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アパート売却時の立ち退き料はいくら?住人の退去を円滑に進める方法

【更新日】2020-11-12
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アパートの立ち退き料

親の所有するアパートを入居者がいる状態で相続したというケースはよくあります。

でも、大家さんになれば大きな責任を負いますし、古い木造アパートなら管理・固定資産税がかかって逆に損です。

不要なアパートは早期に売ってしまうのがお得ですが、厄介なのが入居者の存在です。

今回は、アパートを売る時の入居者の取り扱いについて説明していきます。

損せずアパートを売る方法!売却の流れと税金・費用を解説

アパートは入居者がいる状態でも売れる!満室に近いほど投資家から高評価

アパートを売る際はすべて空室にしなければダメと考える方もいますが、実際は入居者を残したまま所有権を売買するのが一般的です。

それどころか、満室に近ければ近いほど高値で売ることができるのです。

不動産投資は入居者が支払う賃料によって成り立ちます。一度立ち退かせてしまうと満室になるまで数年かかるため、立ち退かせると逆に損をしてしまうのです。

オーナーチェンジは正当な権利

新しい大家に対して権利を譲渡するのは、法律でも認められた権利です。借主に対して申し訳ないと思う必要もありませんし、了解をとらなくてもOKです。

ただ、相続したアパートには親と親密な関係にあった長年の入居者がいて、売却に反対されることもあります。

ただ、反対されたからと言って賠償金を支払うといった必要はありません。トラブルになったなら弁護士を挟んで話し合って解決しましょう。

引き渡し前には入居者への通知が必要

売却する際に入居者の許可を取る必要はないですが、急に大家が変われば混乱を招きます。

そこで、引き渡し前に通知書をポスティングして、新しい家賃の振込先を示すようにしましょう。

書類だけでは気づかない人も多いので、電話を一度入れるのが親切でしょう。

忘れてはいけないのが敷金の精算

入居者を残してアパートを売却する場合、忘れてはいけないのが敷金の精算です。

敷金は入居者が管理人に預けているお金で、退去時に返還されます。返還をするのは退去当時の管理人なので、オーナーが変わるたびに引き継がなければいけません。

引き継ぎは、売買代金から敷金分を差し引くことで行われます。

例えば2階建てアパートの2階の敷金が15万円、1階の敷金が10万円で成約価格が1,000万円の場合、1、2階に居住者が2人ずついれば売主の手取りは1,000万円-(30万円+20万円)=950万円となります。

