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不動産売買契約書の書式・ひな形と作成時の注意点

【更新日】2018-11-09
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契約書にサインをする女性

不動産を売り出し、購入希望者があらわれると、内覧をおこないます。

内覧後、買い手がOKを出せば、売買契約です。

不動産売却における契約の注意点

この取引は非常に重要なものなので、しっかりとした準備と対策が必要になります

特に、売買契約書は、今後のトラブルを避けるためにも重要なので、作成方法を確認しておきましょう。

この記事では、不動産売却時に必要な売買契約書の内容や注意点を解説します。

不動産売却の必要書類と取得方法をタイミング別に徹底解説

不動産売却時の売買契約書を作成する流れ

買い手と売り手の間で売買契約を結ぶことがきまれば、売買契約書を用意します。

この契約書はフォーマットがなく、自分たちで作成する必要があります。

作成の流れは、基本的には以下の通りとなっています。

  1. 売買契約書を作成する不動産業者の決定
  2. 売買契約書の作成
  3. 相手業者への確認
  4. 完成

売買契約書の流れは業者が熟知しているので、売り手から自発的に調べるということは少ないです。

とはいえ、契約することが決まってからは他の作業で忙しいということも十分あり得ますし、ひとつひとつの業務の流れを知っていることは結果的にモチベーションの向上にもつながります。

1.売買契約書を作成する不動産業者の決定

売買契約を作るのは、売り手本人だけではありません。

仲介してもらっている不動産業者と一緒に作るのが基本になっています。

しかし、契約書は売り手と買い手で同一のものを使うので、2人の仲介先が異なる場合は、どちらに依頼をするか話しあって決めます。

ただ、売買契約に出席したからといって報酬が増えるようなことはないので、どちらか一方を決めるのはそれほど難しいことではありません。

2.売買契約書の作成

作成する不動産業者が決まると、実際に作業に入ります。

作成期間は、不動産売却に売り手が同意してから約1週間後の契約までです。

作成は、一般的に重要事項説明書というものと並行しておこなわれます。

重要事項説明書とは管理規約などが記載されている書類で、不動産の中でも特にマンション売却のときは重要です。

作成時に参考にするものとしては、物件の販売図面と最新版の登記簿謄本などが資料になります。

どのような契約かによって必要となる情報も大きく異なるので、法務局、区役所、水道局などの関連区役所に急遽いかなければならないこともあり得ます。

3.相手業者への確認

売買者2人の仲介先が異なっている場合、前述のようにどちらか一方の業者に契約書作成を依頼します。

しかし、そのまま作成したからといって書類として効力があるわけではありません。

契約書を利用するためには、必ず作成していないほうの業者が確認しなければなりません。

作ったほうが自分に利益があるように契約書を作った可能性もありますし、万が一契約書に誤りがあった場合は、書類と作った・作っていないに関わらず両者がペナルティを受けてしまいます。

