コンビニ経営の実態は悲惨と言われがちですが、実情はそれほど悲惨ではありません。

悲惨と言われる理由は次の理由からです。

• 利益が出にくいと考えられる
• 休みが少ないことが多い
• ライバル店が現れやすい

コンビニ経営の実情と合わせて解説するため、以下にそれぞれ解説します。

利益が出にくいと考えられる

コンビニ経営は、客観的に利益が出にくいと考えられています。

コンビニ経営はフランチャイズで行うため、ロイヤリティという売り上げのうち5割程度をフランチャイズ本部に支払う必要があります。

通常の小売業であれば売り上げから仕入れ原価を引いたものが売り上げ利益となりますが、フランチャイズ契約の場合はさらにロイヤリティが引かれるため非常に損しているように見えます。

しかし、実際には大手コンビニチェーンの名前を借りていることで、集客力が大幅に上がっています。

そのため経営を始めたばかりでも一定の利益が望める他、立地が良いと大きな利益も出せるメリットがあります。

ロイヤリティの負担は大きいですが、経営が最初から失敗する可能性は低い点は魅力です。

休みが少ないことが多い

コンビニ経営が悲惨だと言われる理由としては、休みが少ないからです。

コンビニは24時間365日稼働することが基本なので、必然的に従業員の休みの日は少なくなってしまいます。

また仕入れている商品は半分以上が他社の製品なので、商品管理の手間もかかります。

経営していく中で業務負担も大きいので、休みがとりづらいと判断されがちです。

ただし、実際に業務負担が大きいのはその通りですが、経営者自体は店舗で働く必要はないので、ずっと働き詰めになることはありません。

24時間営業だから大変だと思うかもしれませんが、あくまでオーナーと店長は別だと理解しておきましょう。

ライバル店が現れやすい

コンビニ経営をすると、近くにライバル店が現れやすいです。

競合店が少ないエリアにコンビニを展開したとしても、同じように考えて競合店を展開してくる経営者もいます。

その際には利用客が分散してしまうので、利益が大幅に減る可能性があります。

コンビニはフランチャイズとして起業しやすいメリットがありますが、ライバル店が増えやすいので収益が急激に変動する可能性があります。

似たような店舗が増えれば人材の確保も大変なので、始める際はあくまで経営環境を把握して進めることが重要です。

→コンビニ経営の初期費用はいくら？かかる費用の内訳とフランチャイズ経営で必要な準備を解説

コンビニ経営の実態を理解した上で、次のような失敗事例もあることを確認しておきましょう。

• 環境が変わって人が来ない
• 家族経営で失敗する
• 経営者の意識が低い

コンビニの経営では失敗もあるので、事前に理解しておくだけで対策になります。

以下にそれぞれの失敗例を解説します。

環境が変わって人が来ない

経営が途中で躓く例としては、環境が変わって利用客が減ってしまうケースです。

例えば近隣に大型のショッピングセンターなどが建てられると、利用客が流れてしまいます。

また大学が近隣にあったため学生の利用が多かった地域でも、大学が移転してしまい経営環境が変わることもあり得ます。

人材の確保もできないまま終わってしまうこともあるので、将来のニーズを計算する必要があると覚えておきましょう。

家族経営で失敗する

コンビニ経営を家族経営すると、家族関係が悪化してしまうこともあります。

家族経営ではアルバイトを雇う人件費を削減することもできますが、家族経営がゆえに無理に働いてしまうことがあります。

店舗経営の水道光熱費などは削れない固定費用なので、売り上げが落ち込んだときには人件費を削るのが優先されてしまいます。

事前に家族間で話し合いをしていないと家族関係が悪化することもあるので気をつけましょう。

経営者の意識が低い

コンビニ経営を始める際に、経営者としての意識が低いことで失敗することもあります。

アルバイト感覚で始めてしまうと、仕事内容が厳しく行き詰ってしまいます。

接客態度が悪いなどの問題が発生してしまうので、サービス業としての日々の努力が必須です。

コンビニ経営は失敗も多いですが、経営を成功させるためには次の点を意識しましょう。

• 従業員の育成に力を入れる
• 従業員の年齢層を広くとる
• 本部の制度を活用する

コンビニ経営を成功させるためには人材の育成が必須です。

その他にも必要なポイントは多いので以下でそれぞれ確認しましょう。

従業員の育成に力を入れる

コンビニ経営を成功させるためには、従業員の育成に力を入れましょう。

人材を募集すると人件費がかかりますが、店舗経営をする以上必要経費です。

そのため雇った人材を上手く教育して、従業員の質を上げることが重要です。

コンビニはチェーン店なので多店舗と差別化がしづらいですが、店員の接客態度が差別化のポイントになります。

そのため教育に力を入れることで、リピーターを確保できるので意識しておきましょう。

反対に言えば、従業員の教育ができていなければ客が離れることもあり得るので気をつけましょう。

従業員の年齢層を広くとる

従業員を雇う際は、できる限り年齢層を広く取っておくと有事に備えられます。

特に大学生を多く採ってしまうと、試験期間などが重なった時にシフトに入ってもらえないことがあります。

また年齢層が豊富であれば、客とのトラブルが起きたときにも対応しやすいことが多いです。

年齢層を広く募集することで、時間帯の調節も可能なので意識しておきましょう。

本部の制度を活用する

コンビニ経営を始めるのであれば、必ずフランチャイズ本部の制度を活用しましょう。

本来オーナーになるということは売上や従業員の管理などすべての責任を負わなければなりませんが、フランチャイズであれば本部と協力することができます。

人材の確保なども相談することができる上、教育が苦手であれば本部の人に頼ることもできます。

また災害が起きたときなどの緊急対応も可能なので、相談に乗ってくれる相手として頼りましょう。

フランチャイズ経営の場合は定期的に報告義務がありますが、その面倒さを差し引いても有利に働きます。

フランチャイズで経営する場合は、制度を上手く活用しましょう。

コンビニ経営の実態は悲惨と言われがちですが、主な理由としてフランチャイズ経営で収入が少ないことが挙げられます。

しかしフランチャイズ経営なことは本部の人にわからないことを相談できる点では非常に大きなメリットなので、利点にも目を向けておくと良いです。

また対応策を練れなければコンビニ経営は失敗することもあるので、今回紹介した失敗例は確認しておきましょう。

コンビニ経営を成功させるポイントを意識して、経営を始めてみてはいかがでしょうか。