
駐車場経営の利回りは平均どれくらい?都市別相場と計算方法・収益拡大のコツ
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駐車場経営は低めの初期投資で始められる不動産投資の方法ですが、始める前に利回りを把握しておく必要があります。
駐車場経営は自分の好きなエリアで好きな賃料を設定して運営できる訳ではありません。
きちんと利益を出すためには、利回りの知識がかなり求められます。
今回は、駐車場経営の平均利回りの説明や地域別の相場、収益を最大化するポイントについてわかりやすく解説していきます。
→空き地で駐車場経営を始めたい!メリット・デメリットと成功のコツを分かりやすく解説
駐車場経営の利回りとは?

駐車場経営の収益を予測するために大切な指標が利回りです。
利回りは、初期投資に対して年間どれくらいの収益を得られるかの割合であり、利回りが高いほど収益性が高いことになります。
利回りは表面利回りと実質利回りの2種類に分かれており、使い分けることで駐車場経営の成功に近づくことができます。
表面利回り(グロス利回り)
表面利回りとは、土地取得にかかった費用に対してどれくらいの割合で年間駐車料金収入が発生するかを割合で表したものです。
表面利回りは主に満車時を想定して算出した収益を利用します。
利回りを計算する最もシンプルな方法で、それぞれの土地の収益性を大まかに計算して絞り込む際に有効です。
実質利回り(ネット利回り)
実質利回りは土地価格の他にも固定資産税や管理委託料、継続的にかかる管理費などのランニングコストを入れて計算する利回りのことです。
この計算によって、より現実的な数値を算出することができます。
実質利回りはエリアだけでなく、初期費用・ランニングコストをどれくらい出すか・抑えるかを考える上でも役立ちます。
初期費用
実質利回りを計算する際に計上する初期費用は、大きく分けて以下の3種類です。
- 設備費・工事費
- 機械導入費
- 不動産取得税・手付金など
月極駐車場なら砂利敷き舗装をすればすぐ運営ができますが、コインパーキングの場合は専用の機械の購入や設置が必要になります。
また、土地を購入する際は不動産所得税や手付金がかかります。すでに土地を所有している場合はこのコストが不要なので大きなアドバンテージになります。
また、古家付き土地を更地にしてから駐車場を始める場合は解体費用もかかります。
ランニングコスト
ランニングコストは、以下の3つを計算します。
- 管理委託料
- 固定資産税・都市計画税など
- メンテナンス費用
業務委託料は依頼する業者やプランによっても変わるので、十分注意しましょう。
管理委託なら満車時の約5~10%、一括借上げなら約15~20%の管理費がかかる計算になります。
実際の事例で駐車場の利回りを計算シミュレーション
実際に、駐車場の利回りを計算してみましょう。
今回の事例は、以下の通りとします。
- 駐車できるスペース:全8台
- 賃料(月)1.5万円
- 土地価格:3,000万円
- ランニングコスト:年間40万円
- 初期工事費用:150万円
表面利回りの計算シミュレーション
上記の数字を表面利回りの計算式に当てはめると、以下の通りになります。
この場合の表面利回りは4.8%です。
実質利回りの計算シミュレーション
次に、実質利回りを求めていきます。
実質利回りは、約3.3%となります。
月極駐車場の表面利回りの相場を都市別に調査
駐車場の利回りは、表面利回り・実質利回りともに4%前後となります。
コインパーキングの稼働率は立地によって平均50%~70%の間を推移する傾向にあるようです。
政府統計ポータルサイト「e-Stat」によると、2019年12月の全国の駐車料金は以下の通りになっています。
都市 | 駐車料金(円) |
---|---|
札幌市 | 400 |
仙台市 | 333 |
さいたま市 | 400 |
千葉市 | 267 |
横浜市 | 553 |
東京都・特別区部 | 670 |
神戸市 | 233 |
広島市 | 287 |
福岡市 | 200 |
【引用】「e-stat 」小売物価統計調査(動向編)2019年12月データ
コインパーキングは稼働率を組み込んで利回りを算出
アパート・マンション経営の場合は満室率100%という状態がありますが、コインパーキングの場合は24時間満車率100%というのはまずありえません。
様々な車が出入りするのが普通ですから、こうした稼働率も考慮する必要があります。
前述の利回りは物件経営で参照する用のもので、満車率100%を想定しています。
稼働率は実際に運用してみないと細かい数値は分かりませんが、まずは60~70%ほどと想定して計算してみましょう。
これによって、より実情に近い利回りを求められます。
駐車場経営で高い利回りを実現するコツ
駐車場経営はローコスト・ローリターンの投資だと言われますが、高い利回りを実現することも不可能ではありません。
