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不動産売却益の計算方法とかかる税金の算出・節税方法

【更新日】2021-05-27
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不動産売却益

不動産売却益とは、文字通り捉えると不動産を売って得た利益となります。

しかし、不動産売却益と成約価格はイコールではないので注意する必要があります。

また、この不動産売却益に対して税金が課されるので、計算方法はしっかり知っておかなければトラブルに見舞われるリスクがあります。

今回は不動産売却益の定義から計算方法、税金の算出・節税方法まで徹底解説していきます!

不動産を売るには?不動産を売るなら最低限知っておきたい基本知識

不動産売却益は売却価格から購入価格を引いたもの

不動産売却益は、基本的に売却価格が購入価格を上回った分を指します。

決して売却価格のことではないので注意しましょう。

買った時期より多少高く売れたとしても得した実感はそこまで得られないでしょうが、売却益が発生したか、その金額がいくらかによって発生する税金が変わるので重要な項目となります。

また、法人や個人事業主が売主の場合は会計処理を

不動産売却益が発生するケースは稀

マンション、家などの建物は、築年数が経過するのに比例して資産価値を落としていきます。

築年数が1年でも経過すれば購入当時よりも相場は下がるので、基本的には不動産売却益が発生するケースは多くないのです。

オリンピック前に不動産を売ると売却益が発生しやすい

ここ10~20年の不動産相場は下から上へと大きく変動を見せてきました。

まず2008年のリーマンショックで相場が大きく下がり、更に2011年の東日本大震災で追いうちがかかりました。

また、背景としてバブル崩壊からの長い不況から立ち直れていない状態というのもあり、不動産相場は全国的に低く推移していました。

しかしその後、2020年のオリンピック開催が決定してからは首都圏を中心に再開発が起こり、どんどん地価は上昇してきました。

更に第二次安倍政権下で景気が復調したことも、地価上昇を後押ししています。

海外の不動産投資家の参入なども相まって、2019年時点で都心の地価がバブル期を追い越したケースも少なくありません。

このように短期間で不動産相場が大きく変動したケースは稀です。

もし2000年代後半に購入した不動産を東京オリンピック前に売った場合、不動産売却益が発生する可能性は通常よりも高いので注意しましょう。

不動産売却益の計算方法

不動産売却費の計算は、以下の計算式で算出します。

不動産売却益=売却価格-(取得費+売却にかかった諸経費)-特別控除

それぞれの要素について別途詳しく解説していきます。

取得費とは不動産の取得(購入)にかかった費用のこと

取得費とは、不動産の取得(購入)にかかった費用のことです。

多くの場合は、不動産を購入する際に支払った金額+仲介手数料や不動産取得税などの諸経費の合計のことを言います。

取得費と見なされる費用
  • 購入代金
  • 建築コスト
  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 登記費用
  • 住宅ローン保証料(借入は取得費計上不可)

上の計算式を見てもらえば分かるように、取得費を多く計上するほど売却益は下がっていきます。

取得費の求め方は実額法と概算法の2種類

取得費の求め方には2種類あります。

まず、上のような取得費に計上できる金額を一つ一つ計算して、合計した後に減価償却費を引く方法です。こちらを実額法と言います。

一方、相続した物件などは購入当時の書類が残っていない場合もあります。

この時は、売却金額の5%を取得費と見なして計算をおこないます。これを概算法と言います。

通常は、実額法と概算法の金額を比較した上で、高額なほうを取得費と見なします。

減価償却費の算出には特別な計算が必要

減価償却費とは、不動産の購入から今まで、築年数の経過によって劣化した分を経費として計上するための費用のことです。

これを求めるためには、まず建物の購入価格を正確に知る必要があります。忘れてしまっている場合は、購入や施工をおこなった不動産会社に直接問い合わせましょう。

その後、耐用年数の計算をおこないます。

耐用年数とは、固定資産の使用可能年数のことで、建物の構造によって法律で年数が決まっています。

こちらを確認したら、すでに物件が耐用年数を過ぎているかどうかのチェックと、償却率の計算をおこないましょう。

区分鉄骨鉄筋コンクリート造金属造(肉厚4㎜超)金属造(肉厚3~4㎜)金属造(肉厚3㎜以下)木造・合成樹脂木造モルタル造
償却率0.0150.020.0250.0360.0310.034

償却率は耐用年数によっても変化しますが、この時利用する数字は以下の方法で算出します。

築年数耐用年数の算出方法
耐用年数を超えている法定耐用年数×0.2※端数切捨て)/td>
耐用年数を超えていない(法定耐用年数+築年数)+築年数×0.2※端数切捨て

全ての準備が整ったら、以下の計算式で減価償却費を算出します。

減価償却費=建物の購入価格×償却率

諸経費に入る費用を知っておく

最後に、不動産を売るためにかかった諸経費も不動産売却益の計算では重要になります。

諸経費に含むことが出来る費用は以下のようなものです。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記費用
  • 測量費用
  • 立ち退き費用
  • 取り壊し費用
  • リフォーム日

場合によっては、諸費用に含まれるか分からないような支払いも多く発生するでしょう。その場合は、不動産会社に聞いておきましょう。

特別控除は主に5種類

最後に特別控除ですが、こちらは必ずしも適用される訳ではありません。

利用するためには、適用条件を満たす必要があります。

主な特別控除
特別控除が使えるケース 控除額(最大)
公共事業のために土地・建物を売却 5000万円
居住用の土地・建物を売却 3000万円
特定土地区画整理事業のために土地を売却 2000万円
特定住宅造成事業のために土地を売却 1000万円
農地保有合理化のために土地を売却 800万円

