不動産買取の流れを5ステップに分けて説明します。

• STEP1.必要な情報の収集
• STEP2.買い取ってもらう不動産会社を探す
• STEP3.買取を依頼する不動産会社を選ぶ
• STEP4.買取査定を依頼する
• STEP5.買取金額の交渉
• STEP6.売買契約の締結
• STEP7.物件を引き渡し・決済
• STEP8.確定申告を済ませる

不動産買取は、仲介と違い不動産会社と売り主が買取価格に納得すれば売買が確定します。

仲介よりもスムーズに売却することができるので「早く売りたい！」という人に最適の方法です。

必要な情報の収集

不動産買取においてまずするべき作業は、必要な情報の収集です。

買取は売却活動がない分、情報収集もいらないと考える方もなかにはいますが、これは大きな間違いです。

買取の際でも市場の動向や不動産会社の評判などの情報収集は欠かさないでください。

特に集めたい情報が、買取の相場です。

買取相場を把握していないと急ぎで売却する必要があると知られて、不動産を不当に低い価格で買い叩かれる懸念があります。

ポータルサイトの活用やオンラインでの簡易査定などを活用して、買取の相場を前もってチェックしてください。

販売中の類似物件がどれくらいの価格で提供されているか、また簡易査定を通じてどの程度の価格が見込めるかを事前に確認すれば、不動産会社に不当に買い叩かれるリスクを回避しやすくなります。

