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不動産物件調査の内容・やり方を徹底解説

【更新日】2021-03-05
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不動産物件調査

不動産売却の初期に、不動産業者によって物件を調査してもらいます。

不動産売却の流れを査定から物件引き渡しまで一挙解説!

訪問査定とも呼ばれるこの手続きは、無料一括査定などの簡単な査定(机上査定)とは違い、実際に担当者が物件に赴いてチェックをします。

調査をするのはプロなので、事前の片づけや清掃などは評価に一切含まないといわれます。

しかし相手も人間ですし、何よりこの不動産調査で算出された査定額が売り出し価格の基準にもなるので、なるべくならどんなところが重点的にみられるか事前に知っておきたいですよね!

物件調査は大きく分けて6種類!それぞれの調査のやり方を徹底解説

物件調査のやり方

査定時に業者がおこなう調査は、訪問調査だけではありません。

その他にも、以下の調査が含まれます。

  1. 役所調査
  2. 法務局調査
  3. 市場調査
  4. 取引事例調査
  5. 現地調査
  6. ライフライン調査

以上の6つの調査結果と訪問調査で出たデータを総合的に判断して売り出し価格を定めていきます。

訪問調査はいくらプロがおこなうとはいえ、業者の主観が入ってしまうので、仲介先によって価格は違います。

計5つの調査をしっかりおこなうことで、不動産の売却価値を客観的に算出することができるのです。

1.役所調査

役所には、不動産の建築方法や、それに伴うリフォームなどの制限、接している道路の種類や、利用している電気・水道・ガスの設備状況などを確認することができます。

これを調べることによって、リフォームができるかどうかなどがわかるので、販売活動戦略を練るときの参考になります。

また、インフラの供給元を事前に調べておくことで、手続きが円滑になります。

道路調査

役所調査でも道路の調査がおこなわれます。

接道が公道か私道かをまず調査し、次に通行権の有無などを調べます。

もし接道が公道の場合は、土地測量にかかる費用が高額になります。

土地を売る時は測量・境界確定が必要?測量費用・流れを徹底解説

都市計画法・建築基準法調査

物件が法律に定められた規定内で収まっているかどうかの調査も行われます。

具体的には、以下の項目などがチェックされます。

  1. 用途区域
  2. 建蔽率
  3. 容積率
  4. 防火規制
  5. 高度地区
  6. 日陰規制

その他、農地法、景観法など、状況やエリアに応じた物件調査がおこなわれます。

2.法務局調査

かつて登記所と呼ばれた物件のデータを保管している期間は、現在では地域の法務局に併設されています。

ここで登記簿謄本を参照し、所有者の名義は誰になっているか、もし共有名義(所有者が複数いること)ならば、持ち分の配分はどうなっているか、抵当権の状況、近隣の所有者の有無などを確認します。

登記簿謄本に記載されている内容が不動産の公式なデータとなっており、ここに載っている名義が自分でなければ、不動産を売却することはできません。

登記事項証明書とは?

登記事項証明書は、不動産の詳細な情報を記載している書類です。

表題部、甲区、乙区の3部に分かれており、地番・地目といった不動産自体の詳細内容から所有権、抵当権などの権利関係も記されています。

3.市場調査

不動産は売却に出されると商品として扱われるので、市場の原理が働き、人気によって価格が上下します。

この市場の動向をチェックして売り出し価格を決める大きな参考にするのが、市場調査です。

単に周辺物件の値段を参考にするだけでなく、どれくらい売りに出されているのか、売り出しからいくら値下げしたのかを調べ、適切な価格を設定していきます。

4.取引事例調査

市場調査は、周辺地域や不動産売却の現況がどうなっているのかを確かめる作業ですが、取引事例調査はその逆で、過去に近隣で似たような物件が売却された事例を調べ、それを参考にするという方法です。

タイムリーな事例ではないですが、売り出し価格だけでなく実際の成約価格を調べることができるので、最終的に売買価格がどれくらいに収束するのかを予想することができます。

