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建ぺい率・容積率がオーバーしている物件は売却できる?違反建築物の取扱いや売却方法を解説

【更新日】2023-12-21
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建ぺい率・容積率がオーバーしている物件は売却できる?
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「建ぺい率がオーバーしている物件は売却できるの?」

「建ぺい率がオーバーすると違法じゃない?」

不動産の規制の一つに「建ぺい率」「容積率」という要素があります。

これらは、土地の大きさに対してどの程度の大きさの建物を建てて良いかという基準です。

しかし、中には建ぺい率がオーバーしてしまっている物件もあり、売却できるのかどうか疑問に思っている人も多いでしょう。

この記事では建ぺい率と容積率について詳しく解説してから、建ぺい率がオーバーしている物件を売却する方法について解説していきます。

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建ぺい率とは?

建ぺい率とは、土地面積に対して建物を建てることができる面積の基準を指します。

例えば土地面積が100㎡で、建ぺい率が50%の場合は、建築可能な建物の面積は「100×50%=50㎡」となります。

建ぺい率は建物を上から見た際の面積で計算されるので、地面に面している面積ではありません。

そのため一階部分よりも二階部分の面積が広い建物も、二階部分の面積で計算されることになります。

建ぺい率は建物を建てる基準として設定されているため、建ぺい率をオーバーしている物件が建てられることは少ないです。

容積率との関係

建ぺい率と密接な関係がある指標が、「容積率」です。

容積率は敷地面積に対してどの程度の床面積がある建物を建てられるかの基準となります。

例えば土地の面積が100㎡で容積率が130%の土地であれば、建築可能な総床面積は「100×130%=130㎡」となります。

この建ぺい率が40%の場合は、単純計算で3階建ての建物が建築できることになります。

建ぺい率でその土地に建てられる建物の広さを決定して、容積率で建物の高さを決定すると考えればわかりやすいです。

建ぺい率や容積率は地域によって決められる

建ぺい率や容積率は明確な根拠を元に決められているわけではなく、その土地の地域によって大まかに決められます。

商業土地として設定されている土地では、大規模な建物が並ぶことを想定して高い建ぺい率や容積率が設定されます。

反対に「第一種低層住居専用地域」に設定されている住宅地では、大きな建物を作ると周辺への日当たり問題が発生するので、建ぺい率や容積率は低く設定されます。

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建ぺい率がオーバーした物件とは?