不動産売却益に譲渡所得税が課される

不動産売却益が発生した場合、その金額を基準に譲渡所得税が課されます。

譲渡所得税の計算式は、以下の通りです。

譲渡所得税=税率×不動産売却益

つまり、不動産売却益が大きくなるほど、支払う税金は増えてしまうということです。

買った時よりも高く売れるのは嬉しいことですが、こうした背景から、基本的に不動産売却益が高額になっても大きなメリットはありません。

譲渡所得税は所得税と住民税それぞれに上乗せされて請求されます。

不動産の所有期間によって税率が異なる。

不動産を取得してから売るまでの期間によって、譲渡所得税の税率は変わってきます。

不動産所有期間 5年以下5年超
所得税 30.63%15.315%
住民税 9%5%
合計 39.63%20.315%

もし所有期間が5年を超えるギリギリのタイミングなら、5年を超えてから売るのも一つの手だとは思います。

ただ基本的には自分の好きなタイミングで売ることをおすすめします。

不動産売却益が発生したら確定申告が必要

不動産売却益が発生して、譲渡所得税の納付を課されたら、売却した翌年の2~3月に確定申告をする必要があります。

確定申告の際は、記入した提出書類と上乗せ分を含む取得税の納付額を持参して管轄の税務署に提出をします。

その後、住民税納付書が届くので、上乗せ分を含む住民税を1年間で4期に分けて払っていきます。

ちなみに、住民税の上乗せは1年で終了となります。

不動産の確定申告手続きは面倒で、特に経験のない会社員の方は戸惑うと思います。

こちらに書類の準備方法を分かりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください!

不動産売却時は確定申告が必要!必要書類の書き方を完全ガイド【決定版】 不動産売却益は少ないほうがお得という訳ではない

不動産売却益が多いと税金がかかって大変という旨を解説しましたが、それがリスクかどうかは状況によって異なります。

不動産売却益が発生しなくても、1億2000万円で買った家を相続後に1億円で売ったとしたらとてつもない不労所得を得られる訳ですよね。

逆に、不動産売却益が発生して税金を支払わないといけなくなった場合でも、購入時の2倍の金額で売れたのであれば、多少引かれたとしてもかなりの額が残ります。

なので、売却価格-購入価格が大きいか小さいかというのは税金の算出や会計上は重要でも、大した問題ではないのです。

一つ言えるのは、税金を抑えるために不動産売却益が出ないよう安く売るというのは決しておすすめできないということです。

譲渡所得税の税率は高くても40%くらいですし、売却益も取得費や特例控除で引かれていますから、税金で売却価格を全て持っていかれるということはありません。

税金が発生したとしても、1円でも高く売るのがお得という原則は変わらないと考えて良いでしょう。

不動産売却益が発生した時の節税方法

不動産売却益が発生し、税金が課されても慌てる必要はありません。

不動産売却では様々な特例控除を使えるので、利用すればかなりの節税効果が期待です。

ここからは、抑えておきたい節税方法を紹介していきます。

居住用不動産の売却益には3000万円特別控除がおすすめ

住まいとして利用してきた家やマンションを売って売却益が発生したら、3000万円まで税金を控除できる、いわゆるマイホーム特例がおすすめです。

課税額が3000万円以内なら0に抑えることができるので、利用しない手はありません。

ただ、この制度を利用する際は以下の条件に当てはまっている必要があります。

  • 今住んでいる家や敷地を譲渡する場合
  • 転居してから3年後の12月31日までに、以前居住していた家や敷地を譲渡する場合
  • 災害があって減失してしまったときは、災害があった日から数えて三年目の年の12月31日までに、以前の敷地を譲渡する場合
  • 転居後に家屋を取り壊した場合は、転居から3年後の12月31日か、取り壊しから1年以内のどちらか早いほうで譲渡する場合

住み替え(買い替え)時は新居購入費用を不動産売却益から差し引ける

以下の条件を満たす住まいを住み替える場合、譲渡所得税の課税を将来に繰り延べすることができます。

  • 居住期間が10年以上+所有期間が売却年の1月1日時点で10年以上
  • 売却の昨年から翌年までの3年間に住み替え先の購入が住んでいる
  • 売却価格が1億円以下

この制度は他の特別控除を併用することが出来ないので注意しましょう。

所有期間が10年を超えると税率が更に低くなる

所有期間が10年を超えると、譲渡所得税の税率は更に低くなります。

これを軽減税率の特例と言い、以下の通りとなります。

  • 不動産売却益の6000万円まで:10%
  • 6000万円を超える部分:15%
例えば、不動産売却益が7000万円だった場合、この制度を利用すれば10%×6000万円+15%×1000万円=600万円+600万円=1200万円になります。

この軽減措置を利用するには、確定申告時に登記事項証明書を提出する必要があります。

不動産売却益が出るのは基本的に良いこと

巷では税金の話ばかりピックアップされていますが、不動産売却益が出るのは基本的に良いことだと思ってもらって良いでしょう。

売却益が出たのに思ったより価格が延びなかったという方も多いでしょうが、そもそも売却益が出たのはオリンピック前という絶好のタイミングに売れたからであり、今後不動産相場の低下がささやかれている状況を考えると、後に売っていたらどうなったか分かりません。

将来的には中古物件が全く売れない時代が来るともいわれています。

不動産売却益が出た場合、自分の不動産売却はある程度成功したんだと思ってもらって構わないと思います。

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