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相続放棄とは?手続きの方法と後悔しないための注意点を解説

【更新日】2023-12-08
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相続放棄
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財産を相続することは人生に何度も経験するものではありません。

この時、無条件に遺産を受け取るのではなく、相続放棄のやり方も頭に入れておいた方が良いです。

相続放棄とは、亡くなった被相続人の財産を相続する権利を放棄することです。

今回は、難しそうな相続放棄についてわかりやすく解説していきます。

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相続放棄をすると財産相続権の一切が放棄される

相続放棄をすると、財産を相続する権利の一切が放棄されます。

これを聞くと、本当にメリットがあるのか?と疑問に思う方も多いでしょう。

確かに遺産には相続するメリットのあるものも多いですが、借金などマイナスの財産もあります。

加えて築年数の経過した実家など、処分や維持のリスクがかかり、結果的にマイナスとなる財産もあります。

裁判所に必要書類を提出して相続放棄をすれば、プラスの財産・マイナスの財産ともに相続人が承継しないこととなります。

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相続放棄をすべきケースは3パターン

遺産が相続人にとってプラスとなるのであれば、むやみに相続放棄をする必要はありません。

相続すべきケースは、以下の3ケースとなります。

  • 遺産に占める負債の割合が大きい
  • “争族”を回避したい
  • 特定の人に遺産を相続させたい

遺産に占める負債の割合が大きい

遺産に占める負債の割合が大きい場合、相続=そのまま負債を承継することになります。

被相続人が亡くなった時に莫大な借金が残っているケースもあり、そのまま放置しておくことはできません。

この場合は積極的に相続放棄を検討しましょう。

“争族”を回避したい

遺産問題は多くのドラマ、映画で取り上げられているように、仲の良かった家族の間に大きな溝ができる要因でもあります。

トラブルを回避するために、事前に兄弟間で話し合い、特定の人が計画的に相続を放棄するケースもあります。

特定の人に遺産を相続させたい

老舗の店舗や同族経営の会社など、兄弟の中でも特定の人間が事業を承継する場合などは、彼へ一旦事業を継がせる判断をする場合もあります。

この場合、他の人は相続放棄をおこないます。

相続放棄をおすすめしないケース

一方で、相続放棄をすべきでないケースもあります。

これは前述の通り、資産がマイナスの場合でしょう。

加えて、相続する段階ではプラスかマイナスか分からないという場合もあります。

この時は、相続してしまうのもリスクですが放棄してしまうのもリスクです。

限定承認は資産と負債のバランスが不明な際に利用する

限定承認は、プラスとマイナスの財産を相続する際に、プラス分を超えない範囲でマイナス分を相続するという制度です。

例えば、プラス1500万円、マイナス1000万円の場合、相続人は500万円分の資産を相続できます。

一方で、プラス1000万円、マイナス1500万円の場合、相続人は1000万円分の資産と負債を相続するので、実質なんの負担もありません。

実際には借金の返済義務を負うことにはリスクがあるので、最初から負債が資産の同額以上と分かっている場合は相続放棄をおすすめします。

ただ、不明な場合は限定承認をすることで、運が良ければ資産が手に入りますし、悪くてもマイナスを超えることがなくなります。

限定承認の条件

限定承認には、以下の特徴があります。

項目限定承認 相続放棄
申述期限 3ヶ月以内 3ヶ月以内
申立方法 相続人全員相続人1人でも可能

限定承認も相続放棄も申述期限が3か月以内なのは同じですが、限定承認の場合は相続人全員がおこなわなければいけないのが大きな違いです。

相続放棄の申述先と提出が必要な書類

相続放棄の申述書

相続放棄の申述先は原則、被相続人が最後に住んでいた住所を管轄する家庭裁判所となります。

申述のやり方としては、直接赴いて書類を提出しても、郵送で提出してもどちらでも構いません。

相続放棄で提出が必要な書類

相続放棄では、相続放棄の申述書の提出がまず必要になります。

その他にも、以下の2書類は共通で必要になります。

  • 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
  • 申述人(放棄する方)の戸籍謄本

その他、ケース別に以下の書類が必要となります。

ケース 必要書類
申述人が,被相続人の配偶者の場合 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
申述人が,被相続人の子又はその代襲者(孫,ひ孫等)(第一順位相続人)の場合
  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 申述人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
申述人が,被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)
  • 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の直系尊属に死亡している方(相続人より下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母))がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
申述人が,被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)
  • 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 申述人が代襲相続人(おい,めい)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄

