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不動産売却で委任状を作成する際の書き方とひな形・注意点

【更新日】2023-11-13
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不動産売却で委任状を用いるケース
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不動産売却の代表者は、多くの書類を集めたり、費用を払うための資金を捻出したりと、かなり忙しいです。

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また、購入希望者があらわれたら、彼らのスケジュールに応じて動かなくてはならないので、出張が多い方や、病気で通院しているという方にはかなり厳しい作業となります。

こうした場合には代理人をたてて、代わりに不動産売却をしてもらうことができますが、そのためには委任状を作成する必要があります。

この記事では、そんな委任状作成のポイントと注意点を解説していきます。

また、代理人選びのポイントが知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください!

不動産売却は代理人に依頼できる?委任すべきケース・注意点を解説

代理人を立てての不動産売却には委任状が必須

代理人を立てて不動産売却をおこなう場合、委任状は必須といってよいでしょう。

法律上必ずしも委任状が要るわけではないですが、トラブルを回避し売主の身を守るために必要という側面が強いです。

不動産売却における代理人の定義は「売主本人に代わって”意思決定”をする人」となります。

つまり、何の規約もなしに代理人を立てれば、値下げやリフォームなどを勝手にされる可能性が高いのです。

この権利を制限し、売主の目的に応じた不動産売却を実現するのが委任状なのです。

不動産売却の委任状はフォーマットに決まりがない

不動産売却を第三者に依頼するときに必要な委任状は、フォーマットに決まりがなく、自由に作成することが可能です。

とはいえ、不動産業者ごとに指定されているフォーマットがある可能性が高いので、確認をとっておきましょう。

最初から最後まで自分で作成すると、売買契約時に重要となるデータの記入漏れがあったりもするので、なるべく業者指定のものを使うこと、担当者と話し合いながらすすめていくことをおすすめします。

委任状に必須で記入すべき事柄

委任状にはさまざまな書き方がありますが、最も記載しておきたいのが、依頼者と代理人の氏名、住所などの情報と、双方の権限はどのように分担されているのかということです。

不動産業者や購入希望者からすれば、代理人が売買契約のテーブルについたときに「この人とどこまで決めていいのだろうか?」と疑問に思ってしまうので、代理人はどこまで契約を進められるのかをしっかりと書いておきましょう。

書類に記載しておいたほうが、依頼者に電話がくるタイミングなどもわかりやすくなるので、手続きがスムーズです。

委任状を用いて不動産売却をおこなう一般的なケース

委任状を用いて不動産売却をおこなうケースは、そこまで多くはありません。

下記のようなケースの場合、委任状を用いた不動産売却が認めれることが多いです。

不動産にアクセスできないケース

海外での長期滞在や、不動産が離れた場所にある際、現地への立ち会いが難しいと判断されると、委任状を使った不動産売却が許可されることがあります。

距離の問題に限らず、高齢や健康上の理由で立ち会えない場合も、この条件に該当します。

複数の所有者がいるケース

夫婦が共有する不動産や相続による共有不動産の場合、取引をスムーズに進めるために委任状が利用されることがあります。

このケースでは、一人の共有者が他の共有者に代わって売却手続きを実施します。

弁護士や司法書士に委任するケース

特定の事情により、親族ではなく弁護士や司法書士に代理人として売却手続きを依頼する場合もあります。

委任状を用いて不動産売却をおこなえないケース

売主が成年被後見人である

売主が成年被後見人である際、委任状を使用することはできません。

成年被後見人とは、精神的あるいは健康上の問題で判断力に欠けるとされ、家庭裁判所によって後見人が指定された人のことを指します。

この状況では、本人は他者に代理権を与える能力がなく、成年後見人自身が売却手続きを直接行なうことになります。

破産手売主が続き中である

不動産の所有者が破産手続きを行っている際には、委任状による代理行為は実行不可能です。

破産手続きが始まると、裁判所が破産管財人を任命します。

この破産管財人により不動産の売却が進められ、売却から得られる収益は債権者に配分されます。

法定代理人を立てる必要があるケース

法定代理人には、親権者や未成年・成年後見人などが含まれます。

これらの代理人は、判断力が不十分な本人に代わって法的手続きを行います。

例えば、成年後見人が成年被後見人の住宅用不動産を売る際には、家庭裁判所の許可を事前に得る必要があります。

許可を受けずに行われた売却は、無効とされることがあるため、注意が必要です。

委任状作成のポイント

委任状を作成するときは、代理人の権限を定め、明確にすることが何よりも大事です。

フォーマットが自由といっても、以下の項目は必ず入れておき、権限を明確化しましょう。

  1. 売却可能な価格条件
  2. 手付金の金額
  3. 引き渡し日(予定)
  4. 契約解除時の違約金額
  5. 公租公課の分担起算日・お金の支払い日
  6. 代金・費用の取り扱い方法
  7. 所有権移転登記などの申請手続きの方法
  8. 上記の条件に当てはまらないケースをどう処理するか
  9. 委任状の有効期限