ミスを防止するためにも、必ず両者の確認をおねがいしましょう。

4.完成

確認をもらったら、いよいよ不動産の売買契約書は完成です。

しかし、完成後も買い手と売り手による確認をおこなうようにしましょう。

売買契約書は基本的にフォーマットが自由なので、2人の話し合いによって契約事項を決めることが可能です。

ただ、初心者2人が話し合って決めるので、どこまでが口約束か、明確な規則かというのをお互いが理解せず進めてしまうことが良くあります。

こうした場合、決まったはずの重要事項がところどころ契約書に載っていないということもあるので注意しましょう。

不動産売買契約書はどう作成する?基本フォーマットを解説

不動産売買契約書は、その多くが標準契約書というものの構成にしたがって作成されます。

この標準契約書は、以下の組織が作成したフォーマットです。

  1. 全国宅地建物取引業保証協会
  2. 財団法人不動産適正取引推進機構

一方、こちらに載っているような大手の不動産会社は会社独自の売買契約書を使うことが多いです。

【2018年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較

売買契約書のフォーマットは原則自由なので、作成元が違うからといって、売買者間の実印がしっかり押されてあれば法的な問題はありません。

売買契約書の基本項目

売買契約書の項目は、以下の13点となります。

番号項目内容
売買物件の表示物件の面積や間取り、権利者などの詳細
売買代金、手付金額、支払い日売却代金の詳細(金額・ペナルティなど)
所有権の移転・引き渡し日物件の所有権はいつ移転されるかの明記
公租公課の精算物件に関わるさまざまな費用を引き渡し日を基点に日払い計算した結果
反社会的勢力の排除
ローン特約売買契約から引き渡しまでに受ける住宅ローン審査が不通過だった場合、契約を白紙化できる特例
負担の消除所有権移転までに抵当権などの担保権・賃借権などの用益権などの一切の負担消除を約束
付帯設備等の引き渡し付帯設備をそのまま物件に付けたまま引き渡すこと、故障等の有無を確認
手付解除契約キャンセル時の手付金と解除の要件
引き渡し前の物件の滅失・毀損引き渡し前に災害などが起きた場合どうするかの確認
契約違反による解除契約内容を違反したときに解除になること、またその際のペナルティの確認
瑕疵担保責任引き渡し後に欠陥が見つかった場合、何か月(年)以内なら売主に責任を求められるか
特約事項その他、法的な順守義務のある項目(強行規定)以外に、売買者間で定めた独自の項目(任意規定)

13項目がない売買契約書は危険?

上で契約書の基本となる13項目を紹介しましたが、この13項目はフォーマットが変わってもほぼ全ての契約書に記載があります。

項目が足りないと法的に正しい契約と見なされないこともあるので注意しましょう。

特に個人間の売買では自分で契約書を作成することになるので、より注意が必要です。

土地を個人売買する手続きの流れ!デメリット・注意点

不動産売買契約で重要な10項目!記入・確認時の注意点をわかりやすく紹介

不動産売買契約書には、上で紹介した基本フォーマットの他に、会社によって独自の項目が追加されているようなイメージです。

ただ、どんなフォーマットでも以下の10項目をしっかり記入・チェックさえしておけば、契約を問題なく執り行うことができます。

  1. 売買物件の表示
  2. 売買代金、手付金額、支払日
  3. 所有権の移転・引き渡し日
  4. 公租公課の精算
  5. ローン特約
  6. 付帯設備等の引き渡し
  7. 手付解除
  8. 契約違反による解除
  9. 瑕疵担保責任
  10. 特約事項

ここからは、各項目の注意点を紹介していきます。

①売買物件の表示は細かい数字の誤りをチェック

こちらの項目では、売却予定の物件情報が詳しく記載されています。

ただ、こちらは登記簿謄本の内容を仲介業者が転写するので、番地・号室などの細かい数字に誤りが見つかりやすいです。

この項目を確認する際は、数字が間違っていないか重点的にチェックしましょう。

②売買代金、手付金額、支払日は金額の妥当性と数字の正確さをチェック

こちらも代金、支払日が話し合った内容と相違ないか細かくチェックしましょう。

加えて、解約手付で支払う手付金が妥当な金額かどうかもチェックしていきます。

不動産売却の手付金について解説

手付金は一般的に売却価格の1割ほどに設定されます。

これが高すぎれば万が一の時に自分が契約をキャンセルしにくくなりますし、安すぎれば逆に買主にキャンセルされる可能性が高まります。

③所有権の移転・引き渡し日に新居購入手続きは間に合うかチェック

所有権の移転と引き渡し、さらに代金の決済は同じ日におこなわれます。

不動産売却時の決済の流れ!場所や時間・必要なものは?

住み替えを目指す方は引き渡し日までに新居購入の目途が立ちそうか、進捗を確認しましょう。

もし、引き渡し後も引っ越しできそうにないなら、先行引き渡し、引き渡し猶予といった方法を使って対処するのがおすすめです。

不動産の買い替えで失敗しない方法!

④公租公課の精算は固定資産税がメイン

公租公課の精算が特に面倒なのがマンションです。

月の中日に引き渡しをおこなった場合、以下の費用が精算対象となります。

  1. 賃料
  2. 共有部分の管理費
  3. 駐車場代
  4. 公共料金など…

ただ、不動産売却時に精算をするのは固定資産税が主で、他の細かい費用は引き渡し日の属する月(年)までは売主が負担することが多いです。

あまりにも細かく費用の精算を求めて買主の気分を害してしまえば、困るのは売主の方なので注意しましょう。

費用精算の内容・方法はこちらに詳しく載っています!
不動産売却後の固定資産税はどう精算・納付する?

