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抵当権とは?仕組み・内容をわかりやすく解説

【更新日】2023-11-13
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抵当権
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不動産の賃貸借契約や売買契約で良く見かけるのが抵当権という言葉です。

響きからして難しそうな用語ですが、不動産を取り扱うために理解しておくべき重要な概念なのでしっかり把握しておきましょう。

今回は、抵当権について理解しておくべき基礎知識を、初心者にも分かりやすく紹介していきます。

不動産売却は抵当権付き物件でも出来る?抹消登記の手続き・費用について解説

抵当権とは?

抵当権を一言で表すと、住宅ローン等の貸し出しと引き替えに、金融機関が不動産に設定する権利のことです。

住宅ローンを借りる時に良く使われる「担保」という言葉は、抵当権がついていることを指します。

例えば住宅関連の借入でも、フリーローンのように抵当権を設定しないタイプ(無担保ローン)もあります。

抵当権の意義

抵当権は、債務者がローン返済不能に陥ってしまった時、設定した住宅を差し押さえて競売にかけることが出来ることを定めた権利です。

つまり、資金難で返済不能に陥った借主のローン残債を、物件の強制売却によって補填するという仕組みです。

住宅ローン審査では債権者の返済能力をチェックされる他、担保物件の質もチェックされますが、これは万が一の時に担保物件を競売にかけてもローンが完済できないケースを避けるためです。

住宅ローンの返済が滞ると抵当権は行使されますが、完済すると抵当権は邪魔になるので取り外すようになります。(抹消登記)

抵当権=担保

抵当権の設定により、ローン返済が滞った際に住宅を差し押さえられる可能性があります。

そのため、人によっては抵当権をリスクにしか感じない方も多いでしょう。

しかし、抵当権の設定により万が一の時でも金融機関は不利益を被らなくなるので、まとまった金額を強気に貸し出すことが可能になるのです。

特に住宅ローンはまとまった金額を借り入れることが多いため、途中で返済不能に陥った時のリスクは他のローンよりも大きいです。

年収がそこまで高くない利用者には貸し渋るケースも当然考えられますが、抵当権の仕組みによってまとまった額を幅広い方が借りやすくなっているのです。

こうした背景を理解すれば、抵当権の存在は決してリスクではないことが分かります。

根抵当権(ねていとうけん)とは?抵当権との違いと抹消の方法・不動産売却時の注意点を分かりやすく解説

抵当権のメリット

自宅に住みながらローン返済ができる

不動産を利用しながら、ローンの返済を進められるのは抵当権が設定されているためです。

抵当権が設定されているために、資金調達が容易になります。

抹消ができる

抵当権は抹消ができるため、新たな不動産を担保として融資を受けることができます。

抵当権は信用情報においてマイナスになるようなことはなく、抹消後は自由に再設定が可能です。

金融機関の貸付リスクの軽減

金融機関の立場からすると、債務者が返済不能に陥った場合、抵当権が設定されている不動産を売却して債権回収が可能です。

そのため、リスクを回避しながら融資をおこなうことができます。

抵当権のデメリット

連帯債務のリスク

抵当権の設定時には、連帯債務者を設定できます。

連帯債務者を気軽に設定してしまうと、借り手が返済不能になった場合、連帯債務者が返済をおこなわないといけなくなります。

売却時に成約が発生する

抵当権が設定されている物件は売却が難しくなります。

抵当権が設定されている不動産は買い手が見つけにくいため、抹消した後に取引をおこなう必要があります。

抵当権の設定登記の方法

抵当権の設定登記(設定のための手続き)は、司法書士に依頼をするのが一般的です。

プロに依頼をすることで金融機関は確実に不動産を担保に取ることができますし、利用者も安心して融資を受けることができます。

①司法書士に依頼する

司法書士に依頼をする方法は、以下の3通りが一般的です。

  1. 金融機関から紹介された司法書士に依頼する
  2. 不動産会社から紹介された司法書士に依頼する
  3. 自分で司法書士を見つける

以前は、司法書士は銀行から紹介されるのが一般的でしたが、現在は不動産会社から紹介されるケースも増えてきています。

不動産会社の仕事内容も拡大され、依頼者と一緒に審査突破の方法を考えていくという業者が増えたことが要因だと考えられます。

一方、自分で司法書士をネットなどで探し、選ぶケースもあります。

金融機関・不動産会社から依頼された司法書士の能力に疑問がある、高額である場合や、「司法書士を勧められたけど、なんか裏がありそうで嫌」という方は自分で選ぶことも多いです。