5.現地調査

不動産会社が、実際に現地に赴いて、建物の配置や境界、道路の接し具合や近隣状況を確認していきます。

ここからは、より詳しく現地調査の内容を調べていきます。

道路調査

現地調査でも、道路の調査をじっくりおこなわれます。

チェックする内容は、道路の舗装状況、敷地の高低差、街路樹などです。

特に道路幅(幅員)はしっかりと調べていきます。

幅員が4m未満の場合は、物件の取り扱いが困難になります。また、北海道など雪の多い地域では、8m未満だと自治体から除雪費用がおりないので注意しましょう。

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公図とのズレの確認

公図と実際にズレがあるかどうかも、厳しくチェックされます。

特に、土地の境界などはズレが起こりがちです。

公図とのズレがあると、近隣トラブルや売買トラブルが起こりやすくなります。

また、災害で被害を受けても保証を正しく受けられないといったデメリットがあります。

そもそも境界がない場合も

土地の境界を示す境界杭(標)は、場所によっては打ち込まれていないこともあります。

境界がしっかり確定されていない物件は売ることができないので、業者に依頼して確定してもらいましょう。

建物の状況

建物の管理状況なども、詳しくチェックされます。

特に見られるのは古い建物の基礎が残っているかどうかです。

こうした埋没物があると売却価格が安くなってしまいがちです。

また、水道がしっかり引かれているかどうかも調査の対象となります。

土地売却時は水道のチェックを忘れずに

騒音・においのチェック

騒音やにおいなど、現地調査でしか確認できないものは、この場でしっかり調査されます。

地図で見ると工場や川が近くても、現地に行くと意外に騒音やにおいがしないということもあるので、しっかり対応してもらいましょう。

6.ライフライン調査

電気やガス、水道などのライフラインを調査するのも、物件調査では重要です。

ライフラインが整備されていない物件が成約することはほぼないので、「〇〇日までに整備します」という条件付きで売り出すようになります。

ここからは、ライフライン調査の詳しい内容を見ていきます。

飲料水調査

水道局から資料を取り寄せて、配管の口径を調べます。

敷地に配管自体が引き込まれていない場合、高額のコストがかかります。

状況によっていくらかかるか異なるので、負担金額もここで確認します。

電気調査

ブレーカーを確認し、何アンペアまで容量があるかをまず確認します。

また、電柱の位置や電線の引き込み状況、電線移動が必要かどうかなどを確認します。

ガス調査

都市ガスかプロパンガスかなど、利用されているガスの種類をまず確認します。

また、ガスメーターが取り付けられているかなどもチェックされています。

ガスの埋没図面はガス会社から取り寄せて確認されますが、埋没がない場合はガスボンベがしっかりあるかを確認していきます。

下水施設調査

下水道局から平面図を取り寄せ、下水管の接続状況などを調べます。

浄化槽がある場合は、点検業務記録なども合わせてチェックされます。

売却時の物件調査は種類によって内容が異なる

売却前に業者がおこなう調査は、マンション・家・土地といった不動産種によって重点が異なります。

家や土地の場合は、境界の確認などが特別必要ですが、マンションは特別必要ありません。

その一方で、マンションは居住者でも管理の実態がわかりにくいので、規約や管理会社の確認を特別おこなう必要があります。

それぞれの不動産が何を求められているかによって、調査の内容も変わるということを知っておきましょう。

マンションの調査内容

マンションは、部屋の状況の他にも以下の内容を調査されます。

  • 共用スペース(ポスト、廊下、駐輪場など)の状況
  • ゴミ収集場所、ルールについて
  • バリアフリー環境が整っているか
  • 管理規約(ペット飼育や楽器演奏、喫煙などの可否)
  • もともと付いていた設備の状況

上の項目はマンション特有のものとなっており、競合物件に差をつけるため、誤情報を防ぐためにも必要となってきます。

ただ、共用スペースや管理については売り手自身ではどうすることもできないので、まず不動産業者の無料相談サービスを利用して、どうすれば良いのかアドバイスを聞いておいたほうが良いでしょう。

家・土地の調査内容

家や土地の調査内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 建て付けや雨漏りなどについて
  • 近隣建物の状況について
  • リフォーム状況について
  • 境界の確認
  • 埋没物の確認
  • 接道状況の確認

家の場合は、マンションよりも建て方に種類があるので、まずはそうした構造を調べることから始めます。

また、道路との接し方によって支払わなければならない税金の額も変化するので、しっかり調査されます。

築年数の経った家は壊されて更地にして利用される可能性が高いので、そうした場合は、より土地環境に焦点をあてた調査がおこなわれます。

物件調査の流れ

物件調査は、一般的に以下の流れで進んでいきます。

①聞き取り調査

物件調査ではまず本人への聞き取り調査をおこないます。

持ち主に対する質問としては、住宅ローン残高や税金等の滞納の有無、相続人の存在や収益金の発生状況などが主です。

住宅ローン残高がある場合は、抵当権が設定されているので解除が必要になります。

②必要に応じた調査をおこなう

聞き取り調査が完了した後、状況なども考えた上で必要な調査をおこないます。

先ほど説明した6つの調査のうち、必要な調査を実施するようになります。

不動産会社が物件調査をおこなう時のポイント

不動産会社が物件調査をおこなう際に、しっかりした調査を怠っていると後でトラブルに巻き込まれる可能性が高いです。

物件調査は大まかな部分が分かっていれば良いケースも多く、時間をかけすぎるのも良くありません。

力を入れて調査をすべきポイントを紹介していきます。

売主の身分確認

いわゆる地面師のように、売主が身分を偽って詐欺行為を働くケースは稀ですが存在します。

大手住宅メーカーですら地面師にだまされて巨額を詐取された事件が起こっています。

物件調査はおこなっていたはずですが、油断があって相手の素性をキチンと調べないまま契約してしまったことが事件の原因です。

相手が詐欺師じゃないかをチェックするのはもちろんですが、認知症を患っている売主が騙されて売却を依頼しているケースなどもあるので、あらゆるケースを見越して調査をしましょう。

権利関係の確認

不動産を売却するにあたって、所有権の移転をおこなう必要があります。

ただ、地上権・賃借権・抵当権などの存在によっては売却ができない可能性も十分考えられます。

これらの権利は法務局に登録されていなくても有効に行使されている可能性があるので、チェックした上で明確に解除しておく必要があります。

法律上の制限の確認

法律上の制限があり、不動産が売却できないケースもあります。

用途地域によっては絶対高さの制限・建ぺい率や容積率の制限などがあり、満たしていない物件は売却が困難になります。

法令制限も、事前に必ずチェックをしておきましょう。

質問を物件調査前に考えておく

多くの不動産業者では、査定をする前に無料で相談できるサービスを提供しています。

このサービスを、売り手の方はなるべく利用することをおすすめします。

訪問調査で初めて物件の状況について知るとなると、そこから業者の方も更なる調査をしなければならなくなり、効率が悪いです。

事前に簡単な疑問を解決しておき、業者に現物を見せた上で答えてほしい質問は調査前に準備しておきましょう。

不動産調査の担当者の対応を見て、本当に媒介契約を結んでも良いかをチェックするくらいの余裕があれば良いですよね。

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