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不動産売却で消費税はかかる?課税・免税の条件と課税額の計算方法・注意点

【更新日】2020-04-20
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不動産売却の消費税

不動産を売ると、消費税が課されることがあります。

現在の税率は10%ですが、数千~百万円という価格相場を考えるとかなりの負担となってしまいますね。

不動産売却時の相場の調べ方!

なるべく払いたくはないですが、そもそも売り手も支払うものなのか、全てのタイプに適用されるものなのかという疑問が浮かびます。

この記事では、そんな不動産売却と消費税の関係を解説します。

消費税ってそもそもどんな税金?

毎日当たり前のように払っている消費税ですが、ちゃんとした内容を知っている人はほとんどいないと思います。

消費税を一言で表すと、「商品・サービスに対して課税される間接税」となります。

役所におさめる税金(直接税)とは違い、商品の販売先に徴収します。

不動産売却で重要となるのが、商品・サービスに対して消費税は課されるという部分です。

具体的に言えば、大きく3種類の取引に対して消費税は課税されます。

  1. 事業者が事業目的でおこなう取引(商品の販売など)
  2. 対価を得ておこなう取引(いらない品物の売買など)
  3. 資産の譲渡(貸付など)

一方、宝くじや寄付、古着や古本の販売などには消費税がかかりません。

ではここで、不動産の売買はサービスの提供なのか?という疑問が出てきます。ここから、不動産売買が税制上、どう見なされているのかについて解説していきます。

不動産売却によって消費税がかかることも免除されることもある

結論から言うと、不動産売却はその目的・方法によって消費税がかかることも、非課税になることもあります。

まず、住まいとして利用していた建物を売買する際は、消費税はかかりません。

売主は自分の大事な家を売り、その対価を貰います。そのため、消費税がかかってもおかしくありません。ただ、一戸建ての売却相場は2,000万円~3,000万円なので、消費税が8%とすると160万円~240万円もの高額費用がかかります。

普通の人はそんな高額な税金を払えないので、国が中古物件の流通を活発化させる意味で免税にしているという側面もあります。

一方、賃貸経営していたアパートや法人・個人事業主が事業目的で不動産を売る場合は、消費税が課税されます。

土地取引は「権利移転」なので消費税はかからない

法人が土地を売る場合などは、消費税がかかりません。

なぜ土地が課税を免れるのかというと、簡単に言えば土地は固形資産ではないです。

家やマンションは固形資産であり、築年数が経つに連れて価値が消費されている、まさに消費物です。

その一方で土地は資産ではなく、持ち主が変わるのは権利の移転という意味合いが強いです。

これは、建物は持ち主の完全な所有物ですが、そもそも土地は誰のものでもなかったところに線引きをして所有権を分割したからです。

もちろん時間の経過によって価値が落ちるということもありえないので、土地利用は消費ではなく、課税もされないのです。

これは、例えば建物が土地と一緒の、いわゆるマイホームの形で売り出される場合も同様に、非課税となります。

収益物件を個人が売る場合は消費税課税の対象になる

ここで気をつけて欲しいのが、たとえ個人による売却だとしても投資用の不動産には消費税が課されるということです。

居住用不動産の売却は、ただ単に利益を得たいというだけでなく、ローンが残ってしまう、離婚をしてしまったというネガティブな理由でおこなわれることも多々あります。

一方で、投資の場合は単純な利益の追求という意味合いが強まってしまうので、居住用のように優遇的非課税の対象からは外れてしまうのです。

投資をおこなう方は知識もしっかり持っているので、こんなことは知っていると思いがちですが、実態はその逆で、友人や知り合いにお得だと教えてもらったから試しにやってみるという高所得者がほとんどです。

