マンションは売却と建て替えどちらが良い?利益・費用を徹底比較
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所有するマンションの築年数が古くなった時は、売却をすべきか、新しく建て替えた方が良いか悩むことと思います。
ただ、そもそもマンションの建て替えは戸建て物件に比べて一般的ではないですよね?本当に業者へ依頼できるのかというのも悩みどころです。
中古マンションの建て替えに高額すぎる費用がかかるのであれば、早めに売ってしまうという選択肢も考えられます。
マンションの売却と建て替えはどちらがお得なのか、利益と費用の両面から徹底比較していきます!
→マンションを売る方法!初めて売るなら知っておきたい売却のコツマンションは売却と建て替えどちらが良い?
マンションの売却と建て替え、どちらを選ぶかは所有者にとって重大な決断です。
所有者は自身の財政状態、物件の条件、そして将来の市場予測を総合的に考慮する必要があります。
結論、マンションの売却と建て替えのどちらが良いかは、一概には言えません。
マンションの現在の状態・立地・現在の市場状況など、様々な要素によるからです。
一般的に、築30年を超えるとマンションは老朽化し始め、建て替えや大規模修繕が必要になると言われます。
マンションを売却することで即時に資金を得られる一方、建て替えは長期的な視点で市場価値を高める可能性があります。
売却または建て替えのどちらがより利益をもたらすのかを見極め、資産価値を最大化しましょう。
マンションの寿命は築30年
マンションの建設ラッシュが続いた1960年代、マンションの老朽化の目安は築30年と言われていました。
国土交通省の調査(2022年)によると、建て替え時期は平均37年です。
また、コンクリートの寿命によってもマンションの寿命は左右されると考えられています。
国土交通省の報告書によると、コンクリートの寿命は約100年です。
コンクリートの種類にもよりませうが、100年を目安にひび割れ・錆など、コンクリートが劣化していきます。
参照:国土交通省『「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書』
マンションを建て替える頻度
国土交通省の調査によると、2022年末時点でマンションのストック数は約694.3万戸です。
2023年3月時点で建て替えがあったのは累計282件、約2.3万戸でした。
実質、全体の約0.3%ほどしかマンションの建て替えがされていないのです。
マンションの建て替え状況がかなり少ないことが分かります。
理由は後述で詳しく解説します。
参照:国土交通省
マンションの建て替え実施が少ない理由
分譲マンションの一部屋を購入した方は、ある程度自由にリフォームをすることができます。
ただ、それとは別に、マンションの管理会社が定期的に大規模な建て替えをおこないます。
マンションの管理会社は購入費と別に管理費・維持費を徴収していますよね。この資金を元手に建て替えはおこなわれます。
マンションの一般的な寿命は40年ほどと言われています。大規模な建て替えは寿命が来る直前のタイミングで、延命のためにおこなわれます。
その他、建て替えは突然の災害で破損した際にもおこなわれます。
ただし、マンションの建て替えは上記のタイミング通りに実施されている訳ではありません。
上述の通り、実際には建て替えがされることは少ないです。
マンションの建て替え実施が少ない理由を、以下の通り解説します。
理由①建て替えにかかる負担が大きいから
マンションを新たに立て替える場合の費用は一個当たり1,000万円~2,000万円ほどになります。
これを居住者に求めるとなると、大量に退去などが発生する可能性がでてきます。
理由②建て替えの実施までに手間がかかるから
建て替え決定にあたっては、区分所有者の4/5以上の賛成が必要となります。
この判断をおこなうためには、具体的にどのような建て替えをおこない、どのようなメリットがあるかなどのデータをしっかり用意する必要があるので、専門家の長期の調査などが必要になります。
建て替えを実施する場合、この準備だけで10年以上かかるケースもあります。
理由③法律上の制約があるから(既存不適格)
建築基準法は頻繁に改正がおこなわれているため、当時は良かったとしても、建て替えるにあたって法律制限が発生するケースは多々あります。
例えば、既存のマンションを建てた後に制定された容積率の規制要件などに応じて、規模縮小の調整などが必要になる可能性もあります。
こうした面を考えると、建て替えにあたって規模や居住者の縮小が必要になるケースもあり、安易に進められないパターンもあります。
理由④マンションの建て替えは自由にできないから
マンションのオーナーであれば、自分の判断で簡単に建て替えることができると思っている方も多いのではないでしょうか。
実はマンション建て替えには、区分所有者の80%以上の賛成が必要になります。
好きなタイミングで気軽に建て替えられる訳では全くないのです。
また、マンションの建て替えにあたって、新たに建て替え資金を募る必要がある場合も。
