まず、4つの国民的アニメの家はどんなステータスなのか整理が必要です。

ITmediaビジネスオンラインの記事では、4つの家のステータスを以下の通り定義しています。

番組の中では同じような広さに見えることもありますが、こうして比較してみると意外とステータスに違いがあることが分かります。

ただ、特に「サザエさん」などは自宅を購入する描写が少ないなど、書かれている内容はあくまで概算であることはご了承ください。

それぞれの家の価値を、株式会社コラビットの運営するAI不動産査定のHowMa(ハウマ)で算出したところ、査定価格は以下の通りになりました。

サザエさんの磯野家が何と1億円をこえる結果となりました！

この金額になったのは、面積が広いのもそうですが、ひとえに世田谷という立地の影響が大きいと考えられます。

都内でも屈指の地価を誇る高級住宅街の世田谷に、木造とはいえこの規模の住宅を建てられるのは、「磯野家は並みじゃない資産家」という噂もあながち間違いではないのでは？と思ってしまいます。

アニメの家の査定価格は上記で触れている通りですが、この価格は非常に単純化をした上で算出されたこともあり、実際の家査定で注目されるポイントを少し無視しています。

査定額を算出する上で見落としているポイントとは一体どこなのでしょうか？

内装の傷・凹みなどを無視している

家には築年数の経過による劣化もありますが、それとは別に人が乱暴に扱うことによる傷・凹みなどのダメージもあります。

ネット査定だとこれを無視してしまいがちですが、実際の価格や売れ行きには大きく影響を与えます。

アニメキャラクターのイメージから、野原家が一番傷ついている可能性が高い？

ペットがいる家は評価が下がる？

4つの家のうちペットを飼っているのは磯野家(タマ)と野原家(シロ)です。

屋内でペットを飼っており、ひっかき傷がついていたり、臭いが染みついていたりすると住宅価格が下がってしまう可能性は多いにあります。

ただ、こうした欠陥がないのであれば「ペットを飼えるスペースがある」ということで、ペット連れ家族への人気が高まる可能性があります。

家を売る際はリフォーム履歴も確認される

同じ築30年の家でもリフォームしていないのと、直近でリフォーム工事をしたのでは大きな違いです。

物件を取得したらいずれリフォームをしなければいけません。

リフォーム工事費が1,000万円かかるとしたら、リフォームなしで売るということは実質代金に1,000万円プラスされているのと同じことなのです。

アニメの中でリフォームの描写が出てくるのは野原家のみです。

新耐震基準を満たしているのは野原家だけ

2020年現在、住まいの売れ行きを占う上で最も注意したいのが、新耐震基準を満たしているかどうかです。

新耐震基準の適用は1981年6月1日以降からで、それまで震度5強までしか対応していなかったのが、震度7まで対応できないようになりました。

2020年現在は旧耐震基準の家が居住用として利用される可能性はほとんどありません。

アニメの放映開始年から築年数を考慮して考えると、野原家しか新耐震基準を満たしている可能性はありません。

そう考えると、現在売り出して最も需要のある家は野原家の住まいだと考えられます。

実際のローン残債を考慮すると野原家は売り出すことができない？

ただ、ここで注目したいのがローン残債です。

4作品の中で住宅ローンが残っていると描写されているのは野原家だけ、しかもローンを35年で組んでいると描写されています。

このことを考えると今のタイミングで売り出せる可能性はかなり低いのではないでしょうか。

家を購入した年代を考えると、磯野家とさくら家は戦前、野比家は1960年前後、野原家はバブル経済期と想定できます。

純粋な住宅の性能・設備を考えると野原家が最も上でしょうが、時代を考えると磯野家がやはり最も突出していると考えられます。

サザエさんの放映開始が1969年ですから、建築されたのは1930年前後ということになります。

この年代は借家が一般的であり、持ち家マイホームが広く流通するのは戦後になってからのこと。この時代にマイホームで暮らしている磯野家の珍しさが際立ちます。

「あの家族はとんでもないお金持ちだった…」という視点でアニメを見ると、何やら受け取り方も変わってきそうですね…。

サザエさん・ちびまる子・ドラえもん・しんちゃん…一番高価な家に住んでいるのは？

国民的アニメの中で、磯野家(サザエさん)、さくら家(ちびまる子ちゃん)、野比家(ドラえもん)、野原家(クレヨンしんちゃん)の4つの家を比較したところ、サザエさんの磯野家が1億9355万円という圧倒的な価格でトップとなりました。

この価格は、都内で高級住宅街として知られる世田谷の立地が大きく影響していると思われます。

それぞれの家を査定する際に注目すべきポイントは？

ただし、この査定結果には家の内装の傷や凹み、ペットの影響、リフォームの履歴、そして新耐震基準の適用状況などが詳細に検討されていません。

特に新耐震基準を満たしているのは、放映開始年と築年数から判断して、野原家のみと思われます。

これは売れ行きを大きく左右する要因となります。

しかし、野原家には住宅ローンの残債があるため、実際に売り出すのは難しいとも思われます。

これらのポイントを踏まえると、シンプルな査定額だけでは十分でなく、これらの要因も考慮する必要があると感じます。