少額不動産投資とは、不動産を小口化した商品への投資を指します。

複数の投資家から集めた資金を1つあるいは複数の不動産に対して投資し、その運用益が投資家に分配されます。

• 少額から投資可能
• 経営の負担がない
• 流動性が高い

少額不動産投資とは、その名のとおり少額から始められるのが最大のメリットだといえるでしょう。

現物不動産投資では「経営」という業務が伴いますが、少額不動産投資では運用会社に物件の維持・管理を任せられます。

また、現物不動産投資を始めるには、融資を付け、購入物件を検討し、購入後は入居者募集をする必要があるなど、始めてから軌道に乗せるまでに時間と労力がかかります。

出口に際しても、販売活動から売却まで一定の時間がかかることは避けられませんが、少額不動産投資は基本的に株のように流動性が高い投資商品です。

• リターンが少ない
• 一定のリスクがある
• 大きなキャピタルゲインに期待できない

投資とは、ハイリスクなものほどハイリターンで、ローリスクであるほどリターンは多くありません。

少額不動産投資は、かける費用が少額でリスクも低いことから、現物不動産投資のように大きなリターンには期待できません。

また、リスクが低いといっても、どんな投資商品にもあるように元本割れなど一定のリスクがあります。

現物不動産投資では大きなキャピタルゲインにも期待できますが、少額不動産投資の主な運用益はインカムゲイン。

これもまた、大きなリターンに期待できない理由の1つです。

少額不動産投資の方法は、1つではありません。

ここからは、少額不動産投資の中でもおすすめな3つの投資方法の詳細を比較しながら解説していきます。

不動産クラウドファンディングとは

クラウドファンディングを直訳すると「群衆」による「資金調達」となります。

不動産クラウドファンディングは、不動産の開発や利活用などのプロジェクトに対して複数の人が出資し、出資者に対して利益が還元される仕組みです。

運用期間は、数ヶ月から数年のものまでさまざま。1口1万円から投資可能です。

投資できる事業は、マンションやビルの賃貸から保育園や福祉施設などの建設、リゾート開発など多岐に渡ります。

少額不動産投資の中でも、プロジェクトへの共感や応援といった気持ちを持って投資しやすいことが不動産クラウドファンディンの大きな魅力の1つです。

市場は大きく伸長している

不動産クラウドファンディングは、2017年の法律改正から可能になった投資手法です。

まだ歴史の浅い手法ですが、この数年間で市場は確実に拡大しています。

(出典：LIFULプレスリリース)

LIFULLによる不動産クラウドファンディングマーケットレポートによれば、2018年からの5年間で募集総額は25倍以上に伸長しています。

また、利回りも4.5％から5.8%にまで大幅に上がっており、改めて注目を集めています。

続いてご紹介するのは「REIT（リート）」です。

正式名称をReal Estate Investment Trustといい、訳すと「不動産投資信託」となります。

日本で不動産投資信託市場が開設されたのは、2001年のこと。

日本版のREITということで「J-REIT」と呼ばれることもあります。

REITの仕組み

REITは、投資証券を購入して投資する仕組みです。

取引所を通じて売買が可能なため、株式のように流動性の高い投資商品だといえるでしょう。

REITが投資するのは、複数の不動産のため、リスク分散にもなります。

加えて、REITは利益の90%超を投資家に分配することとなっているため、安定かつ高利回りな分配に期待できます。

(出典：国土交通省)

不動産クラウドファンディング同様、REIT市場は堅調に拡大しています。

不動産は昨今、懸念されるインフレにも強い資産であり、REITは2024年から拡充するNISAでも投資可能なことから、今後ますます注目されていくことでしょう。

不動産小口化商品とは、1つの不動産の所有権を細分化し、複数の投資家共が有する仕組みの不動産投資です。

不動産小口化商品の特徴

不動産クラウドファンディングやREITとの違いは、不動産の所有権が得られること。

不動産は相続税評価が実勢価格より低くなるのが一般的であることから、不動産小口化商品の取得は相続税対策としても効果的です。

資産価値が高く、安定した収益に期待できる都市部の不動産は総じて高額ですが、小口化商品であれば少ない資金でも投資できることがメリットの1つ。

不動産特定共同事業者が物件の維持・管理を請け負うため、経営の手間もありません。

一方で、不動産小口化商品の流動性が低い点はデメリットとなり得るでしょう。

他の共有不動産と同様に、一部の所有権を有する人の一存により不動産を売却することはできません。

とはいえ、一部の所有権を譲渡したり相続したりすること自体は可能です。

少額から始められ、現物投資と比較して管理の手間も少ない少額不動産投資は、投資意欲が全国的に高まっている今、非常に魅力的な商品だといえるでしょう。

中でも、不動産クラウドファンディングはWeb上で事業の見極めから投資ができ、1万円から可能であることから、最も手軽な不動産投資といえます。

市場が拡大し、利回りも上昇傾向にある今はとくに投資をする好機。

法律に基づき、ファンドはすべて国の認可によって運営されているため、安全性も高い投資です。