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分譲マンションを売るにはまず何をすれば良い?売り方を初心者でもわかるように解説

【更新日】2024-02-19
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分譲マンションを売るにはまず何をすれば良い?
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転勤や家庭の事情で地元を離れるなどの理由で、購入した分譲マンションを売却される方がいれば、相続等で所得したマンションを売却する方もいるなど、マンションを売る理由は多岐に渡ります。

様々な理由がある中、マンションを実際に売るとなれば、不動産会社に仲介依頼を出して売却する仲介売却と業者相手にマンションを売る業者買取のいずれかを中心に売却活動を進めていきます。

売却方法 仲介売却 業者買取
取引相手 個人 買取専門の不動産会社
売却価格 相場の7~9割
※物件の状態によっては相場以下になるケースもある
相場の6~8割
※※物件の状態によっては相場以下になるケースもある
売却活動の期間 購入希望者が現れるまで
平均3~6ヶ月前後
買い取り条件が合えば短期間で売買完了
平均1~2ヶ月前後
契約不適合責任の有無 あり 原則なし
場合によっては問われるケースがある
仲介手数料の有無 なし あり

またマンションの売却を含め、「不動産売却」では、税金や取引上の法律など、専門的知識が問われる場面が多々存在し、初めて売却を行われる方の中には、頭を抱える方もいます。

しかし、マンション売却の一連の流れを把握しておけば、どのような場面でどの知識が問われるのかが明確になります。

マンション売却の流れ

  マンション売却の流れ
Step1 売却の準備
Step2 不動産会社にマンション査定の依頼を出す
Step3 不動産会社の選定・媒介契約の締結
Step4 売却活動の準備
Step5 内覧の受付対応
Step6 売買契約の締結
Step7 決済・引き渡し
Step8 確定申告の提出

当記事では、分譲マンションを初めて売る人が抑えておきたい5つのポイントを解説していきます。

分譲マンションを高く売る全知識!3割増で売却するためのポイント11選

マンション売却の流れ

マンション売却は、一般的に以下のような流れに沿って実施します。

マンション売却の流れ

  マンション売却の流れ 内容
Step1 売却の準備 売却に必要な書類や相場価格の調査など、売却に必要な準備を進める
Step2 不動産会社にマンション査定の依頼を出す 不動産会社に査定依頼を出してマンションの資産価値を調査してもらう
Step3 不動産会社の選定・媒介契約の締結 査定結果と業者サービスなどの情報を基に媒介契約を結ぶ会社を選んで契約する
Step4 売却活動の準備 物件のPR広告作成を会社に任せて、内覧対応の準備(物件内の掃除)を進める
Step5 内覧の受付対応 購入希望者が実際に物件を見に来る
Step6 売買契約の締結 売買契約を結んで売却を成立させる
Step7 決済・引き渡し 残りの売却金を受け取って、物件を引き渡す
Step8 確定申告の提出 売却を行った年の翌年2月半ばから3月半ばの間に確定申告を提出する

8つの工程の中に、準備することや気を付けることなど、やるべきことが多々あります。

また一部の工程の中には、税法など、専門性が問われる分野が関わってくるものもあります。

マンション売却をスムーズに進めるためにも、各工程への理解はもちろんのこと、不確かな部分が出てきたら、マンション売却を得意とする不動産会社に相談するなどして、理解を深めていくことで、売却の成功率を高められます。

また、売却に関する詳細は、下記記事にて紹介します。

マンション売却の流れは9ステップ!必要な手続きを手順に沿って解説

①分譲マンションの4つの売り方

ここからは、分譲マンションを売却するときに、取り掛かる準備や押さえておきたいポイントについて解説して行きます。

ここでは、分譲マンションの売り方について解説します。

ちなみに、その4つの売り方とは、こちらになります。

売却方法 仲介 買取 オークション(入札) 個人売買
内容 仲介業者に販売活動を依頼 不動産会社に買い取ってもらう 不動産をオークションに出品 近しい間柄間で仲介を挟まず売買
長所 高額で売れやすい 成約の可能性が高く、現金化も早い 取引の透明性が高く、後悔が残らない 仲介手数料がかからない
短所 売れるまで時間がかかる(平均3~6ヵ月) 利益が低い(仲介の2割減) 売主に落札者(買主)を選ぶ権利がない 専門知識がないので、知らぬ間に違法手続きをしているリスクがある