⑤ローン特約は慣例上付けるのが一般的

住宅ローンの審査に落ちた時に買主が売買契約を解除できることを定めたのがローン特約です。

買主優位の内容を不公平に思う売主も多いでしょうが、こちらは慣例上ほぼ全ての取引で付帯されるので、あまり気にする必要はありません。

ローン特約は審査に落ちた全ての買主が利用できるではなく、必要手続きをおこなっていなかった場合などは適用されません。

⑥付帯設備の引き渡しでは引き継ぐ対象と撤去対象を区別しておく

付帯設備は全部引き渡せばよいというものではありません。引き継ぐべき設備と、撤去する設備をしっかり分けておくのがおすすめです。

また、この区分けは相手が喜びそうか、自分が新居に持っていきたいかではなく、不具合の有無を基準におこないましょう。

もし引き渡した設備に不具合が見つかれば、その設備の利用頻度などに関わらず、売主は賠償請求されます。

引き渡し後のトラブルを防ぐためにも引き渡し対象は慎重に選ぶようにしましょう。

⑦手付解除は金額の他に解除可能な期間までしっかり決める

手付解除は、契約から引き渡しまでの間に何らかの理由で契約をキャンセルすることになった場合、キャンセルを希望する側が手付金(売却価格の1割ほど)を支払えば契約を解除できる仕組みです。

手付解除の内容は、売買者間の話し合いで自由に決めることができます。そもそも手付解除を認めるか、いつまで手付解除可能か、手付金はいくらかなどをしっかり決めるようにしましょう。

⑧契約違反による解除のペナルティも自分達で設定

手付解除はどちらか一方がキャンセルを希望することで起こる契約解除ですが、そうではなく売主か買主が契約違反をおかせば、有無を言わさず契約は解除されます。

このときに片方へ支払われる違約金の額も、2人の話し合いによって決めることができます。

一般的には手付金の2倍(売却価格の2割ほど)となることが多いですが、話し合いによっては価格が前後します。

これもしっかり話し合い、正しい金額を記入しましょう。

⑨瑕疵担保責任を和らげるには売主の働きかけが必要

瑕疵担保責任とは、引き渡し後に欠陥・トラブルが見つかった場合、売主(旧所有者) が買主(新所有者)に対して保証など、何らかの償いをしなければならない責任のことです。

この瑕疵担保責任は引き渡し後何年まで負うものなのか明確な規定がなく、個人売買だと引き渡し後10年間も請求権が消えない場合もあります。

瑕疵担保責任の期限設定も売買者間の話し合いで取り決めることができるので、売主側が積極的に働きかけて決めていきましょう。

⑩特約事項の記入漏れに注意!

特約事項には、売買者間で取り決めた独自のルールが記載されます。

不動産はアクセス、面積、間取りなどを総合すれば1つとして同じものがないですし、売主・買主の事情もケースごとに異なります。

そのため、2人でしっかり話し合い、内容を特約事項に書きとどめる必要があるのです。

ただ、2人で話し合った内容が特約事項に全て載っていなかったりするケースも多いです。

契約書に載っていなければただの「口約束」なので法的拘束力はありません。

逆に言えば、2人の取り決めは法的拘束力を持つわけですから、責任を持って話し合うようにしましょう。

売買契約書は控えの分も作成すべき?

不動産の売買契約書は、基本的に提出用と保管用の2枚に情報を記入し、完成させるようになっています。

不動産の引き渡し後に大きなトラブルがあったとき、契約書の記載を確認することで責任の所在や具体的な賠償方法などをわかりやすくするためです。

しかし、これはどちらかというと、これから不動産を保有する買い手にとって重要なのであって、売り手にとってはそこまで重要ではありません。

また、売買契約書には印紙税という税金が1枚ごとに課されるので、節税の意味でも、自分の分はコピーで済ませる売り手は多いです。

不動産売却時の印紙税の金額と賢い節税方法

コピーすると証明能力が下がるので注意

契約書の控えをコピーで済ませるとお得ですが、印紙がついているものに比べると証明力はもちろん落ちます。

万が一のことを考えると、控え分もしっかり作成しておくことをおすすめします。

印紙税というのは不動産の売却額によって変わりますが、それほど高額なわけではないので、一生に一度の手続きだと思って納税しても良いでしょう。

不動産売却にかかる費用一覧!いくらかかるのか解説

大事なことは全て売買契約書に記載される

不動産売却における重要事項というのは、すべて売買契約書に記載されます。

不動産の情報から規則にいたるまで書かれるので、何かあったときは真っ先に参考にしたいものです。

逆に、その分だけ記載漏れがあると大変なことになりやすい書類でもあります。

作成は基本的に業者任せで進みますが、トラブルを避けるために売り手本人の確認は必ずおこなうようにしましょう。

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