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相続時精算課税制度とは?仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説

【更新日】2023-12-08
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相続時精算課税制度
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不動産などの資産を売買以外で人に譲渡する場合、贈与と相続の2種類の方法を選択する必要があります。

どちらも内容的には贈与なのですが、「贈与」は生前におこなわれる贈与で、「相続」は死後におこなわれる贈与を指す場合が多いです。

この中で、生前贈与にかかる贈与税は相続よりも高額な傾向にあり、結構な負担が生じてしまいます。

この負担を抑えるために有効なのが、相続時精算課税制度です。

今回は、相続時精算課税制度の内容とメリット・デメリットについて詳しく紹介していきます。

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相続時精算課税制度の基本情報

相続時精算課税制度とは、生前贈与の際にかかる贈与税を非課税にする代わりに、贈与した人が無くなった場合は、遺産+生前贈与した財産全体に相続税が課税されるという制度です。

例えば、総資産1億5000万円の人が生前に5000万円の財産を子どもへ贈与していた場合、死後にトータルで子どもが支払った費用は以下のようになります。

5000万円×贈与税+1億円×相続税

一方で、相続時精算課税制度を利用した場合は、生前贈与にかかる贈与税が繰り越されるので、子どもの負担は以下の通りになります。

1億5000万円×相続税

相続税率のほうが贈与税率よりも低いので、この場合は相続時精算課税制度を利用したほうが負担を抑えることができます。

60歳以上の人が20歳以上の家族に贈与した際に利用できる

相続時精算課税制度は、60歳以上の人が20歳以上の家族に贈与した際に利用できる制度です。

注意点として、相続時精算課税制度は血のつながりがある家族に適用されるので、自分の配偶者や子ども・孫の配偶者に対して利用することはできません。

そのため、祖父母・親と子ども・孫間の贈与に対して利用する制度だと理解しておきましょう。

制度が適用される上限額は2,500万円まで

相続時精算課税制度は、贈与した財産の金額が2,500万円以下であることが利用条件となります。

高額な資産である不動産などは、相続時精算課税制度の対象外になる可能性もあるので注意しましょう。

この制度の特徴として、贈与額が2,500万円に達するまで何度も利用できるという点が挙げられます。

そのため、2,500万円を1回贈与する場合にもこの制度は適用されますし、250万円の財産を10回贈与する際にも適用されます。

金額条件を超えない範囲なら、回数制限はありません。

相続時精算課税制度はどんな財産にも適用される

相続時精算課税制度は原則、どんな財産にも適用することができます。

例えば、現金+有価証券+不動産の総額が2,500万円なら、すべてひっくるめて相続時精算課税制度を利用することができます。

相続時精算課税制度の手続き方法

相続時精算課税制度を利用する際は、所定の手続きを実施することが大切です。

相続時精算課税制度の手続きは、贈与を受けた翌年の2月15日~3月15日に、税務署で手続きをおこないます。

この時、事前に以下の書類を提出する必要があります。

  • 贈与税申告書
  • 相続時精算課税選択届出書
  • 戸籍謄本
  • 戸籍の附票
  • 住民票

選択届け出書は国税庁HPからダウンロードすることが出来るので、自宅から簡単に取得することができます。

それ以外の書類は、役所から取得をしましょう。

相続時精算課税制度は、所定期間内に手続きが間に合わなければ一切受けられないので注意しましょう。

贈与税には年間110万円の基礎控除が適用されますが、相続時精算課税制度の手続きをしていなければそれ以上の節税は見込めないので注意しましょう。

相続時精算課税制度のメリット

相続時精算課税制度を利用することで、どんなメリットがあるのでしょうか。

一つずつ紹介していきます。

メリット➀110万円以上の財産をお得に贈与できる

非課税で財産を贈与する場合、通常では基礎控除額の110万円までが贈与できる上限額になります。

ただ、相続時精算課税制度を利用すれば、2,500万円までが非課税になります。

高額の財産を贈与したい時におすすめの制度です。

メリット②相続時のトラブルを抑えられる

贈与税や相続税は、家族間トラブルの大きな要因となります。

この場合、相続時精算課税制度を利用すれば贈与した財産もひとまとめに相続税で処理ができるので、円滑に贈与を進められやすいです。

メリット③贈与を上手く利用して節税をすることができる

不動産のように景気状況によって価値が変動する財産は、価値が低下している時に贈与をして、価値が上がった時に売却することで財テク・相続対策になります。

こうした方法はまとまった財産であるほど効果がありますが、その際に相続時精算課税制度を利用すると効果は大きくなります。

メリット④制度利用の可否は柔軟に選択できる

相続時精算課税制度を利用するかどうかは、柔軟に決定することができます。

2人に財産を贈与する場合、片方にしか制度を適用しないこともできるのです。

資産分配の選択肢が広がり、上手く活用すると効果的です。

相続時精算課税制度のデメリット

デメリット➀制度を利用すると暦年贈与ができない

相続時精算課税制度を利用すると、従来の暦年贈与をおこなうことができなくなってしまいます。

相続時精算課税制度は最大2,500万円まで非課税ですが、暦年贈与の年間110万円基礎控除は受けられません。

一度、相続時精算課税制度を利用した場合、その後はこの制度が全て自動継続となるので注意しましょう。

不動産贈与の特例と併用できないケースがある

相続時精算課税制度を利用した場合、小規模宅地等の特例など、固定資産税の負担を軽減する特例が利用できなくなってしまい、税負担が高まる可能性があります。

この場合は無理に贈与をしないほうがお得です。

デメリット③毎年手続きしないと失効する

相続時精算課税制度を利用する場合、他の財産とともに相続税が課されるまでに毎年確定申告をおこなう必要があります。

もし確定申告を忘れてしまったら、制度の適用対象にならないので注意しましょう。

相続時精算課税制度は暦年贈与よりお得とは限らない

相続時精算課税制度は、暦年贈与より常にお得とは限らないので注意が必要です。

  • 相続時精算課税制度:最大2,500万円の贈与税が非課税
  • 暦年贈与:年間110万円まで非課税

相続時精算課税制度のほうがお得なように感じますが、実際は贈与税が非課税になった分の財産に相続税は漏れなくかかります。

一方で、暦年贈与の年間110万円は完全に非課税となるので、場合によっては暦年贈与のほうがお得な可能性もあります。

精度を利用する際は、どちらがお得かしっかり見極めることをおすすめします。

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