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いらない田舎の土地を処分する方法!放棄・売却などの方法や処分できない時の対処法を解説

【更新日】2024-02-21
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土地処分
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以前に購入した、あるいは親から相続した土地を持ち続けているという方は多いでしょう。

しかし、相続した土地が遠方にあり特段利用方法もない場合は、特に利用価値はありませんし持っていても税金が余計にかかってしまうだけです。

このような場合は、売却か処分をする必要が出てきます。

基本的には、売却することでその不動産が所有している価値分のお金を得ることができます。

ただし、土地の状態によっては売却をしても高い利益が見込めなく、処分にかかる手間を避けることを優先してしまう場合もあります。

土地を処分する方法は大きく8つあります。

  1. 空き家バンク
  2. 隣家に売却
  3. 土地を寄付
  4. 農業委員会からの斡旋
  5. 開発
  6. 土地の共有
  7. 売却予約権設定
  8. 土地信託

土地の処分に困っている人は、ぜひ参考にしてください。

土地を売りたい時は何が必要?売却の流れと方法・かかる費用や税金・注意点を解説
この記事の監修
志塚洋介

志塚洋介

証券会社で個人・法人の資産コンサルティング業務に携わり、株や為替、投資信託の売買を行う。

その後システム企画・管理部署を経験。不動産会社へ転職し管理不動産の入出金管理を行う。

その後独立し、行政書士として独立開業し、会社設立・創業支援、補助金申請、相続・遺言の手続き代行など民事を中心に、FPとしては証券会社での経験を活かし資産運用や不動産関連を中心にアドバイスやセミナー、執筆活動など幅広く業務を行っている。

また、YouTubeでの投資情報動画も好評。

いらない土地を処分する8つの方法

いらない・不要になった土地を処分する流れについて説明していきます。

いらない土地は所有しているだけで、税金を支払う必要があり、また一度売却に出したにも関わらず売れていない場合は、悪い印象を持たれてしまい再度売り出しをしても、また売れ残ってしまいます。

最初に売りに出したタイミングで売却を成功させるためにも、どのような流れで売却するのかを事前に確認しておきましょう。

それぞれを詳しく見ていきましょう

空き家バンクへ登録しよう

売れ残った土地を処分する方法として「空き家バンク」という制度を利用するのがおすすめです。

空き家バンクは地方自治体が運営しているサービスで、利益の最大化を目指している不動産会社とは異なる仕組みで、要らなくなった土地と買い手をマッチングさせて、取引をさせるという目的のものです。

