まずは注文住宅と建売住宅がどんな住宅になるのか説明していきます。

注文住宅とは

注文住宅とは、建てる土地から自分で決め、工務店やハウスメーカーに設計や施工を依頼して家を建築を行う方法です。

間取りやデザインを自由に決めることができ、自分好みの家を作ることができるのが特徴です。

建売とは

建売住宅は土地と建物がセットで売られている住宅のことです。

まとまった土地に同じ設計プランで家を複数建てるため、整った町並みになります。

住宅が完成した状態で販売されており、設計を変更することはできません。

建築前から売り出されていることもありますが、その場合でも設計プランは既に決まっていることがほとんどです。

注文住宅と建売住宅はそれぞれ違いが主に4つあります。

具体的にどのように違うのか解説していきます。

設計面の違い

上記で記述したように、注文住宅は自分好みに自由に設計できるのに対し、建売住宅は初めから設計プランが決まって状態で販売されています。

そのため注文住宅と建売住宅では設計の自由度が違います。

注文住宅は自由に設計できるため、ライフプランや予算に合わせて必要な部屋数や設備を確保できます。

外装も好みのデザインにできるので、個性的な家に仕上げることができます。

建売の場合はそういったカスタマイズはできず、決まった設計プランで作られた家を購入します。

建築前や途中で売り出されている際は稀に設備をカスタマイズできることもありますが、選択肢は限られてきます。

購入費用の違い

注文住宅と建売住宅は費用でも差が出ます。

土地を購入しなければならない点やカスタマイズ性がある分、注文住宅の方が高くなってきます。

住宅金融支援機構が行った「2021年度フラット35利用者調査」でも、注文住宅の平均所要資金(土地込)は「4,455万円」、建売住宅の平均所要資金は「3,495万円」と注文住宅の方が費用がかかっています。

建売住宅は決まった設計プランで建築するため、打ち合わせにかかる人件費削減や資材の一括購入が可能となり、注文住宅より安価になっています。

入居までの期間の違い

注文住宅と建売住宅では手順の違いから、入居までにかかる期間も違ってきます。

基本的には打ち合わせが不要な建売住宅の方が、入居までの期間が短くなっています。

注文住宅では土地探しから始め、その後の設計プランも施工業者と十数回の打ち合わせが必要になってきます。

土地探し・設計プランでそれぞれ2〜6ヶ月かかり、その後着工から完成までにも3〜6ヶ月となります。

入居までには15ヶ月近くかかることになります。

対して建売住宅は購入を決めたらすぐに入居が可能です。

既に完成している建売住居を選び、住宅ローンの融資を受ければ最短1ヶ月で住み始めることができます。

建設前の状態で購入しても、3、4ヶ月ほどしかかかりません。

安全面の違い

土地の状態を確認できるか・工事過程の確認ができるかによって、注文住宅と建売住宅で安全性は変わってきます。

土地を自分で選び、工事過程も確認できるため注文住宅の方が通常安全面では優ります。

注文住宅は土地を買う段階で地盤の確認・改良が可能で、耐震性・耐火性などもこだわることができます。

また工事過程をチェックできるので手抜き・欠陥工事が起こりにくく、建設途中で疑問に思った所は逐一確認できます。

建売住宅では基本的に既に家が建っている状態なので地盤も工事過程も確認することができません。

そのため手抜き工事が発生しやすく、建設途中で欠陥があっても住んでトラブルが起きてからでないと問題に気付けない可能性があります。

上記の違いから、注文住宅と建売住宅のメリット・デメリットをまとめました。

初めに注文住宅のメリット・デメリットを解説します。

注文住宅のメリット

• 自由度が高く、間取りや外装が自由
• 土地・資材・工事過程が確認でき、安全性が高い

上記のように細部までこだわり、理想のデザインと安全性を確保できるのが注文住宅になります。

注文住宅のデメリット

• 入居までに時間がかかる
• 購入費用が高い

こだわって建設できるというメリットに対し、時間と費用がかかってくるというデメリットが存在します。

注文住宅を建てる場合は十分な予算と時間を用意しておく必要があります。

次に建売住宅のメリット・デメリットを解説します。

建売住宅のメリット

• 購入を決めたらすぐ入居できる
• 購入費用が安い

時間・費用がかからないという点が建売住宅のメリットになります。

建売住宅のデメリット

• 間取りや外装の要望は叶えられない
• 手抜き・欠陥工事が発生する可能性がある

既に建設済みの家を買うという性質上、間取りや外装は自由ではなく、安全性も確保しにくくなっています。

注文住宅・建売住宅の特徴やメリットデメリットを踏まえ、それぞれに向いている人の特徴について解説します。

注文住宅が向いている人

• 住居にこだわりがある
• 土地を持っている、家を建てたい土地が決まっている
• 建設を依頼したい施工会社・ハウスメーカーが決まっている

上記に当てはまる方は、注文住宅を選んだ方がいいでしょう。

特にこだわりの部分は、注文住宅でしか叶えられない部分になります。

ライフプランから部屋はこれだけ欲しい、外装は洋風にしたい、立地はこうであってほしい、など譲れないポイントがあると建売住宅では納得できる家を買えないかもしれません。

また既に土地を持っている場合は土地探しの手間や購入の費用がかからないので、建売住宅よりも安価で済む可能性もあります。

建売住宅が向いている人

• あまりお金と手間をかけたくない
• 早めに入居したい
• 間取りやデザインが決まっている方がいい

上記に当てはまる方は、建売住宅を選びましょう。

特に入居したい時期が決まっている場合は、注文住宅では間に合わない場合があります。

注文住宅はこだわることが出来る分、手間も時間もかかります。

間取り等にこだわりがあまりないなら、建売住宅で購入しましょう。

注文住宅・建売住宅のどちらを選んでも、住宅の購入時には注意点があります。

予算を決めておく

住宅の購入をしたい場合は、初めに予算を決めておきましょう。

予算によっても注文住宅にするか建売住宅にするかは変わってきます。

全ての指標になるので、具体的な予算を早めに決めておくことで購入までをスムーズに行うことが出来ます。

見学は昼・夜どちらも行う

昼間に見学した時は良い場所に感じても、夜はまた違って感じる場合があります。

時間によって日当たりや家に接している道路の交通量は変わります。

日々の生活に関わることですので、入居する前に時間を変えて見学に行きましょう。

周囲の環境を確認する

上記の見学を行う際に、周囲の騒音や治安も必ず確認しましょう。

周辺環境は不動産会社が詳しいので、購入の相談時に聞いておくのもひとつの手です。

災害リスクを確認する

家を買った後に災害リスクの高い所だった、とならないためにも購入前に自治体の公開しているハザードマップに目を通しておきましょう。

また、過去の災害事例も調べておくといいです。

必ず複数の物件を見る

たとえ1番初めに見た土地や住宅が気に入っても、必ず複数の物件を見て比較しましょう。

比較することでそれぞれの利点や問題点が見えてきます。

後悔しないためにも数件は回るようにしましょう。

注文住宅と建売住宅どちらにもメリット・デメリットがあります。

注文住宅はこだわって家を作れる分、費用も時間もかかります。

建売住宅はこだわることはできないですが、費用も時間も抑えることができます。

自分がどんな家に住みたいかによってどちらを選ぶか変わってきます。

どちらにしていいか分からない場合は、一度不動産会社やハウスメーカーに相談してみてもいいかもしれません。

納得のいく家選びのためにも、じっくり考えてみましょう。