STEP2.買い取ってもらう不動産会社を探す

つぎに、不動産を買い取ってくれる不動産会社を探します。

不動産を買い取ってくれる不動産会社は、いくつか種類があり”訳あり物件専門”の不動産会社と言った、ある物件に特化している買取会社もあります。

売りたい物件と相性の良い不動産会社を探す事によって、より高額な料金で買い取ってもらえます。

「自分の物件に合った不動産会社を選びたい…！」と迷っている人は、まず情報収集が必要になります。

まずは自分の不動産がどのくらいで売れるのか把握しておきましょう。

買い取ってもらえる価格を把握するには、不動産会社に査定してもらうのが最適です。

不動産会社以外に査定してもらう方法もありますが、一番正確に買取価格が把握できるので、売却を予定している人は不動産会社に査定を依頼しましょう。

複数の不動産会社で査定を依頼しよう

最適の不動産会社に買取を依頼するには、複数の不動産会社に査定を依頼してもらう事が重要です。

買取価格は不動産会社によって若干異なり、売りたい不動産を得意する会社であれば他の不動産会社より高い価格で買い取ってもらえます。

何もわからずに近所の不動産会社に買取を依頼すると、後で後悔してしまう可能性もあるので注意しましょう。

不動産会社の物件査定方法は2つあります。

• 机上査定…物件情報や過去の取引事例から査定する
• 訪問査定…実際に訪問して査定する

訪問査定は机上査定より、物件を細部まで査定していくのでより正確な価格を知ることができます。

しかし、訪問査定は依頼した不動産会社で売却を予定して依頼することが多いのでまずは机上査定を複数社依頼してから訪問査定を検討しましょう。

STEP.3買取を依頼する不動産会社を選ぶ

不動産買取会社から買取価格のオファーを受けた後は、売却先の不動産会社を決めます。

通常、提示された価格が最も高い業者を選べば問題はありません。

最高値の買取価格を提示する業者を選ぶのは、不動産買取でも重要なポイントです。

不動産買取のデメリットは低価格な点ですが、最高値を提示する会社を選ぶことでこのデメリットを最小限に抑えられます。

ただし、現金化を急いでいる場合や特定の期日までに処理を完了させなければならない場合は、価格よりも引き渡し日を優先するなどの柔軟な対応が必要です。

STEP4.買取査定の内訳をヒヤリング

買取査定の結果を見て、不動産会社を厳選した後に査定結果の内訳を聞きます。

査定結果の内容が良くても、担当者の説明が曖昧だと後に大きく異なった価格で売却することになる恐れがあります。

査定結果について自分が納得するまで、質問してコミュニケーションを取りましょう。

不動産の買取は仲介で売れる価格の7割程度になるケースが多いです。

仲介で売却する価格より若干安くなってしまうので、理解した上で査定結果を把握しておきましょう。

STEP5.買取金額の交渉

査定結果を聞いて、不動産を本格的に買い取ってもらうことになれば、買取価格について交渉していきます。

買取金額を提示された際に、納得しなければ他の不動産会社に買取を依頼することも可能です。

買取する不動産会社は、なるべくコストを抑えて買い取りたいと考える会社が多いので安い金額をわざと提示してくる所もあります。

担当者としっかり話し合って買取価格について問題が無いか確認しましょう。

STEP6.売買契約の締結

買取価格が決まれば、売買契約の締結をおこないます。

売買契約を締結する際に必要な書類があるので、事前にそろえておくとスムーズに買い取ってもらえます。

不動産買取に必要なものは下記の通りです。

• 身分証明証
• 実印
• 印鑑証明書
• 権利書
• ローン残高証明書

ローン残高が残っている人は、必ず残高証明書を提示して売る時に完済できる状態にしておきましょう。

売却駅で完済できる場合は問題ありませんが、売却してもローンが残る場合は別途お金を用意する必要があります。

STEP7.物件を引き渡し・決済

売買契約を締結し手付金をもらった後、不動産を引き渡します。

引き渡し前までになんらかの問題が合った場合は、買主が手付金2倍の代金を支払わなければならないケースもあるので注意しましょう。

引き渡し当日は、手付金を差し引いた買取金額を受け取り、登記の抹消や固定資産税などの精算・鍵の手渡しが行われます。

上記全て終われば売買が完了します。

STEP.確定申告を済ませる

不動産を売却して利益が出た場合、必ず確定申告をしなければなりません。

確定申告は1年間で得た収入とそれにかかる税金を計算し、申告書に記入して提出する手続きです。

この手続きは毎年2月17日から3月16日の期間に行われ、申告は現在住んでいる地域の税務署で行います。

もし損失が出た場合や利益が出なかった場合は確定申告の必要はありませんが、不動産買取で利益が出た場合は全員が申告の対象なので注意が必要です。

万が一確定申告を怠ると追加で税金が課され、通常よりも多くの税金を支払う恐れがあります。

不動産買取に関わる確定申告については、こちらの記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

不動産買取の流れで注意しておくべきポイントがいくつかあります。

無知のままなんとなくで買い取ってもらうと後で後悔することになるので注意しましょう。

①不動産会社選びは慎重に

不動産会社選びは、買取を行うにあたって一番重要なポイントです。

売る予定の物件によって異なりますが、専門知識が必要な物件であればあるほど不動産会社の厳選は必須になります。

例えば事故物件を買い取ってもらう場合、普通の不動産会社だと買い取ってくれないケースが多数ですが、訳あり物件専門の不動産会社であれば高額で買い取ってくれるケースもあります。