空き家バンクは登録制となっており、自治体提携の不動産業者と契約することで利用できるようになります。

登録する際に費用が掛かることはなく、誰でも利用することが出来るのでおすすめです。

隣家に売却する

立地が都心の場合は、新居を立てたい人などが購入しれるかもしれませんが、田舎で周辺を民家にかこまれた土地を購入したいと考える人は少ないです。

このような場合は、購入することで最も利益があるのは近隣住民です。

なぜなら、今の物件を手放すことなく隣家へと敷地を拡大することが出来るためです。

まずは、不動産業者と媒介契約を結び、担当者にかけあってもらうという手段がおすすめです。

近隣の人ということもあり、まずは持ち主である本人が話をしてみる方法ももちろん出来ます。

交渉をする際は、近隣住民との関係性の良し悪しが大きく関わってくるので、伸びた草木をそのままにすることなく、良好な関係性を構築できるようにしておきましょう。

土地を寄付する

土地の売り先が見つからない場合は、自治体に土地を寄付してしまうのも一つの手です。

土地を寄付する際は「寄付採納申請」という手続きをおこなって、道路用地として寄付することができます。

個人に引き渡すと「地盤がよわいことが発覚した。工事費用を出してほしい」などのトラブルに発展するケースも珍しくありません。

自治体への寄付であれば、上記の様なリスクがなく安心して土地の所有権を手放すことができます。

ただし、寄付された土地は寄付を受けた自治体が管理する必要があり、費用の負担もする必要があり自治体の立場から見ると旨味があまりありません。

自治体によっては、財政が厳しく寄付受け入れを縮小しているので、相談が必要な場合もあります。

農地委員会から斡旋してもらう

いらない土地が農地用の土地である場合は、農地委員会の斡旋を受ける事ができます。

農地を売却する方法!田んぼや畑を売る手続きの流れ・売買の条件

農地委員会からの斡旋を利用することで、農地を貸借・購入したいという人が現れると委員会の斡旋によって引き取ってもらえるという仕組みです。

農地は国内の食料自給率と深い関りがあるため、所有者だからといって簡単に土地の利用方法を変更する事は出来ず、別の方法で利用する際は許可を得て転用する必要がります。

農地の処分方法は少なく、売り先に伝手が無いと売却すること自体が難しい場合があります。

農地委員会の斡旋と言ったサービスを利用することで、不要な土地を売却しやすくなります。

土地売却の相場はいくら?土地を売るときの価格を決める要素と値段を自分で調べる方法

開発を進めてから処分する

いらない土地を処分するときに行う開発とは、土地そのものに付加価値を与えてから売却や賃貸を行うという意味です。

開発を検討するときは、土地の立地、周辺環境、地域の需要、そして自身の資金繰り等を考慮する必要があります。

例えば、住宅地や商業地に適した土地を処分する場合は、アパートや店舗、オフィスビル等を建設することで収益が見込めます。

ただし開発を行う場合、相応の費用と時間を要します。

加えて、建築許可の申請や建築法規等の遵守、建物の維持管理等についても考慮しなければうえ、市場の動向や経済状況の変化により、予想外のリスクを伴う可能性もあります。

開発を選択するときは、これらの要素を総合的に評価し、必要であれば建築業者や不動産専門家に相談しましょう。

土地を第3者と共有する

不要な土地の処分方法の「共有化」は、地元住人や親族などと処分予定の土地を共有し、土地活用の方法や管理費を分担するというアプローチです。

共有化を行う場合、大きな土地や特別な用途の土地、または維持管理費が重荷となる土地に対して有効的です。

例えば、農地や森林など広大な敷地を持つ人が、その土地を、他の人と共有することで、一人当たりにのしかかる負担の軽減につながるだけじゃなく、個々で自由にその土地を活用することが可能になります。

ただし、共有化を行うにあたって遵守しなければならない注意点があります。

それは、共有者間での合意形成や管理責任の明確化、利用ルールの設定など、適切な契約や合意が必要ということです。

また、共有者間のトラブルを避けるためには、適切なコミュニケーションと相互理解が必須です。

共有化を進める際には、個人の判断で進めるのではなく、法律家や不動産会社など、その道のプロに相談してから、必要な契約書や合意書の準備を進めましょう。

売却予約権設定

売却予約権設定とは、土地の処分方法の1つにして、特定の人物や団体に対して将来的に土地を売却する権利を保証するものです。

具体的には、売却予約権を設定することで、事前に指定した購入者(受益者)が、将来、一定の条件下で土地を購入する権利を得るというものです。

つまるところ、今すぐに売却をする必要はないが、将来的に検討段階にある土地を指定した購入者に売却するということです。

ただし、売却予約権の設定には、法的な手続きが必要であり、売主と受益者間での明確な契約が必要です。

加えて、売却予約権が設定されている土地は、その権利が消滅するまで他の買い手に売却できません。

つまり、特定の購入者との間で将来的な売却を約束するためのものであり、そのための法的枠組みを提供します。

土地信託

土地信託とは、その管理や利用を専門的な信託銀行等に委託する手法であり、土地を処分する方法の1つでもあります。

土地信託を設定すると、信託銀行が信託財産として土地を管理し、設定者の指定した目的に基づいて土地を有効的に活用してくれます。

また、信託銀行の多くは、プロフェッショナルな視点から土地の管理や活用方法を提案し、設定者や受益者の負担を軽減してくれます。

加えて、信託契約に基づいて、土地の賃貸、売却、再開発などが行われ、発生した収益は受益者に還元されます。

ただし、土地信託を設定する際には信託報酬が発生しますので、その費用対効果をしっかりと検討する必要があります。

田舎のいらない土地は相続を放棄すべき?