駐車場経営で高利回りを出すポイントを確認しましょう。
立地選びにこだわる
月極駐車場やコインパーキングをはじめとする、駐車場経営の成功において、立地選びは最も重要な要素です。
駐車経営における立地の良さは、大きく2種類に分けられます。
- 多数の人が短期間で利用する立地
- 定期的な利用が見込める土地
前者のような立地は、主に観光地やオフィス街、商業施設、駅近く、大きな公園など、人々が頻繁に訪れる場所だとコインパーキング経営に向いています。
一方、後者のように、後者は住宅街・オフィス街の近くなどで、月極駐車場におすすめです。
また立地選びを進めるときは、他の駐車場との競争が少ない地域を選ぶようにしましょう。
競争相手が少なければ、需要を独占することができます。
ただし、上記エリアは大手法人が確保していることが多いので、個人で始める際は以下のようなエリアもおすすめです。
- 抜け道利用されている道沿い
- 集配地点になりそうな立地
- 人気店舗の近隣エリア
費用を抑える
初期費用を出来るだけ抑えて手残りを増やすことも大切です。
費用を抑える方法としては、以下などがあげられます。
- 砂利敷き舗装にする
- 初期費用を管理会社負担にする
ただ、例えば砂利敷きは雨の日に泥だらけになるのでコンクリート舗装のほうが選ばれるといった実状もあります。
初期費用を抑えることでトータルの利益が下がるリスクもあるので、コストは低いほど良い訳ではありません。
周辺の駐車場を調査する
満車になっている駐車場は、一見何の変哲のない駐車場に見えても、必ず利用される理由がどこかにあります。
閑古鳥が鳴く駐車場も同じです。
周辺エリアではどんな駐車場が人気・不人気なのかを調査することで、どういった戦略で駐車場経営をすれば良いかが見えてきます。
利用料金の設定
駐車場の利用価格の設定もまた利回りに直接関係してきます。
とはいえ、価格をただ高くするだけではなく、地域の相場や自身の駐車場のサービスレベル、安全性、便利さなどを考慮に入れて設定することが重要です。
対して、価格競争を避けて付加価値のあるサービスを提供することで、利益率を高める戦略もあります。
どの戦略で利益を生み出していくかは、専門家に相談しながら進めていくのが無難です。
運営に要する戦略建て
稼働率を高めるためには、駐車場の運営方法に工夫を凝らす必要があります。
例えば、24時間稼働させることで収益の機会を増やす方法があります。
また、時間帯による料金設定や長期契約の導入により、駐車場の使用率を高めることも可能です。
駐車場のメンテナンスとセキュリティ
利用者に心地よく使ってもらうためにも、常に清潔で、安全に利用できる環境を維持する必要があります。
例えば、定期的な清掃の実施や設備の保守を行うと同時に、照明の確保やセキュリティカメラの設置など、安全対策の確保が重要です。
これらを行うことで、利用者の信頼が得られ、リピート利用や口コミによる新規利用者獲得につながります。
マーケディング活動の実施
駐車場の存在を広く知らせるためのマーケティング活動も重要な要素です。
看板の設置はもちろん、インターネットを活用した情報提供やプロモーションの発信も有効的な手段です。
また、地域内のビジネスや施設と連携したキャンペーンを行うことで、利用者の獲得につながるケースもあります。
さらに、利用者の意見を反映したサービス改善を行うことで、顧客満足度を高めることができます。
専門業者に相談する
高い利回りを実現しようと思ったら、プロの業者に相談するのが一番の近道です。
素人には思いつかないプランの提案を、豊富な実績をもとにおこなってくれるので信頼できます。
ただ、1社に相談をしただけでは本当にそのプランが良いのか結論付けることはできません。
必ず複数社の提案を比較していきましょう。
収益最大化できるかどうかは駐車場の立地・形態で決まる
収益を最大化できるかどうかは、どんな駐車場にするかと同義だと思って良いでしょう。
利用者の目は意外とシビアで、楽して儲かるテクニックはあまり通用しなくなっています。
利益を最大化するため、特に考えるべきポイントがこちらです。
- 収益性を上げるため必要な駐車スペースは確保できそうか
- 用途地域の規制に抵触しないか
利回りの高い土地を取得できたら、後はどんな駐車場にするか考える必要があります。
これ以上面積を広げるのが難しいなら立体駐車場にするなどの手もあります。ただ、実現のためにはランニングコストや用途地域の確認をしなければいけません。
こうした塩梅の計算は初心者には難しいので、プロを頼るのがやはり最善の方法です。
ただ、業者に委託をすればその分の手数料の支払いは免れられません。
駐車場経営で重要なのは上手に経営することではなく、とにかく収益を最大化することです。そこにこだわれるかどうかが結果の分かれ目といえるでしょう。

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