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不動産売却で覚書・念書が重要な理由と作成のポイント・ひな形について解説

【更新日】2024-01-16
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不動産売却の覚書
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不動産売却では、覚書というものが重要になります。

これは、もしものときの対応や契約の基本ルールなどを売り手と買い手双方の合意のもとに定めたものとなります。

売買契約は双方の意志を反映しておこなうことができますが、こうした覚書がないとトラブルにつながってしまいます。

また、決めごとを書き残しておく重要性は不動産の中でも特に土地売却で重要となります。

この記事では、土地売却において重要度が高まるのかという理由と、実際に覚書を作成する場合の注意点を解説します。

土地売却にかかる時間はどれくらい?手続きはどのタイミングで始めるべき?

覚書と念書の意味の違いと不動産売買での用途の違い

覚書と念書は、どちらも重要事項を書き留めた書類という同じ意味を持ちます。

ただ、不動産売却では、覚書と念書は違うものとして認識されています。

ここからは、それぞれの違いをわかりやすく説明していきます。

覚書は売買者双方の同意が必要

覚書は、売主と買主の署名・捺印が必要な書類です。

両者が保管する必要があるので、原則2通作成するようになります。

「A(B)がB(A)に○○の責任を負う」というような、お互いの確認が必要な約束を取り交わすことができるので、権利関係が複雑な内容も書き留めておくことができます。

当事者全員の署名を取るので、トラブルが起こった際の証拠能力が高く、作成しておくと万が一のときも安心です。

念書は片方が一方的に約束をする時に使われる

対して、念書にはお互いの署名は必要ありません。

片方が一方的にもう片方にお願いしたいことがあるときに念書を作成・提出し、認めてくれればサインを書いて承認完了となります。

例えば、「転勤が○○日にあるので△日までに引き渡しを済ませたい」「精算金の支払い期限を1週間延ばしてほしい」など、個人的な希望がある時に念書は作成されます。

ただ、念書はお互いの署名・捺印がないので、いざというときの証明能力は少し落ちます。

土地売却で覚書の重要度が増す理由とは?

そもそも、覚書とはどういうものを指すのでしょうか。

これは、例えば土地売却時に定められたあらゆる取り決めを書き残した書類の総称です。

具体的に、覚書を残しておくべき取り決めは以下のようなものが挙げられます。

  • 代理人の委任
  • 代金の支払い方法・支払期限など
  • 住宅ローンの内容変更
  • 土地境界や接する道路についての確認
  • オーナーチェンジ
  • 先行登記
  • 手付金預かり

