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2020年(令和2年)度税制改正のポイントと解説!不動産売却はどう変わる?2020年度税制改正大綱をチェック

【更新日】2020-10-13
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2020年(令和2年)度税制改正で不動産売却はどう変わる?

皆さんは、2020年度の税制改正大綱の内容が発表されましたが、ご存知でしょうか。

ここでは、今回の税制改正の内容と不動産投資にどのような影響を及ぼすのか、またその対応策について解説いたします。

2020年度税制改正大綱の不動産取引に関連する内容を調査

今回の税制改正では更なる経済成長のため、個人投資家や企業に投資等を促す改正項目が多く、不動産の売買に関して直接大きな影響を及ぼすものは改正項目にありませんでした。

しかし、不動産投資での節税方法の見直しや所有者不明の土地の利用に関する改正など、不動産に関連する項目はいくつかありますので紹介していきます。

節税に対する項目

2020年税制改正のなかで、不動産関連の項目はいきすぎた節税に関する項目が目立ちます。

住宅ローン控除の縮小

住宅ローン控除は、自分が住むための物件をローンを組んで購入し、6ヶ月以内に居住した場合、返済期間10年以上の住宅ローンがあるなどの要件を満たす場合、居住から10年間は住宅ローンの残高に応じて、所得税を一定額控除できる制度です。

しかし居住用の物件を買い替えた場合、買い替える前の物件への特別控除と新規取得物件に対する、住宅ローン控除の両方とも認めないとされている。

同規定により、両方の控除を併用することはできませんでしたが、3年目には併用が可能だったので、控除の併用を狙って、物件を買い替えるケースがありましたが、今回の制度により適用できなくなりました。

海外不動産の取得における損益通算の特例

今回の税制改正で、海外の不動産により不動産所得を得る場合、不動産所得による損失が生じた際は、その物件の減価償却費相当の金額分は、損失が生じなかったものとしてみなされるようになります。

今までは、海外の中古不動産の家賃収入などの不動産所得を上回る減価償却費を生じさせることで、日本での所得を減少させ、大幅な節税を行っていましたが、今回の税制改定で海外の中古不動産への投資による、いきすぎた節税ができなくなりました。

国外財産調書制度見直し

現在の税制で制定されている報告義務にさらに不動産取引によって生じた情報の保管が求められることとなりました。

具体的には、海外預金口座の入出金や国内外の不動産取引の履歴、賃貸借の情報を保管することとなりました。

保管自体は義務ではありませんが、情報の提出を求められた際に、提示することができなければ、国内外の資産の過小申告により生じる加算税の軽減されないことや、従来の過少申告加算税より重い10%の税金が割増しで請求されることとなります。

海外の中古不動産を購入することで節税をしていた方は、今まで通りの申告を行うと、過少申告とみなされ従来よりも重い税金を負担することとなるので注意が必要です。

居住用賃貸物件の所得に係る消費税仕入れ税額控除

今までは、消費税を納める際に、居住用賃貸物件の取得にかかった税額から仕入れ額分を控除する制度がありましたが、家賃収入は非課税のため、居住用賃貸とは違う別の事業での課税売上と家賃収入で総売り上げ高を増やすことで、課税対象売上高の売上高を高めることで消費税の還付を受けていました。

しかし今後は居住用賃貸物件の取得にかかった税額の控除に関する制度が厳格となり、消費税の還付が受けられなくなります。

未利用土地の活用や対応について

ここまでは不動産投資による節税に関係する項目を紹介しました。

ここからは節税以外で不動産に関連する項目をご紹介します。

低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除の創設

今回の税制改正では、個人の投資家が、低未利用土地等をほかの誰かに譲渡した場合において、一定の要件を満たす場合には、その譲渡の損益から100万円を控除することができるようになります。

一定の要件とは、その上にある物件を含めた譲渡対価が500万円以下であること、市区町村の責任者が確認し、物件の所有期間が譲渡する年の1月1日において5年間を越えるものであること、該当の低未利用土地が都市計画区域内に存在することが特別控除の適用される要件となります。