売却可能な価格条件

不動産を売っても良い金額を明示します。

この際、「〇〇万円以上」と幅をもたせるよりも、「△△万円」と特定の価格を言い切りの形で載せておくのがおすすめです。

もし記載の金額と違った提案をされれば、その都度売主に連絡が来るようにすれば、今販売活動がどうなっているかの把握もしやすくなります。

価格条件は、業者に査定してもらった金額を基に決めていきましょう。

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手付金の金額

売買契約を結んだ後にキャンセルがあった場合、業者に支払った一時金を使って賠償を支払います。

この一時金のことを手付金と言います。

手付金は売却価格の1割程度となっていますが、売買者間の同意次第では自由に金額を変えることができます。

売却価格は契約時に決定するので委任状作成段階ではいくらになるか予測できません。

そのため、「売却価格の○割」というような書き方をします。

引き渡し日(予定)

不動産売却をいつまでに終わらせるかの期限をここで定めます。

例えば2ヶ月後に転勤がある方などは、1.5ヶ月後に引き渡しというように少し余裕を持って引き渡し日を定めましょう。

契約解除時の違約金額

手付金は売買者の自発的なキャンセルで支払われる賠償金ですが、それとは別に、どちらか一方が契約違反を犯した場合の違約金も設定できます。

違約金は手付金の2倍(売却価格の2割)が相場です。

公租公課の分担起算日・お金の支払い日

月の途中に引き渡しをする場合、月・年締めのさまざまな費用を精算しないといけません。

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  • 固定資産税
  • 家賃
  • 共有部分の管理費
  • 駐車場代 など

例えば15日に引き渡しをする場合、月末締めの費用を日割りして売主に支払わせるのか、そのお金はどちらが名義になって納付するのかなどをここで細かく決めていきます。

代金・費用の取り扱い方法

不動産売却の最後は、代金の決済です。

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この際、売主から代金をどのように受け取るのかを指定していきます。

銀行振込なら、どこの場所でどの口座へどのように振込をするのかまで細かく書いていきましょう。

所有権移転登記などの申請手続きの方法

所有権移転登記とは、不動産の権利者を売主から買主へ変更する手続きのことです。

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所有権移転登記は自分でおこなうこともできますが、基本的には司法書士に依頼をします。

ここではどの司法書士に所有権移転登記をお願いするのか、報酬はどのようにして支払うのかなどを明記していきます。

委任状の有効期限

最後に、この委任状の効力の期限を決めます。

これがないとトラブルが起きた時に売主が不利になってしまうので注意しましょう。

不動産売却で委任状を利用する際の必要書類

不動産売却で委任状を利用する際は、委任状の他に下記の用意が必要です。

  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 住民票

印鑑証明書は、自治体の役所で発行してもらいます。近年だと、住民票もあわせて、マイナンバーカードを使ってコンビニで発行してもらうことも可能です。

なお、円滑な手続きのためには、売却する不動産に関する資料(購入時の詳細資料など)や鍵、固定資産税通知書なども準備しているのがおすすめです。

不動産売却で委任状を利用する際の注意点

委任状の押印には必ず実印を使う

委任状の効力が発揮されるためには、売主と代理人の実印が必要になります。

実印とは印鑑登録されたハンコのことで、不動産売却のさまざまな手続きで必要となってきます。

【図解付】不動産売却の流れ全8ステップを手順に沿って解説!全体図から必要事項まで完全網羅

印鑑登録の方法はこちらに詳しくまとめてあるので、ぜひ参考にしてください!

