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コンパクトシティとは?メリット・デメリットと課題を徹底解説

【更新日】2020-05-12
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コンパクトシティ

みなさんは、コンパクトシティという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

コンパクトシティとは、住まいと生活機能(交通、商業施設など)が近接している効率的な都市・あるいはこうした都市を目指す政策のことです。

名前は近未来的な響きがありますが、既にアメリカでは1980年代にニューアーバニズムという同様の概念が都市設計に生かされてきました。

日本でも近年地方都市を中心にコンパクトシティが推進されていますが、逆にこの施策が土地活用の妨げにもなっています。

ここからは、コンパクトシティの詳しい紹介と土地活用との関係について解説します!

コンパクトシティが地域にもたらす影響

コンパクトシティの最大のメリットは、都市機能の最適化・効率化です。

例えば、大家族用の広すぎる家に一人暮らしをしていても、快適どころか、かえって住みにくいケースが多いです。

街も同じで、都市機能の分散や市街地の空洞化によって、実際に住む人のデメリットとなっているところを、コンパクト化することによって住みやすくしようという試みです。

都市機能が分散しすぎると、車移動でなければ希望の地域へ直接アクセスできないような事態が増えてきます。

コンパクトシティ化をおこなえば公共交通機関によって隅々までアクセスできるので、高齢者や障碍者にも住みやすい地域の実現が可能となります。

コンパクトシティが近年注目されている背景

コンパクトシティは環境問題などを発端に海外でひろまった概念ですが、近年では日本でも注目されるケースが目立ってきました。

コンパクトシティが注目を集めつつある背景には、昨今の日本の事情とマッチしていることが大きな要因です。

人口減少で都市拡大の重要性が減った

都市のドーナツ化が起きた背景には、都市部への産業の集中と人口増加が同時に起きたという要因があります。

都市部から郊外でどんどん人が集まってくるので、都市拡大をどんどん進めなければいけませんでした。

しかし現在は少子高齢化により人口が減少し、かつて拡大していった都市のサイズが最適な生活に合わなくなっています。

高齢者に合わせた街作りニーズの増加

少子高齢化によって老齢層がどんどん増えてきており、以前に増してバリアフリー化や介護施設・医療施設の効率的運用が求められるようになってきました。

例えば病院・福祉施設へのアクセスを周辺に住む高齢者がみな簡単に実施できるようになれば、双方にメリットがあります。

経済的合理化が進む

かつてのドーナツモデルでは、住まいと勤務先、ショッピングエリアが乖離していました。これによって、郊外に住む人も郊外にお金を落とすことがなくなり、地方はどんどん衰退していきました。

コンパクトシティ化によって、同一地域でお金を効率よく回すことができれば、産業の発展は高いレベルで維持できます。

また、行政や公務員のムダな労力・コストもなくなり、税利用の改善にもつながります。

公共交通機関へのシフトが進む

コンパクトシティ化によって多くの人が自動車を利用しなくて済むようになります。

CO2削減につながる他、都市と郊外の役割をしっかり分けることで、郊外の自然を維持することができます。

コンパクトシティのメリット・デメリット

コンパクトシティ化にはメリット・デメリットの双方があり、必ずしも全ての方にとってより良い方法であるとは限りません。

ここからは、コンパクトシティがもたらす影響をメリット・デメリットのそれぞれの側面から解説していきます。

コンパクトシティのメリット

利便性の増加

コンパクトシティ化によって公共施設、商業施設、医療施設へのアクセスが容易になります。

安価な公共交通機関を使って十分な生活が出来るようになるので、多くの方のコスト削減につながります。

自治体のサービス向上

コンパクトシティ化によって自治体の財源が確保され、それによって良いサービスの提供が可能になります。

住民へのサービス向上が見込めて、より暮らしやすくなります。

個人間のつながりの変化

核家族化によって個人間のつながりが希薄な社会の日本ですが、コンパクトシティ化によって、単身世帯でも周囲に同じようなステータスの人々が暮らすことで、再びコミュニティ化が促進されます。

これによって、日本社会の在り方が大きく変わる可能性があります。

選択の自由が増える

田舎に住んでいる若者の中には、都市部に行けば時給の高い仕事があるけど、他の用事もあるし、行くまでに時間がかかるから安い仕事で我慢するというケースが非常に多いです。

こうした不平等も、コンパクトシティ化によって解消されます。

コンパクトシティのデメリット

理論が先行してしまっている

コンパクトシティは理論が先行してしまっている部分も多く、実際に実施されるとどれくらいのコストがかかるのか、どれくらいの利益が見込めるのかといった細かい話し合いはあまり進んでいません。

実際に構想と取り入れた自治体もありますが、必ずしも成功している訳ではないという現状があります。

人口密度の増加がもたらすデメリット

日本人には自分の時間を大事にする国民性があると言われていますが、コンパクトシティ化によって人口密度が高まると、今まで保たれていたプライバシーが侵害される恐れもあります。

