重要事項説明書とは?内容と契約時のポイント【チェックリスト付】
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不動産売却では、買主が決定した時に売買契約を交わします。
この前に不動産会社は、買主に対して重要事項説明書というものを説明します。
売主とは直接関係ない内容ではありますが、円滑な不動産取引のために最低限の内容を抑えておきましょう。
→不動産売買契約の流れ・注意点を徹底解説!契約書のチェックポイントと瑕疵担保責任重要事項説明書の雛形
重要事項説明書は上記画像にあるように、トータルで10ページほどになることがあります。
結構なボリュームがあり見落とす内容も増えてしまいがちですが、しっかり確認しないと公正な取引ができないので、十分注意しましょう。
重要事項説明書の内容・目的
重要事項説明とは、物件や取引条件に関する詳細情報・注意事項を事前に買主へ共有することです。
そして、これをまとめたものが重要事項説明書となります。
重要事項説明は、不動産取引をおこなう際に必ずおこなうことが義務付けられています。
その最大の理由は、誤った認識に基づいて契約を結んでしまうのを控えるためです。
不動産は個人が取引できる資産の中でも高額なので、間違って購入してしまうと巨大な損失を被ってしまいます。
こうしたケースを防ぐために、必ず重要事項の説明がおこなわれます。
重要事項説明は必ず売買契約の前におこなわれる
重要事項説明は、必ず売買契約の前に実施されると宅建業法で明記されています。
この際、宅地建物取引の資格を持った担当者が、押印済みの重要事項説明書を買主に渡した上で、“対面”で説明する必要があります。
これは法律で定められた厳正なルールなのですが、2020年現在の新型コロナウィルスの感染拡大などのケースも考えて、事前に書類交付を済ませた上で安定なネット環境を用意できるのであれば、リモートでの重要事項説明も認められることになっています。
重要事項説明の後に「忘れた」「聞いてなかった」は許されない
重要事項説明を受けて納得をし、押印をしたら、その時点で全て理解した上で契約をするという認識になります。
押印をした後に「やっぱり聞いてない」といった言い訳は通用しないので、非常に重い責任を伴う手続きと言えます。
重要事項説明の際は、不明点をそのままにせず、何度も見直すことをお勧めします。
重要事項説明書で説明される内容は大きく分けて3種類
重要事項説明書で説明される内容は、大きく分けて物件・取引条件・その他の事項の3種類となります。
更に、それぞれの内容を細かく分けると、以下のようになります。
事項 | 項目 |
---|---|
物件に関する事項 |
|
取引条件に関する事項 |
|
その他の事項 |
|
詳しい内容を、ここから一つずつ見ていきましょう。
➀物件に関する事項
登記記録に記録された事項
不動産に登記されている権利関係をここでチェックします。
特に、現在の所有権以外の権利が残っていないかどうかを詳しく見ていきましょう。
所有権移転の仮登記や買い戻し特約登記が残ったまま売却をするとトラブルに発展する可能性があるので注意しましょう。
法令に基づく制限の概要
都市計画法や建築基準法などの法令による制限の内容をここではまとめてあります。
建ぺい率や容積率、接道状況、建築・増改築の規制などが細かく記載されています。
私道に関する負担に関する事項
基本的に、道路に2m以上接していない場合は建物を新築することはできません。
この条件をクリアしていても全面道路の幅が4mに満たない場合、道路のセットバック(後退)が必要となります。
条件を満たさない場合は負担金の有無なども記載されているので、チェックしましょう。
飲用水・電気・ガスの供給施設および排水施設の整備状況に関する事項
水道・電気・ガスなどのインフラの有無が記載されているのでチェックしましょう。
その他、公営か私設かの確認も大切です。
私設の場合は複雑な条件が伴うケースもあるので、注意が必要です。
②取引条件に関する事項
代金、交換差金および借賃以外に授受される金銭に関する事項
売却代金以外の手付金、固定資産税、清算金などに関する事項はこちらにまとめています。
金額や目的、タイミングなどが整理されているのでチェックしましょう。
契約の解除に関する事項
売買契約の解除に関する事項がまとめてあります。
こちらでまとめているのは、解除できるケースと解除に必要な手続き、解除後にどうなるのかといった内容になります。
損害賠償額の予定または違約金に関する事項
契約違反があった時の損害賠償の金額や、違約金が発生するケースについてまとめられています。
基本的な法律内容に則る場合は書類に記載がないこともありますが、その場合も説明が必須となります。
手付金等の保全措置の概要
不動産会社が売主になる場合は、手付金の保全措置が定められます。
これは、物件の引き渡しまでに会社が倒産したりする場合、手付金を変換してもらうとういった措置のことを指します。
売主が不動産会社かつ、買主が個人でないと義務は発生しないので注意しましょう。
支払金または預り金の保全措置の概要
不動産会社が買主から50万円以上を授受する場合、保証または保全の措置を講じるかどうかを取り決めた項目になります。
保全措置を講じるかどうかは卓見業者の任意になるので、保全措置の有無がこちらでは説明されているだけです。
金銭の貸借のあっせんに関する事項
不動産会社が買主のためにローンを斡旋する場合は、その融資条件や審査落ち時の対応などを整理しています。
口頭で「通りやすい」と言われて信用する前に、こちらの内容も確認しておきましょう。
③その他の事項
国土交通省令・内閣府令で定める事項
国土交通省や内閣府が定めた警戒区域内である場合や、耐震診断の結果などはこちらに記載されています。
割賦販売に係る事項
割賦販売とは、売却代金を分割して支払う方法のことです。
不動産会社が割賦販売によって売却する場合、こちらに記載がされています。
重要事項説明書をチェックする際のポイント
重要事項説明書をチェックする際は、それぞれの事項を入念にチェックする他、以下のポイントに焦点をあてて解説する必要があります。
登記事項証明書や図面と内容が一致しているか
登記事項証明書、建物図面など、他の重要書類と不動産の説明が一致しているかどうかを必ずチェックしましょう。
面積などに相違がある場合は、どちらの内容が正しく、取引時に優先させるのかを決めておく必要があります。
将来的に起こりうるリスクのチェック
日当たりや風通し、騒音など、生活をするにあたってリスクになり得るポイントはないか、しっかりチェックしておくことをおすすめします。
また、行政の方針などとも照らし合わせ、将来的に問題が起きうるかどうかもチェックしておきましょう。
重要事項説明書のチェックリスト
☑ | 設問番号 | 内容 |
---|---|---|
□ | ① | 説明者が宅地建物取引士かどうか確認 |
□ | ② | 記載の物件は確かに自分のものか |
□ | ③ | 所有権は完全か |
□ | ④ | 売主は十分信用できるか |
□ | ⑤ | 都市計画法・建築基準法からみて再建築できるか |
□ | ⑥ | 私道の権利関係に問題はないか |
□ | ⑦ | その他、アスベストや災害区域など、リスクを確認できるか |
□ | ⑧ | マンションと敷地の管理関係、共用部分のルール |
□ | ⑨ | 契約条件に無理はないか |
不動産売買では、重要事項説明書は大きな意味を持っています。
こちらを疎かにした場合、実際の売買契約でトラブルが起きる可能性が非常に高くなるので、十分注意をしてチェックをしていきましょう。