所有するマンションを転勤や住み替えなどを理由に売却するとき、いきなり不動産会社に売却の相談をしてしまうと、いいように言い包められて物件を安値で市場に出してしまったり、騙し取られてしまう恐れがあります。

納得がいく形で売却を行うためにも、まずは売却する物件の資産価格を把握することから始めましょう。

マンションの資産価値を把握する方法は、4つあります。

ここからは、先の4方法の特徴を1つずつ解説して行きます。

①AI査定アプリ・自動シミュレーションを使う

AI査定アプリとは、査定に必要な情報を入力するだけで、AIが過去のデータから概算の査定価格をしてくれるサービスです。

近隣地域の過去売却データをもとに計算するだけなので、即座におおよその価格が分かるメリットがあります。

わざわざ不動産会社に頼むのも面倒だと思っている人は、まずはAI査定アプリを使って査定価格を確認してみると良いです。

AI査定アプリ・シミュレーションの使い方は次の記事にまとめてあるので、気になる人は参考にしてください。

②マンション査定相場情報で確認する

マンション査定（売却）相場情報とは、実際の売却事例から周辺のマンションと価格を比較できるサイトです。

あくまでサイト上で比較するだけなので正しい査定ができるわけではありませんが、おおよその査定価格は確認できます。

数年分の過去データと比較できるため、数年後の価値も計算できるメリットがあります。

③不動産会社に匿名査定してもらう

不動産会社に匿名で査定してもらう方法もあります。

不動産会社に査定依頼すると一気に電話がかかってくることを気にしている人もいるかもしれません。

しかし、匿名査定を利用するとメールアドレスや電話番号を登録しないため、営業電話を受けることはなく安心して査定してもらえます。

ただし、匿名査定は不動産会社が査定するのにも関わらず、査定価格が曖昧で会社によって幅があります。

また査定価格が算出されるまでに2～3日かかるデメリットもあります。

匿名査定は、しつこい営業電話を受けたくない人におすすめの方法です。

④不動産一括査定を利用する

不動産一括査定とは、査定をしたい物件情報を入力すると不動産会社が自動的にマッチングされ、複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができる方法です。