また、以前は平和だった地域も人口密集によって犯罪率が増加する可能性は十分あります。

加えて、最近危惧されている南海トラフ地震や首都直下地震などの影響も、人口が密集することでより甚大になる可能性があります。

財源を無視した人口移動

今の日本は都市部に人が集中している構造ですが、都市部に高収入層が集まっていたとしても、地価が高く各種サービスの費用も高いので、バランスが取れていると言えます。

このバランスを無視してコンパクトシティ化を進めると、都市が崩壊してしまう恐れがあります。

財源の苦しいエリアに人が殺到した場合、医療・福祉・交通などの生活インフラにお金をつぎ込む必要があり、赤字化が進むリスクもあります。

最低レベルの生活のベースアップ

自分の給料では都市部に住めないから地価の安い郊外に住んでいたのに、コンパクトシティ化によって家賃や食費などのベースが上がり、家計がより苦しくなる恐れがあります。

コンパクトシティ化が実施されたとしても地価は簡単に変動しませんし、給与も上がることはありません。

今まで物価の安い郊外に住んでいた方は、家計が大きく圧迫される恐れがあります。

コンパクトシティ化は土地活用にマイナスの影響を与える?

コンパクトシティは土地によって活用法をきっぱりと区別する意味合いもあります。

学生時代、「ドーナツ化現象」について習ったと思います。

ドーナツ化現象とは、都市部にオフィスが立ち並び、郊外に住宅地を置くことで、人口分布に空洞が生まれることを指します。

首都圏は千葉や埼玉が東京のベッドタウンとして発展しており、電車のアクセスが整備されていますが、地方によっては郊外からのアクセスが悪く車がないと不便という場所も多々あります。

札幌市、仙台市、神戸市などはこうした問題があり、居住区とビジネス区が近接するコンパクトシティ化を推進しています。

※コンパクトシティ政策の該当地域がお住まいの方は、地元の業者に相談してみるのもおすすめです。以下の記事に業者はまとめて掲載しているので、参考にしてください!

不動産売却・査定都道府県一覧

施策区域では自分の土地でも自由に活用できない!

コンパクトシティ化を進める場合、まず自治体がどこまでを都市にして、どこまでを宅地にするか決定します。

もし、自分の土地が宅地に指定された場合、企業に売却してむやみにビルを建てることはできなくなります。

また、住宅を許可なく建てるのも禁止となります。

このように細かく制限が加えられている土地は、その制限をかいくぐって活用や売却をしても利用が面倒なので、人気がなく価格も安くなりがちです。

コンパクトシティ施策の対象地域は活用前にしっかり確認しよう!

コンパクトシティ施策の対象地域になってしまった場合、まずは不動産会社に相談することが大切です。

土地周辺一帯に建物を建てること自体が禁止されていることもあるので、その辺をしっかりと確認しておきましょう。

また、施策によっては近隣に高い建物が建つ可能性があります。

こうした計画を知らずに太陽光パネルを設置しても損しかありませんよね。

不動産会社や自治体がどこまで計画を公表しているかはわかりませんが、まずは情報収集からはじめてみましょう。

コンパクトシティ施策区域は住宅ローンが借りられないことも

コンパクトシティの施策区域になると、そもそも住宅ローンが借りにくくなります。

理由は簡単で、建物を建てようとしても制限や土地面積との兼ね合いで完成しないことが多々あるからです。

最初のうちは建てられるという結論を建設会社が出しても、途中に無理だと判明することもあるので、金融機関からすればリスクが高いのです。

融資を受ける目的の実現性に疑問があれば、ローン審査には受かりません。

この場合は駐車場活用など、物件を建てない方法を考える必要があります。

静かさを活かして売却してしまうのもおすすめ!

コンパクトシティ施策の対象区域はまわりに物件が立ち並ばず、閑静です。

こうした特徴を生かして、あえて売却をすることもおすすめです。

前述の通り対象区域にはさまざまな制限を加えられていますが、これを確実にクリアできる見込みがあり、かつローンを必要としない買い手であれば高値で売却することも可能でしょう。

ただ、コンパクトシティ施策の対象であることを隠して売却をするのは大きなトラブルにつながりかねないので、しっかり情報共有はするようにしましょう。

コンパクトシティ施策の対象地域でも活用はできる!まずは確認を

コンパクトシティ施策の対象地域に指定されてしまうと、どうすることもできない部分はあります。

憲法で「公共の福祉」が定められているように、少数の不利益で多数や国全体が活性化するのであれば、我慢しなければいけません。

ただ、苦戦はしても、こうした土地が活用できないというわけではありません。

11ほどある土地活用方法の中から制限を受けないものを選び、おこなっていきましょう。

まずは施策状況の確認を

自治体の情報で「コンパクトシティ計画を実施します」という旨の情報と対象の市町村が掲載されていても、それだけで判断してはいけません。

地域によっては区域が番地まで細かく設定されていることもあり、確認してみると実はコンパクトシティ施策の対象外だったということもあり得ます。

活用や売却をおこなう前に、しっかりと確認しておきましょう!

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