低未利用土地等とは、居住目的や事業目的のように使われていなかったり、近隣地域で同一用途の土地に比べて利用用途が限られていたり、そもそもあまり利用用途があまりないような土地とされています。

今後は、低未利用土地等の市区町村への確認申請方法を含め、具体的な取り扱い方法が出てきますので、再度確認が必要です。

所有者不明土地等に係る課税上の課題への対応

今回の税制改正で登記簿等に不動産の所有者として登記等されている個人が死亡している場合、市町村の責任者は土地または家屋を所有している者に住所や固定資産税等の聴衆に必要な情報の申告を命じることができるようになります。

この改正では固定資産税における、その他不動産取引に必要な申告制度と同等の罰則を設けられているので注意が必要です。

また、市町村等が一定の調査をしたうえで、誰一人として不動産の所有者であることが判明しない場合、その不動産の使用者を所有者とみなし、固定資産課税台帳に登録し、固定資産税を課することができるようになります。

上述の改正は、2021年度以降の固定資産税への適用されますが、該当する方は知らぬ間に、不要な不動産の所有者となり、固定資産税の支払いをさせられることのないように注意しましょう。

不動産の譲渡取得時に発生する配偶者居住権について

相続時、亡くなった方の配偶者に該当の不動産の所有権がなくても、居住を認める配偶者居住権に関して、解説します。

配偶者居住権自体は税制改正とは直接の関係はありませんが、相続税に密接に関与してくるので内容を正しく理解しておきましょう。

配偶者居住権とは何か

配偶者居住権とは自宅の所有者が死亡したときに、引き続き所有者の配偶者が自宅に居住することのできる権利です。

この権利では原則、配偶者が自宅の所有権を相続しなくても居住することができます。

しかし今までの相続法では、所有権を相続していない場合、居住している建物の遺産分割の際に、建物の相続人に建物の使用方法を自由に決定される可能性がありましたが、相続法の改正により、要件を満たしていれば、配偶者が一定の期間無償で建物に居住する権利を認められることとなっています。

配偶者居住権を満たす要件

不動産の所有者が死亡したときに、所有の物件に住んでいたことや、遺産分割の際に協議や遺産分割審判により、配偶者居住権を取得することとなったときです。

よくあるケースは、建物の所有者である夫が死亡した場合、所有者の息子に所有権を相続し、配偶者である母親に配偶者居住権を適用する場合が挙げられます。

配偶者が居住を安定させると同時に、建物の所有権より低い評価を得ることで、より多くの生活資金を取得することが可能なのでよくあるケースの1つです。

配偶者居住権と相続税の関係

配偶者居住権を設定した場合、該当の物件の所有権と利用権の両方に相続税がかかることになります。

しかし、配偶者居住権を相続した配偶者が死亡し、二次相続が発生した場合、配偶者所有権は消滅し、該当物件の所有者に居住する権利が移行します。

このように二次相続が発生した場合、配偶者居住権に対して相続税を課税されることはなく、物件の所有権保持者に無税で移行されることが大きな特徴です。

この制度をうまく利用することで、万が一二次相続が発生した際に配偶者に住み続ける権利を残しながら、相続税の節税につなげられる可能性があります。

しかし、配偶者居住権自体が、節税する事を目的に作られた制度ではないため、デメリットが生じる可能性もあるので、税理士などの専門的な知識を持つ方の意見も聞き、検討することをおすすめします。

各種税金の軽減措置

今回の税制改正で各種税金の軽減措置の現行制度を2年間延長することが発表されました。

現行の制度で不動産取引に関わる制度がどのような内容か確認しておきましょう。

固定資産税の軽減措置

固定資産税に関して不動産取引に関連する主な軽減措置は下記のとおりです。

  • 新築住宅の固定資産税の税額が減額される措置
  • 新築の認定長期優良住宅の固定資産税の税額が減額される措置
  • 耐震改修を行った住宅の固定資産税の税額が減額される措置
  • バリアフリー改修を行った住宅の固定資産税額が減額される措置
  • 省エネ回収を行った住宅の固定資産税の税額が減額される措置