建ぺい率や容積率がオーバーすることは建築時点では少ないです。

しかし、オーバーする物件としては次のケースが考えられます。

  • 違反建築物
  • 既存不適格建築物

それぞれの建ぺい率をオーバーしている物件の解説を以下にしていきます。

違反建築物

違反建築物とは、現在の建築業法や都市計画法に違反して建てられた建物のことを指します。

例えば車庫を増設したことにより建ぺい率をオーバーしたケースや、住居として申請した建物を店舗として利用したケースなど、様々なケースがあります。

違反建築物とされる物件は時効がなく、是正指導中の物件として扱われるので、違反建築物が売買された場合は新たな所有者に是正義務が発生します。

その際は金融機関の住宅ローンを組めない可能性も高いので、購入するメリットは少ないです。

既存不適格建築物

既存不適格建築物とは、建築当時には適法だったが法令の改正によって規定に適さなくなってしまった物件です。

1971年以降に建ぺい率や容積率の都市計画が決定されたため、それ以前に建てられた物件は既存不適格建築物になっていることがあります。

既存不適格建築物は本来規定を守っていたため、増築をしない限りは適法な建築物として扱われます。

違法建築物とは異なり、住宅ローンの融資を受けることができる可能性もあります。

建ぺい率がオーバーした物件が売却しづらい理由

建ぺい率がオーバーした物件は、既存不適格建築物であっても売却しづらい特徴があります。

主な理由としては、次の2つが挙げられます。

  • 住宅ローンを組みにくい
  • 将来建て替えしづらい

現在の法令に適応していない他の理由があるので、確認しておきましょう。

以下にそれぞれの理由を解説します。

住宅ローンを組みにくい

建ぺい率をオーバーしている物件は、住宅ローンの審査が通りづらい特徴があります。

既存不適格建築物の担保評価額は低いため、物件を担保に設定できないからです。

金融機関は対象の不動産を担保にとって抵当権を設定しますが、建て替えが難しい既存不適格建築物は担保としての価値が低いです。

そのため、住宅ローンをそもそも組めないことも多くなっています。

将来建て替えしづらい

建ぺい率をオーバーしている物件は、将来的に建て替えしづらい特徴があります。

そのまま使い続けるのであれば問題ありませんが、老朽化が進んだ場合は建て替えを行うのが基本です。

既存不適格物件は現行の法令に適合するように建て替える必要があるので、家自体が狭くなることが多いです。

そのため、建て替えをしたとしても同規模の物件にはできず、建て替えしづらいと言われています。

建ぺい率がオーバーした物件を売却する方法

建ぺい率がオーバーした物件は売却しづらいと説明しましたが、売却する方法としては次の5つが挙げられます。

  • 他の物件より広い点をアピールする
  • 減築リフォームする
  • 隣地を買い取ってから売却する
  • 古家付き土地として売却する
  • 買取業者に依頼する

上記の方法で売却すると、納得いく金額で売却できる可能性があります。

以下にそれぞれの売却方法を解説します。

他の物件より広い点をアピールする

建ぺい率がオーバーしているということは、逆に言えば通常の物件よりも広いメリットがあります。

既存不適格物件は違反建築物ではないので、是正命令の対象にはなりません。

そのため増改築をしない限りはそのまま住み続けられます。

物件の広さを重視している買主は、購入してくれる可能性があります。

減築リフォームする

建ぺい率をオーバーしないために、建物を狭くする減築リフォームをする方法もあります。

建物の一部を丸ごと撤去するなどの方法で、建ぺい率を抑えることが可能です。

減築によって現行の建ぺい率の制限内になれば、買い手が見つかる可能性が高くなります。

隣地を買い取ってから売却する

建ぺい率がオーバーしている状況を脱却するには、建物を小さくする方法以外に、土地を広げる方法があります。

建ぺい率は敷地面積に対しての割合なので、隣地を買い取って土地面積を広げれば基準を満たすことができるケースがあります。

建ぺい率をオーバーしている点を是正したい場合は、土地を購入することも一つの方法です。

古家付き土地として売却する

対象の建物が木造で、築年数が古い場合は「古家付き土地」として売却するのも一つの方法です。

古家付き土地とは、経済的な価値がない住居が建っている土地を指します。

購入者は土地の購入が主な目的となるので、建物を解体することを前提に購入してもらえます。

自身でリフォームする手間や費用が省けるメリットもあります。

買取業者に依頼する

短期間で売却したい場合は、専門の買取業者に依頼する方法もあります。

専門の買取業者であれば建ぺい率がオーバーしていたとしても買取対応してもらえます。

買取業者は物件を現金一括で買い取ってくれるため、買い手が見つからない問題を解決できます。

ただし、既存不適格物件の買取業者は数が少なく、業者によって買取価格が大きく異なるケースが多いです。

そのためできるかぎり複数の買取業者に依頼して、できるだけ高額で買い取ってもらえる会社を選びましょう。

建ぺい率・容積率オーバーの物件に関するポイントをおさらい

建ぺい率・容積率の違反はどこでチェックする?

建ぺい率や容積率がオーバーした物件には「違反建築物」と「既存不適格建築物」があります。

前者は現行法に違反して建てられた物件で、後者は過去の法令で合法だったが現行法で不適合となった物件です。

違反建築物は是正義務があり、住宅ローンが組みにくい。

既存不適格は建て替え時に現行法に合わせる必要があるため、狭くなる可能性が高い。

このような物件は売買時に注意が必要です。

建ぺい率・容積率の違反物件を高く売るにはどうしますか?

建ぺい率がオーバーの物件の売却は難しいですが、いくつかの方法で解決できます。

物件の広さをアピールします、減築リフォームを行います、隣の土地を購入して面積を増やします、古家付き土地として売ります、または買取業者に依頼します。

最適な手段を選び、売却価格を最大化しましょう。

建ぺい率がオーバーしている物件は売却しづらい!工夫して売却しよう

建ぺい率がオーバーしている物件には、「既存不適格物件」「違反建築物」の2種類があります。

既存不適格物件の場合は法的には問題ありませんが、売却しても購入者が現れづらい点には気をつけましょう。

売却する際には建物を減築リフォームする、逆に土地を購入して敷地面積を広げるなどの方法があります。

増築リフォームをしていて建ぺい率がオーバーしているかどうか不安な人は、売却前に確認しておくと良いです。

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