実際に不動産会社が査定しに来てくれるので、他の方法に比べて査定金額が正確に算出されます。

不動産一括査定サイト経由で不動産会社に査定依頼が出され、複数の不動産会社から連絡が来て査定される流れになります。

そのため営業電話が一気にかかってくることになりますが、売却する前提であればできるだけ早いうちに一括査定をしておいた方が良いです。

複数の不動産会社に一斉に依頼できるので価格の差もわかる上に、高額査定してくれる不動産会社とも契約しやすくなるからです。

24時間簡単に登録できるので、マンションを売却する予定の人は登録しておきましょう。

マンションを無料で査定する際にどの方法を使うかによってメリット・デメリットが異なります。

売却予定のマンションやその人その人によっておすすめとなる方法が異なるので、自分はどの方法を利用するのが良いのか考える際の参考にしてください。

AI査定アプリ・自動シミュレーションのメリット・デメリット

AI査定アプリは、匿名で査定できる所が最大の魅力です。

都道府県とマンション名の情報を入力するだけですぐ査定価格を出してくれるので、不動産会社からの連絡を受ける必要がありません。

不動産会社に査定を依頼する場合、結果が出るまで3営業日程度かかりますが、AI査定は数十秒で結果をだしてくれるのでスムーズに査定価格を把握できます。

しかしAI査定アプリや自動シミュレーションは、査定価格が実際の価格と大きく乖離する可能性があり、正確な価格を知ることができません。

過去の事例から平均価格を算出しているものが多く、細かい相場の状況を加味して計算していない為、実際の価格より低く出てしまう可能性もあります。

「ちょっとマンション価格を把握したいな！」という人にはピッタリの方法ですが、これから本格的に売却を検討している人にはおすすめできません。

マンション査定相場情報を利用するメリット・デメリット

マンション査定情報を活用するメリットは、自分のマンション価格と周辺マンションの価格を比較することができる所です。

また過去や未来のマンション価格を把握することにも優れており、所在地からだけでなく築年数・専有面積・間取り・立地など条件を絞って比較することも可能です。

ただしマンション査定情報は、ストレートに自分のマンション価格を把握することができません。

あくまでも相場の価格であり、自分のマンション状態に合わせた査定価格を細かく把握することはできません。

状況によっては売却予定のマンションの価値が高く、相場以上の値段で売れる可能性もあるので、参考程度にマンション査定相場情報を使いましょう。

不動産会社に匿名査定してもらうメリット・デメリット

不動産会社に匿名査定してもらうと、個人情報の登録が不要の為、不動産会社から電話がかかってくる心配がありません。

しかし、匿名査定はAI査定アプリ・自動シミュレーションと同じレベルの査定結果が送られてくることが多く、マンションの売却価格を正確に知りたい人に不向きです。

またAI査定アプリと違い、査定結果がわかるまで2~3日程度かかるので素早く知りたい人にもおすすめできません。

不動産一括査定を利用するメリット・デメリット

不動産一括査定を申し込むと、一回の登録で複数の不動産に査定依頼を申し込むことができます。

また、大手不動産会社や中小の不動産会社に複数依頼できる為、売却予定のマンション価格相場を知ることができます。

複数の査定結果を比較することができるので最適の不動産会社に仲介を依頼することができます。

ただし不動産会社がしっかり机上査定してくれるので、査定結果が出るまでに2~3日程度かかります。

不動産会社から電話やメールが来ることもあるので「ちょっとマンション価格が知りたい！」という人には不向きです。

ここからは、実際にマンション査定シミュレーション「HowMa(ハウマ)」を使用して、査定額を出していきます。

なお、「HowMa(ハウマ)」を使用するときは、以下の手順に沿って情報を入力していきます。

なお、他所のシミュレーションサイトを利用するときも、今回のような手順で査定依頼を進めていきます。

実際に査定依頼を出すときは、物件の情報が分かるものを手元に置いておくと、情報の入力がスムーズに行えます。

HowMa公式サイトにアクセスする

手始めに、「HowMa公式サイト」にアクセスします。

画面の右上に、「ログイン」と「新規登録」のボタンがありますが、「HowMa」は匿名で査定額が算出できる査定シミュレーションです。

なので、「HowMa」にアクセスできたら、査定額を出す物件種別を選択しましょう。

今回は、マンションの査定額を調べる目的で「HowMa」を利用しているので、「マンション」を選択して、「とりあえず無料査定を始める」をクリックします。

なお、マンション名が分かっている場合は、物件種別選択ボタン下にマンション名を記入しましょう。

物件情報を入力

次に査定額を知りたい物件の情報を入力していきます。

「HowMa」では、上記7つの情報を入力するだけで査定額の算出が行えます。

なお、いずれも入力が必須な情報になります。

ただし、専有面積など細かい情報に関しては、おおよその面積を入力するだけでも査定が行える仕様となっていますが、的外れな数字を入れてしまうと的外れな査定額を出す恐れがあります。

おおよその数値とはいえ、極力手持ちの物件情報に書かれている専有面積に近い数値を入れるようにしましょう。

申込情報を送信

情報の入力が完了したら、申込情報が送信されるわけですが、査定結果を受け取るには、連絡が取れるメールアドレスを入力するか、GoogleまたはFacebookのいずれかのアカウントを「HowMa」を連携させる必要があります。

いずれかの方法で会員登録を済ませたとしても、アドレスなどの個人情報が外部の会社に行く心配はありません。

査定額が表示される

会員登録が済んだら、査定額の閲覧ができます。

表示されている金額は、あくまで、査定を行った物件があるエリアで行われた過去の取引実績と市場動向、類似する物件取引のデータを基に算出したものになります。

表示されている金額で、取引ができるという保障がないうえ、AI査定そのものの精度は低いです。

よって、AI査定によって算出された金額は、あくまで参考値程度に留めておくのが最適です。

前節で、AI査定サイト「HowMa」を使用して査定額の算出方法を解説しました。

査定額の調べ方は、AI査定サイトの他にも、簡易・机上査定や匿名査定などの方法がありますが、いずれも、過去の売却情報やエリアごとの市場動向などの情報を基に査定額を算出しています。

またあくまで査定額の算出を目的にしているだけで、査定額算出の精度が高い訪問査定の依頼が行えているわけじゃありません。

加えて、査定額を算出するたびに、情報を入力しなければならないという手間も生じます。

マンションの査定額を知りたいと考えている方の中には、手早く査定額を知りたいと考えている方もいらっしゃいます。

そんな方におすすめのが、不動産一括査定サイトです。

不動産一括査定サイトも、過去の売却情報やエリアごとの市場動向などの情報を基に査定額を算出していますが、一度の情報入力で6から最大10社にも及ぶ不動産会社に査定依頼ができる特徴を持っています。