ただ、比較検討する中で相談料を取られる、違いがあまりないということもあるので、コストが1円でも安いところに依頼したいといった強い要望がない場合は紹介業者に依頼しても問題はないでしょう。

②抵当権設定登記を自分でおこなう

抵当権設定登記を司法書士に依頼せず、自分でおこなうことで費用を削減することができます。

やり方としては、まず自力で以下の必要書類を揃えます。

  • 不動産の権利証
  • 印鑑証明書(発行から3か月以内)
  • 実印
  • 本人確認書類(運転免許証など)

その後、契約実行と同じタイミングで抵当権設定をおこないますが、チャンスは融資実行日の一回なので、何かミスがあった際は融資がズレこんでしまいます。

初心者が自力で手続きをすれば何かしらのミスが生じる可能性は高くなるので、円滑に融資を受けるためにも司法書士に依頼することをおすすめします。

抵当権登記にかかる費用

抵当権登記には、登録免許税と司法書士への報酬という2種類の費用がかかります。

登録免許税は住宅ローン融資額に税率0.4%をかけた値が原則です。

ただ、床面積が50㎡以上の場合などは税率が0.1%に引き下げられます。

その他、司法書士に依頼する場合は彼らへの報酬も支払う必要があります。

司法書士に支払う報酬は各事務所が定めている基本料金の他、何件の依頼をしたかによっても金額は変わります。

トータルで10万円~12万円が相場です。

抵当権付きの不動産を売買・譲渡・相続することは出来る?

不動産を他人に明け渡したい時に、抵当権が付いている場合はどう対応すれば良いのでしょうか?

ケース別に解説していきます。

抵当権付きの不動産をそのまま売買・譲渡することはできない

不動産を抵当権がついたまま売買・譲渡をすることは出来ません。

抵当権が残っているということは、住宅ローン残債がある状態ということでもあります。

このまま引き渡すと、物件を所有しているのが新しい所有者で、ローン返済義務は古い所有者が負ったままということになります。

この場合、古い所有者が返済を滞納すれば、物件が差し押さえられて新しい所有者は何も悪くないのに住まいを取り上げられることになります。

抵当権付き物件を売り出すことは問題ないですが、引き渡す段階で抹消する必要があります。

抵当権付きの不動産を相続することは可能

一方、相続となると話は別です。

所有者が亡くなってしまった場合、不動産の所有権とローンの返済義務がセットで相続されるので、上記のようなズレが起こらず問題はありません。

残債付きの不動産を相続する場合は、残債額を財産総額から差し引いて相続税を算出します。

名義人が団信に加入しており、死亡時に完済扱いになるケースも多いので、残債も引き継がれるケースはそこまで多くありません。

抵当権付き物件は売却できる?抵当権を外すタイミング・取引時の注意点

抵当権抹消の手続きの方法

勘違いしている方も多いですが、住宅ローンを完済すれば自動的に抵当権が抹消される訳ではありません。

何の手続きもしないと完済後も抵当権が残った状態となり、誰かに引き継ぐケースなどで支障があります。

抵当権の抹消は、ローンの完済直後に自身で手続きをする必要があります。

抵当権抹消登記の流れ

住宅ローンを完済すると、銀行から抵当権抹消手続きの必要書類が送られてきます。

こちらの書類を記入し、必要書類を提出することで抹消登記は完了となります。

抵当権抹消は自分で法務局に赴いて手続きをおこなうか、司法書士に依頼するかの2通りがあります。

設定時と同様で、自分でおこなうほうがコストを抑えられますが、素人が手続きをおこなうリスクもあるので十分注意する必要があります。

司法書士に依頼をした場合、抵当権抹消に必要な登録免許税は不動産1つにつき1,000円、土地と建物がそれぞれ2000円となります。

不動産売却における抵当権抹消登記のタイミング・流れ・費用相場を徹底解説

抵当権のポイントまとめ

抵当権は融資を受ける際などに良くおこなわれるので、最低限の理解は必要です。

手続きは司法書士に依頼をするのが一般的なので、物件を購入する場合などはかかる費用も計画に組み込んでおきましょう。

ただ、司法書士に依頼をした場合の費用は10万円を超えることも多く、結構な負担になります。

必要書類の取得まで司法書士に依頼をすると支払いは増えてしまうので、自分で出来る部分はできるだけ対応することが大切です。

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