田舎に移住して暮らす方は、どんな理由で移り住んできたのでしょうか？

主な理由を紹介します。

仕事のストレスに耐えられない

都会暮らしの場合、感じるストレスの多くは仕事や職場関係に起因するものです。

こうしたストレスに耐えられず、田舎に移住する方が若年層の中では大半を占めています。

都会暮らしに馴染めない

幼少期を田舎で暮らし、就職で都会に移り住んだ人だと都会の生活に馴染めず田舎暮らしに戻りたいと思うことも多いです。

自身の故郷に戻る方も多いですが、移住支援が充実している田舎に移住するケースも多いです。

田舎暮らしに憧れていた

もともと山や海辺での暮らしに憧れており、資金が溜まったタイミングで移住をするケースも多いです。

ただ、自然に囲まれた理想の田舎暮らしを実現するには、都会に暮らす以上の資金が必要なことも少なくありません。

子育てのために移住

子育ては都会より田舎のほうが適していると良く言われます。

特に夫婦のどちらかが田舎出身だと、「子どもに田舎育ちの思い出を作ってあげたい」と考えて移住するケースも多いです。

外で遊びまわることで逞しく成長してもらいたいという思いも子育て世代の移住増につながっています。

仕事し続ける意味を見失った

都市部のサービス業者はどんどん増えていますが、最初のうちは調子が良くても競合他社にすぐ取って代わられるなど、業績が安定しないケースも多いです。

成長スピードの速いベンチャー企業などは新事業がどんどん出来て急に配属転換されるケースも多く、馴染めない方は必要以上にストレスを溜めてしまいます。

会社の成長や技術革新により、やりがいを持って取り組んでいた作業が自動化・AI導入などの対象になる事例もあり、「何のために働くのか」と疑問を持って仕事をやめることも多いです。

昔は都会暮らしに馴染めず、田舎に移住するケースが多くありました。

ただ現在では、都会から移住してくる層は比較的若く、積極的に村の行事にも取り組むケースが多いようです。

田舎暮らしに憧れていても、今の生活を捨てて移住するというのは結構な行動力が無ければできません。

また、一般的に田舎のコミュニティはよそ者を受け入れにくいというイメージがあり、それを分かっていて溶け込んでいける人はコミュニケーション力のある人が多いです。

国・自治体が田舎への移住を支援していることもあり、ポジティブに移住してくる働き盛りの若年層の移住が近年増えています。

田舎暮らしに憧れて移住してきたのに失敗してしまうケースも少なくありません。

失敗した人の主な理由をここからは解説していきます。

シミュレーションより早く資産が減る

田舎でのんびり暮らしたいと思っている方は、基本的に都会で蓄えた資産でゆっくり生活しようという方針です。

田舎のほうが何かにつけて単価が低いので、少しくらい働かなくても余裕と思っていると、将来的に痛い目を見ます。

病気になった時に支払う医療費などは事前に予測するのが難しく、思っているよりも早く資産が減って焦る方は多いです。

孤独や暇を楽しめない

田舎暮らしを満喫している方は、日中は山や川にいって景色を眺めて、それ以外は家にいても満足…という方が多いです。

田舎暮らしは基本的に退屈な毎日の連続です。

そこを受け入れるのは、単身の若年層はかなり難しいです。

田舎で一人暮らしをした結果、孤独に耐えられなくなり都会に戻る方も多くいます。

人付き合いが苦手でも、現地のコミュニティに受け入れられる努力をしなければ長期間暮らし続けるのは困難でしょう。

受け入れられるには体力が必要

地域の祭りに参加するにしても、近隣の方の作業を手伝うにしても、田舎では体力が何かと必要です。

体力がないとコミュニティに受け入れられるのは難しくなるといっても過言ではありません。

40代以降に田舎へ移住した方も「もう少し若いうちに来るべきだった」と言う方は少なくありません。

満足な医療サービスを受けられない

田舎にも病院はありますが、距離が遠かったり、満足のいく治療を受けられなかったりするケースがあります。

長期的に移住するとしたら、医療施設の事前チェックは重要です。

子育て環境が充実しているのは小学生まで

現在は子育てのために田舎へ移住する方は多く、移住の多い自治体も教育環境の整備を積極的におこなっています。

ただ、村内の保育園や小学校を充実させても、中学校・高校は中心部にあるケースがほとんどです。

5㎞近くかけて街中の高校に通学しなければいけないケースも多く、子どもにとっても最適な環境とは言えません。

田舎に移住する方は30代以上が多く、のんびりした田舎暮らしに失敗して戻ってきたとしても2、3年は職歴がなくなってしまいます。

30代以上で中途入社するのはただでさえ難しいと言われている上、田舎暮らしの間に職歴がなければ採用されるハードルはより高くなってしまいます。

田舎暮らしで資金を使い果たした上で戻ってきても仕事がない可能性があるので、注意が必要です。

田舎暮らしで失敗しないためには、移住先を慎重に選ぶことと、移住してからの立ち振る舞いが重要になってきます。

収入と物価のバランスを調査

田舎でのんびり暮らしたいと思っても、仕事をやめて完全にリタイアするケースは少ないです。

ただ、役場などの仕事について働くにしても収入は都会で働いていた時から大きく下がってしまいます。

「田舎は物価が安い」と言われますが、収入と物価のバランスを考えると都会のほうが、貯金が増えていたケースも多いです。

定職につかず移住後にネットビジネスで稼ぐ方針の方も多いですが、この場合はネット環境が十分かチェックしておく必要があります。

ランニングコストを調査

山村に移住するのに合わせて、憧れだったログハウスを建設する方なども多いです。

ログハウスのような凝った形態の家は、初期費用を抑えられたとしても、ランニングコストが高額になりやすいので注意が必要です。

田舎は都会よりも自然災害の被害が大きくなるので、定期的にリフォームをしないと住めなくなる事例が都会より多いです。

リフォームが出来ないなら家を手放さざるを得ませんが、欠陥がそのままの家を売ったところで買い手は見つかりにくく、価格も低くなってしまいます。

かかる費用は初期だけでなく継続的にシミュレーションしておきましょう。

コミュニティを見つける・確保する

家族で移住する場合はまだしも、単身で移住する場合は人との繋がりを確保しておく必要があります。

誰とも会話をしないまま生きていくことに耐えられる人はほとんどいません。

田舎に移住するなら積極的に現地の方に働きかけて、受け入れてもらいましょう。

また、都会暮らしで培った友人関係や人脈も引き続き大切にしましょう。

田舎に移住する方の中には「都会の生活に疲れたから、とにかく田舎でのんびりしたい」という理由の方が多いです。

ただ、田舎でのんびりしたいならそれ相応の準備をしなければいけません。

田舎でゆっくりしたいなら最低限の資金と収入源は確保しておく必要があります。

逆に、仕事はバリバリやりたいけど生活拠点は田舎が良いという方もいます。

その場合は、田舎暮らしを満喫できるエリアに居住できて、そこから遠くないエリアに働ける場所があるかチェックしておく必要があります。

田舎暮らしの魅力は様々ありますが、その全てを享受できる訳ではありません。

田舎暮らしの目的を明確にして、準備をしておくことが失敗しないために大切です。