実際にマンションを購入された方や、これからマンションを購入される方の多くは、以下のようなタイミングで理想に適ったマンションの購入を進めています。

ここからは、各タイミングについて1つずつ解説して行きます。

年齢から考える購入のタイミング

年齢と不動産購入のタイミングは密接に関係しています。

若い頃は安定した収入がまだないかもしれませんし、何より自身のライフスタイルや価値観が固まっていない可能性があります。

したがって、一般的には30代がマンション購入の好タイミングとされています。

この時期なら、キャリアもある程度定まり、結婚や家族計画を考える年齢でもあります。

一方で、60代以上での購入はローン返済のリスクが高まりますので、自己資金に余裕があるか、リタイアメントプランをしっかりと考える必要があります。

年収から考える購入のタイミング

年収はマンション購入の大きな要因であり、安定した収入があることが重要です。

一般的には、年収の5倍〜6倍程度の価格の物件を対象にするとバランスが取れやすいと言われています。

また、収入が増える可能性がある若いうちは、一見手の届かない物件でもローン返済の見通しが立ちます。

しかし、過度な負担はリスクが高まるため、余裕をもって計画を立てるべきです。

ライフスタイルから考える購入のタイミング

ライフスタイルもまたマンション購入のタイミングに影響します。

子育てを予定しているなら、教育環境の良い地域や便利な施設が近くにある物件を選ぶことが大切です。

一方、シングルやDINKS（Double Income, No Kids）なら、都心部の小さなマンションや、趣味やライフスタイルに合った物件が適しています。

ライフスタイルの変化を見据えた上での購入が、長期的な満足につながります。

貯金・資産額から考える購入のタイミング

貯金や資産額も大きな考慮点です。

一般的に、物件価格の10〜20%を初期費用として用意しましょう。

ただし、急な出費や将来のリスクに備えて、一定の貯金は残しておくべきです。

貯金が足りない場合は購入を延期したり、資産価格の安い物件を検討したりすることも必要です。

また、資産運用を通じて収入を増やすことも一つの選択肢となるでしょう。

前節で、マンション購入を使用と思った時期について解説してきました。

どのようなタイミングであれ、あらゆるタイミングには必ずライフイベントが関わっています。

ここでは、ライフイベントの観点からマンションを購入したら、生活にどのような変化が訪れるのかについて解説して行きます。

結婚してからマンションを購入した場合

結婚を機にマンションを購入すると、共有生活のスタート地点を自分たちで選ぶことができます。

ライフスタイルや価値観を共有しながら、共同で選ぶ新居は、新婚生活のステージとして大切な意味を持ちます。

しかし、それぞれの将来設計や家族計画も重要で、子どもがいる場合や将来子どもが欲しい場合は、学区や保育園の問題、間取りなども考慮すべきです。

また、収入や自己資金、ローン計画などもしっかりと話し合って決める必要があります。

子供ができてからマンションを購入した場合

子供が生まれてからのマンション購入は、子供の成長に合わせた住環境を整えることができます。

子供の安全性を確保した物件選び、子育てしやすい間取りや設備、また教育環境などを考慮します。

しかし、子育て中の家計に大きな出費が増えるため、購入のタイミングや物件価格、ローン返済計画は慎重になるべきです。

また、子育ての期間中は生活パターンが大きく変わる可能性があるので、それに対応できる柔軟性を持った選択が求められます。

入園・入学のタイミングでマンションを購入した場合

子供の入園・入学のタイミングでマンションを購入すると、学区や通学路を考慮した物件選びが可能です。

また、子供が通う学校や地域社会に長期間関わることになるため、地域との繋がりも深まるでしょう。

しかし、一方で、子供の成長とともに変わるライフスタイルに対応できる物件選びが必要となります。

また、このタイミングでは子供の教育費や活動費など、他の出費も増えるため、家計のバランスを見ながらの購入計画が必要となります。

子どもが独立したタイミングでマンションを購入した場合

子供が独立した後のマンション購入は、新たなライフスタイルのスタートとなります。

子供のいない生活を想定した間取りや、自分たちの趣味やライフスタイルに合った物件選びができます。

また、都心部や観光地など、これまで考慮しなかった地域での新生活も視野に入れられます。

しかし、リタイアメントを考慮に入れた長期的な財務計画や、高齢になった時の生活環境なども考えるべきです。

仕事を退職してからマンションを購入した場合