住宅については新築時の一定期間は固定資産税の軽減措置が受けられることになっています。

新築物件の減額を受けるために満たすべき要件は、令和4年の3月31日までに新築された住宅であることや、物件の居住スペースの床面積50平米以上280平米以下であることです。

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税に関して不動産取引に関連する主な軽減措置は下記のとおりです

  • 住宅用土地の取得後、住宅新築までの経過年数要件を軽減する措置
  • 新築の認定長期優良住宅にかかる不動産取得税の控除額を増やす特例措置
  • 新築の住宅特例適用住宅用土地の不動産取得税の税額が減額される措置

自身が所有する土地を、新築住宅を建てる目的で利用する場合、不動産取得による税額を軽減することができます。

また、新築物件の場合、軽減措置は一定期間のみですが、住宅用地の特例措置については、適用期限はありません。

制度が改正されることや、住宅の解体、用途の変更といった変更により、適用要件を満たさなくなることがない限り、特例措置を受け続けられます。

住宅用地の特例措置が適用されるのに満たすべき要件は、利用用途が住宅用の土地で、その住宅の総床面積が10倍までの土地であることです。

利用用途が併用住宅の土地の場合、居住スペースの割合に対して定められた数字を乗算した面積相当の土地面積あることが、適用要件に挙げられます。

印紙税の軽減措置

印紙税に関して不動産取引に関連する主な軽減措置は下記のとおりです。

・不動産取引時に必要な不動産譲渡の契約書にかかる印紙税の税額を軽減する措置

高額な建設工事や不動産の取引時に生じる、印紙税の負担を軽減するため、物件建設への投資を図り、不動産市場の市況を活発にすることを目的として、上記の特例措置の適用期間が2年間延長されることになりました。

印紙税の軽減措置を受けるために満たすべき要件は、2つあり、1つ目は不動産の取引時に生じる売買契約書などの契約書類に記載された金額が10万円より大きい場合です。

ただし、不動産を譲渡する際に生じる契約書のうち、契約書に記載されている金額が10万円以下の場合は印紙税の軽減措置の対象となりませんので、注意が必要です。

また10万円未満の契約金額の場合、非課税となりますので自身の取引時の契約をよく確認することが必要です。

2つ目は、建築工事や建築工事請負に関する契約書に記載された金額が100万円を超える場合は適用されるとなっています。

また、建築工事や建築請負工事に関する契約書に別の事項が記載されていても、その契約書の案件全体が印紙税の軽減措置の対象となります。

ただし、建築工事の請負、建築工事に関する契約書のうち、契約書に記載されている契約金額が100万円以下の場合は軽減措置の対象となりませんので注意が必要です。

また、建築工事の請負や建築工事の契約書に記載されている金額が、1万円未満の場合は非課税となりますので、売買契約書などと同様に契約金額をしっかりとチェックする必要があるでしょう。

登録免許税の軽減措置

登録免許税に関して不動産取引に関連する主な軽減措置は下記のとおりです。

  • 住宅取得資金貸し付けに発生する抵当権などの設定登記の軽減
  • 特定認定長期優良住宅の所有権保存登記の軽減
  • 住宅用家屋が特定の増改築がされている場合の所有権の移転登記

登録免許税の支払いは、新たに不動産の所有者となる人で、不動産を購入した本人が税金を納めることになります。

所有権が購入者へ移る土地の売買を適用期間中に登記申請をすると、税率は軽減され従来より0.5%低い1.5%となります。

税制改正の不動産取引への影響

ここまで税制改正の不動産に関連する項目をご紹介していきました。

ではここまで紹介した、税制改正がどのように不動産取引に影響を及ぼすのか確認していきましょう。

海外不動産投資による節税に影響

海外の中古不動産は国内の不動産よりも寿命が長いため、物件としての資産価値が保たれやすいことや、節税になることから富裕層に人気でした。

また、中古不動産なので耐用年数が短く計算されるので、高額な物件購入費用を短い耐用年数で計算することができ、多額の減価償却費が生じるので、帳簿上は大きな赤字となり国内での損益通算に使えるので、節税になることも人気の理由でした。