上記の様に不動産会社が得意としている物件は異なるので、事前に調べて査定してもらいましょう。

②仲介の売却も検討しよう

不動産の買取は仲介に比べて安い値段で売却するケースが多いので、仲介で売れる物件であれば、なるべく仲介で取引しましょう。

買取は「とにかく早く手放したい！」「仲介で売れなくて困っている」などの問題を抱えている人に最適です。

また物件の環境によっても買取に不向きのものもあるので注意しましょう。

③高く売りたい人は買取保証も1つの手段

「スピーディーに売りたいけど、高く売りたい」という人は、買取保証で売る方法もあります。

買取保証は不動産会社に仲介を依頼して、ある一定期間うれなければ不動産会社に買い取って貰う方法です。

売却期間を定めることができる上に、買主が現れれば高く売ることが出来ます。

買取は買取でも高値で売れる可能性があるのでおすすめです。

不動産買取は大きなお金が動く取引です。

そのため、不動産買取の流れを理解するだけでは充分な知識を得たとは言えません。

良い条件で不動産買取を成功させるためには、賢い不動産会社選びが不可欠です。

ここでは不動産買取のシーンで、どのような点を押さえて不動産会社を選ぶべきかを解説します。

不動産買取後に後悔しないよう、事前にチェックしましょう。

今回は不動産買取を依頼する不動産会社を選ぶポイントとして、以下の3点を解説します。

①買取実績が豊富な不動産会社を選ぶ

買取実績の有無は、不動産会社を決める際の重要な指標です。

不動産会社には仲介と買取の二つの役割があり、仲介に長けている業者もいれば、買取を専門にしている業者もいます。

会社がどのような特性を持っているか、買取を得意としているかどうかなど、買取に関する実績を事前に調査しましょう。

買取実績は実際に行われた買取の件数や、実際の顧客からのフィードバックによって評価できます。

業者の公式ウェブサイトに掲載されている情報なども参考にして評価してください。

もしウェブサイトがない業者は組織の基盤が不十分である可能性が高いので、過信は禁物です。

②納得のできる買取金額を提示する不動産会社を選ぶ

不動産会社選びで見逃せない点は、提案された買取価格に自分自身が満足できるかどうかです。

初めに提示された査定額を基にして業者選びをすすめ、納得できる金額を大きく下回らない金額を提示する業者を選んでください。

ただし、他の業者に比べて顕著に高い査定額を提示する業者には注意が必要です。

不自然なほどに高額な買取価格を提示する業者を安易に選ぶと、のちのち思わぬトラブルに巻き込まれる恐れも無視できません。

もし予想以上に高額な買取価格を提示した不動産会社を選ぶ場合、会社の詳細を慎重に調査してください。

③口コミをチェックする

不動産会社がいくつかに絞れたら、口コミなどもチェックしてください。

実際に利用したユーザーの評価や口コミを参考にすると、適した不動産会社をより見つけやすくなります。

大手不動産会社の場合は各社間の違いが少なく、どの基準で選ぶべきか迷うケースも少なくありません。

こうした場合にも、ぜひ口コミを活用してください。

不動産会社の担当者の態度や契約時の対応、買取時のトラブルへの対応など、公式サイトだけでは分からないリアルな情報を得られる場合もあります。

以下の方法も参考にしましょう。

• インターネットでの検索:「〇〇〇(不動産会社名) 評判(口コミ)」で検索し、
  表示される結果を上から順に確認する。
• SNSの活用:ソーシャルメディアプラットフォームで「#〇〇〇(不動産会社名)」を検索し、ユーザーの投稿をチェックする。

頻繁に炎上している不動産会社などは、避けるのが無難です。

上では、不動産買取の業者選びについて解説しました。

なかには「なんだかんだ言っても大手の不動産会社が一番堅実では？」と思う方もいるのではないでしょうか。

確かに大手の不動産会社は、実績なども豊富で確実な印象がありますよね。

一方で、注意すべきデメリットもあります。

まずは不動産の買取を大手の不動産会社に依頼するメリットを考えましょう。

以下の3つの項目を見てください。

①ブランド力が大きい

大手不動産会社はそのブランド力から、安心して取引がしやすいといえます。

もちろん大手か否かに関わらず、多くの不動産会社は適正かつ誠実に取引をしてくれます。

しかし、中には不正を働く業者も存在するのが現実です。

名の知られていない会社から高額な査定を提示されて契約したものの、最終的に価格を大幅に下げられたり、契約が一方的に解除されたり、支払いが遅れたりするトラブルが生じるケースもないわけではありません。

不動産取引では大きな金額が動くため、少しのミスが大きな損失につながる可能性があります。

特に、買取を申し込むのが個人の場合、その影響は人生においても重大です。

大手不動産会社を選ぶことで、悪質かつ怪しいトラブルに巻き込まれるリスクは格段に低くなります。

②資金が潤沢

大手不動産会社は豊富な資金力を持っているため、高い査定価格であっても対応しやすいです。

資金力が不十分な中小規模の不動産会社や他の専門業者には見られないメリットといえます。

また、潤沢な資金力を活用してテレビCM、雑誌、インターネット、SNSなどを用いた大規模なマーケティング活動も展開できます。

買取保証で物件を申し込んだ場合でも、短期間で通常の仲介通りに売却されやすい点もメリットです。

③販売網や顧客リストが豊富

大手ならではの豊富な販売網や顧客リストも見逃せません。

大手不動産会社は国内に多くの支社と支店を持っており、企業全体で大量の情報を発信できる体制が整っています。

さらに一つの企業が数百ものウェブサイトを運営し、日々情報を更新しています。

特に買取市場では、オンラインでの査定と申し込みが主流であるため、大規模なウェブサイトの運営ができる大手企業は、中小企業や専門業者に比べて有利です。

扱う案件が多い分大量の買取申し込みが日常的に行われ、多くの買取実績が蓄積されていきます。

これは公正かつ適切な査定へと繋がります。

さらに、インターネット以外にも、大手不動産会社は広範囲に渡る顧客リストを持ち、買取申し込みの時点で再販先を見込めるケースが多いので、多くの買取に対応しやすいです。