ほとんどの人は仲介売却か業者買取を選ぶ

売り方自体は4つありますが、ほとんどの人は仲介か買取のどちらかを選ぶようになります。

オークションは近年人気が高まっている方法ですが、買主(入札者)を選べないというリスクがあります。

個人売買はその名の通り、不動産会社を挟まずに2者間の話し合いで取引を進める方法です。コストを大幅にカットできるのが強みですが、お互い専門家ではないので、知らぬ間に法に触れてしまう恐れがあるので注意が必要です。

普通の人なら、売却か買取のどちらかを選ぶのが安全ですし、おすすめです。

高く売りたいなら仲介・早く売りたいなら買取

あなたが分譲マンションを高く売りたいのであれば仲介、早く売りたいのであれば買取を選ぶのがおすすめです。

仲介売却は、不動産会社に販売を依頼する方法です。平均3~6か月の長い時間をかけて、じっくり売っていきます。

比較的高い値段をつけたら、買い手が見つかるまでスーモなどの大型サイトや新聞の折り込みチラシなどで宣伝していきます。

欲しいという人が現れるまで宣伝をしていくので、時間はかかりますが、その分高く売ることができます。

業者買取は、不動産会社にそのまま買ってもらう方法です。

来店して査定を依頼したら、早ければその場で契約でき、そこから最短2週間くらいで買い取ってもらえるケースもあります。

転勤が迫っている人などにおすすめの方法ですが、価格が仲介売却の6~8割ほどまで下がってしまうため、高く売りたい人には向いていません。

不動産を売る人の多くは高く売ることを目的にしているので、仲介売却を選ぶ傾向にあります。

どちらも一長一短なので、自分の目的に合わせた方法を選ぶことをおすすめします。

②分譲マンションを売るにはまず査定から!複数の査定結果を比較しよう

分譲マンションを売るには、まず業者に査定を依頼するところから始めていきます。

査定を依頼すると、「だいたいいくらで売れるか」の金額を出してくれるので、それを参考にして売却を進めていきます。

査定の方法は2種類ある

実際に不動産会社へ査定を依頼すると、「机上(簡易)査定と訪問査定のどっちにしますか?」と聞かれます。

この2つの違いを簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 机上査定:周辺地域の相場や類似物件の売却額を元にした簡単な査定
  • 訪問査定:業者が部屋の状態、道路や境界の位置関係などを詳細に確認することで得られる精度の高い査定

机上査定はネットから簡単に依頼できますが、その精度には疑問が残ります。また、訪問査定は詳しく物件を調査してくれるので高精度ですが、業者とスケジュールを合わせなければいけません。

どちらか一方を選ぶのではなく、先に机上査定で業者を絞り込み、その後に訪問査定で契約する業者を決定するという流れがおすすめです。

査定額は業者によって違う!複数社の査定結果を比較しよう

査定額はどこに依頼するかによって異なります。

そのため、1社だけに査定を依頼して契約を交わすのは大変危険です。

あなたの街にA社とB社があったとして、B社のほうが査定額が300万円も高いのに査定をせずA社と契約したら、その分損をしてしまいます。

不動産売却を成功させるには、複数社の査定結果を比較するのが不可欠なのです。

優良業者を見逃さず、査定依頼ができるサービスが一括査定サイトです。

簡単な物件情報を入力するだけで査定してくれる業者が一覧で表示され、そこから最大6社以上に一括で査定を依頼することができる優れものです。

高く売りやすいだけでなく、査定依頼の手間も大幅にカットすることができます。

一括査定サイトの詳しい使い方はこちらにまとめています。ぜひ参考にしてください!

【2024年最新】不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気16社を厳選紹介

③住宅ローンが残っている時はまずいくら残高があるか確認しよう

「住宅ローンが残っている物件も売れる?」これは初めて不動産を売る多くの人が疑問に思うポイントです。

結論から言えば、ローンが残っている物件でも売却は可能です。

というよりは、かなりの割合の方がローンの残った物件を売りに出しています。ローンは30年前後で組むことも多いですが、中古物件は築10~20年くらいが多いので、ローンが残っているのも納得です。