しかし税制改正され、2021年以降は、海外の不動産への投資による損失が発生した場合、物件の減価償却に相当する金額が控除されることとなり、今までのように減価償却分を損益として計上することができなくなったため、中古の海外不動産による節税ができなくなりました。

賃貸物件の消費税還付が不可

居住用賃貸物件に関する消費税還付が今回の税制改正で行うことができなくなりました。

これまでは仕入れ税額控除という制度で、不動産の仕入れ分の金額を不動産オーナーが消費税を納める時に不動産の売り上げから控除することができる制度がありました。

しかし不動産の仕入れに相当する賃貸物件の取得時の税額を不動産の売り上げに相当する家賃収入は非課税であることから控除できません。

そこで、居住用の物件とは違う別の事業での課税売上を計上し、家賃収入を含む総売上高を増やし、課税対象の売上高の割合が高まった分、消費税の還付を受ける手法がありました。

従来は上述の通りのやり方が、消費税還付や節税の抜け道となっていましたが、居住用賃貸物件取得時の仕入れ税額控除制度が厳しくなり、今後は消費税の還付を受けられなくなりました。

今回の税制改正が適用されるのは、2020年10月1日以降に仕入れた居住用賃貸物件からですが、居住用物件の請負契約が2020年3月31日より前に結ばれていれば適用がいとなります。

税制改正への対応策

2020年の税制改正で不動産オーナーが受ける影響を紹介しましたが、それらの改正に対して不動産オーナーが対策するとしたら、どのようなことがあるでしょう。

今回の税制改正に対する対応策を解説していきます。

1年間継続してタックスメリットを受ける

2020年の1年間は海外の中古不動産を所有し、タックスメリットを受け続けることです。

今回の改正で国外中古建物の不動産所得に係る曽根季通算等の特例は2022年3月15日提出期限の所得税からの適用となりますので、2020年分の所得税に関してはタックスメリットを受けることができます。

しかし今回の改正で海外の中古不動産にタックスメリットがなくなれば、海外の中古不動産への投資が少なくなり、相場の変動により、物件の価格が下落する可能性もあります。

そうすると売却しても、購入時との差額により、多額の損失を招いてしまう可能性もあります。

海外の不動産物件の相場の変動や状況によって、下落の傾向が読み取れた段階で、多少の損失を被る覚悟で、早めにリスクヘッジすることが大切です。

法人税のタックスメリットを受ける

法人の場合、法人税のタックスメリットを受けられる可能性があります。

今回の改正は所得税の損益通算に関する改正で、法人を持つこと自体に係るものではありません。

法人が保有する中古の海外不動産は、法人税の税負担軽減とすれば税制改正の規制対象ではありませんので、従来の方法で損益通算できるとされています。

このように方法によっては海外のタックスメリットは継続しておりますので、すぐに売却することなく、タイミングを検討する必要があります。

譲渡益軽減のメリットを受ける

今回の税制改正で、減価償却費を経費にすることができない海外の中古不動産を売却した場合、物件の譲渡して得た利益から、減価償却費の相当額をマイナスし少なくなることで、負担する税額がおおきく減額することはメリットと言えるでしょう。

複数海外不動産を所有して内部通算する

複数の海外中古不動産を購入しているのであれば、場合によっては内部通算する方法があります。

税制改正では、国外不動産所得の損失の金額が規制の対象と定められているので、海外の中古不動産物件同士は内部通算できるので従来通りのタックスメリットを受けられます。

いずれにせよ、中古の海外不動産は様々な税金が係り、今まで以上に正確に申告する必要があります。

もし不安を感じている方はぜひ、海外の中古不動産の専門家に相談するのがよいでしょう。

2020年(令和2年)度税制改正が不動産売却に与える影響まとめ

今回の税制改正では、海外の中古不動産を購入することで大幅に節税するスキームや居住用賃貸の消費税還付が受けられなくなったりと、不動産投資家にとって大きな影響を及ぼすものとなりました。

該当する方は制度改正による損失を受けないためにも、適用年月日などをよく確認しておきましょう。

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