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無機塗料とは?他の塗料との特徴比較と使用時のメリット・デメリットを解説

【更新日】2023-11-07
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無機塗料
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無機塗料は、塗料の原料に無機物を配合している塗料のことです。

無機物とは石やレンガ、ガラスなどの有機物を含まない物質のことで、紫外線によって劣化することがないので、無機物事態は半永久的に耐久していきます。

耐用年数が長く、家を長持ちさせたい人に非常におすすめの塗料です。

今回は、無機塗料の特徴をメリット・デメリットに触れて紹介していきます。

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流れ

無機塗料とは

無機塗料は原料に無機物を配合していますが、無機物100%の塗料はまだ存在していないので、半永久的に使用できる塗料として無機塗料は開発されていません。

無機物100%の塗料では、固すぎて塗料として使用することができないのです。

それゆえ無機物の耐久性を活かして、合成樹脂などの有機物を含ませることによって、塗料として使用できるようになっているのが無機塗料です。

塗料が劣化する原因となる有機物が混ざっていることによって、半永久的な耐久性はありませんが、それでもフッ素塗料を超える耐用年数を実現できると期待されています。

一般的な塗料となっている、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などは、有機物である合成樹脂を含んでいる塗料なので有機塗料と呼ばれます。

反対に無機塗料は、合成樹脂を含まない塗料と言えば簡単な区別がつくのですがそうではありません。

先に記したように、無機塗料にも合成樹脂が含まれています。

実際には、合成樹脂に無機物を含んでいる塗料です。

鉱物だけでは外壁に付着させることができませんよね。

それゆえ有機塗料に無機物を配合したものを無機塗料と呼びます。

無機塗料のメリット

無機塗料のメリットは、以下が挙げられます。

  • 耐候性が高い
  • 防汚性が高い
  • 不燃性に優れている
  • 変色しにくい
  • カビ・コケが発生しにくい
  • メンテナンスに手間がかからない
これらのメリットについて詳しく紹介していきます。