ただ、ローンの残る物件を売る際は注意点もあります。それは、引き渡し前にローンは一括返済しないといけないというものです。

どう処理するかというと、引き渡し日に買主から売却代金をもらい、その一部を使ってローンを返済します。その後、物件を引き渡すのです。

ローンの返済義務は新入居者に引き継げませんし、抵当権を外さないと迷惑がかかってしまいます。

【抵当権】
住宅ローンが返済できなかった時、物件を差し押さえて競売にかけられる権利のこと。

ローンが残っている物件を売る際は、必ず残高を確認し、査定額と照らし合わせて、完済できるか見極める必要があります。

ローン残債があるマンションも売却できる?ローンが残る物件を売る流れ・注意点をケース別に解説

④分譲マンションを売ると費用がかかる!一体どれくらいになるか調べておこう

査定をしてもらうといくらで売れるか見積もりを出してもらえますが、その金額がそのままあなたの口座に入るわけではありません。

こちらの税金・手数料がかかるため、手取り額は査定額よりも低くなります。

マンション売却でかかる費用

  • 仲介手数料
  • 住宅ローン残高
  • 登記費用
  • 管理費・修繕積立金
  • 譲渡所得税
  • クリーニング費用など

売却価格の4分の1がこうした費用で引かれてしまうことも珍しくなく、正直に払っていればかなりの損です。

ただ、それぞれの費用には値引きをする裏ワザがあり、これを使えばコストを大幅に減らすことができます。

こちらにまとめているので、必ず目を通しておきましょう!

分譲マンションを売ると税金・手数料がかかる!税額はトータルいくら?

仲介手数料

マンションを売却する際には、不動産業者を通じて取引を行うケースが多いです。

その場合、必要となるのが仲介手数料です。

仲介手数料は、売却金額に対するパーセンテージで計算されます。

具体的なパーセンテージは業者によりますが、一般的には3%+6万円(税別)となることが多いです。

この手数料は、マンションの売却が成立した時に支払うことになります。

住宅ローン残高

マンション売却時に住宅ローンが残っている場合、売却金額からそのローン残高を支払う必要があります。

ローンを完済するまでの期間が長ければ長いほど、その分の金利も負担となります。

また、一部の金融機関では、ローンを一括返済する際に一定の手数料が発生する場合もあります。

登記費用

マンションの売却に伴い、名義変更のための登記が必要となります。

この登記手続きには費用が発生し、売却価格や物件の所在地によってもその額は変わります。

通常、売主が負担することが一般的です。

具体的な金額は、司法書士に見積もりを依頼することで把握できます。

管理費・修繕積立金

マンションの売却時には、その月の管理費や修繕積立金を清算する必要があります。

これらは、通常、売主が売却日までの分を支払います。

売却時期によっては、次回の管理費・修繕積立金の支払い日までの間に売却が完了する場合もあるため、その期間に対する費用も計算に入れておきましょう。

譲渡所得税

マンションの売却によって利益が出た場合、譲渡所得税が発生します。

譲渡所得は、売却価格から購入時の価格や修繕費などを差し引いた金額になります。

この譲渡所得に対して課税されるのが譲渡所得税で、税率は所得により異なります。

確定申告の際に必要となるため、専門家の意見を聞きましょう。

クリーニング費用など

売却前にマンションを綺麗にするためのクリーニング費用が必要になります。

売却価格を上げるためにも、常に物件を清潔に保つ必要があります。

クリーニング費用には、専門のクリーニング業者に依頼する費用や、修繕費、リフォーム費などが含まれます。

⑤分譲マンションを売るリスクも大きい!「瑕疵担保責任」について知っておこう

分譲マンションを高く売れば一気に数千万円の利益を得ることができます。

しかし、その一方で失敗すると逆に数千万円の損失を被ることもあるのです。

特に注意したいのが瑕疵担保責任という制度です。

これは、不動産を売ったあとに欠陥が見つかると、その分の補償を売主に求めることができるという制度で、責任を求められる期間は契約時に決まります。※売却から6か月間以下になることが多い。

瑕疵担保責任が求められるのは、水漏れやシロアリ被害などの物質的なものの他に、「昔、この部屋で殺人があった」「隣が暴力団事務所になっている」といった心理的なものも含まれます。

