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高層階病って本当にあるの?高層マンションに住むことで起こる体調不良・健康被害と子育て(育児)の影響などを検証

【更新日】2024-01-22
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高層階病
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マンションの高層階に住むことで人体に悪影響が及ぶという、いわゆる「高層階病」というものの存在がたまに話題になります。

中には、「イギリスでは妊婦・子どもが高層階(4階以上)に住むことを制限している」という出元不明の話もあります。

実際のところ、マンションの高層階に住むことで体調不良に陥るようなケースはあるのでしょうか?

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高層階病に繋がりそうな考えられる要因

実際に高層階に住むことが体調不良につながると仮定した場合、考えられる場合は以下の2つです。

  • 気圧
  • わずかな揺れ

気圧

高層階ほど気圧は低くなりますが、仮にマンションの最上階を地上130mと考えても、地上との気圧差は13hPaしかありません。

これは、一般的には人体に影響があるほどの気圧差ではありません。

しかし、気圧による変化の感じ方は人それぞれで、中には台風が近づくだけで不調を訴える方もいます。

晴れの日と曇りの日の気圧差が13 hPaほどなので、天気によって不調を感じる方は、高層階に住むことで同様の影響を受けることも理論上考えられます。

ただし、天気によって体調が変化すると感じる方も、本当に気圧差が原因で不調になっているかは正確には分かりません。

わずかな揺れ

近年建築されたタワマンは敢えて大きく揺れることで地震に耐える柔構造を採用しています。

そのため高層マンションは低層のマンション・アパートよりも揺れやすくなっています。

これは大地震などを想定してのもので、強風などで日常的に大きな揺れを感じる訳ではありません。

ただし、振動自体は人体に悪影響を及ぼすリスクがあり、循環器系や代謝への影響や睡眠障害、ストレスなどに繋がる可能性があります。

とはいえ、高層階で暮らすことで感じる揺れは、一般的に悪影響を及ぼす振動の基準と比較すると非常に微小です。

高層階病が広まった要因として考えられるもの

高層階に住むことと体調不良の因果関係は証明されてはおらず、海外では高層階への居住が制限されているという話も、あくまで噂レベルのものです。

なぜ、このような話が広まってしまったのでしょうか?考えられる要因を紹介していきます。

気圧差や振動の拡大解釈

先ほど、高層階病があると仮定して考えられる要因を2つ挙げましたが、気圧差・振動はどちらも程度によっては人体に悪影響を及ぼすものです。

とはいえ、前述の通りわずかな気圧差は天気の違いによってもあるものなので、住む階が高いからと言ってすぐに影響が出るものではありません。

影響を拡大解釈した結果、高い階に住むことは体に悪いという図式が出来上がってしまった可能性があります。

因果関係の分からない調査結果

日本では一度、厚生省が1994年に神奈川県内の女性1200人を対象に調査をおこないましたが、流産経験者の割合は一戸建てに住む方が約8%なのに対し、マンションの6~9階が約19%、10階以上が約39%という結果でした。

居住環境の妊婦に及ぼす健康影響について

※出典:厚生省心身障害研究報告書(平成5年度)「居住環境の妊婦に及ぼす健康影響について

この調査では、本当に高層階に住むことが流産と関係しているのかを突き止めることはなかったため、正確な因果関係は分かりません。

こうしたデータが、噂の流布を広めた可能性があります。

タワマン住民への反発

特に首都圏では狭い土地を使って大人数を収容できる高いマンションの需要が高く、新築マンションのうち4分の1がこうした高層マンションに属すると言われています。

また、2000年代に流行したヒルズ族のように、タワマンに住むことは成功者という図式は一般的に浸透していますし、デベロッパーもこうしたブランド性を生かしたPRをおこなっています。

しかし、中にはこのような風潮に反発する層も多く、実際に台風などでタワマンの設備の故障のニュースなどがあると、批判的な声がネット上で多く挙がったります。

タワマンに住むとデメリットがあるという話に食いつく層も多く、噂が広まったとも考えられます。

高層階病がもたらす健康障害

冒頭でも紹介したように、高層階病とは、高層マンションや超高層マンションなどで生活を送ることで健康に潜在的な影響をもたらすものであり、健康問題にいくつもの問題が指摘されています。