いらない土地は、その名のとおり「いらない」土地のため、購入希望者よりも売りに出す人が多いです。

ただ、土地の価値は立地や面積・形状によって値段に大きな差があります。

地方の土地を高額で売るのは難しいですが、都心の一等地のような誰もが欲しがる土地では、簡単に売却することが出来ます。

土地の利用価値がなく、今後も利用する予定がないと断言出来れば、相続放棄してしまうのも一つの手です。

ただ注意点として、相続放棄は遺産のすべてが放棄の対象となってしまうため不要な土地だけ相続放棄するといったことは出来ません。

相続を放棄する際は、その他の資産も確認して総合的に見た上で損得勘定をすることが大切です。

相続した土地を売却すると税金はいくらかかる?節税のポイントと高額売却するためのコツを紹介

土地を相続した際に確認・実施すること

一度土地を相続してしまうと、簡単に手放すことが出来ません。

相続前は何か使い道があったと思っている物でも、実際に相続をすると良い利用方法がなかったということはよくあります。

不要な土地を相続してしまった際に確認する事について詳しく見ていきましょう。

遺言書の確認

土地を相続する際は、遺言書を確認しましょう。

遺言書には、生前に被相続人への遺産分割の方法などが詳しく書かれているケースが少なくありません。

遺言書が残っており、かつ土地に関する内容がしっかり書かれている場合は、原則的に遺言の内容に従って遺産を分割しなければなりません。

ただし、遺言書にかかれている内容は、基本的に遺産をどう分割するかの内訳だけです。

「この土地は処分せず、子孫代々継承せよ」と言った内容の場合、被相続人のメリットに鑑みて、内容は適用されないケースもあります。

遺言書の法的拘束力

故人がその意志を残したとしても、そこに法的拘束力が一切ないケースもあります。

例えば、生前の感謝をつづったエンディングノートに遺産の分け方などが書かれていたとしても、一切の法的拘束力はありません。

対して、これまで遺言書は手書き以外不可でしたが、2019年1月13日からは一部PCによって作成された遺言書も法的拘束力があるケースも出てきました。

法的拘束力があるかどうかは家庭裁判所の検認を申請し、そこで認められる必要があります。

遺産分割が売却一択かどうか

遺産を分割する方法は、大きく分けて現物分割と換価分割の2種類があります。

現物分割とは、遺産を物理的に分けたり、所有権を分割して共同名義にしたりする方法です。

一方、換価分割は遺産を換金し、割合に応じてお金を分ける方法です。

土地を売却処分する場合は、換価分割が目的となります。

いらない土地なら早めに売却することで、固定資産税などのコストを抑えることができますが、売却すると土地は戻ってこないので、相続人の中から反対意見が出る可能性があります。

共有名義になっている人、全員の意見が売却で一致しないと売ることはできないので、冷静な話合いの場を設ける必要があります。

名義変更にかかる費用

名義変更をする際は、登録免許税という費用が発生します。

登録免許税は、以下の式で計算することができます。

●登録免許税=固定資産税評価額×税率

固定資産税評価額は、固定資産税納税通知書という書類に記載されています。

この通知書は、固定資産(不動産)を持っている人なら年1回は届く書類です。

ここには、価格(評価額)と課税標準額の2種類の金額が記載されています。登録免許税の計算には評価額を利用するので注意しましょう。

税率に関しては、相続を原因とした所有権移転登記だと0.4%で計算するのが一般的です。

名義変更に必要な書類

名義変更に必要な書類は、基本的に以下の6つです。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 相続人全員の委任状
  • 固定資産税評価証明書

ただ、これは法定相続のルールに従った場合のみです。

遺産分割協議をおこなった上で土地を相続した場合は。遺産分割協議書や相続関係説明図なども必要になります。

遺言の内容によって土地を相続した場合は、遺言書の提出が必要です。

遺品整理

土地だけでなく、建築物がある場合は遺品が整理できていないケースがよくあります。

遺品は、そのままでは売却しづらく、遺品の整理が必要になります。

粗大ごみが放置されているケースも多いですが、この場合は正直にごみ回収サービスへ申し込むより、遺品整理サービスに申し込む方が割安で済みます。

土地の確認

土地を売る場合は、土地の境界を明示する必要があります。

土地は、1㎡あたりいくらという評価の方法をするので、土地の境界があいまいだとその土地の資産価値も曖昧になってしまいます。

まずは、その土地を管理している市役所に確認をして、境界が確定しているかどうかを確認しましょう。

不要な土地で放置している期間が長期間に及んでいる場合は、草木や樹木が境界からはみ出してしまい、測量がスムーズに行えない場合もあります。

良好な近所付き合いをたもち、測量時には協力を仰げるようにしておくことが大切です。

土地を売りたい時は何が必要?売却の流れと方法・かかる費用や税金・注意点を解説

処分制限時間

国庫補助事業で取得した土地などの財産を処分する時には、処分制限時間について知っておく必要があります。

例えば、ある土地を工事して補助金が下りて公共のために利用することが決定したにも関わらず、早急にその土地を処分してしまった場合は、自治体の補助金が無駄になってしまいます。