これら、入居者の安定した生活を脅かす事情は、必ず告知をしなければいけません。

隠して売ったがために裁判沙汰になり、1億円以上の賠償金が求められた事例もあるので注意しましょう。

欠陥を正直に言っても買い手は付く

とはいえ、自分の物件のデメリットを正直に言うのは気が引けるものです。

「実はこの家、シロアリが湧いてるんですよ…」なんて言ったからには、購入を断られてしまいそうですよね。

確かに欠陥を正直に話せば、その分買ってくれる人は減りますが、その分ゼロになるわけではありません。

まず、中古物件を買おうとしている人のほとんどは、購入後リフォームをする前提で物件を選んでいます。こういう方からしたらむしろ立地の良い物件が安く変えてラッキー!というわけです。

また、中には軽度の欠陥が全然気にならないという方もいます。こうした方が買ってくれることを信じて、売り出してみるのも一つの手ですよ。

事故物件を売ることはできる?告知義務や売却価格の相場・物件を高値で売る方法を紹介

マンション売却にありがちな失敗例

マンション売却を含め、戸建て住宅や土地などの不動産売却するとき、必ずしも売り手の理想に近い形で不動産売却が完了するという保障はありません。

小さなミスや軽率な行動次第で売買契約が破断するケースもあります。

ここでは、マンション売却にありがちな失敗事例を紹介します。

マンション売却が不得意な会社に仲介依頼を出した

マンション売却を検討する際、適切な仲介会社の選定は非常に重要です。

会社によって得意とするエリアや物件タイプは異なるため、マンション売却が不得意な会社に仲介を依頼してしまうと、適切な価格設定や販売戦略が立てられず、売却に時間がかかる可能性があります。

そのため、マンションの売却経験が豊富で、地元の市場情報を把握している会社を選びましょう。

新生活までに売却できなかった

新生活のスタートに合わせてマンションを売却したいと考えることは多いですが、タイミングを合わせながらの売却活動を非常に難しいです。

売却完了までにかかる時間は、短くても3ヶ月、早くとも6ヶ月以上といわれていますが、実際のところ、市場の状況や物件の価値、価格設定などの影響で売却スピードが大きく変わってきます。

