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不動産売却と簿価・時価の関係は?調べ方・計算方法・減価償却への影響

【更新日】2021-03-05
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不動産売却と簿価

不動産売買で用いられる専門用語に、簿価というものがあります。

もともとは会計処理で使う用語で、帳簿に記載されている資産価格のことを指します。

この簿価の反対が時価となりますが、この2つの指標を知っておくことによって理解が更に深まります。

この記事では、不動産と簿価・時価の関係について解説します。

不動産売却と簿価・時価の関係

売却を検討している不動産はどのタイミングで売り出すのがベストか調べる方法があります。

それが、簿価と時価を使った方法です。

不動産を購入するときに支払った金額がまずはじめの簿価となり、築年数を経るにつれてどんどん価値は減少していきます。

不動産価値と築年数の関係を種類別に解説

いっぽう、時価は主に景気によって左右されます。

つまり、簿価(絶対価値)よりも時価(相対的な価値)が高いタイミングで売り出すのが利益が最も出る売却方法ということになります。

このようにして売却タイミングを見極める方法は特に投資の世界ではよく使われております。

時価が簿価を上回ったタイミングで不動産を高く売る

不動産を売るタイミングを見極める際にやっておきたいのが売却による損益通算です。

損益通算の計算は以下の式でおこなえます。

売却時の手残り-(簿価+譲渡費用+取得費)

単純に売却価格-簿価で計算するのではなく、諸費用も加味して計算しましょう。

この計算で、時価が簿価を上回ったタイミングが分かったら、高額売却できる可能性が高いです。

ただ、損益通算をした利益は課税対象でもあるので、そのまま手元に入る訳ではないということを理解しておく必要があります。

不動産売却のタイミングは損益通算で求められますが、減価償却や税金の計算などもおこなった上で計算しないと意味がないので注意しましょう。

簿価を居住用不動産の売却に応用するのは難しい

主に投資用物件の取引で利用されている指標ではありますが、住まいの売買でも活用できるのでしょうか。

結論としては、直接的には参考にはなりません。

不動産投資は景気が強く影響しますが、居住用不動産の売却は物件の間取りやデザイン、周辺環境などのほうが強く影響するからです。

人が住まいを探すシーンを思い浮かべていただくとわかると思いますが、いまがお得だからといって、最も時価の安い不動産を無条件に選ぶということはまずありませんよね?

不動産は少しくらいお得なだけでは買い手の負担はそうそう変わらない高額の取引です。

また、安いからといって安全面を考慮されていなければ意味がありません。

居住用としての不動産売却は、投資の場合と需要が大きく異なることを知っておきましょう。

簿価は損益計算に利用する

前述の通り、直接的に簿価を利用して売り出し価格などを決めるということはおこないませんが、その仕組を知っておくことで損益計算をスムーズにおこなうことができます。

簿価の計算は以下の計算式でおこないます。

売却価格-取得費(購入費用)-売却費用=譲渡益

シンプルな式ですが、これを知っておくと、例えば購入時によかれと思ってバンバン所得費をつかったことで、最終的に利益が下がるという仕組みを知ることができるでしょう。

2020年以降は日本全体に不動産不況がくるといわれている今ですから、簿記の仕組みを知りながら購入をすることで、先に売る場合も見据えて適切な判断ができますよ!

簿価を知っていると交渉時に活用できるかも?