上では大手の不動産会社に買取を依頼するメリットを解説しました。

続いてはデメリットについて押さえましょう。

以下の2項目を見てください。

①マニュアル対応になりがち

大手不動産会社では従業員の行動を統一するための厳しいマニュアルが整備されており、顧客に偏った対応をするケースは少ないです。

たとえ営業担当者が特定の顧客と長期にわたる関係があったとしても、ビジネス契約において特別扱いをするケースはほとんどありません。

これは、会社のブランドイメージ保持や不正防止のための徹底した社員教育によるものです。

マニュアルに基づいた対応に疑問を感じる場合は、大手不動産会社だけでなく、地元に密着した中小不動産会社にも買取査定を依頼してみましょう。

それぞれの査定額や対応を比較し、どちらにも大差がなければ自身が納得できる方を選択します。

②受け身な対応が多い

大手不動産会社では、各担当者が多数の案件を抱えているため、時には対応が受け身に感じられる場合があります。

大手は広告の露出も多いため全国的な自社サイトからの申し込みも絶えず、積極的な営業活動をしなくても一定の成約率を保っています。

例えば現地調査自体は厳正かつ公正にしてくれても、不動産そのものの長所を積極的に見つけ出してくれない場合もしばしばです。

この点では地元の小規模な不動産会社の方が、より献身的なサービスを提供してくれる場合が多いです。

不動産買取を進める上で気になるのが、どれ程の期間がかかるのかですよね。

買取に要する期間は通常約3週間ですが、条件が揃えば1週間程度で買取をさせる不動産会社もあります。

急いで取引をしたい場合には、相談時にはっきりと伝えてスピーディーな対応を依頼しましょう。

ただし、急ぐ売却は足元を見られて低い査定額を提示されるリスクがあります。

たとえ急いでいる状況であっても、取引を行う不動産会社のチョイスには注意を払ってください。

少しでも早く買取の手続きを終わらせたい方は、次で解説する「不動産買取の流れをスムーズにする方法3選」をチェックしましょう。

不動産会社が不動産を買い取ってもらうまでの期間は約1~3週間です。

しかし不動産会社選びに手間取ったり、買取に必要な書類が揃っていなかったりすれば時間が掛かってしまいます。

これから不動産買取をスムーズに完了させる方法を紹介するので、参考にしてください。

①不動産一括査定サービスを利用する

不動産一括査定サービスを利用すると、簡単に複数の不動産会社に査定を依頼できます。

3日程度で3~6社の査定結果を見ることができるので、不動産選びをスムーズに行えます。

売りたい物件に最適の不動産会社を見つけやすいのでおすすめです。

②予め買取価格の相場を調べておく

予め買取価格の相場を把握しておくことによって、査定結果から買取を行うかスピーディーに判断できます。

過去の取引から簡易的に市場価格を把握出来るサイトがあるので、査定してもらう前に調べておきましょう。

不動産価格が大きく変化している時期に調べると査定結果と大きく異る値段になってしまうこともあるので注意しましょう。

必要書類を事前に揃える

不動産買取には、手続きに当たってさまざまな書類が必要です。

これらの書類を事前に集めておけば、不動産買取の流れを滞らせずに済みます。

特に、すぐにでも不動産買取を終わらせて現金を手に入れたい方は、必要書類を事前に用意すればそれだけスムーズに手続きが進むので覚えておきましょう。

以下の表を見てください。

買取を依頼したい不動産が土地かマンションか、戸建てかなどによって必要な書類が異なるので、混乱のないように集めてください。

なお、身分証明書や印鑑証明書、住民票は引き渡し時に必要となる書類のためすぐに用意する必要はありません。

また不動産買取の際、土地や戸建ての「土地測量図面/境界確認書」などが手元になくても買取に応じてもらえる場合もあります。

今回は不動産買取の流れを8つのステップに分け、それぞれ詳しく解説しました。

不動産買取の手続きは複雑な場合もあるので、前もって事前に流れを理解しておきましょう。

また、不動産買取を依頼する不動産会社選びにもポイントがあります。

記事で解説した内容を参考に、最適な不動産会社を探してください。

不動産の買取は、仲介に比べてスムーズに売却できる売買です。

「早めに売りたい！」というニーズにピッタリな方法なので、物件を期限までに売らなければならないという人は不動産買取を検討してみてください。