その結果、新生活までに売却が間に合わないと、二重の生活費が発生する可能性があります。

そのため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。

価格が高すぎて買い手がつかなかった

適正な価格設定は、マンション売却において買い手を引き付ける要素です。

自分が思う以上に高い価格を設定してしまうと、なかなか買い手が見つからず、売却までの期間が長引く可能性があります。

不動産の価格は近隣の相場や物件の状態、築年数など多数の要素により決まるため、専門家の意見を取り入れ、適正な価格設定を心がけるべきです。

手付金に手を出した

売却契約時には、買主から手付金が支払われます。

しかし、この手付金を早期に取り崩すと、万が一契約が破棄された場合、手付金の倍額を買主に返還しなければなりません。

そのため、契約が確定し、全額の売却金が振り込まれてから手付金を使用するのが安全です。

付帯設備表と告知書が来て契約を解除した

マンション売却時には、物件の状態や設備について正確に伝える必要があります。

何らかの理由で、重要な情報が伝えられていない場合、買主が付帯設備表や告知書を受け取った後、契約を解除する可能性があります。

売却のスムーズな進行のためにも、全ての情報を透明にしておきましょう。

確定申告の提出を忘れた

マンション売却により利益が生じた場合、その利益に対して譲渡所得税が課税されます。

譲渡所得税に関する報告は、売却翌年の確定申告にて申告しなければなりません。

しかし、申告を忘れてしまうと、過少申告加算税や延滞税などの追加税金が発生する可能性があります。

売却後の確定申告の期限や手続きにも注意を払いながら、書類作成に着手しましょう。

マンション売却を行う前に気を付けること

ここからは、マンション売却を行う前に気を付けておくことをいくつか紹介します。

個々で紹介する内容は、マンション売却を成功させるうえで欠かせないものです。

準備を怠れば、相場以下の価格で売買してしまったり、買い手が一向に見つからないなどのトラブルを誘発する恐れがあります

査定前に物件の売却相場を把握しておくこと

物件の売却を考える前に、まず自分の物件が大体どの程度の価格で売却できるのか、その相場を把握する必要があります。

近隣の類似物件の売却価格や、不動産情報サイトでの価格情報などを調査することで、ある程度の価格帯を把握しましょう。

これにより、不動産業者からの査定価格が適正なものか判断する材料となります。

住宅ローンの残債額について把握しておく

売却を行う前に、住宅ローンの残債額を確認しましょう。

原則、マンションなどの不動産を売却する場合、住宅ローンの完済抵当権の抹消の2点を済ませておく必要があります。

しかし、売却価格が住宅ローンの残債額を上回る状態であれば、売却額からローンの残債額を差し引いた金額が、実際に自分の手元に残ります。

そのため、住宅ローンが残っている場合は、その返済計画を含めて売却計画を立てましょう。

マンション売却の流れについて把握しておく

マンションの売却は複雑な手続きを伴うため、その流れを把握しておきましょう。

査定依頼から売却までの一連の手続きや、売却後の確定申告の手続きなど、売却に関わる全てのプロセスを事前に理解しておくことで、スムーズに売却を進められます。

売却期間を決めておく

物件の売却期間は、自身のライフプランや次の住まいの準備状況などによって変わるので、ある程度の売却期間を決めておきましょう。

売却期間を決定することで、どの程度の期間でどのような戦略を立てるか、計画的に進められます。

査定依頼は必ず複数の会社に出すこと

一つの不動産業者だけに査定を依頼すると、その業者の価格設定に振り回されて、思うような形で売却活動ができない事態に見舞われます。

場合によって、価格が高すぎて買い手が一向に見つからないや、物件の取り扱いが下手な会社に依頼してしまったという事態に見舞われる可能性もあります。

複数の業者に査定を依頼することで、様々な視点から物件の価値を判断することができ、最適な価格設定で売却が行えます。

媒介契約の内容について把握しておく

媒介契約は売主と不動産業者との間の契約で、この契約により業者は売主を代理して物件の売却活動を行います。

契約形態には一般媒介契約と専属専任媒介契約があり、その内容は大きく異なります。

契約の種類 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の業者との契約 可能 不可 不可
他社への通知義務 可能(明示型のみ) 不可 不可
自己発見取引 可能 不可 可能
契約の有効期限 指定なし 3ヶ月以内 3ヶ月以内
指定流通機構への登録 任意 7日以内 5日以内
業務状況の報告義務 任意 1週間に1回以上 2週間に1回以上