耐候性が高い

耐候性が高いというのは、外塀塗装業界では耐用年数が長い、長持ちするといった意味で使用されます。

要するに、多孔性の高い塗料はより長く外壁を保護することができます。

無機塗料はシリコン・フッ素塗料よりも耐候性が高いので、とても長い時間光沢を保ち外壁の保護をしてくれます。

このことは日本ペイントの実験で証明されていて、過酷な条件下で塗膜に負荷をかけても無機塗料は70%以上の光沢を維持できることが証明されています。

ちなみに耐候性の高いフッ素塗料でも過酷な条件下では20%未満の光沢保持率になってしまいます。

この実験は耐候年数を、実際に塗料を外壁に塗装して証明しているものではありません。

ただし、日本ペイントが実験しているということで、無機塗料が高い耐候性をもっているということを証明するには十分と言えます。

フッ素塗料よりも長い耐用年数を期待できるので、建物の保護を長い時間おこないたい方にとって最適な塗料なのではないでしょうか。

防汚性が高い

無機塗料が形成する塗膜には汚れが付きにくくなっています。

親水性という水に馴染む性質があるため、汚れが付着したとしても雨などが降った際に汚れと外壁の間に水が入り込んで汚れを流すことができるのです。

光触媒塗料にも同様の性質がありますが、無機塗料は親水性のある材料を混ぜているので親水機能を発揮することができます。

無機物そのものに親水機能があると勘違いのないようにしましょう。

また無機塗料で形成された塗膜には静電気が発生しにくくなっています。

外壁に汚れが付着してしまう原因として、静電気が空気中のちりやゴミを引き寄せてしまっていることがあります。

ゴミが付いた外壁は水分を含みがちになってしまうので、コケやカビの発生を引き起こしてしまうことがあります。

一方、無機物が配合されている無機塗料には静電気が発生しづらいのでこのようなリスクも少なくなっています。

不燃性に富んでいる

無機物とは一般的に鉱物などのことをいい、それを含んでいる無機塗料は有機塗料よりも燃えづらい性質を持っています。

石などは燃えませんよね。

この燃えにくさを不燃性といいます。

ただ無機塗料は、有機塗料に無機物を配合しているという格好なので、全く燃えることがないということではないので注意しましょう。

変色しにくい

無機物の効果によって塗膜の劣化がしにくく、変色しにくい塗膜を作ることができます。

塗装したての色合いを長い間保つことができるので、数年経っても見た目がきれいな外壁とすることができます。

外壁は変色すると一気に古臭さを出してしまうので、外観のきれいさに気を使う方や美観にこだわる方は無機塗料の使用に向いているかもしれません。

カビ・コケが発生しにくい

カビ・コケの発生原因となる有機物の含有量が、有機塗料に比べて少ないのでそれらが発生しにくいというメリットがあります。

コケやカビは単純に外壁の美観を損なうだけでなく、外壁にダメージを与えてしまうことがあります。

コケの根から発生する「根酸」という酸化物質により、外壁や屋根を酸化させサビさせてしまうことがあるのです。

結果として耐用年数を縮めることに繋がりますので、無機塗料はそれを回避できるというメリットを生んでいるのです。

メンテナンスに手間がかからない

無機塗料は20年以上の耐用年数を持っているといわれているので、1度塗装をすればメンテナンスに気を使わなくて済みます。

耐用年数が長く、外壁の素材や建物に悪影響を与えずに済むので、建物の寿命を長くすることもできるのです。

以上のように、無機塗料には多くのメリットがあり、塗料として魅力的な性能が多く詰まっている塗料と言うことができます。

寿命の長い塗装をしたいという方にとって、検討に入れても良い塗料となっています。

無機塗料の耐久性が長い理由

無機塗料はその名の通り無機物で構成された塗料ですが、ここが耐久性を長くしている一番の要因です。

一般的に販売されている塗料の半数以上は樹脂を主成分としています。

この樹脂は、石油などを原料とする有機物です。

有機物は紫外線のエネルギーによって分解され、次第に効果を発揮できなくなります。

しっかり塗った塗料でも時間とともに色褪せやチョーキングが起こるのは、樹脂が有機物であることが大きな原因です。

余談ですが、人間も炭素を含む有機物で、紫外線が有害と言われるのはこれが理由です。

一方、無機物は紫外線を浴びても劣化することはありません。

ガラスや岩石が砂漠でも残り続けるのは、紫外線に強いのが大きな理由です。

この無機物を利用して作られるのが無機塗料であり、一般的な塗料と比較して大幅に耐久性がアップしています。

メンテナンスフリーではないので注意

無機物は半永久的な耐久性を持ちますが、無機塗料も半永久的に長持ちする訳ではありません。

無機物100%で塗料を作ることは不可能なので、実際は無機塗料の中に有機物も結構な割合で混ざっているからです。

有機物部分が劣化すれば塗料の効果は半減するので、無機塗料も塗り直しをしなければいけません。

稀に「無機塗料はメンテナンスフリー」という説明をする業者がいますが、実際はそんなことはないので注意しましょう。

無機塗料の定義はない

無機塗料の効果が見込めるかどうかは、塗料の中の無機物の割合がどれくらいを占めるかが大きく関係しています。

前述の通り、無機塗料の中にも有機塗料は含まれます。

大半を有機塗料が占めていたら、一般的な塗料と耐久性はほぼ変わらないといっても良いです。

ただし、無機塗料は無機物を全体の何%を占めるかという定義がないため、ほとんど有機塗料に近い商品も無機塗料として売られている可能性があります。

無機塗料の効果が実感できるのは優良大手メーカーの社内基準をクリアしたものなどで、悪徳業者が勧めてくる成分の分からないものは購入しないようにしましょう。

無機塗料のデメリット

メリットの多い無機塗料ですが、残念ながらデメリットもいくつか存在しています。

塗料にはメリットとデメリットの両方がありますので、どちらについても理解を深めたうえで塗装に使用する塗料を決定しましょう。

メリットのみで塗料を選んでは、結果的に塗装工事の失敗も考えられますのでデメリットについてもしっかり理解していきましょう。

  • 費用が高い
  • ひび割れしやすい
  • 職人の技術・質が仕上がりに関わる
  • つや消しができない
ここではこれらのデメリットについて詳しく解説していきます。

費用が高い

塗料に配合されている無機物は安いものではないので、一般的な有機塗料(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素など)に比べると価格が高くなっています。