退職後のマンション購入は、リタイアメント生活の計画と密接に関わってきます。

都市部から地方への移住や、趣味を生かした地域選びなど、これまでとは異なる視点で物件が選べます。

また、日々の生活を楽しむための設備や間取りにこだわることもできます。

しかし、定年後の収入は安定しない可能性もあり、ローン返済の計画や緊急時の対策も必要となります。

加えて、高齢になった時の生活の便利さや医療環境なども考慮するべきです。

住宅の市場状況は、国土交通省が発表している『不動産価格指標』から調べられます。

以下は、2023年2月に発表されたものです。

参照：国土交通省 不動産価格指数(令和５年２月・第４四半期分)より

緑のグラフから伺えるように、2013年から2023年2月の約10年増減を繰り返しながらも、右肩上がりで不動産価格は上昇しています。

それでいながら、住宅ローンの金利値は低水準なので、今後、不動産の価値が下がったタイミングが買い時といえます。

ただし、市場が売り手市場となっているときは、物件価格が高騰しやすく、購入価格がそれに合わせて高くなるので、買い時ではありません。

ウクライナ侵攻による影響は？

前述したように。マンションの販売価格は、土地や戸建て住宅とは違って大きく値上がりしています。

しかし、2022年後半から土地や戸建て住宅の販売価格も上昇傾向にあります。

そこには、ウクライナ侵攻による影響が、不動産市場に響いているということでもあります。

価格高騰の原因の多くは、建材やエネルギー価格の高騰によるところが、物件の販売価格高騰の原因になっているといってもいいでしょう。

特に、新築物件は、建材が高騰している状態で物件を建築するため、前年度の平均販売価格を大きく更新している状態です。

新築が値上がりしている以上、購入するなら、価格が抑えられる中古住宅を選択されるでしょう。

その結果、中古住宅に対する需要が高まり、供給量が落ちます。

最終的に中古住宅の供給不足から、中古住宅も数が少ないなどの理由から価格が高騰します。

つまり、今の情勢から住宅価格が下落する可能性は、当面ないと考えるのが妥当でしょう。

マンションの購入は、人生の中で最も多額の資金が動く買い物です。

購入そのものを後悔することなく、進めていくためにも入念な準備が必要です。

ここでは、マンションを購入する前に確認しておくことを解説して行きます。

マンションの立地・周辺環境の下見

マンションの立地や周辺環境は生活の質に直接影響します。

交通の便、商業施設の有無、病院や学校などの公共施設の近さなどを確認しましょう。

また、自然環境や地域の治安状況も重要なポイントです。

実際に現地を訪れて、日中だけでなく夜間の状況もチェックしてください。

騒音や防犯の面で問題がないか、また、普段の生活で必要な施設が十分に近くにあるかを確認することが必要です。

将来を見据えた資産計画の確立

マンション購入は大きな資産形成となりますが、それに伴うリスクも必ず考慮する必要があります。

将来の収入見込み、老後資金、子供の教育費などを考慮に入れた上で、どの程度の金額をローン返済に充てられるかを計画しましょう。

また、万が一の事態に備えて、一定額の貯蓄を続けることも重要です。

資産計画は専門家の意見も参考にすると良いでしょう。

物件購入費以外でかかる諸経費

マンション購入には物件価格以外にも多くの費用が発生します。

仲介手数料、登記費用、固定資産税などがこれにあたります。

また、購入後も管理費や修繕積立金、不動産税などの維持費が継続的に発生します。

これらの諸経費を考慮に入れた上で、自身の財務状況と照らし合わせ、購入可能な価格帯を見極める必要があります。

購入時に利用できる支援制度

マンション購入には多くの支援制度が用意されています。

公的な住宅ローンの制度や税制優遇、地域によっては自治体の補助金制度などがあります。

これらの制度は家計の大きな負担を軽減する可能性があるため、しっかりと調査し、可能な限り活用しましょう。

特に、初めての住宅購入や子育て世帯、高齢者などに対する支援は充実していますので、該当する場合は積極的に利用しましょう。

マンションの購入はライフステージや財務状況を大きく変えるイベントであり、それぞれのタイミングによってその意味や価値は異なります。

年齢や年収、ライフスタイルの変化、貯金・資産額を考慮に入れた上での購入は、自身のライフプランに合った最善の選択になります。

また、物件の選定から購入までには多くの確認事項や必要な経費があります。

これらを理解し、適切な計画を立てることで、より良いマンション購入体験が得られます。

その際、利用可能な支援制度も十分に調査し、賢く活用することを忘れないようにしましょう。