どのような契約を結ぶかは、物件の売却戦略に大きく影響しますので、契約内容をよく理解し、自身の状況に適した契約を選びましょう。

不動産売却時の媒介契約とは?専任媒介と一般媒介の違いとメリット・デメリットをわかりやすく解説

仲介業務の内容を確認する

物件を売却する際には、不動産業者に仲介業務を依頼しましょう。

しかし、業者によって提供されるサービス内容や品質は異なるため、依頼する業者がどのようなサービスを提供してくれるのかを事前に確認しておきましょう。

これにより、期待通りのサービスを受けることができ、売却プロセスをスムーズに進められます。

マンション売却に強いおすすめマンション売却業者はどこ?評判の高い会社ランキング・業者選びのコツ

マンション売却の活動中に気を付けること

ここでは、先の注意点を意識しながら、マンション売却を得意とする会社と契約を結んだあとに行う、売却活動中に気を付けることを紹介します。

個々で紹介する内容を遵守することで、売却の成功率が大きく変わってきます。

営業担当者と定期的に連絡を取る

マンション売却の進行状況を把握し、必要な情報を逐一入手するためには、営業担当者とのコミュニケーションが必要不可欠です。

物件の見込み客の反応や市場の動向など、情報共有を怠らないことが成功への鍵となります。

また、自身の意向も随時伝え、適切な戦略を立てるための情報を提供しましょう。

部屋の清掃・内覧対策を設ける

物件の見学者に対して、良い印象を与えるためには物件の清掃が大切です。

特にキッチンやバスルームなどの水回りは、清潔感が求められます。

さらに、部屋の照明を工夫したり、インテリアを整えるなど、部屋の魅力を最大限に引き出す内覧対策も重要です。

高すぎず・低すぎない価格で市場に出す

マンションの売却価格は、物件の立地や状態、周辺の相場などを考慮に入れた上で設定しましょう。

価格設定が高すぎると買い手が見つからず、逆に安すぎるとあなた自身の損失につながります。

適正価格を設定するためにも、複数の不動産会社から査定を受けましょう。

物件に見られる瑕疵・欠陥を隠さない

買主に対して全てを開示することで、売主としての誠意を示す行為に繋がります。

もしも、物件の瑕疵や欠陥を隠して売却した場合、後に問題が発覚した際に契約が破棄されたり、損害賠償を求められます。

売却後のトラブルを避けるためにも、物件の全てを正直に伝えましょう。

手付金に手を付けない

手付金は、買主から売主への信頼の証となるお金です。

この金額は、売却が完了するまでの間、売主が自由に使用できません。

もしも、契約が無効となった場合や買主が契約を解除した場合には、この金額を倍にして返還しなければなりません。

そのため、物件の引き渡しが完了するまでは、手付金に手を付けず、大切に保管しておきましょう。

マンション売却を済ませた後に気を付けること

最後に、買い手との売買契約を締結させた後で気を付けることを3つ紹介します。

マンション売却は、物件の引き渡しを持って幕引きというわけじゃありません。

物件の引き渡しにむけて引っ越しの準備を進める

マンションの売却が成立した後、引き渡しまでの時間は一般的には数週間から数ヶ月です。

この期間に、新居の準備と併せて引っ越しの準備を進めておきましょう。

物の整理や荷造り、新居での生活準備、引っ越し業者の手配など、やるべきことが多々あります。

売却計画に沿って、行動をとっていけば、スムーズに事を進められます。

手残りの金額に気を付ける

アンダーローンの状態で、マンション売却を行うと、売却価格からローンの残債や各種手数料を差し引いた後の金額が、売却益として手元に残ります。

これは売却金額とは異なるため、金額の確認を怠らず行いましょう。

また、この金額が新居の購入資金や生活費として予定通りに使用できるか、しっかりと確認しておく必要もあります。

確定申告を忘れずに提出する

マンションの売却による利益は、一定額を超えると課税対象になるので、売却後は確定申告を提出しなければなりません。

不動産の売却に関連する書類や領収書は確定申告の際に必要となるため、大切に保管しておきましょう。

また、申告の期限を守り、遅延することなく確定申告を提出しましょう。

不確かな点や問題があれば、税務署や税理士などの専門家に相談しながら進めましょう。

マンション売却を成功させるコツ

マンション売却の成功・失敗は、売却活動にどれだけの時間を準備に割いてきたかや、媒介契約を結んだ不動産会社の営業力など、様々な要因で決まってきます。

ここでは、「マンション売却を行う前に気を付けること」と「マンション売却の活動中に気を付けること」で紹介した内容を絡めて、マンション売却を成功させるコツを紹介します。