【出典】裁判所HP

相続放棄にかかる費用は1250円ほど

相続放棄の申述をおこなう際にかかる費用を整理すると、戸籍謄本の取得代に1通450円の小為替が必要で、かつ収入印紙代が800円かかります。

そのため、1250円+切手代が相続放棄にかかる費用となります。

なお、戸籍は本籍地の役所で発行が必要なので注意しましょう。

相続放棄申述書の取得・作成方法

相続放棄申述書は、裁判所(https://www.courts.go.jp/)のHPからダウンロードすることができます。

この際、申述人が成年か未成年かによってダウンロードする書類が異なるので注意しましょう。

記入する内容はそこまで多くありません。

  • 申述人の氏名・住所
  • 法定代理人等
  • 被相続人
  • 申述の理由

相続放棄をおこなう趣旨を記入する欄がありますが、ここは出来るだけ具体的に記載するようにしましょう。

申述後に送付される相続放棄受理証明書は保管しておこう

申述が裁判所に受理されると、その後に裁判所から照会書が届くので質問に回答し、返送します。

その後交付されるのが相続放棄受理証明書です。こちらは、相続放棄したことを表す公的な証明書で、所有していると後々便利です。

相続放棄受理証明書は家庭裁判所に申請すれば取得することができます。

相続放棄の期限は相続開始から3か月しかない

相続放棄ができる期間は実質3か月しかありません。

この期間内に手続きをしなければいけませんが、その際に相続放棄の申述書などの他、様々な必要書類を揃えておく必要があります。

相続放棄を検討していても手続きが間に合わないと意味がないので、早めに準備をしておきましょう。

時間がないときは弁護士に相談するのがおすすめ

相続放棄をしたいのに時間がない、結局なにをすれば良いのか分からないという時は、弁護士にすぐ相談しましょう。

弁護士に依頼をすれば、手続きを代行してもらえ、スピーディに完了してもらえます。

費用は掛かってしまいますが、交渉など個人では難しい内容が入ってくるときなどは、ミスをするリスクも考えて弁護士に依頼してしまったほうが良いです。

相続放棄が認められない2つのケース

相続放棄は条件が厳しいものではなく、申述すれば認められないということはあまりありません。

しかし、中には相続放棄が認められないケースもあります。

相続人が財産を処分したケース

相続人が財産を一部でも処分した場合、相続放棄を認められません。

相続放棄をする際は、本来相続すべきだった財産をそのまま保管しておく必要があります。

相続人が財産を隠した・消費したケース

本来相続される予定だったお金を使ったり、少なく申請したりした場合も、相続放棄は認められません。

ただ、故意でないにもかかわらず上記のように見なされて却下された場合は、2週間以内に即時抗告(不服申し立て)が出来るのですぐ相談にいきましょう。

相続放棄をする際の注意点

全員が相続放棄をすると国に回収されてしまう

相続放棄は個人で申請することができるので、「他の人は相続するかもしれないけど、自分はいらない」と思ったら放棄を申述して構いません。

しかし、もし相続人が全員相続放棄をした場合は、相続財産管理人が財産を清算し、国のものになります。

自分は相続放棄をするけど、誰かが相続してほしいと思っているなら事前に相談しましょう。

相続放棄をすると相続関係が変化する

相続放棄をすると、その人をいないものとして再度相続関係を整理します。

そのため、相続権の割合が変わったり、今までは相続人でなかった人が権利を得たりすることもあります。

被相続人の死後に支払われたお金は手を付けず相談を

保険金など、相続人の死後にその代償として振り込まれるお金の中には、手を付けると相続放棄が出来なくなるものがあります。

お金が振り込まれたら一旦手をつけず、まずは弁護士などに相談しましょう。

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