不動産売却に必要な印鑑証明の内容と印鑑証明書発行までの流れ

2人分の印鑑証明書・住民票を用意

委任状を作成する際は、売主と代理人2人分の証明が必要となります。

準備が必要なのは印鑑証明書と住民票の2点です。ここから2点の書類の取得方法を紹介していきます。

印鑑証明書の取得方法

印鑑証明書を発行するには実印登録が必要です。

実印登録は役所に以下の2つを持っていき、申請をおこないます。

  1. 身分証明書(運転免許証・パスポート)
  2. 印鑑(シャチハタ不可)

実印登録をすると、印鑑証明書の取得が可能になります。

ただ書類取得の際も、以下の証明書類のいずれかが必要となります。

  1. 登録印鑑証
  2. 住民基本台帳カード
  3. マイナンバーカード

住民票の取得方法

住民票の取得は、役所かその支所、出張所でおこないます。

基本的に平日しか営業していないので、サラリーマンの方は土曜日も営業している支所、出張所を利用するのが一般的です。

代理人の住民票を本人に代わって取得することもできますが、その際には代理人の氏名・住所の控えと本人確認書類が必要となります。

※印鑑証明書、住民票以外の必要書類の内容と取得方法はこちら!

不動産売却の必要書類を一覧で紹介!不動産を売る時に必要な全20書類の取得・提出方法を解説

事前に仲介業者との顔合わせをおこなう

内覧時にいきなり知らない人がやってきて「代理人です」と言っても、正式に認可されるとは限りません。

代理人を立てる際は委任状を作成するだけでなく、仲介業者との顔合わせも必要なのです。

売却前に代理人と2人で会社に赴き、業者としっかり話し合うようにしましょう。

代理人の扱いも業者によって違う可能性があるので、ここでしっかり説明を受ける必要があります。また、手続き完了時の連絡は売主にもするかどうかなど、細かいルールもここで決めていきます。

委任する範囲を決める

あなたが忙しいからといって近しい方に代理人を依頼して、その代理人が売却を失敗してしまった…。あなたならこのとき、代理人を責めることができるでしょうか?

売主と代理人の関係もあり、大幅に値下げして売られたとしても抗議できないケースが実際はほとんどです。

この場合、売主の利益目標は達成できませんし、代理人も代理を請け負ったことを後悔するでしょう。

こうなってしまう原因も、やはり委任状を作りこんで売主と代理人の権利に明確な線引きをしていないことが多いです。

作成が完了したら「以上」の記載を忘れない

重要書類を作成したことのない方には初めて聞く話でしょうが、書類の記述が終わる場合は、必ず下に「以上」と書く必要があります。

この「以上」という言葉が書類の最後にないと、まだ作成途中だとみなされたり、第三者に悪用されて追加の記述をされたりしても対応することができません。

特に不動産売却は大金が動く取引ですし、手続き中にトラブルがあったときは何かと売り手が責任を問われてしまいます。

書類作成時には内容ももちろん重要ですが、誰が書いたか、どこまで書いたかということもしっかり表記するようにしましょう。

わかりやすさを意識して作成する

委任状にはフォーマットがないので、自分なりにどんな形にでも作ることが可能です。

そのため、なかには凝った作りをしてしまう方もいますが、こうした書類は相手にミスをしてはいけない重要な契約であるという印象を与えてしまいますし、不動産売却の経験がない方に詳しい情報を共有してもわからないことが多いので逆効果です。

もし、代理人が依頼者にとって想定外のミスをしてしまったとき、「委任状に全部書いてあったじゃないか!」と怒ったところで責任を免れるわけではありません。

重要事項を全部記載しておくことはもちろん大切ですが、それぞれに優先順位を決めて、もっとも守ってほしいルールから強調して記すようにしましょう。

誤情報の記載に注意

フォーマットに指定がなく、記載すべき項目は業者のほうから共有があることが多いので、特に何も心配することはありませんが、誤情報を記載してしまうと大変なことになってしまうので、データ入力をおこなうときには細心の注意が必要です。

不動産業者は膨大な量の物件データを取り扱っているため、他のものと勘違いしてしまうことがあります。

そのため、売却する不動産の持ち主自身がチェックをする必要があります。

登記簿謄本を事前に用意しておく

正確な不動産情報と比較して書類をチェックするときに役立つのが、登記簿謄本です。

登記簿謄本には不動産の所在地、面積、所有者の名義などの情報が詳細に記載されているので、不動産売却時には事前に準備して常に手元においておくことをおすすめします。

最寄りの法務局で申請をすれば、取得することができますが、手数料を支払えば郵送を依頼することも可能です。

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