マンションの売却は遅くとも半年前から開始すること

マンションの売却を成功させるためには、計画的に行動することが重要です。

そもそも、マンションの売却が完了するまで、早くとも3~6ヶ月の時間を要し、物件の状態・立地によっては、1年近い時間を要します。

計画的かつ効率よく時間を活用していくためにも、遅くとも半年前から売却活動の準備に取り掛かるのが無難です。

早め早めに行動しておくことで、市場動向の理解が深まるほか、最適な時期を見極められる洞察力が養えます。

また、十分な時間を確保することで、必要な書類の取得や不具合の修繕などがスムーズに施せます。

住み替え目的の売却なら売り先行で売却活動を行う

住み替えを目的にマンションを売却するなら、新居を購入する前にマンションの売却を済ませる「売り先行」で進めていくのが最適です。

売り先行は、その名前の通り、所有するマンションを売却し、売却後に得た資金を元手に住替え先の購入ができる方法です。

マンションの売却を先に済ませするので、売却価格が明確になり、新居の購入資金の計画が立てやすくなります。

また、ダブルローンを避けることもできるので、経済的負担の軽減を図るのにも適しています。

住み替えの手順を流れに沿って解説!売り先行・買い先行など売り方ごとの流れを紹介

仲介売却で売却活動を行う

マンション売却には、仲介売却と買取、買取保証など、多種多様な方法があります。

その中でも、所得利益が最も高い売却方法が仲介売却です。

仲介売却を利用するには、不動産売買に着手している仲介業者と媒介契約を交わす必要があります。

仲介業者と媒介契約を交わすと、契約前に提示した広告戦略と売出価格を持って売却活動に取り掛かってくれます。

また、プロが持つ専門的知識や経験を利用することで、より多くの購入希望者にアプローチができて、売却活動を効率的に進められます。

また、売買交渉や契約手続きのサポートも行ってくれます。

一方、買取は不動産を中心に買い取っている業者と売買契約を交わします。

相手を探す手間が省けますが、業者側は、買い取った物件を再販して利益を得なければならないので、売却価格が2~4割ほど下がってしまいます。

売却後の資金繰りに支障を来たすことなく売却活動に興じるなら、仲介売却をメインに進めていくのが最適です。

不動産買取とは?業者買取と仲介売却のどっちがお得?メリット・デメリットと損しないための注意点

売却にかかる手数料を把握しておく

売却を進める際には、仲介手数料や税金などの各種費用が発生します。

売却後に発生する費用を前もって把握しておくことで、予期せぬ出費に驚くことなく、売却後の資金繰りに興じれます。

また、正確な費用計算は、売却価格の設定にも影響を及ぼすため、しっかりと計画を立てる必要があります。

独断でリフォーム・リノベーション工事を行わない

マンションの価値を上げるためのリフォームやリノベーションは、必ずしも売却価格向上の保証とはなりません。

場合によっては、かえってコストをかけるだけの結果をもたらします。

築古ゆえ、なかなか買い手がつかないので、リフォーム・リノベーション工事の実施を考えている場合は、実行前に仲介業者や専門家の意見を取り入れて、実行の必要性について考えてみましょう。

複数の会社に査定依頼を送る

マンション売却を行う際は、一つの業者にこだわって査定を依頼するのではなく、複数の業者に査定依頼を出しましょう。

マンションの価格は、その時の経済状況や物件の状態・立地など、様々な要因で決定します。

査定では、マンションの価格を決定付ける要因を業者ごとに設けられた評価化基準に則って調査を行います。

その後に提示される価格は、業者によって開きがあります。

価格に開きはあるものの、おおよその価格範囲を知る手段にもなるほか、適切な売り出し価格を決定するための指標、そして的外れな価格を提示する悪徳企業に騙されないための対策にもなります。

また、複数の業者に査定依頼を出すことで、各業者が提供しているサービス内容の比較も行えます。

価格のみならず、提供しているサービスが売却目的に適っているかの確認にも使えるので、業者探しを行う際は、必ず複数の業者に査定依頼を出しましょう。

【2024年最新】不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気16社を厳選紹介

ホームインスペクションを行う

ホームインスペクションは、マンションの構造や設備状況を専門家が詳細に調査してくれるサービスです。

調査を受けることで、マンションに見られる瑕疵や問題点の事前把握ができ、状況に応じて、必要な修繕の手配や交渉材料、似たような状態にある物件との差別化を図るのに使用できます。

売り出す物件の状態を前もって把握しておけば、購入希望者も安心して売買契約に判が押せます。

瑕疵・設備に不具合が見られないかを確認しておく

瑕疵や設備の不具合は、売却価格に大きな影響を及ぼします。

自分の目で確認できるものや、先のホームインスペクションを通じて把握した瑕疵や不具合を知ったら、仲介売却を依頼する不動産会社に必ず申告しましょう。

事前にこれらの問題点を確認し、必要に応じて修繕作業を施しておけばスムーズな売却活動に転じれます。

またマンションを売却した後に、瑕疵や設備に不具合が見られれば、契約不適合責任に問われ、損害賠償や補修修繕費を負担する羽目になります。

加えて、契約そのものを白紙にされることもあります。

仲介業者や買い手と良好な関係性を保つためにも、瑕疵や設備の不具合を確認したら、包み隠さず告知しましょう。

初めて分譲マンションを売るなら様々な人に相談してみよう!

ここまで、初めて分譲マンションを売る方が抑えておきたい5つのポイントを解説しましたが、正直それでも分からないことは多いと思います。

それもそのはず、どんな物件をなぜ売りたいのか、いくらで売れれば良いのかは1人1人違うので、専門家に面と向かって相談しないとなかなか解決できません。

まずは最寄りの不動産屋や、住宅コンサルタントなどに相談してみましょう!

それでも分からないことがあったら、こちらの公共団体に相談しても良いでしょう。疑問点をなくし、自信を持って売却を進められたら良いですね!

機関名 相談窓口の連絡先 受付時間
公共財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター) 03-5843-2081 9:30〜16:00(土日祝、年末年始除く)
宅地建物取引業協会 各都道府県ごとに異なる -
公益社団法人 全日本不動産協会 03-5338-0370 13:00〜16:00(土日祝、年末年始除く)
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