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不動産売却によって保険料も値上がりする?社会保険・国民健康保険(介護保険)や譲渡所得の特別控除について解説

【更新日】2021-01-20
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不動産売却によって保険料も値上がりする?

不動産売却は、さまざまな費用の支払いが必要になります。

不動産売却にかかる費用のまとめ

仲介手数料や登記移転費用、印紙税などが代表的な費用ですが、中には意外なものも支払わなければなりません。

その1つが保険料で、特に自営業の方が加入している国民健康保険は、不動産売却で利益がでた場合に大きく値上がりをします。

今回は、不動産売却と保険料の関係について、解りやすく解説していきます。

不動産売却時の保険料値上げについてケース別に解説

不動産売却で利益が発生した場合、確定申告で譲渡所得を形状する必要があります。

この際、介護保険料や社会保険料の値上がりはあるのでしょうか。

健康保険・共済保険・国民健康保険の3種類の内容を解説していきます。

健康保険は不動産売却で値上がりしない

健康保険とは会社員などが加入している保険で、中小企業の協会けんぽと大手企業の組合健保の2種類に分かれています。

両者の保険料の仕組みは同じで、会社から支払われる給与を基準に計算されます。

つまり、不動産売却で得られる譲渡所得は計算に含まないため、結果がどうであれ値上げの対象にはなりません。

共済保険は不動産売却で値上がりしない

共済保険は公務員・社会福祉法人の職員などが加入している保険です。

共済保険も健康保険と同じく給与が保険料の基準となるので、値上がりの心配はありません。

国民健康保険は値上がりの可能性がある

国民健康保険は自営業者や無職者が加入している保険です。

上記2つの保険制度と違い、国民健康保険の保険料は世帯の総所得に基づき計算されるので、不動産売却益も含まれます。

そのため、翌年の保険料が値上がりする可能性があります。

国民健康保険の構成は少し複雑で、以下の4つの算出方法から構成されています。

  1. 所得割
  2. 資産割
  3. 均等割
  4. 平等割

こうした保険の構成と4つの算出方法を理解しておくと、自分で値上がり分の目安を付けることが可能ですが、それだけではなく、「税金とは全く違うものだ」という理解を深めることができるので、税金を含む他のさまざまな出費と混同してしまうことがなくなります。

保険料は、不動産売却がひと段落すぎたころに値上がりされるので、仕組みを把握して準備をしておきましょう。

1.所得割

前年の収入によって計算されるものであり、この所得割の金額が不動産売却による影響を受けます。

所得割額の計算式は、「総所得金額―基礎控除額(33万円)×保険料率」となりますが、このうちの総所得金額に不動産売却によって得た代金も含まれます。

税金なら特別控除を利用することができますが、不動産を売って所得が増えたことには変わりないので、他の費用を抑えても保険料は上がってしまいます。

2.資産割

資産によって保険料を算出する方法で、不動産などに課される固定資産税額によって計算されます。

固定資産税は住民票をもつ地域の物件のものが対象となるので、まだ住民票を移していない方は注意しましょう。

3.均等割

世帯ごとに、国民健康保険加入者が何人いるかを調べ、人数分で割り出して算出する方法です。

4.平等割

負担額を世帯ごとに算出する方法です。

現在は一人暮らしをしている数が多いので、こうした人が密集している地域では適用されないこともあります。

不動産売却によって介護保険料は値上がりする?

介護保険料は、40~65歳の方が支払うものと、65歳以上の方が支払うものの2通りあります。

65歳未満の場合、保険料は健康保険に加入している方は給与から引かれるという形で、国民健康保険に加入している方は医療保険料に上乗せされるという形で支払われます。

65歳の場合は、市町村の介護サービス給付額を65歳以上の人口で割った額を負担することになります。

市町村ごとに負担額が異なりますが、大きな出費であることには変わりないので、不動産売却による値上げなどは絶対に避けたいですよね。

不動産売却による介護保険料値上げは2019年に廃止

今までは、不動産売却によって利益が生じると、長期譲渡所得が介護保険料に加算されるという仕組みでした。

しかし、この仕組みは2019年を機に廃止される予定となっております。

近年頻発した大地震によって家を破壊された被災者が、新居に引っ越したときに保険料の値上げを受け苦しんだということが、廃止にいたった主な理由です。

自然災害でも保険料の値上げが起きることで、誰でも受けることのできる介護サービスの利用が妨げられていたわけですから、廃止されるのは妥当だといってよいでしょう。

高齢者の不動産売却が盛んになる可能性も!

不動産売却による介護保険料値上げが廃止されれば、高齢者が不動産を売り出す機会は増加すると予測されます。

高齢者の方ほど、たとえ損でも不動産を持ち続けるという意識が強く、年齢層の高い地域によっては売り出し物件がほとんどないところもあります。

こうした地域の不動産売却が活性化することは相場の上昇にもつながるので、お得に売り出したいという方は、2019年を待つというのも一つの手です。

安心して不動産を売却できるようになる

超・少子高齢化時代が訪れ、受給者と負担者のバランスが悪くなることにより、年金の支給額が減少する可能性もあります。

また、核家族化が今まで以上に進み、親が所有していた家を子どもが相続して住むということも一般的ではなくなるでしょう。

こうした背景を考えると、高齢者の方が生活費捻出のため、あるいは“終活”の一環として不動産を売却するというのは、今後当たり前になっていくかもしれません。

こうした話は予測に過ぎませんが、とにかく2019年を機に高齢者でも不動産売却がしやすい時代に突入することは間違いないでしょう。

譲渡所得がプラスの場合は介護保険料の値上がりがある

2018年4月の改正によって介護保険料に3,000万円特別控除が適用されるようになりましたが、税金+介護保険料が3,000万円を超える場合や、譲渡所得がプラスになった上で特別控除の条件を満たしていない場合は介護保険料が値上がりしてしまうので注意が必要です。