ちなみに、具体的な制限時間は各自治体によって異なるので、必ず確認をする必要があります。

土地の査定方法は?査定の流れと査定額の決まり方・評価される8つのポイント

共有の土地を処分する際の注意点

分割相続した場合や夫婦・親子間で一つの土地を共有している場合は、利権関係が複雑になっているので通常よりも処分が厳しくなります。

共有のまま処分をする際に抑えておきたいポイントを詳しく紹介していきます。

手元に入る金額を確認しておく

不要な土地を仲介売却する場合、まずは不動産会社に査定額を算出してもらう必要があります。

例えば、査定額が2,000万円だったとして「2人で1,000万円ずつ分けられる」と共有名義人に言って説得するのは危険です。

なぜなら、この金額には売却にかかる費用面が計算に含まれていないためです。

売却する土地・不動産によってかかる税金。費用は大きく異なり、最大で売却価格の1割前後が費用で持ってかれてしまいます。

2,000万円で売却した場合は、200万円が支出し残った1,800万円を2人で分割した結果900万円しか手元に残りません。

不動産売却で税金がかかるというのは、詳しい方からしたら常識ですが、人生のなかで不動産の売買を何度もする人はあまりいません。

このようなお金のトラブルが原因で家族関係に亀裂が走るケースは非常に多く、一度失敗すると二度と関係を修復できないケースもあります。

「自分のことなんだからそれくらい調べておけ」とおもうでしょうが、トラブルが起きたら売主の責任になるので、率先して知識を吸収し家族に共有するようにしましょう。

担当者は1人にする

共有名義人が複数いたとして、それぞれが不動産会社や買主との窓口になっていると、状況がややこしくなってしまいます。

それぞれが違う認識を持っていれば、情報が錯綜しておかしなことになっていきます。

特に、内覧や売買交渉で購入希望者と接する際は注意が必要です。

こちら(売主)はいらない土地を処分したいと思っている訳で、そんな土地をわざわざ高額を支払って買ってくれる買主がどうしても力関係としては優位になります。

裏事情を話すと、不動産会社は購入希望者に対して必要以上に不利な情報を流さないようにかなり気を付けています。

このことは、最も不動産会社と蜜に連携している名義人も知っているでしょう。

そんな中、名義人の中で不動産会社と関係の遠い方が、方針と反したことをやってしまうと大きなデメリットです。

それぞれの不動産会社は、「土地をどう売却処分するか」というプランを持っています。

名義人の中で一人窓口を立てて、一番このプランに沿って動けることが重要です。

それか、複数の名義人全員が不動産会社の持つ方針を理解しておくことが大切です。

事前に相場を伝えておく

土地の売却価格は、査定をした価格と必ずしもイコールではありません。

そもそも、査定価格自体が土地の状態やその当時の金融状況などで変化します。

また、売れ残った時に値下げをして成約率を高めようとするケースもありますが、購入希望者から値下げを要求されることもあります。

買主の値下げ交渉にのってしまえば、キリがなくどんどん価格は下がっていってしまいます。

「土地を売れば1000万円の分け前がある」といって共有名義人を説得しても、実際にもらえる額はもっと少なくてトラブルになるケースも多いのです。

まずは、「査定額はそのまま売れる金額ではなく、売っていく中で値下げする可能性も多い」ということをしっかり共有名義人に認識させましょう。

その上で、「今査定額で3000万円と出ているけど、これがあと100万円値下げするのであれば、自分がもらって新居を建てたい」と言ってくる人も出てくることでしょう。

つまり、万が一値下げをすると、他の人の事情は変わっていってしまうのです。

それでも価格交渉は窓口の人が率先しておこなうので、他の人にとって不利な状況になっても気付かない可能性が出てきます。

また、利益を得るために土地を売るので、利益が下がってしまえばそもそも売却をすべきだったのか疑わざるを得なくなります。

こうした状況を防ぐため、窓口になる人が事前に売却の最低条件を確かめておく必要があります。

土地の処分が難しい3つの理由

いらない土地は処分がおすすめですが、そう簡単に処分できる訳ではありません。

特に田舎の土地や、田畑などの農地は処分がしにくくなっています。

土地が処分しにくい要因はどこにあるのでしょうか?