月の賃料は期限日を基準に日割り計算する

例えば、9月30日に引き渡したアパートの家賃支払い期限が月20日までの場合、9月20~30日までの収益を日割り計算で求めることができます。

手取り:950万円 賃料:15万円(2階)・9万円(1階) 居住者:2人

この場合、1か月の収益は24万円なので10日分に換算すると8万円となります。

つまり、総利益は958万円となるのです。

先払いされた家賃はそのまま買主に渡す

ただ、期限が毎月20日といっても、賃料の支払いはその前月に前払いするのが一般的です。

つまり、引き渡した段階で賃料がすべて売主の懐に入っていることが多いのです。

この場合、精算をするのが面倒なので、頂いた賃料はそのまま買主に渡すことが多いです。

アパートを1棟ごと売る場合は入居者の立ち退きが絶対に必要

アパートを1棟まるまる売却する場合は、居住者の立ち退きが必要になります。

居住者を残して売る場合よりも高値で売れるので、賃貸経営の出口戦略としてはこちらをおすすめします。

将来的な賃貸収益が見込めないアパートを換金するためには、1棟ごと売るのが最も良いのです。

ただ、入居者にも生活はあるので急に立ち退いてくれと言うことはできません。

アパートの立ち退きにはルールがあります。ここからはそれを見ていきましょう。

立ち退きには正当な理由と合意が不可欠

立ち退き前に、入居者を納得させる必要があります。

老朽化が激しすぎてこれ以上住むのは危険、貸主が病気でこれ以上経営できないという理由なら、入居者も納得しやすいでしょう。

立ち退きは問題入居者に対しておこなうのが基本

立ち退きは、基本的には向こうに非のある場合しか実行することはできません。

真夜中もうるさい、ゴミをため込んで放置するという状態で、何度注意しても直らない場合に立ち退きを勧告するのが一般的です。

「こっちはアパートを売りたいのに全然立ち退いてくれない!」と怒る人もいますが、これは自分勝手な意見だと自覚したほうが良いです。

1棟アパートが売れない理由と今すぐやるべき打開策4選

アパート売却時の立ち退き料は家賃の半年~1年分が相場

立ち退き料の相場

ただ、どんな理由があれ、立ち退いてくれと言われて納得する人はほとんどいません。

何より引っ越しをするとなれば、新居の敷金から引っ越し代まで様々な費用がかかってきます。

話し合いで納得できなければ、オーナーが入居者に立ち退き料を支払い、円満に退去してもらうことを目指します。

立ち退き料の相場は、以下の2通りが一般的なようです。

  • 新居の入居にかかる費用全額(保証金・敷金礼金・仲介手数料など)
  • 家賃の半年~1年分

地域の慣習でも変わることがあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

アパートの立ち退き料の費用内訳

立ち退き料は家賃の6か月~1か月が相場となりますが、これは住民の退去や新生活スタートにかかる費用を全て含めるとだいたい価格がこれくらいになるという目安からです。

立ち退き料で補填すべき費用としては、以下のようなものがあります。

  • 新居にかかる諸費用
  • 引っ越しにかかる諸費用
  • 電話・ネット環境整備にかかる費用
  • エアコン等の移設費用
  • 慰謝料

それぞれ見ていきましょう。

➀新居にかかる諸費用

新居に入居する際にかかる敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料などを立ち退き料で補填します。