これらは一部にしか過ぎませんが、要するに何かが決まったり、その決まった内容が変更されたりするときには、常に必須ではありませんが、覚書の作成が必要となります。

約束が拘束力を得るために覚書が重要

不動産売却には、そもそも決まったフォーマットというものがありません。

不動産の立地や規模、金額もそれぞれ違うので、ルールを決めても、それにそぐわない場合が多くあります。

そのため、自分たちでルールを決めてしまうことが最もお互いが納得できるベストな方法というわけですが、このときにある問題が生じます。

それは、定めた(と思っていた)ルールに拘束力があるかどうかです。

売り手は口約束だと思っていたのに、買い手はそれに促されて購入を決めたという実態になってしまうと、買い手からすれば数千万円を騙されたも同じです。

高額費用が動く不動産取引だからこそ、覚書でしっかり残しておくことが重要なのです。

土地と建物の取り扱いの違い

マンションや戸建てといった建物と土地には明確な違いがあります。

それは、完全な個人の所有物ではないということと、境界があいまいであるということです。

まず、土地の権利関係ですが、あくまでの国に帰属しており、所有者は権利を譲渡されているに過ぎないという向きが強いです。

自分で建てた新築物件を売却するのであれば売り手の意思によって決められることも多いですが、土地の場合は制限も多いので、覚書の重要性が増します。

また、境界があいまいであるというのも非常に重要なポイントです。

覚書は売買者間限定ではない

土地の境界はあいまいなので、売却時にはチェックが必要です。

自分がどれくらいの規模の土地を購入するのかを買い手は把握したいのは当然ですが、まずは隣の所有者と話しあいをして、境界を決めなければいけません。

ただ、このときにすんなり境界が決まるわけではなく、境界線上にある物質をどけたり、まっすぐ線を引けるように整備をしたりする必要があります。

このときに、どのような手順で手続きをおこない、どのような結果となったのかを覚書として残すことが、後のトラブルを解決するためには大切です。

土地売却時には所有する覚書を譲渡する

売却した土地を新しい所有者がどのように使うかは、売り手の知るところではありません。

新築のマイホームをその上に建てる方もいれば、駐車場として貸し出すといった方までいることでしょう。

ただ、どれくらいのマイホームや駐車場を作ることができるかは、過去の取り決めによって制限されることが多いです。

たとえば、昔の所有者が境界を定めたことを知らず、境界より広めに家を建ててしまった場合、その後の所有者が大きさを是正しなければならないので、迷惑をかけてしまいます。

未来の土地所有者が気持ちよく利用できるように、売却時には過去の取り決めを買い手へ共有しておくことがおすすめです。

覚書は不動産会社のフォーマットに従って作成するのが一般的

土地売却を含む不動産売却では、売買契約書と覚書は自分たちで作成するものとなっています。

ただ、実際には業者が独自のフォーマットを持っており、それを状況に合わせて適宜変更していくのが一般的です。

これらの書類に関しては不動産事業者なのが無料で提供しているフォーマットをWEB上で参照することもできるので、大体どんな項目があるのかを確認したい方は、確認をしてみると良いでしょう。

覚書のひな型

覚書には決まった形がなく、自由なフォーマットが認められています。

ただ、ひな型として最低限は以下の内容が入っている費用があります。

  • 表題
  • 当事者の住所・法人の本店
  • 氏名・商号、代表者名
  • 作成年月日
  • 当事者の署名・記名・押印

覚書と契約書の境界はフォーマットによって決まる部分も大きく、契約内容を定める項目がある場合は法的拘束力を持つようになります。

不動産売却で覚書・念書に関するよくある質問Q&A

不動産売却における覚書・念書に関するよくある質問について紹介していきます。

参考にしてください。

不動産売却における覚書とは何ですか?

不動産売却における覚書とは、売主と買主の間で合意された条件や取引内容を文書化したものです。

具体的には、売買価格、引渡し日、物件の状態、買主への説明義務などが記載されます。

覚書は売買契約書とは異なり、法的な拘束力は持ちませんが、取引の透明性を高め、トラブル防止やスムーズな売却手続きのために重要な役割を果たします。

不動産売却時に覚書は必要ですか?

不動産売却時に覚書は必須ではありませんが、強くおすすめされることがあります。

覚書を作成することで、売買条件や取引内容が明確になり、売主と買主の間での不確定性や誤解を防ぐことができます。

また、覚書は買主の信頼を得るための一つの手段となります。

トラブルのリスクを軽減し、円滑な売却プロセスを進めるために、覚書の作成を検討することをおすすめします。

覚書と念書は同じ意味ですか?

覚書と念書は似たような文書ですが、意味や使い方には違いがあります。

覚書は売買条件や取引内容を記載し、売主と買主の間での合意を文書化するものです。

一方、念書は個々の事項や約束を記載し、契約書とは異なる形式で取引の内容を明示するものです。

念書は一方的な表明や約束を文書化する際に使用されることが多く、法的な拘束力を持たない場合もあります。

したがって、不動産売却においては覚書の作成が一般的であり、念書とは異なるものとして認識されます。

不動産売却は丁寧かつ入念な準備や確認が大切

不動産売却は、単に利益を得るだけでなく、ややこしい権利関係や課税から逃れる方法でもあります。

特に相続などで不要な土地を所有した場合は、早期に売却してしまったほうが得です。

ただ、こうした場合に売り手が「早く手放したいなあ…」という態度で手続きに臨むのは危険です。

売ってしまったら他人のものなのは確かなので、投げやりな態度になってしまう方もいますが、責任ある態度で臨まなければ売却は成功しません。

どんな理由であれ、不動産売却時は丁寧かつ入念に準備や確認をしていきましょう。

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