田舎の土地は価値が低い

地方から都市部への人口流入は進み続けており、田舎の土地の需要は年々減っています。

田舎の平均年齢はどんどん上がっているため、例えば隣の農地を購入して開墾する力も残っていない農家が増えています。

田舎の土地を処分したくても需要がどんどん縮小しているのです。

土地を受け入れる余裕がない

以前は地方自治体が不要な土地を受け入れていましたが、地方財政は年々悪化しており、受け入れる余裕がなくなってきています。

地方の過疎化は今後さらに進展し、処分を受け入れてもらうハードルはどんどん上がっていくと考えられます。

立地によって土地に制限がかかっている

土地は個人が所有することができますが、建物と違って最終的には国・自治体のものです。

土地をどうするかは政策にも関わるので、立地によっては勝手に処分・活用をすることはできません。

特に農地は基本的に農家以外に売ることはできません。転用して売ることもできますが、食料自給率に関わるので厳しい条件があります。

都市部の土地も、場所によって種類を分け、用途を制限しています。これは都市計画の一環で、オフィス街が広がりすぎて居住区域がなくなるのを避けるためです。

都市計画区域の種類 内容
市街化区域

都市開発や施設の新築を優先的におこなう地域。

すでに市街地となっている区域の他に10年以内に計画的に市街化を進める地域も含まれる

市街化調整区域

市街化を抑制する目的で指定された地域。

サービス業以外の目的の土地利用が優先される。

非線引都市計画区域

市街化・市街化調整区域ではないが、都市計画区域に含まれるエリア

その他にも、京都のような伝統的な都市や軽井沢などの別荘地は、景観を守るために独自の制限を加えています。

こうした都市独自のルールも事前にチェックしておきましょう。

売却以外の活用方法

いらない土地を手放すのが必ずしも良いわけではありません。

土地はこちらの11ほどの方法で有効活用することもできます。

初期投資・費用 回収の速さ転用 リスク上手くいった場合の利益
①マンションの経営 超高額(土地活用の中で最も初期投資がかかる) 速い(入居者がいれば毎月一定の賃料収入) 超高額
②アパートの経営 高額 速い(入居者がいれば毎月一定の賃料収入) 高額
③戸建ての賃貸経営 高額(相続物件を活用するならリフォーム代のみで済む) 契約内容によって異なる マンション、アパートに比べると1、2世帯に貸し出すのが限度なので低額
④賃貸併用住宅 超高額(相続物件を活用するなら抑えることは可能) 契約内容によって異なる 1、2世帯に貸し出すのが限度なので低額
⑤サービス付きの高齢者施設運営 超高額(相続物件を活用してもリフォーム代+機材導入費) 契約内容によって異なる 1、2世帯に貸し出すのが限度なので低額
⑥事業用賃貸の経営 高額(相続物件を活用するならリフォーム代のみで済む) 短期(相手が法人だと長期契約になりやすく、期限も順守されやすい) 〇(個人に貸し出すより高額利益になりやすい)
⑦店舗併用住宅の賃貸経営 高額(店舗にリフォームする費用がかかる) 速い(入居者がいれば毎月一定の賃料収入) 超高額(店舗としての使用料と住居の賃料を得ることができる)
⑧駐車場経営 かなり速い(契約時にお金をもらえる) 契約内容によって異なる 高い(途中で物件を建てる、売却するのが容易 特になし 低い(利回りは良いが契約1件あたりの単価が低い)
⑨トランクルーム経営 高額(ただし小規模のものであれば100万円以下から開始できる) 速い(利用者がいれば毎月一定の賃料収入) 低い 低い(ただし、アクセスの良い場所であれば高額利益を見込める) 立地・規模に大きく左右される
⑩太陽光パネルの設置 一般的に高額(小規模なものなら手頃な価格ではじめられる) 契約内容によって異なる 高い(パネルを撤去すればすぐ転用できる) 特になし(立地に関わらず一定額の収入 高くもなく、低くもない
⑪貸地 安い(0円から可能) 遅い 相手に利用法を一任するので、あまり転用性は高くない △(相手の使い方を管理できないのは危険) 契約内容によって異なる

どれも一長一短ではありますが、収益を挙げれば、維持コスト・税金をそこからまかなえるようになります。

売れない土地を持て余すくらいなら、初期投資はかかりますがチャレンジの余地はあるでしょう。

土地活用の方法を厳選25種類紹介!収益性・初期費用やデメリットを徹底比較

立地の悪い土地におすすめな太陽光発電

貸地などは、収益が立地の良さに大きく影響します。

正直、貸地で利益が出るほど立地が良ければ、とっくに売れてると考えて良いでしょう。

売れ残ったアクセスの悪い土地におすすめなのが、太陽光パネルの設置です。

太陽光発電は駅からのアクセスが悪くても、日当たりが良ければ売電収益がでます。

パネルを外せば他の用途にもすぐ使えるのでおすすめですよ!