有機塗料の中でも高級な塗料であるフッ素塗料よりも高くなります。

また、現在の普及数が少ないので価格を下げることができないという影響もあります。

無機塗料が普及していった結果、場合は現在よりも価格を下げることができるかもしれませんね。

フッ素塗料の単価が3800~4800円/㎡なのに対し、無機塗料は4500~5500円/㎡となっています。

ひび割れしやすい

無機塗料は塗膜が固いので、他の塗料に比べると塗膜にひびが入りやすくなってします。

それゆえ建物の動きが激しい場合は、塗膜にひびが入ってしまうことが考えられますので、地震の多い地域など、建物に動きが多い場合にはおすすめできない塗料です。

職人の技術・質が求められる

これは無機塗料に限らず高額な塗料に当てはまることなのですが、塗装する職人の技術が低いと、どんなに良い塗料でもすぐに剥がれたり劣化してしまいます。

無機塗料も例外でなく、下地処理や高圧洗浄といった基本作業を怠ったり、塗装技術が低い場合は塗膜が早く劣化してしまいます。

このように、塗料の耐用年数は塗装職人の手にかかっていますので、技術力のある信頼できる業者に工事を依頼しましょう。

業者選びは外壁塗装工事で最も大切といっても過言ではないほど重要です。

つや消しができない

塗料の多くはツヤありかツヤなしを選択できますが、無機塗料はツヤありのみの塗装になります。

ただツヤの程度の指定はでき、5分ツヤ・3分ツヤと調整は可能となっています。

ツヤ独特のまぶしい感じが苦手な方にとって、無機塗料の使用は向いていないかもしれません。

無機塗料の価格相場は平均50,000~120,000円/㎡

塗料の種類 耐久年数 相場/㎡
光触媒 約15年~ 5000~5500円
断熱 約15年~ 5000~5500円
フッ素 約15年~ 3500~4500円
シリコン 約7~10年 2500円~3500円
ウレタン 約5~7年 1800円~2000円
アクリル 約3~5年 1000円~1200円
無機系 約15年~ 50,000~120,000円
ピュアアクリル 約15年~ 50,000~70,000円
無機塗料の費用と他の塗料の単価を比較すると、一般的に使われるシリコン塗料の2倍近い価格だと分かります。

フッ素塗料や光触媒塗料も耐用年数が長く高価と言われていますが、樹脂を使用した塗料なので、あくまで一般的な塗料の延長線上となります。

一方で無機塗料は一般的な塗料と異なる成分を使っており、他の塗料と比較して大幅に耐久性を上げているため、その分高価になります。

無機塗料は他の塗料と全く別のノウハウで耐久性をアップさせているので、どうしても費用がかかってしまうのです。

人気メーカーのおすすめ無機塗料

無機塗料が開発されてからしばらく経ち、現在では様々なバリエーションが販売されています。

前述の通り無機塗料と一口に言っても成分比などの要素がピンキリなので、期待する効果が見込めないことも少なくありません。

ここからは、人気の大手メーカーが定める厳正な基準をクリアした、おすすめの無機塗料を紹介していきます。

ジャパンカーボライン「セラスターシリーズ」

カーボライン社はアメリカの世界的塗料メーカーで、橋梁など厳しい環境におかれたもののための塗料(防食用塗料)をメインに取り扱っています。

セラスターシリーズはカーボライン社のこれまでのノウハウを活かした住宅外壁・屋根用無機塗料です。

外壁・屋根用が揃っているので、シーンに合わせて使い分けやすいのも特徴です。

  • セラスターウォール:外壁用無機塗料
  • セラスタールーフ:屋根用無機塗料

日本ペイント「アプラウドシェラスターⅡ」

日本ペイント「アプラウドシェラスターⅡ」

国内最大手メーカーの水性無機塗料で、耐候性の高さは日本ペイントに数多くある塗料の中でも最高レベルの評価を受けています。

耐久性の高さだけでなく低汚染性や燃えにくさにも優れており、建物を綺麗で安全に保つことが出来ます。

一般的な住宅に使うには高額・高性能過ぎるという声もありますが、長期に渡り住み続ける予定の家なら、使用を検討しても良いでしょう。

関西ペイント「アレスダイナミックMUKI」

関西ペイント「アレスダイナミックMUKI」"

こちらも日本を代表する塗料メーカーの無機塗料で、有機塗料の中では最高品質のフッ素樹脂を無機物と混ぜわせた高性能商品です。

耐久性は無機塗料の中でも高いのは勿論ですが、フッ素塗料の特徴である伸びやすさも引き継がれているため、複雑な箇所が塗りにくいという無機塗料の欠点を上手くカバーできています。

耐久性だけでなくデザイン性も兼ね備えた塗料として、幅広いシーンにおすすめです。

エスケー化研「セラミタイトペイント」

セラミタイトペイントは固く緻密な塗膜を形成し、長期に渡って建物を保護することが出来ます。

伸びにくく塗装にしくいと言われる無機塗料の中でも操作性が高く、かつ乾燥しやすいので扱いやすさは抜群です。

水性艶消し塗料なので、作業中に臭いが発生しにくいのも魅力です。

無機塗料はこんな方におすすめ

無機塗料の使用は、以下のような方におすすめです。

  • メンテナンスに手間をかけたくない方
  • 費用が高くても、綺麗な外観を長く保ちたい方
  • 塗装工事を何回もしたくない方
  • 外壁を高い効果で保護したい方
無機塗料の効果や性能が魅力に感じるようなら、塗装工事で使用する塗料の候補に入れてみてください!

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