またこの際、家賃の1か月分も加えて計算するのが一般的です。

敷金:家賃2か月分、仲介手数料:家賃1か月分×消費税となるので、そこまで計算は大変ではありません。

②引っ越しにかかる諸費用

新居へ引っ越す際に、荷造りや業者へ依頼する費用も立ち退き料で補填します。

実際の引っ越し費用は距離の長さや繁忙期かどうかで前後しますが、1世帯が引っ越す場合は7~10万円がだいたいの目安になります。

③電話・ネット環境整備にかかる諸費用

電話やネット環境の整備は、業者の依頼が必要な場合は2万円前後になるケースもしばしばあります。

引っ越し先によっては全くかからないケースもありますが、トラブルを避けるため多めに払っておくことをおすすめします。

④エアコン等の移設費用

利用していたエアコンを新居に移設する際は、取り外し・再設置の費用がかかります。

物件によってはエアコンが壁に埋め込まれているケースもあり、費用が高額になるので注意しましょう。

⑤慰謝料

上記の他に、慰謝料も立ち退き料に含めるケースが場合によってはあります。

入居者にとっては何の落ち度もないのに退去させられる訳なので、半端な立ち退き料をもらっても許してくれない可能性は十分あります。

相手の出方によりますが、なかなか住民が首を縦に振ってくれない場合、家賃の8~12か月程度を想定しておくことをおすすめします。

最初の立ち退き勧告は1年~半年前におこなう

売却の1、2ヶ月前に急に立ち退きを要求しても、合意を得られることはほぼないでしょう。

立ち退き勧告は、遅くても売却の半年前には行っておき、入居者の事情をヒアリングできる状態にしておかなければいけません。

「正当な理由がない」と立ち退きを断られれば、強制的に売ることはできません。また、早めに勧告すれば、入居者と立ち退き料の交渉をする余裕ができます。

半年を過ぎてから勧告をしても、立ち退きを認められないケースがほとんどなので注意しましょう。

アパート売却時の立ち退き交渉を円滑に進めるコツ

アパート売却時の立ち退き交渉

アパートの立ち退きを円滑に進めるためには、合意条件などに一工夫を加える必要があります。

また、住民が立ち退きしやすいように退去者をサポートすることも忘れないようにしましょう。

ここからは、立ち退きを円滑に進めるコツを紹介します。

コツ➀引っ越しに必要な情報・資料は全て揃えておく

前述の通り、立ち退き料の金額は問題なく引っ越しをするために支払われるものです。

ただ、Webによる物件検索に疎いシニア層の住民などは「チラシを見ているけど、その金額じゃ引っ越しできないじゃないか!」と返される可能性もあります。

こうしたケースを避けるために、めぼしい物件の資料や引っ越しプランなどはオーナーが事前に準備しておくことをおすすめします。

コツ②立ち退き料の支払いは期日まで退去した人を対象にする

引っ越し作業は費用に面倒で、出来れば後回ししたいと思うものです。

そのため、例えば3月31日に退去の期限を定めたら、ほとんどの住民は3月下旬に退去をすることになる可能性が高いです。

これではオーナーが処理すべき作業が煩雑になりますし、結局期限を守ってもらえないケースが出てきます。

そこで、立ち退き料を期限前に退去した人にだけ支払うという内容で合意をしておくことをおすすめします。

これにより、立ち退きのタイミングを早めることが出来ます。

アパートの立ち退きトラブルや合意しない住民が出た時の対処法

アパートの立ち退きはしっかり費用を払っても必ず上手くいくものではありません。

中には最後まで合意してくれずに居座る住民も出てきます。

こうした時はどうすれば良いのでしょうか?対処法を紹介していきます。

【前提】アパートの立ち退きは一人残らず退去させる

アパートを空にして売却するのであれば、一人残らず期限内に退去させなければどうにもなりません。

一人が残っている時点で無理に1棟ごと売買することはできないですし、その一人がダラダラ居座った場合、売り時をどんどん逃してしまうことになります。

頑固な入居者には、立ち退き料を上乗せしてでも退去させることをおすすめします。

定期借家契約の場合は6か月前までに通告をした後に異議申し立てでOK

定期借家契約はもともと契約した時点で契約期限が決まっているので、期間満了後も住み続けるのであれば、相手に非があります。

ただ、定期借家契約でも退去の最低6か月前には通告が必要なので、その点は注意が必要です。

普通借家契約の場合もオーナーの異議申し立てが必要

普通借家契約の場合は、2年ごとに契約が更新されるのが一般的です。

とはいえ、この契約では入居者の権利が守られており、向こうが希望する限り契約の更新が可能となります。

それでも、オーナーが契約の更新を希望しない・立ち退きを希望しているのに出ていってくれない場合は、期限満了後に正当事由を明確化させた上で異議申し立てをおこないます。

