以下のやり方が挙げられます。

  • 路線価を確認する
  • 不動産鑑定士に鑑定を依頼する
  • 不動産会社に無料査定を依頼する

どうしても仲介業者等を立てずに売買するのであれば、路線価をチェックして価格設定をするのがおすすめです。

路線価図は税務署を管轄する国税庁が公表しているので、こちらの価格に則っていれば、みなし贈与となる可能性が低いためです。

ただ、路線価図の読み方は初心者には難しい点も多々あるので、以下のガイドをチェックしながらおこなうことをおすすめします。

路線価を使って土地の売買価格を査定しよう!路線価図の見方・計算方法

親族間売買ではしっかり不動産売買契約書を作成して取り交わすのがおすすめ

不動産売買契約の時に契約書は必要ですか?という質問を良く受けますが、結論から言うと口頭でも契約は成立します。

ただ、口頭で契約を取り交わすと、後でトラブルが起きた時にどんな条件で契約したか分からないので、売買契約書を作成し、それを読み合わせて合意をするというのが契約の一般的なスタイルになります。

親族間売買でも、リスク回避の為にしっかり売買契約書を作成して押印するのがおすすめです。

契約書があることで内外に正当性を示せる

売買契約書がなくても、当事者間が納得できていれば大きなトラブルに見舞われない可能性は高いです。

ただ、中には他の親族に「認知症ぎみの親を騙したのではないか?」「他の兄弟へ相続されるのが嫌で売買したのではないか?」というあらぬ誤解を受け、裁判に発展する可能性もあります。

この時に、契約書があることで売主は自分の正当性を確保することができます。

売買契約書の作成のみを請け負う不動産会社も多いので、ここはキチンと手続きしておくことをおすすめします。

親族間売買は住宅ローン審査に通りにくいので要注意

不動産の親族間売買は、買主の住宅ローン審査通過がかなり厳しくなるので注意しましょう。

銀行は申込者の返済能力の他、不動産取引が正当な手続きを経ておこなわれたかどうかも厳しくチェックされます。

たとえ適正価格で取引できたとしても、税務署に睨まれやすい親族間売買は、金融機関も警戒してしまいがちです。

住宅ローン利用を想定せず取引をするか、事前に仲介業者と相談しておくことをおすすめします。

不動産の親族間売買は専門家へ相談しておくのがおすすめ

不動産の親族間売買は、とにかくリスクを徹底的に排除した上で取引する必要があります。

この時、自分でリスクかどうかを判断せず、専門家の力を借りておくことで、成功率はより高くなります。

仲介業者を立てずに売買する予定だとしても、専門家への相談は必ず実施しましょう。

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