太陽光発電のメリットとデメリットは?田舎の土地で安定収入を得る方法とリスクを解説

面積が狭くても土地活用は可能

面積が小さすぎる土地を買ってくれる人は少ないですが、活用して収益を上げる方法はいくつかあります。

代表的なのがこちらの5つです。

  • 自動販売機の設置
  • コインロッカーの設置
  • 広告の掲載
  • モデルルームを建ててもらう
  • 太陽光発電

こうした方法は、50坪以下の小さな土地でも実施できるのでおすすめですよ。

狭い土地におすすめの土地活用16選!狭小地でも収益化できる活用方法

新制度「相続土地国庫帰属制度」の概要

「土地を相続したが活用計画がない」や「管理コストが大きい」などの理由から、土地を手放したいという考えを持つ方が増えつつあります。

そのニーズに応えるべく新設されたのが、相続土地国庫帰属制度という制度です。

この制度は、令和5年4月27日から施行されたもので、先ほど紹介した考えに対して、一定の管理費用を負担してもらう代わりに土地の所有権を国庫に帰属することを認めるという制度です。

ここからは、対象となる利用者と制度利用時にかかる費用、手続きの流れについて紹介します。

対象となる利用者

相続土地国庫帰属制度が利用できるのは、制度対象の土地を相続した人、もしくは遺贈された相続人です。

相続もしくは遺贈によって取得した土地であることが絶対条件となっており、いらない土地を持っているからといって誰もが利用できるというわけではありません。

なお、相続もしくは遺贈によって取得した土地の共有者も等制度が利用できます。

ただし、利用するには、相続もしくは遺贈された土地の所有権を持つ共有者全員が共同で制度の利用申請を提出する必要があります。

また本制度が施行される以前(数十年前)に、相続または遺贈した土地であっても制度が使用できます。

制度利用時にかかる費用

相続土地国庫帰属制度を利用するには、国が定めた審査基準を通過しなければなりません。

審査は基本有料での申し込みになります。

費用は土地一筆当たり14,000円となります。

費用の支払いは、審査手数料額に相当する額の収入印紙を申請書に貼って提出することで支払い完了となります。

ただし、手数料の納付後、諸事情で審査を取り下げたり、審査結果が不承認になった場合でも手数料の返還はできません。

また以下は、相続土地国庫帰属制度を利用しても引き取りが却下される土地の概要です。

引き取りが却下される土地の概要

  • 土地の上に建物がある
  • 土地に担保権や使用収益権が設定されている
  • 第三者による利用が決まっている
  • 土壌汚染が確認された土地
  • 土地境界線が不透明

以下は、相続土地国庫帰属制度を利用しても不承認になる土地の概要です。

不承認になる土地の概要

  • 一定の勾配・高さの崖があり、管理に過分な費用・労力がかかる土地
  • 土地の管理・処分を阻害する有体物がある土地
  • 土地の管理・処分のために除去すべき埋没物がある土地
  • 隣接する土地の所有者等との争訟を解決しなければ管理・処分ができない土地
  • 通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地

「相続土地国庫帰属制度」の申請の流れ

相続土地国庫帰属制度は、以下のフローを経て承認及び国庫への帰属となります。

「相続土地国庫帰属制度」の審査フロー

  1. 国庫帰属への承認申請
  2. 法務局による書面調査
  3. 法務局による実地調査
  4. 法務大臣・管轄法務局局長による承認
  5. 負担金の納付(通知書受け取りから30日以内)
  6. 国庫への帰属