さらに、会社ごとに算出された査定額の比較が一括で行えるうえ、売却実績やプランなどの確認及び比較も行えます。

以下は、不動産一括査定を利用してから売却活動に至るまでの流れです。

一括査定サイトを利用して気になる会社を見つけて訪問査定の依頼を出せば、後日、連絡を受けた不動産会社が訪問査定をしに来てしてくれます。

なお、訪問査定の依頼を出したら、必ずその会社と契約しなければならないという制約はありません。

→マンション査定のポイントとは？見られる点と高額で売却するノウハウを紹介

マンションの査定額を知る方法は、冒頭の「マンション査定を無料で依頼する方法」の4方法に加えて、不動産会社の査定担当者を現地に招いて査定してもらう訪問査定の計5つの方法で査定額の把握ができます。

第一節で紹介した4つの方法と訪問査定はいずれも同じ査定ですが、算出される金額の正確性に違いがあります。

例えば、不動産一括査定サイトやAI査定などは、売主から提供された情報を基に、類似点が多々見受けられる取引事例を参考に査定額を算出しています。

提示された価格は、会社によって100万円単位で差があり、あくまで売却価格を決める時の参考にしたり、相場価格の目安を知る目的で使用できます。

一方、訪問査定は、売却予定の物件を見ながら査定額を算出していきます。

物件や設備の劣化具合や周辺環境の良し悪し、地域の不動産動向、さらに現行の公示地価や周辺の物件価格を交えながら売却相場に近い価格を出してくれます。

査定額を知ってから売却するかどうかを決めたいという場合は、マンション査定シミュレーションを活用し、売却に乗り気でいるなら、マンション査定シミュレーションを使用した後で訪問査定の依頼を出しましょう。