契約期間内に立ち退かせるほうが難しい

普通借家契約の場合、2年の契約期間が満了したタイミングでも自由に更新可能なので、退去させるには相当の理由(正当事由)が必要です。

それでも、契約期間中に退去をさせる場合は期間満了のタイミングでもないので、より立ち退かせるのは難しくなります。

契約期限とのタイミングで立ち退きを要求するほうが、まだ正当性はあると言えます。

アパート売却で立ち退きに応じてくれない時の最終手段と手続きの流れ

アパート立ち退きの最終手段

アパート売却で立ち退きに応じてくれない時、最後の手段が裁判所への提訴です。

つまり、法の力を使って強制的に立ち退いてもらうことを目指すのです。

この時、どう手続きを踏めばよいのか3つのステップを紹介します。

【Step1】建物明渡請求訴訟を提訴

どうしても立ち退きに応じてくれない時は、建物明渡請求訴訟を裁判所に提訴します。

裁判所で判決が出れば、それに基づき強制執行をおこなうことができます。

建物明渡請求訴訟は、アパートのあるエリアの管轄裁判所に提訴するようになります。

【Step2】裁判をおこなう

建物明渡請求訴訟をおこなったら、裁判日に原告(オーナー)と被告(立ち退きに応じない入居者)が出廷し、立ち退き条件の話合いをすすめていきます。

当事者同士で結論が出ない場合、裁判所の下した判決に従うようになります。

また、良くあるのが入居者が法廷に現れないケースですが、この場合は原告の主張が全面的に認められます。

両者が和解した場合は和解調書の、裁判所の判決が下された場合は確定判決の内容に従うことになります。

【Step3】強制執行

確定判決がある場合、入居者が期日までに退去しないと強制執行がおこなわれます。

裁判所に強制執行の申立をおこなったら、それから2週間ほど後に催告がおこなわれます。

その後、催告から1か月ほどで強制退去の断行となります。

当日はスペアキーで強制的にドアを開け、荷物を持ち出した上でカギを交換して入居者が入れないようにして完了となります。

アパートの住民を立ち退きさせれば様々な売り方ができる

アパートに入居者がいる場合は、収益物件として売るしかできません。つまり、相手は基本的に投資家となります。

2020年まではオリンピック需要で首都圏の相場が上がっており、絶好の投資チャンスと言われていますが、その一方でバブル崩壊やリーマンショックの反省から、国内の投資家がアパートを買い渋っており、盛り上がりには少し欠ける部分があります。

地価の高騰具合を見れば、一棟ごと売ってしまうほうがお得なケースは多いと考えられます。

2020年までは、賃貸収入が見込めないアパートも高く売れる最後の機会かもしれませんが、築年数が経った物件はどうしても住まいとしては避けられるもの。

ただ、アパートを空にしておけば、仲介売却以外の方法も利用することができます。選択肢が広がるので、自分にあった方法を選ぶことができますよ!

ここからは、アパートを空にしてできる2つのおすすめ売却方法を紹介していきます!

アパート買取は最長でも1ヵ月以内で換金できる

アパートを全て空室にすると、業者に買い取ってもらうことができます。

流れとしては、まず査定を依頼すると24時間以内に買取価格を提示してもらいます。

この金額が納得いけば、契約を結びます。その後、必要な書類・お金を準備した上で、決済・引き渡しをおこないます。

査定から引き渡しまでの期間はトータルで30日以内です。

買い取ってもらったアパートは、不動産会社がリフォームをした上で再販します。リフォーム前提なので、キズがついた築古物件でも取引はできます。

ただ、利益は仲介売却の約6~8割程度に落ち込んでしまいます。

利益を度外視しても早く売りたい方や、一度仲介売却に出したものの売れ残ってしまった方などにおすすめです。

不動産買取とは?家の買取と仲介を徹底比較

ハウス・リースバックは売却後もアパートに住み続けられる画期的な方法

一度アパートを業者に売り渡し、その後に引っ越しをせず賃料を払いながら住み続けるハウス・リースバックという方法が近年人気です。

引っ越しの必要はなく、まとまったお金を受け取れるのが強みで、居住者が亡くなった時は親族が優先的に買い戻せるので、老後を豊かに暮らしたいシニア層などに人気です。

こちらには何のデメリットもなく、まとまったお金を手に入れることができるのが大きな強みですが、年間の賃料が売却価格の1割程度と高く、10年以上住み続けると損失が上回ってしまいます。

そのため、2年程度の短期で計画を立てるのがおすすめです。

家の売却後も住み続けることができるハウス・リースバックを徹底解説

アパートを一旦立ち退きを依頼したら後戻り不可!慎重に考えよう

すでに賃料収益が手元に入っているなら、その利益を維持できるか、あるいは下がっていくのかを考える必要があります。

アパート経営の出口戦略!売り時のベストタイミングを正しく判断するコツ

基本的に築年数が経過すれば収益性は下がりますが、近くで都市開発が予定されている場合などは逆に人気が高まる可能性もあります。

その上で見込みがないと判断したら、早期に立ち退き勧告をして売る決断力が必要になってきます。

定期的に相場の推移をチェックし、最適なタイミングで売るようにしたいですね!

アパート売却の相場はいくら?高く売るには不動産会社選びが重要!

アパートの住民を一旦立ち退かせたら、もう後戻りはできません。

しっかり考えた上で立ち退きを依頼することをおすすめします。

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