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マンション売却の減価償却とは?税金処理と確定申告に必要

【更新日】2020-04-22
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マンション売却の減価償却

マンション売却をおこなうと様々な税金がかかってきます。

この税金を算出するために必要なのが、減価償却です。

減価償却をしないと税金の算出が正しくできず、確定申告ができないので注意しましょう。

減価償却は少し難しいイメージもありますが、ポイントを抑えればそこまで難しいものではありません。

マンションを売却する前に、減価償却について知っておきましょう。

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マンション売却の税金と減価償却の関係

減価償却とは、マンションのように築年数の経過・劣化によって価値が減少する固定資産の価値を算出する際に、経過時間に応じて価値を調整することです。

この減価償却に従って費用計上をする時に使う勘定科目を減価償却費と言います。

マンション売却時の税金も、減価償却費に応じて算出されます。

劣化によってマンションの価値が下がっている分、課税額も下がっていきます。

減価償却は一般的に事業用の会計手続きで用いられるもので経費計上が企業会計法で定められていますが、マンションを売却する際は個人でも減価償却が必要になります。

減価償却の仕組みをしっかり理解することが、マンション売却時にかかる税金の節税にもなります。

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減価償却によってマンション売却の税金が軽減される

マンション売却でかかる税金(譲渡所得税)は、以下の計算式で求められます。

・譲渡所得税=税率×{譲渡価格-(取得費+売却費用) }

このうちの取得費を細分化すると、以下の通りです。

・取得費=購入価額-減価償却費

譲渡所得税の計算式を見ると、取得費の金額が少ないほど、全体の課税額も低くなることができます。

そして、減価償却費によって、取得費を下げることができます。

個人でもマンション売却は例外的に減価償却の対象になる

前述の通り、一般的に減価償却は事業に使われる資産に対しておこなわれます。

ただ、マンション売却の場合は個人でも例外的に減価償却の対象になります。

ただ、減価償却の対象となるのは、マンションや戸建てなどの建物のみです。

土地は築年数経過や時間経過による劣化が起こらないので、減価償却の対象にはならないので注意しましょう。

減価償却のペースは法律で決められている

マンションの劣化速度は、使い方やエリアの気温・湿度などによって、同じような物件でも違いがあります。

ただ、税金を計算する際に用いる減価償却のペースは法律で決められています。

これを法定耐用年数と言います。

法定耐用年数はマンションの実態とは関係なく、建物の構造によってしっかり決まっています。

つまり、法定耐用年数を理解しなければ、減価償却費を算出することはできません。

マンション売却時に減価償却を計算する方法は定額法・定率法の2種類

マンション売却時に減価償却を計算する方法は、定額法と定率法の2種類です。

  • 定額法:毎年一定の金額を減価償却処理する方法
  • 定率法:減価償却の金額を一定の割合によって算出する方法

例えば、2000万円のマンション(取得原価)を4年後に減価償却した際、定額法と定率法では以下の違いがあります。

  • 定額法:2000万円×0.25=500‬万円
  • 定率法:2000万円×0.625=1,250‬万円

定率法の計算に必要な償却率・改定償却率・保証率とは?

定率法の減価償却費は期首残存価額×定率法の償却率で計算をおこないます。

ただし、算出した金額が償却保証額に満たない場合、年度分以降の減価償却費計上は毎年同額となります。

この時に必要な3つの要素がこちらです。

  • 償却率:法律で決まっている減価償却の償却率
  • 改定償却率:償却率を用いて計算した額が償却保証額を下回った場合に、次の年度からの減価償却費の計算で利用される償却率
  • 保証率:償却保証額を算出するための割合

例えば、平成19年4月1日以降に取得した耐用年数22年の木造アパート(取得費:2.000万円)の場合、この項目は以下のようになります。

  • 定率法償却率:0.119
  • 改定償却率:0.125
  • 保証率:0.02408

この時、初年度の計算は以下のようになります。

  • 償却保証額:2,000万円×0.02408=48.16万円
  • 減価償却費:2,000万円×0.119=238万円
この時、減価償却費が償却保証額を上回っているので、その期の減価償却費は238万円となります。

