【インタビュー】一般社団法人 マンション計画修繕施工協会の活動内容とコロナ禍の現状・業界の見通しを聞いてみた

インタビューに応じていただいた方

一般社団法人

  マンション計画修繕施工協会

   常務理事 中野谷 昌司

中野谷 昌司

マンション計画修繕施工協会は、従来は注目されていなかったマンションの計画修繕に焦点を当てて活動している一般社団法人です。

活動内容は、マンション改修施工管理技術者試験の実施や会員向けのセミナー、マンション修繕のイメージ向上のために実施しているコンテストの開催などがあります。

これまでの新築マンションの施工優先の風潮から、現在は中古マンションのリノベなどが注目され始めており、計画修繕の重要性も高まってきています。

今回は、マンション計画修繕施工協会の活動内容からコロナ禍の状況、今後の見通しについて、協会常務理事の中野谷 昌司氏にインタビューをおこないました。

(以下、インタビュー内容となります。)

マンション計画修繕施工協会の設立背景

―まずは、マンション計画修繕施工協会の設立背景について教えてください。

マンションの大規模修繕工事は、塗装業者や防水業者が最初に始めたものでした。

塗装業者や防水業者、設備業者の団体は元からあったものですが、これらが横につながれる大規模修繕に特化した団体はなかったので、設立をした背景があります。

現在では、大規模修繕を塗装や防水だけでなくサブゼネコン的に設備や建築工事などを含めて総合的におこなう業者が増えています。主体となる業界も複数に跨ることが増えたことで、当協会を通じた情報共有活発化のニーズなども増えています。

マンション計画修繕施工協会の取り組み・活動

―マンション計画修繕施工協会は、具体的にどんな活動をされているのですか?

会員になっている企業の保証事業や教育研修事業、国土交通省との取り組みなどがあります。

その他にも、例えば当協会の会員は全国的な知名度がある訳ではないので、住民の合意形成を取る際に不安に思われることがあります。

そこで、国土交通省指定の保険法人しか扱えない大規模修繕工事瑕疵保険の取次や同保険法人との完成保証などの保証事業をおこなっています。

これによって、住民の方にも安心して会員社を利用してもらうことが出来ています。

―業者様からの反響はどうですか?

これまで、瑕疵保険は他の業者を保証人に付ける仕組みが多くありました。これは結構なリスクがある方法で、業者は不安を感じながら営業する必要がありました。

大規模修繕工事瑕疵保険が始まってからは連帯保証を受ける業者側のリスクが少なくなったことや国の保険が付けられるということで喜んでいる方も多くいらっしゃいます。

―その他、マンション計画修繕施工協会はマンション施工管理技術者の認定試験を実施していますね。

もともと、マンション修繕に必要な知識を問う試験というのは存在しなかったので、マンション修繕に必要な人材を育てる目的でこの試験は始まりました。

ただそれだけではなく、住民が居住する中での工事という特殊性に鑑み、この資格を活用していただけるよう、建築業法によって一律金額ベースで決まってしまっている修繕工事の管理者の配置要件の見直しなどの国土交通省への要請などもおこなっています。

古いマンションを扱う際は、過去の知識や経験も問われます。給排水・電気・消防など様々なことを知っておく必要があるため、試験の難易度は比較的難しいと言われます。

マンション計画修繕施工協会の一般向けの取り組み

―マンション計画修繕施工協会は一般向けにどんな取り組みをおこなっていますか?

当協会は、国交省の住宅リフォーム事業者団体登録制度の第1号に登録しています。

このことから分かるように当初から国交省との関係が深く、国交省の補助事業でエンドユーザー向けのセミナーなども実施しています。

また、国土交通大臣賞などを設けたフォトコンテストやクリエイティブリフォーム賞といった一般向けの試みを通じて大規模修繕工事に興味を持つ方を増やす活動をおこなっています。

クリエイティブリフォーム賞

クリエイティブリフォーム賞などは、創意工夫がなされたリフォームの施工者や設計者、管理組合を表彰しております。

コロナ禍でのマンション計画修繕施工協会の活動

―コロナ禍でマンション計画修繕施工協会の活動はどう変わりましたか?

内閣官房の新型コロナウィルス感染症対策推進室のほうから、業界ごとに団体でコロナ対策のガイドラインを作るよう指示があり、そちらの対応をおこなっていました。

新築の工事現場に関する対策ガイドラインは国土交通省が作成していましたが、入居者がいるマンションを修繕する際のガイドラインが無かったので、当協会で作成をしました。

ガイドラインがない段階では身動きの取れない業者も多かったようですが、ガイドラインが出来たことで、ガイドに沿って工事をおこなえるケースが増えていました。

コロナ禍に留まらず、昨年から民法改正やアスベストの問題などがあったので、マンション修繕の業界自体もコロナの影響だけという訳ではありませんでした。

協会の活動自体は、会員向けのセミナーをWebで実施するなどの対応で、ほぼ例年通りの事業をおこなうことができました。

マンション計画修繕施工協会の今後の見通し

―最後に、マンション計画修繕施工協会の今後の目標や見通しについて教えてください。

協会の活動自体は順調にできていて、好調に推移しています。ただ、建設業界全体の課題としては、働き方改革が挙げられます。

特にマンション修繕の業界では、土日の管理組合対応などもあるため週休2日が満足に取れていない会社もあり、いわゆる「キツい」仕事を敬遠して若い層が入らず、人材の枯渇が危惧されています。

ゼネコンは週休2日を推進しているものの、改修=新築の風下のような見方も業界内で長らくあり、未だに他産業に比べると給料が安くて休みがないというリアルな実情があります。

建設業に興味のある人材も、新築にどんどん流れてしまっているのが現状です。

我々は、いかに修繕業を魅力的にするかを考えていく必要があると考えています。

1つの試みとして挙げられるのが、ヴィンテージマンションプロジェクトです。

現在のマンションの価値は築年数によって決まる部分が非常に多いですが、築年数だけでなく適切な機能評価で金額を決めようという動きも活発化させていきたいです。

特に最近では若者の間で室内リノベーションのニーズも増えていますから、そこも含めて長持ちさせることができるマンションの魅力を伝えていきたいですね。

(インタビューは以上です。)

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