もし自分が投資に興味がある場合も、こうした知識が抜けている可能性は高いので注意しましょう。

法人が主体の時はどんな物件でも課税対象になる

サービス業の会社は売上の浮き沈みも激しいので、安定収益を目的に不動産事業を合わせておこなうことも多いです。

また、社員寮や会社の駐車場などを会社が所有していることも多々あります。

結論から言うとそれが収益目的に購入されたものでも、社員のために購入されたものでも、売主が法人であれば消費税はかかります。

法人が不動産を売却する場合は税務上の取り扱いがややこしいので、税金の仕訳には注意しましょう。

法人・個人事業主による不動産売却でかかる税金まとめ!消費税がかかるので注意

居住目的以外の不動産売買でも条件に外れていれば非課税になる

全ての法人が不動産売買時に消費税がかかるわけではなく、以下の条件を満たす場合に課税されることになっています。

2期前の事業年度の課税売上高が1000万円を超える

年度の売上高が1000万円以下になるのは、例えばスタートアップ企業や小規模自営業者などが当てはまります。

彼らにとっても不動産売買の消費税は高額すぎるため、特別に免除されているのです。

不動産売却では様々な部分に消費税がかかる!

不動産に対して直接消費税がかかるわけではなくても、不動産取引ではさまざまな部分に消費税がかかってきます。

それぞれの費用が高額な分、これを度外視しているとコストを大きく見誤る可能性が高いので注意しましょう。

ここからは、どんな部分に消費税が関わってくるのかを解説していきます。

仲介手数料は最後に消費税をかけて算出する

意外と知られていませんが、仲介手数料を算出する際は消費税の取り扱いが重要になっています。

仲介手数料は、不動産の税抜き価格に対してかかります。対して不動産は税込み表示が一般的なので、今なら8%を引いてから以下の表に当てはめて計算していきます。

取引額 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 売却額×5%
200万円超400万円以下 売却額×4%+2万円
400万円超 売却額×3%+6万円

算出したら、その数字に108%をかけて戻します。この過程がないと仲介手数料に大きな誤差が出るので注意しましょう。

司法書士への報酬は消費税込みで計算する

住宅ローンの抵当権(担保)を抹消したり、所有権を売主から買主へ移転したりする際は、司法書士に依頼をするようになります。

不動産売却で司法書士は何をするの?役割と費用相場について

司法書士への依頼料は1万5000円ほどですが、この金額は消費税込みで算出されるため、増税すればその分負担が大きくなります。

消費税が発生したらいくら納めればいい?課税売上割合とは?

家を売って消費税が発生した場合、単に売却価格に税率をかければ納税額を算出できるわけではありません。

実際に消費税が発生した場合に納める金額は、次の通りです。

売上にかかる消費税(預かった消費税)-{消費税がかかった仕入れ+消費税がかかった経費}

お店に支払った消費税は、一旦お店側が預かった上で国や自治体に納付をします。

これと一緒で、消費税を預かった売主が一部を税務署に納めなければいけません。

例えば、こんな戸建ての家を売却したとします。

            
購入時の土地部分購入時の建物部分 売却時の土地部分売却時の建物部分
当時の価値 1000万円 2000万円1000万円 1000万円
かかる消費税 0円 60万円(3%)0円 80万円(8%)

この時、支払う消費税は売上にかかった消費税(80万円)-仕入れにかかった消費税(60万円)=20万円となります。

特殊な事情の時は「課税売上に準ずる割合」を利用できる

前述の通り土地売却には消費税がかかりませんが、これは日本政府の独自の判断によるところが大きく、現にオーストラリアなどでは土地売却にも当たり前に消費税がかかります。