ただ、最大3,000万円の控除なので、よっぽどのことがない限り超過はないですし、超過してしまったとしても支払う介護保険料はわずかなケースがほとんどです。

不動産売却時は介護保険料も控除することができる

介護保険料と不動産売却で発生する税金はその性質が根本的に異なるため、例えば譲渡所得税の発生時に利用できる特別控除を介護保険料に適用することはできませんでした。

しかし2018年4月からは、居住用不動産の売却で3,000万円特別控除の対象となる場合、介護保険料の対象である譲渡所得も控除の対象になるよう改正されました。

つまり、この控除では税金のみ最大3,000万円控除されるものだったのが、改正後は税金+介護保険料で最大3,000万円控除が適用されるようになったのです。

高齢者の不動産売却は2019年を待つべき?

上記の通り、2019年を過ぎると65歳以上の高齢者がお得に不動産を売却できるということがわかりました。

この話を、家を売ることを検討していた高齢者が聞けば、「そうであるならば、保険料値上げが撤廃されるまで売却するのを待っていよう」と考えるだろうと思います。

しかし、不動産の価値は築年数が1年経つごとに大きく下がるということを考えると、保険料の廃止までに売ってしまったほうがお得だという可能性も十分考えられます。

どちらが得をするかしっかりシミュレーションをしておくと良いでしょう。

税金の控除を受けている場合は注意が必要

2019年を過ぎると不動産売却時の介護保険料値上げは起こらなくなるわけですが、介護保険料自体は継続して徴収されますし、それによって税金の額なども変化します。

なかには、税金の特別控除を利用したから保険料も徴収されないだろうという方もいますが、大きな間違いです。

保険料の値上げは、不動産を売ったことで収入が増加したという事実に基づきおこなわれるわけですから、税金を控除したからといって変化はしません。

今回の保険料値上げ廃止も、国民健康保険の中の介護保険という一部だけを対象におこなわれるのであって、国民健康保険自体がなくなるというわけではありません。

こうしたことをしっかり把握していないと、後で大きなトラブルが起こるので気をつけましょう。

国民健康保険の加入者が不動産売却時に活用すべき譲渡所得税の控除

国民健康保険料の加入者は社会保険料・介護保険料が値上がりする可能性が十分あります。

しかし、譲渡所得がプラスかどうかは控除適用後の金額をもって判断されるので、全額控除できるのであれば、社会保険料や介護保険料が値上がりしないので安心です。

ここからは、国民健康保険の加入者が活用すべき譲渡所得税の控除を紹介していきます。

➀3,000万円の特例控除

居住用不動産を売却した場合、最大で3,000万円の控除を受けることができます。

この特例控除を利用する際は、下記の条件を満たしていなければいけないので注意しましょう。

  • 今住んでいる家や敷地を譲渡する場合
  • 転居してから3年後の12月31日までに、以前居住していた家や敷地を譲渡する場合
  • 災害があって減失してしまったときは、災害があった日から数えて三年目の年の12月31日までに、以前の敷地を譲渡する場合
  • 転居後に家屋を取り壊した場合は、転居から3年後の12月31日か、取り壊しから1年以内のどちらか早いほうで譲渡する場合

3,000万円というかなりの金額を控除できるので、保険料の値上げはほぼ防げます。

②5,000万円の特別控除の特例

収用など、公共事業が理由で土地を売却した場合、譲渡所得を5,000万円控除できます。

売却した日が公示から6か月以内、売却した人が最初に申し出を受けた人と一致している、売却した土地は固定資産という取扱になっていることが、特例の適用条件になります。

③2,000万円の特別控除の特例

土地の区画整理事業、住宅街区整理事業、第一種市街地再開発事業などの整理・開発が理由で売却をした場合、最大で2,000万円の特別控除を受けることができます。

この特例を受けるためには区画面積が30ha以上でなければいけない他、買換え特例等の併用はできないので注意しましょう。

④1,500万円の特別控除の特例

住宅地の造成工事などで売却をする際、地方公共団体主体である、民間の住宅建築事業の一環である、公有地拡大の一環であるといった場合に最大1,500万円の特別控除を利用できます。

ただこれは、上記のより控除額の高い特例と併用はできないので注意しましょう。

⑤800万円の特別控除の特例

農用区域内の農地を農業者に譲渡した場合、最大800万円の特別譲渡が適用されます。

出費もシミュレーションした上で物件を売却しよう

今回の記事は、「築年数と保険料の廃止を天秤にかけて、よりよい方法を選ぶべき!」という内容になっていますが、これは保険料以外にもいえることです。

たとえば、ローンの残債が残っている場合などは、支払い続けてから売却した方がお得な場合もあります。

物件価値が低下する前に売り出してしまうのがセオリーではありますが、この方法が常に正解だというわけではないので、注意しましょう。

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