書類申請は、主に最寄りの法務局の窓口にて書類を提出するか、書類は法務局あてに郵送するかのいずれかで、申請が行えます。

以下は、書類提出時に必要になる書類です。

相続土地国庫帰属制度申請時に必要な書類

  • 承認申請に係る土地の位置及び範囲を明らかにする図面
  • 承認申請に係る土地と当該土地に隣接する土地との境界点を明らかにする写真
  • 承認申請に係る土地の形状を明らかにする写真
  • 申請者の印鑑証明書
  • 相続人が遺贈を受けたことを証する書面(※遺贈による土地を帰属する場合)
  • 土地の所有権登記名義人から相続もしくは継承されたことを証明する書類(※承認申請者と所有権登記名義人が異なる場合)
  • 固定資産評価証明書(※任意添付)
  • 承認申請土地の境界等に関する資料(※任意添付)

また、申請そのものが却下もしくは不承認になる箇所は、主に「法務局による書面調査」と「法務局による実地調査」の2ヵ所です。

この2カ所を突破できれば、通知書が自宅に通達されるので、通知書内に記載された負担金を30日以内に納付します。

いらない土地を処分する際の良くある質問

ここでは、いらない土地を処分する前に知っておきたいことや解決しておきたい疑問を質問形式で解説して行きます。

土地売却を行うときにかかる費用は?

土地を売却する際には、複数の費用が発生します。

まず、不動産業者による仲介手数料が必要です。

これは通常、売却価格の3%+6万円(消費税別)と定められています。

次に、売却によって得た利益に対して、所得税と住民税の売却益税が課税されます。

詳細な税率は状況により異なりますが、通常は15%(所得税)+5%(住民税)の合計20%となります。

また、売却時には登記手続きも必要で、このための司法書士報酬や登記費用も必要です。

これらは売却価格や登記内容により変動します。

土地売却は何が必要?売る流れと方法・かかる費用や税金について解説

売却しにくい狭小地を高く・早めに売却するには?

狭小地を高く、または早く売却するためには、様々な戦略が考えられます。

まず、土地を売却するためのマーケティングを強化することが重要です。

これには、売却先となりうる目標層を特定し、その層が求める可能性がある利用方法を提案するなどがあります。

また、不動産業者を活用する際には、その土地に詳しい、または特殊な物件を扱うことに慣れた業者を選ぶことが効果的です。

最後に、土地の価値を高めるためには、区画整理や土地の開発を行うことも有効な手段となります。

土地の一部分だけを売却することはできる?

土地の一部分だけを売却することは可能ですが、その手続きは複雑です。

これは、土地の分筆登記と呼ばれる手続きが必要になるためです。

分筆登記は、一つの土地を二つ以上に分割する登記のことを指します。

これにより、一部の土地の所有権を移転することができます。

しかし、分筆登記には費用がかかりますし、また地方自治体の条例によっては、一定の面積未満の分割が許可されない場合もあります。

土地の所有権を放棄もしくは国に返還することは可能?

土地の所有権を放棄することは一般的にはできません。

法律上、所有権を放棄するには、所有権を移転する相手が必要です。

また、国に土地を返還(寄付)するのは可能ですが、これを実行するには国や地方公共団体がその土地を受け取る意思があるかを確認しなければなりません。

一部の国や地方公共団体は、公益性の高い目的のために土地を受け取る制度を設けていることもありますが、具体的な手続きや条件はそれぞれ異なります。

いらない土地を有効活用して成功させるには?

いらない土地を有効活用する方法はいくつかあります。

一つは、賃貸物件として利用することです。

駐車場や倉庫、マンションなど、土地の大きさや立地によって適切な投資を行うことで、安定した収入を得ることが可能です。

また、ソーラーパネルなどの再生可能エネルギー設備を設置し、電力を売るという手もあります。

さらに、アグリビジネスや観光ビジネスに活用することも考えられます。

ただし、これらの活用方法は初期投資や維持管理費、リスクなどを慎重に考慮する必要があります。

土地活用の相談先はどこ?おすすめの相談窓口と注意点を解説

土地の最適な処分方法は状況によって異なる

土地を手放す場合におすすめの方法は、もちろん寄付より売却です。

しかし、半年以上の期間がかかることが見込まれるので、税金などのコストがかかってしまいます。

また、相続で得た土地であれば、複雑な権利関係に悩み、いち早く手放したいと考える方も多いでしょう。

基本的には売るという方向で間違っていませんが、想定される利益によっては寄付するといった柔軟な対応も重要です。

※土地査定・売却のコツ・流れはこちらで徹底解説しています!

土地の査定方法は>査定の流れと査定額の決まり方・評価される8つのポイント

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