A社が持つ事業所とB社が持つ土地はどちらも同じ価値で同じ維持費がかかったのに、利益は大幅にA社が高いというのは不公平ですよね。

そこで用意されているのが課税売上割合に準ずる割合です。この割合は、主に以下の2つのケースで利用することができます。

  • 臨時的な事由(たまたまの理由)で土地を売る場合
  • 事業者・法人が消費税課税対象と非課税対象の2種類の事業を営んでいる場合

これらのケースをわかりやすく言うと一体どうなるのか、詳しく解説していきます。

①臨時的な事由(たまたまの理由)で土地を売る場合

こちらに関しては字義通りで、「たまたま」であることを税務署に証明することができれば以下のうち低いほうの割合が適用されることになります。

  • 土地を売った年の前年以前3年間の通算課税売上割合
  • 土地を売った年の前年の通算課税売上割合

②事業者・法人が消費税課税対象と非課税対象の2種類の事業を営んでいる場合

例えば、小売業と賃貸業の2つの事業を営んでいる場合、小売業は課税対象ですが賃貸業は非課税です。

そのため、どちらかが7:3や8:2の割合で上手くいっている場合、同じ売上だとしてもかかる税金は大きく異なります。

このケースを是正するために、売り上げをこちらのように分解して、課税対象のものは課税をして、非課税のものは非課税で計算をすることで最適化できます。

  • 事業部ごとの売り上げ
  • 取引件数など

土地売却でも消費税の課税対象になってしまうケース

土地は固形資産ではないので、基本的には消費税の課税対象ではありません。

しかし、場合によっては土地でも消費税が課されてしまうケースは存在します。

油断をしてたら後で損することになるので、くれぐれも注意しましょう。

土地に事業用設備が設置されているケース

土地の上に人工の設備を設置し、そこから収益を取っている場合は確実に消費税の課税対象となります。

土地に設置できる事業用設備は、例えば以下のようなものがあります。

  • 太陽光パネル
  • コインロッカー
  • 自動販売機
  • テナント
  • トランクルーム

駐車場など土地を丸ごと舗装・改造して事業目的で利用するケース

特別に設備を設置していなくても、駐車場のように土地を舗装した上で提供し、そこから対価を得ている場合は消費税の課税対象になってきます。

土地に関連する消費税の課税対象にならないもの

借地権

借地権とは、地代を支払った上で他人から土地を借りる権利のことです。

お店などを出す際に、アクセスの良い土地を借りて、そこに店舗を設営し、地代を払いながら運営するということがあります。

この借地権は、原則課税対象にはなりません。

地上権

地上権は、他人の土地において、建物などを所有するため、自由に土地を利用できる権利のことです。

借地権が債権である一方、地上権は物権であり、地主の許可なく譲渡や転貸ができるといった強い権利が与えられています。

この地上権も非課税の対象になります。

木・石・生垣など

土地の中にある木や石といった自然のものも、消費税課税の対象にはなりません。

土地に生えている木は材木として換金することができますが、この際も消費税は発生しません。

不動産売却の消費税の注意点まとめ

個人の不動産売却で消費税が免除されるのはありがたいですが、実際は細かい費用の中に消費税がかかったり、かからなかったりするので一層ややこしい部分もあります。

ここからは、不動産売却で注意しておきたい、消費税にまつわるポイントを整理していきます。

広告に記載される不動産売却価格は税込み表示

個人の不動産売却では消費税が課されない一方で、広告で表示される売却価格は全て税込表示になっています。

これは、「不動産の表示に関する公正競争規約」(表示規約)というもので決められている、いわば業界内の決まりのようなものです。

ただ、この場合も土地部分に課税はされません。

  • 建物部分の広告表示価格:消費税含む
  • 土地部分の広告表示価格:消費税含まず

非常にややこしい部分なので注意しましょう。

仲介手数料は消費税抜きの不動産売却価格から計算される

一方で仲介手数料は、消費税抜きの不動産売却価格に課されます。

こちらも建物が課税対象で土地が非課税なので、仲介手数料を計算する場合は以下の流れで計算する必要があります。

  • 土地のみの場合:表示価格を用いてそのまま計算をする
  • 建物のみの場合:表示価格から消費税を引いて、計算する
  • 土地+建物の場合:土地部分はそのまま計算、建物部分は消費税分を引いて計算する

不動産売却で取引する金額を考えると、消費税の課税・非課税を見誤るだけでかなりのリスクになってしまうのは避けられません。

代金や費用の計算をする際は、消費税を正確に計算することが大切です。

不動産売却での消費税の課税対象と課税の根拠をおさらい!

