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法人の不動産売却でかかる税金は個人とどこが違う?課税・納税の仕組みとポイント

【更新日】2021-04-22
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法人の不動産売却でかかる税金

不動産売却を個人名義でおこなうのと法人名義でおこなうのでは、税金の算出方法に少しの違いがあります。

自分が会社の社長で個人として売るか法人として売るか悩んでいるという方は流石にいないでしょうが、制度や仕組みを幅広く学ぶことで大局的に不動産売却を見つめられるようになりますし、売却/購入相手が法人であった場合に知識があると役立ちます。

この記事では、不動産売却を法人がすることによって課される税金について紹介していきます。

法人が不動産売却で課される税金の計算は個人とほぼ同じ

法人が売却をする場合も、譲渡所得税や印紙税など、必要となる税金はほぼ一緒です。

不動産売却でかかる税金の納税タイミング

税金の額に関しても、仲介手数料は慣習的に法定の上限額が請求されることになっていますし、印紙税なども代金によって左右されるので、個人の場合と違いはありません。

誰が売るかよりも、代金によって課される税金の額は左右されるようです。

不動産売却の所得税は個人と大きく異なる

ほとんどの税金は個人と同じように算出されますが、所得税の場合はその算出方法が大きく異なります。

まず、所得税というのは昨年1年間の所得をトータルで判断した上で課される税金のことです。

会社からもらう給与などもここには含まれますが、分離課税の対象として売却益もカウントされます。

これが法人の場合は会社の利益として加味されるようになるので、この手続きによって更にさまざまな手続きをする必要が出てきますし、もともとの経営状態も重要になってきます。

譲渡所得税は企業利益を基準に算出される

個人の場合は、購入したときに払った費用よりも売った場合のほうが高値となった場合、譲渡所得税が発生します。

ただ、会社の場合は、もし不動産売却が失敗してしまい、譲渡所得税を支払う余裕がない場合は決定に加わっていなかった社員も含めて全員が不利益を被るかたちになります。

一部の決定によって、こうした状態になってしまうのを避けるために、会社の経営状態が、失敗をしても大丈夫なくらいの売上がなければ課税の対象とはなりません。

具体的にいえば、会社の利益(経営状態)>不動産の購入費>売却費という状態になってはじめて課税されます。

法人のほうが不動産売却の課税は安い

上記のように、企業は個人にくらべて不動産売却によって課される税金の優遇政策が取られることが多いです。

これは、上のように経営状態に余裕がある場合に課税されるといったことだけではなく、そもそもの計算式が異なります。

たとえば個人の場合は、会社からの給与や年金収入といった所得と不動産の売却や投資による利益による所得の両方に所得税が課されますが、この場合、税率は細かな累進課税の仕組みを取られます。

一方、法人の場合は不動産業以外の所得と不動産業による所得の両方に所得税が課されますが、この場合の税率は個人の場合よりも低く設定されています。

全ての売上を合算して税金を課するので安い

このように、課された税金が個人よりも法人のほうが安い理由は、個人の場合は所得の種類に応じて税率をかけているのに対し、法人の場合は全ての売上を合算して税金をかけるので、安くなります。

正確に言えば必ずしもそうなるわけではなく、個人が物件を5年以上所有した後に売る場合は、不動産所得の税率に関しては法人よりも安くなります。

この場合の税率は、以下の通りです。

利益の額 法定実効税率
0~400万円 21.4%
400~800万円 23.2%
800万円以上 36.0%

※:利益が800万円以上出た事業が、2015年4月1日以降から始まっている場合は34.3%となる

法人による不動産売却は事業の一環

ここまで、不動産売却において課される税金が、個人とどう違うのかを紹介しましたが、1つ確認しておきたいのが、企業による不動産売却とはどんな手続きを指すのかということです。

企業がもともと所有していた物件を売るということも考えられますが、ほとんどは投資です。

現在は、本業の他に不動産業を営む企業が増加しており、こうした事業のことを「法人による売却」と表現するのです。

そのため、多くの方にとっては税率の違いなどは関係ないことではありますが、中には投資をどちらの名義でおこなうか選択できるところもあるので、もしこうしたケースに当てはまる方は利用するとよいでしょう。

法人・事業者が建物を売ると消費税がかかる

個人の不動産売却では発生しない消費税が、法人や事業者、投資家による建物の売却ではかかってしまいます。

消費税は「付加価値を生む取引」に対してかかるので、実質的な所有者が国や自治体の土地売買は、「権利の移転」と見なされ課税対象にはなりません。

2期前の課税売上高が1000万円を超えていると課税

消費税は必ず課されるというわけではなく、2期前の事業年度の課税売上高が1000万円を超えた場合に課されます。

消費税は私たちが普段のお買い物でも納めているものですが、1,000万円の建物を売った場合は80万円もかかるので、法人の不動産売却では決して無視できる金額ではありません。

2期前の課税売上高は不動産を売る前に必ず確認しておきましょう。

消費税の求め方

売った不動産がビルやマンションで、敷地を有していない場合は、その売上(課税分は除く)の8%が消費税となります。

一方、建物と敷地(土地)を一緒に売ったときは、総額が1,000万円でも消費税がかかるのは建物部分だけです。

大抵、売買契約書に消費税が明記されていますが、もし記述がない場合は、固定資産評価額で按分計算します。

たとえば、総額1,000万円で売れた建物と土地の固定資産税評価額が1:1の場合は、建物の価格を一旦500万円で計算し、その8%=40万円を消費税として計算します。

不動産売却時の仕訳や税金控除の詳しい内容はこちらにまとめてあるので、ぜひご覧ください!

不動産売却の仕訳方法・パターンを初心者にもわかりやすく解説!

法人が不動産売却をおこなう時は経費価値の算出が必要

法人が不動産売却をおこなう場合は、経費の算出が必要になります。

個人の場合も購入や賃貸経営・売却でかかった経費の計算は必要ですが、法人の場合は売却する不動産の経費としての価値の算出も必要になります。

不動産の経費としての価値は売却時の帳簿価額と同じなので、算出は難しくはありません。

ただ、帳簿価額を算出する場合は、以下の計算が必要になるので少々複雑です。

取得価額-売却日※までの減価償却の累計額

※売却日に関する詳細は後述

法人の不動産売却日の定義

法人が不動産売却で支払う税金は、購入から売却した日までの減価償却累計額の計算を含むため、いつ売却したかが重要になります。

売却日は基本的に引き渡し日を基準にしますが、売買契約を締結した日を基準にするケースもあります。

法人の希望によって選べることもありますが、契約日~引き渡し日の間で事業年度が変わってしまう場合は、契約日を基準にしたほうが税金は安くなる可能性が高いです。

例外として、土地のみの売買では以下のうち、早いほうが採用されます。

  • 代金の半金(約50%)を受領した日
  • 所有権移転登記の申請日

法人が支払う税金はトータルの利益で決定する

個人が不動産売却をおこなった場合、売却益に応じて課税額が決定します。

個人の不動産売却で課される税金は分離課税とみなされて、他の税金とは別に計算されるためです。

一方、法人は不動産売却の収益も他の事業収益と合わせて計算します。

不動産売却で発生した売上の扱いが大きく変わるのが、個人と法人の最大の違いです。

不動産売却で発生する税金が大きすぎる場合は、損益通算で利益を減らし、節税をして会社を黒字化することができます。

具体的な節税方法は税理士など専門家に相談するのが良いですが、専門的な知識のある不動産会社なら売却から節税までトータルサポートしてくれます。

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