不動産の売却額は売り手・買い手の話し合いで決まるので、基準額を知っていてもそこまで活用できるものではありません。

それよりも市場価格のほうが売り出し価格や売却代金を知る上で重要となるでしょう。

しかし、簿価のような基準額を知っていることで有利になる場面があります。

それが相手から値引き交渉を受けたときです。

売り手の中には、自分の目的を達成するために、根拠の薄い高めの価格を付ける方がいます。

しかし、買い手は不当に値段を吊り上げられていると感じますから、値引きを交渉されやすいのです。

一方、簿価を基準に根拠をもって算出額を決めているのであれば、相手から値引きを交渉されても言い返しやすいです。

簿価が分からない時の対処法

不動産の簿価が分からなければ、正確に損益通算ができず、譲渡所得の計算ができません。

譲渡所得が分からないと税金をいくら支払えば良いかわからなくなるので、リスクが拡大します。

簿価が分からないケースは、例えば以下があります。

  • 先祖代々受け継ぐしきたりの不動産である
  • 現制度の前に購入している
  • 親が既に亡くなっており、相続不動産の情報が分からない

この場合の対処法を紹介してきます。

不明時は成約価格の5%相当を簿価とする

簿価がどうしても分からない時は、成約価格の5%相当を簿価とすることができます。

1,000万円で売却できた不動産なら、簿価は50万円となります。

簿価が分からない時はこの計算式を活用できますが、ネックなのは取得費も同じく成約価格の5%相当で計算されるという点です。

譲渡所得税は売却価格>購入価格の場合にその差額に対して課税されるので、売却価格(100%)-取得費(5%)に税率をかければ課税額は非常に大きくなってしまいます。

日頃から簿価が分かる資料は保管しておくこと、不明でも契約していた不動産会社や金融機関の名前がわかれば、とにかく連絡してみることをおすすめします。

簿価を用いて減価償却費を計算する方法

ここまで、不動産売却に必要な簿価の知識を共有していましたが、この指標が本当に必要となるのは減価償却費の計算です。

減価償却費とは、資産を耐用年数に応じて価値を再配分するときに利用する金額のことです。

そのため、減価償却額を知ることで価値が下がる前の適切な売却タイミングを見極めることができるのです。

減価償却費の計算は、以下のように進みます。

  • 定率法(はじめの年ほど償却費が高く、年とともに減少)で計算(基本的に定額法の2倍)
  • 償却額が保証額を下回ったときじゃ、簿価×償却率で計算
  • 一度改定償却率を用いたら、それ以降はその計算方法を継続する

減価償却について知ることは重要

減価償却について知ることは、売却をおこなう上で非常に大切です。

なぜなら、築年数の経過による不動産価値の減少というのは、普通に暮らしているだけでは全くわからないことだからです。

知識がなければ、まさか1年経つごとに価値が何十万、何百万円分も減少しているとは夢にも思わないでしょう。

こうした見えない価値の増減をリアルに感じることができると、不動産売却は成功しやすいですよ。

定率法と定額法の違い

簿価を利用するのは主に不動産の減価償却の計算に関してですが、減価償却の計算は定率法と定額法の2種類があります。

  • 定率法:年数の経過に比例して償却費が減っていく
  • 定額法:耐用年数に基づき毎年均等に減価償却をおこなう

最初にどちらかの方法が選択されたら、途中で変更せずに継続して利用されるのが一般的です。

この仕組みを知っておくことで、評価額がどのように推移していくかの理解が深まり、売り時の判断にも役立ちます。

簿価以外にもある不動産を評価する指標

時価と異なり、不動産価値を客観的に評価する指標の一つとして、簿価を紹介しました。

こうした指標は簿価の他にも、いくつか存在します。

ここからは、簿価以外の評価基準について紹介していきます。

公示地価・基準値標準価格(基準地価)

公示地価は国土交通省が発表している価格で、毎年1月1日時点での標準地の正常な価格を調査し、3月に公示します。

公示地価は様々な評価額や時価の基準になるので重要ですが、単純な今の価値とは異なるので注意が必要です。

公示地価を補完するため、都道府県が主体となって毎年7月1日時点の価格を9月ごろに発表するのが、基準値標準価格です。

相続税評価額(相続税路線価)

相続税評価額は国税庁が発表する相続税・贈与税の目安価格です。

こちらも毎年1月1日を判定基準日とし、7月1日に発表されます。

相続税評価額は国税庁が提供している路線価図からチェックすることができます。

なお、相続税評価額は公示価格の約8割相当になります。

固定資産税評価額

固定資産税評価額は、その名の通り固定資産税の課税額を算出する上で基準となる価格です。

調査・発表主体は市町村が主ですが、東京23区は都が決定します。

3年に1度評価替えがあり、公示地価の約7割相当が相場となります。

鑑定評価額

鑑定評価額とは、不動産鑑定士によって算出される金額のことです。

時価や公示地価とは別に、その不動産の本来の価値を判定した価格になります。

簿価は不動産売却で必須の知識ではないが覚えておくのがおすすめ

簿価や時価、減価償却といった項目は、不動産売却の中でも深い知識に当たるものです。

はじめて売却をおこなう方が理解することの難しいものでもあるので、必須で覚えろというわけではありません。

ただ、こうした深い不動産知識もどんどん学んでいくことができれば、不動産売却がわかりやすく、より明るいイメージを持つことができますよ!

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