不動産売却で消費税がかかるのは、以下の4点で整理しておくのが良いでしょう。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 司法書士への手数料
  • 住宅ローンの融資手数料
  • 課税事業者がおこなう不動産売買

消費税というものが何に対してかかるのかを整理しておけば、それほど難しくないはずです。

仲介手数料は仲介サービスへの対価(報酬)なので消費税がかかる

仲介手数料のそもそもの意味が、仲介売却というサービスの報酬として支払われる対価になります。

普段、店舗で支払う消費税と同様、不動産会社のサービスの利用料と考えれば、消費税が課されるのは納得できます。

司法書士への手数料もサービスの対価なので消費税がかかる

司法書士への手数料も、仲介手数料とほぼ同じ仕組みです。

登記手続きを司法書士に依頼する場合、手数料が対価として支払われます。

こちらもサービスに対して支払われるので、消費税がかかってきます。

住宅ローンの融資手数料は金融機関への対価なので消費税がかかる

住宅ローンの融資手数料も金融機関が提供している住宅ローン融資というサービスに対しての対価という意味合いがあるので、消費税がかかってきます。

課税事業者がおこなう不動産売買(資産の対価付き譲渡)は全て事業になる

事業者が対価を得て資産を譲渡する場合は事業とみなされて、消費税の課税対象になります。

例えば中古車の販売業者が車を仕入れるのも保有するのも、修理するのも、売却するのも全て事業の一環でおこなわれる手続きです。

法人自体がもともと事業をおこなうために設立される団体のため、法人が取る行動は全て事業とみなされます。「この取引は事業目的ではない」といっても、非課税にはしてくれないのです。

これは不動産も同様で、不動産会社が不動産を売却する場合は、全て課税の対象になります。

消費税は2019年10月から10%に増税!不動産売却にはどんな影響がある?

2019年10月から消費税率は10%になりました。

これによって、仲介手数料なども値上がりし、利益がより低くなってしまう見込となっていました。

不動産会社の中にも、増税前の駆け込み需要を狙って仲介営業に力をいれるところが多々ありました。

では実際のところ、消費税増税は不動産売却にどんな影響があったのでしょうか?

消費税増税の不動産売却への影響は今のところ無し

結論から言うと、消費税が増税したことにより不動産売却の件数が少なくなるといったようなことは一切ありませんでした。

理由としては、前回の消費税増税に比べて景気が好調で、家計が大打撃を受けなかったこと、キャッシュレス還元などの緩和策が多数打ち出されたことが挙げられます。

不動産売却の多くは住み替えを目的としており、生活に根付いたものです。

そのため、もし不動産売却に影響が出るとすれば、まず飲食業や娯楽産業が下落し、最後の最後に影響が出る仕組みになっています。

現状、大きな影響が出ていないということは、多くの家計が10%増税をそこまで苦にしていないということでもあるでしょう。

コロナショックで間接的な影響が出るかもしれない

ただ、消費税増税の怖いところは、じわじわと間接的に影響が出る可能性があるという点です。

一回の買い物につき支払いが少し増えただけと捉えれば我慢も出来ますが、もし景気が今後下落し、キャッシュレス還元などもなくなれば、その時に初めて大きな負担を実感する恐れがあります。

特に2020年4月現在は新型コロナウィルスの流行によって景気が下落し、昨年の消費税増税がジャブのように効いてくる可能性も十分考えられます。

不動産の売却市場が今後底をついても消費税増税のせいとは言えませんが、複合的な要素の一つに増税が含まれるのは間違いありません。

不動産売却の消費税は課税条件を間違わず余裕をもって支払うべし

不動産売却の消費税は、まず各費用への課税条件を間違わずに覚えておく必要があります。

また、消費税がかかるからといって不満を持ったりすることなく、余裕のある額の自己資金を準備した上で、まずは不動産売却を成功させることに集中することをおすすめします。

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