定額法か定率法かはマンションの取得時期で決まる

定額法と定率法のどちらが適用されるかは、マンションの取得時期によって決まります。

以前に取得したマンションは定額法と定率法のどちらか選べますが、平成28年4月1日以降に取得したマンションは定額法しか認められません。

また、以前に取得したマンションでも、基本的には定額法が適用されます。

定率法を適用するには、届け出をしなければいけないので注意しましょう。

マンション売却時に減価償却費を計算する流れ

マンション売却時に減価償却費(定額法)を計算する際は、以下の計算式に数字を当てはめていきます。

・減価償却費=マンションの購入代金×0.9×償却率×経過年数

唐突に0.9をかける部分がありますが、これを忘れると計算が変わってきてしまうので注意しましょう。

マンションの購入代金を算出する

マンションの購入代金は、マンション価格と手数料を合計した金額です。

マンション(建物)の金額のみではないので注意しましょう。

ここで注意してほしいのは、土地代は減価償却されないので、計算に含めないことです。

居住用の分譲マンションは建物のみの購入なので問題ないですが、投資目的で1棟マンションを購入する際は土地も一緒に購入するので、別で計算しなければいけません。

建物・土地の区別がつかない場合は消費税に注目

マンション・土地を一緒に購入した際は、領収書などに価格が区別されて記載されるのが一般的です。

ただ、稀にマンションと土地の全体価格しか記入されていないこともあるので注意が必要です。

もしマンション・土地の価格に区別がつかない場合は、消費税に注目しましょう。

投資用マンションを購入する際は建物部分にのみ消費税がかかり、土地には消費税がかかりません。

そのため、消費税額を逆算することで建物部分の金額のみ求めることが可能です。

マンション購入時の契約書が残っていない時の対処法

マンションを購入した時の契約書が残っていない時は、以下の方法で価格を推測しましょう。

  • 全部事項証明書を確認する
  • 標準建築単価から推測する
  • 固定資産税評価額から計算する

償却率を算出する

次に、償却率を計算します。

償却率は構造によって決まっていますが、まずは法定耐用年数を算出した後、国税庁が発表している表に用途、構造、経過年数を当てはめて、対応する償却率を見つける必要があります。

区分鉄骨鉄筋コンクリート造 木造・合成樹脂木造モルタル造
法定耐用年数 22年0.036 20年

ただ、実際に償却率を算出する際は、法定耐用年数ではなく現在の経過年数をもとに耐用年数を算出しなければいけません。

・耐用年数=法定耐用年数-(経過年数×0.8)

一方、マンションが古くなってしまい、すでに法定耐用年数を過ぎている場合は、以下の計算式を用います。

・残存耐用年数=法定耐用年数×0.2

その他、計算時には以下の2点に注意する必要があります。

  • 経過年数の端数は切り捨て(10年10か月の場合は10年で計算)
  • 経過年数が2年未満の場合は2年で計算する

減価償却費を使って取得費を算出する

前述の通り、取得費の計算式は取得費=購入価額-減価償却費なので、減価償却費の求め方が分かれば、次に取得費を算出することができます。

取得費にできる費用は、例えばこちらの費用です。

取得費にできる費用一覧
  • 設計変更費用
  • 増改築リフォーム費用
  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 免許登録税や登記手数料
  • 契約書の印紙代
  • ローン事務手数料
  • ローン保証事務手数料
  • 固定資産税・都市計画税の精算金
  • 抵当権設定の免許登録税や登記手数料
  • 建物に付属する設備費
  • 建築費や工事にかかった諸費用
  • ローン借入日~所有開始までにかかったローン金利
  • ローン借入日~所有開始までにかかったローン保証料
  • ローン借入日~所有開始までにかかった団体信用生命保険料

取得費に計上できる費用が多いほど税金がお得になります。

減価償却費をもとにマンションの取得費を算出する際の注意点

減価償却費の計算が完了したら、取得費を算出して、最終的に税金の計算をすることができます。

ただ、取得費の算出をする際はいくつかの注意点があるので、事前にチェックしておきましょう。

取得費に計上できない資金がある

取得費はマンションの取得に関する費用なので、購入価額の他、購入に関わる手続きにかかった費用なども含めることができます。

ただ一方で、以下のような費用は取得費に含みません。

取得費にできない費用一覧
  • 町会費
  • 引っ越しにかかった費用
  • つなぎローンの金利
  • つなぎローンの事務手数料
  • 家電・家具・カーテン代など
  • 管理準備金・管理費・修繕積立金など
  • 火災保険料
  • インターネット加入料・CATV利用料

とはいっても、マンション購入でかけた費用は人によって様々で、上のリストに当てはまらない費用も多数あるでしょう。

その場合は、不動産会社にも相談するようにしましょう。

取得費が不明な場合は売却価額の5%を概算取得費として計算する

取得費を証明できるものが全くない場合は、売却価額の5%を取得費として計算することになります。

ただ、実際の取得費よりも概算取得費のほうが低くなる場合もあるので、十分注意しましょう。

取得費を証明できる場合でも、概算取得費と比較して、高額なほうを適用することができます。

減価償却の不明点は不動産会社に相談しよう

マンション売却時にかかる税金は、減価償却費の計算を正確にできるかどうかがポイントになります。

売主自身も最低限の知識を持っておく必要がありますが、契約した不動産会社には減価償却の完璧な知識を求めないといけません。

逆に言えば、減価償却に関する質問で曖昧な回答しかしない不動産会社は、できるだけ選ばないことをおすすめします。

減価償却を理解しているかどうかで節税できる金額も変わってくるので注意しましょう。

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