ここでは、高層階病がもたらす健康障害についていくつか解説します。

心血管疾患のリスク

高層階に住むことで、心臓にかかる負荷を増加する可能性があります。

この障害は、主にエレベーターの利用ができない場合、階段を上り下りすることにより引き起こされると考えられています。

これにより心臓への血流を維持するために高血圧になる可能性があります。

長期的には、心血管疾患のリスクが高まる可能性があるうえ、特に既存の心血管疾患を持つ人々にとっては重要な考慮事項です。

バーチカルトランスポーテーション

高層マンションの住人は、エレベーターを頻繁に利用することにより内耳の圧力の変化を常に経験します。

この気圧の変化が耳鳴り、めまい、または平衡感覚の問題を引き起こす原因になる恐れがあります。

特にエレベーターの昇降速度が速い場合や、頻繁に昇降を繰り返す場合には、これらの症状が顕著に表れます。

孤独感や社会的孤立

高層マンションでは住人同士の物理的な距離が広がることで、コミュニティの結束力が低下する可能性があります。

また、共有スペースが少ないかない場合、交流の機会が減少し、孤独感や社会的孤立を感じる人が増えるケースもあります。

これが持続すると、精神的な健康問題、例えばうつ病や不安障害を引き起こす可能性があります。

運動不足

高層マンションの住人は、エレベーターを頻繁に利用するため、運動不足になりがちです。

日常的に階段の昇降が減少すれば、定期的な有酸素運動の機会が失われます。

これは、長期的には生活習慣病のリスクを高める原因にもなります。

特に肥満や糖尿病、心疾患などのリスクが高まります。

自然への接触の減少

高層階に住むと、公園や緑地へのアクセスが制限され、自然との接触が減少します。

自然との接触は、ストレスの緩和、気分の改善、そして免疫系の機能強化に寄与します。

そのため、自然接触の減少は、心理的、身体的健康に影響を及ぼすリスクが高まります。

避難の困難性

高層建築物では、地震や火災などの緊急事態が発生した場合、適切な避難ルートが使えないや、エレベーターの利用ができないなど、避難が困難になる状況に陥りやすいです。

自分の命が危機に瀕したとき、住人の多くは心理的な不安を感じ、また実際の緊急事態時には命に関わる問題に直面する可能性があります。

眺望による不安

高層マンションからの眺望は、一部の人々にとっては不安や恐怖を引き起こす可能性があります。

特に高所恐怖症の人にとって、高層階で送る生活は、日常生活に深刻なストレスに繋がります。

また、不安障害、パニック障害、またはバーチゴ(めまい)などの問題を引き起こす可能性があります。

高層階病が子育てにもたらす影響

高層階で子育てをする場合、今後起こりえる様々なリスクを警戒しながら進めていく必要があります。

前述した健康障害も子育てに影響してきますが、ここからは、高層階病が子どもの発達に及ぼす影響について解説します。

社会的スキルの発達

高層マンションの住人は一般的に、社会的なつながりが少なくなる傾向にあります。

これは子供たちの社会的スキルの発達に影響を及ぼします。

子供たちは他の子供たちと一緒に遊ぶことで、共感や交渉、問題解決などの重要な社会的スキルを学んでいきます。

避難計画の理解と練習の難しさ

高層建築物では、火災や地震などの緊急事態が発生した場合、子供たちが安全に避難するのは一層難しくなります。

子供たちは成人とは異なり、緊急時の避難経路や手順を理解し、適切に行動するのが難しい場合があります。

高所からの転落リスク

高層マンションでは、窓やバルコニーからの転落リスクが増えます。

子供たちは好奇心旺盛で、危険を理解する能力が未熟なため、このリスクは特に高まります。

転落事故防止のため、子どもがまだ小さいうちはベランダやバルコニーに近づけないようにしたり、上り台になるようなものを置かないなどの工夫を凝らしましょう。

高層階病の根拠は今のところ無い

2024年時点で、高層階病が存在する明確な根拠はありません。

現時点で健康な方が高層階に移り住んだとしても、体調に大きな悪影響がある可能性は低いと考えられます。

実際、高層マンションは大手デベロッパーが力を入れているため設備の質が非常に高く、快適な暮らしを手に入れられるのでおすすめです。

しかしながら、高層マンションには高層階病とは異なる以下のようなデメリットもあり、一概にメリットばかりという訳でもありません。

  • 階の登り降りが面倒
  • 大規模修繕を控えている物件が多い
  • 低層階と高層階の格差

高層マンションに暮らす際は、こうしたリスクも考えて検討しましょう。

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