売却の目的に合わせてサービスを使い分ければ、営業や勧誘の電話に悩まされません。

マンションを無料で査定する時の注意点は以下の3点です

• 査定に関する依頼は伝える
• 急いで契約を結ぶ必要はない
• 訪問査定の際は掃除しておく

マンションを一括査定してもらう際以上の点に気を付けて行わなければ、安値で売ってしまう可能性があるので気を付けましょう。

以下にそれぞれ解説していきます。

査定に関する依頼は伝える

不動産査定を一括で依頼すると、複数の会社からひっきりなしに電話がかかってきてしまうことがあります。

一度対応した後でも「進展はどうか」などの電話がかかってくることがあるので、査定に関する依頼は事前に伝えておきましょう。

例えば「〇時～〇時以外はかけないでほしい」「自宅への連絡は控えてほしい」などの要望を伝えることで、面倒になりづらいです。

特に営業電話に関しては仕事中・プライベートに関わらずかかってくる可能性が高く、時間設定しておいた方が楽です。

急いで契約を結ぶ必要はない

不動産会社の人がわざわざ査定に来てくれるなら、契約を結ばないといけないと考える人もいるかもしれません。

しかし、査定依頼したからと言って、すぐに契約を結ぶ必要はありません。

査定金額が微妙であれば売り出す必要はありませんし、時間が経ってからもう一度売りに出すか決めてもいいです。

焦って契約を結んでしまうと損する可能性が高いので気をつけましょう。

また、そもそも査定に来てもらう段階で断ることも可能です。

とりあえずおおよその価格を確認したいだけの人は、何社かに絞って以来することも考えておきましょう。

訪問査定の際は掃除しておく

訪問査定をしてもらう際は、簡単に掃除をしておきましょう。

掃除の有無で査定額が大きく変わることはありませんが、掃除をしてないと細かい箇所が見えず、プラス・マイナス評価になる箇所が見落とされることがあります。

正確な査定価格を得るために、ある程度掃除して査定してもらいやすくしておきましょう。

ここでは、冒頭で紹介した4種類のマンション査定の方法の利用が向いている人の特徴を1つずつ解説して行きます。

AI査定アプリ・自動シミュレーションに向いている人の特徴

AI査定アプリや自動シミュレーションが向いている人は、下記の通りです。

• マンション査定だけが目的
• マンション価格をなんとなく把握したい
• 不動産会社からの営業を受けたくない

基本的にAI査定アプリや自動シミュレーションは、不動産会社と連絡を取ることなくマンション価格を把握できます。

「ちょっと気になったから使ってみようかな？」という人に向いています。

マンションを売却する予定が直近に無い人や、なんとなくマンション価格を知って資産把握したい人等におすすめです。

一方で、マンションを売却する予定の人や近隣のマンション相場価格を把握したい人は、査定結果に物足りなさを感じてしまう恐れがあります。

マンション査定相場情報を利用する方法に向いている人の特徴

マンション査定相場情報に向いている人は、下記の通りです。

• マンションがいくらで売れるかなんとなく把握したい
• 周囲の売却情報も知りたい
• マンション相場を事前にしっておきたい

マンション査定相場情報は、マンションをどのくらいで売れるか把握することができます。

「他のマンション相場を見ながら価格をなんとなく把握したい！」という人には向いていますが、売却を検討している人には情報が不十分で物足りなさを感じてしまいます。

不動産会社に査定をすでに依頼している人で、+αとして活用するのも一つの手段ですが、マンション査定相場情報一本でマンションの売却価格を把握するのは難しいと理解しておきましょう。

マンションを売却するか否かの判断は、マンション査定相場情報だけでなく他の方法で調べることをおすすめします。

不動産会社の匿名査定に向いている人の特徴

マンションを不動産会社に匿名査定してもらう方法が向いている人は下記の通りです。

• 個人情報を記入せずにマンション査定してもらいたい
• 不動産会社に査定してもらいたいけど売却予定は無い
• 気軽にマンション査定価格を知りたい

不動産会社に匿名査定してもらう方法は、直近でマンションを売却する予定が無い人に限定されます。

マンション売却予定のある人は、匿名査定しても最終的に不動産会社に再度査定依頼してもらわなければならないので意味がありません。

インターネットで個人情報を記入するのが怖いという人にもおすすめですが、精度の低い査定になってしまうので参考程度に見ておきましょう。

不動産一括査定に向いている人の特徴

不動産一括査定に向いている人は下記の通りです。

• マンションの売却価格を正確に知りたい
• 複数の不動産会社に依頼したい
• 最適の不動産会社で仲介を依頼したい

マンション売却を検討している人にとって、不動産の一括査定は最適です。

しかし不動産会社から電話やメールが来ることがあるので、依頼する不動産会社は多くても3~5社程度に絞込んでおきましょう。

「売却は考えていないけど査定だけ知りたい！」という人は、不動産会社からの電話やメールが鬱陶しく感じてしまう恐れがあります。

売却を前提に考えている人に向いていますが、マンションの売却価格だけ知りたいという人は他の方法で査定しましょう。

マンション査定を無料で依頼する際によくある質問を紹介していきます。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

マンション査定は無料でできる？

マンション査定は無料で行う事が可能です。

無料でマンションの査定をしたい場合は、次の4つの方法からいずれかを利用するようにしましょう。

• AI査定アプリ・自動シミュレーションを使う
• マンション査定相場情報で確認する
• 不動産会社に匿名査定してもらう
• 不動産一括査定を利用する

どの方法を利用しても無料でマンションの査定を依頼することが可能ですが、不動産一括査定なら一度の査定依頼で複数の不動産会社に査定依頼をすることができます。

査定と同時に合い見積もりも行えるので、不動産一括査定サイトがおすすめです。

マンションの無料査定がおすすめな人の特徴は？

マンションの無料査定がおすすめなひとの特徴は次の3点です。

• マンション査定だけが目的
• マンション価格をなんとなく把握したい
• 不動産会社からの営業を受けたくない

もちろん上記の特徴に合っていない人でも、マンションの無料査定に向いている人はいます。

マンションを無料で査定する時の注意点は？

マンションを無料で査定する際の注意点は、査定方法に拘ることです。

マンションを無料で査定する方法は複数あり、査定をする人の目的によってどの方法で査定をするかを決める必要があります。

査定方法に拘らないと、しつこい営業電話を受ける必要や売買を急がされるといったことになってしまいます。

マンション査定の方法は4種類ありますが、最も正確に査定してもらえるのは不動産一括査定です。

複数社に一気に査定してもらうことができるので、適正価格と高額査定の会社を調べることができます。

ただし不動産一括査定は一斉に連絡が来ることが予想されるので、大まかな数字が知りたい人はAI査定アプリや匿名査定を依頼するのがおすすめです。