例えば、いざマンション全体を建て替えようと思ったら、コンスタントに徴収している維持費だけでは足りないケースが多いです。
それでも建て替えを実施する場合は、オーナーが自腹を切るか、住民を説得させて追加で費用を徴収するかしか方法はありません。
売却と建て替えを天秤にかける前に、まず建て替えのハードルはかなり高いことを把握しておきましょう。
マンションの建て替えのメリット・デメリット
建て替えのメリット
建て替えのメリットは、やはり住環境の改善です。
新しい間取りにすることで、利便性を大幅に上げることができます。
また、付帯設備のグレードを向上させれうことも可能です。
建物の老朽化を改善することで、資産価値を向上させる効果もあります。
居住者にとっては、住む場所を変えずにより良い住環境を手に入れらえるというメリットもあります。
建て替えのデメリット
建て替えは、1戸あたり1,000万円~2,000万円という、非常に高額な費用が発生してしまいます。
また、建て替え中は仮住まいへの引っ越しが必要になってしまうのも、大きな懸念点です。
マンションの売却のメリット・デメリット
売却のメリット
売却は、建て替えと比較して費用負担を大幅に抑えることができます。
一般的にかかる費用といえば、仲介業者に支払う仲介手数料と、売却に関わる諸費用のみとなります。
また、マンションを完全に売り払ってしまうことで、別のエリアに新しいマンションを建てることができます。
売却のデメリット
売却では、経過した築年数によって価格が低くなってしまいがちです。
また、居住者にとっては住み慣れた環境を変えてしまうことになります。
マンションの売却費用の相場
マンションを売却する際の相場は、以下の通り地域によって異なります。
地域 | 東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 | 北海道 | 愛知県 | 京都府 | 大阪府 | 兵庫県 | 福岡県 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売却価格 | 5,892万円 | 3,950万円 | 3,052万円 | 2,667万円 | 2,171万円 | 2,338万円 | 3,370万円 | 3,209万円 | 2,648万円 | 2,466万円 |
坪単価(万円/1㎡) | 98.6 | 58.28 | 44.77 | 36.62 | 28.71 | 31.84 | 54.76 | 48.72 | 37.07 | 36.88 |
参照:レインズ|マーケットデータ「2023(令和5)年12月度(全国版)」
東京都は他の地域と比較して売却価格が高いですが、平均面積は狭いです。
また、神奈川県や埼玉県など首都圏も売却価格が高い傾向にあります。
地域によって売却価格の相場に差があるため、住んでいる地域など様々な要素を考慮したうえで売却を検討しましょう。
マンションの建て替え費用の相場
マンションの建て替え費用を住民負担とする場合の費用相場は、約1,000万円~2,000万円となります。
自己負担額の内訳としては、下記が含まれます。
- マンションの解体費用
- 建て替え時の建築費用
- 調査にかかる費用
- 設計にかかる費用
- 建て替え時の仮住まいの用意にかかる費用
- その他の費用
国内のマンションを建て替える場合は、基本的に住民の自己負担となります。
費用内訳の中でも、特に解体費用・建て替え費用は、マンションの既存の構造がどうなっているか、新しく建て替えるマンションをどうしたいかによって大きく変わります。
マンションの建て替えで費用の住民負担があるケース
マンションの建て替えにかかる費用は、物件の状況によっても変化します。
また、場合によっては立て替え費用を住民が負担するケースもあります。
マンション建て替えの住民負担が無しになるケースは、マンションの容積率が一定以上の規模になる場合です。
例えば、既存のマンションが容積率をいっぱいまで活用しておらず、かつ建て替え後のマンションが容積率いっぱいまで規模を拡充する予定の場合は、増えた住戸分を売却して資金に充てることも可能です。
既存マンションと建て替え予定のマンションの容積率に差がある場合、住民負担は0になるケースもあります。
上記のケース以外では、住民が建て替え費用の負担を支払う必要があります。
また、状況によっては相場以上の費用が発生してしまうケースもあります。
マンションを建て替えるか売却するか判断するポイント
敷地の規模
前述の通り、敷地が広く容積率に余裕がある場合は、建て替えで利益を増やせる可能性が高いです。
建て替えで戸数を増やせるかどうかも大きなポイントです。
高さ制限
高さ制限がない、あるいは制限が緩やかなエリアの場合、建て替えで階数を増やすことが可能です。
逆に制限いっぱいのマンションの場合は、売却してしまった方が良いケースも多いです。
立地・需要
大型のマンションに建て替えたとしても、現実的に新規入居者が現れなければ利益にはつながりません。
人気があるエリアなら建て替えるのも手ですが、需要がそこまで多くない場合は売却したほうが良いケースが多いです。
資金の有無
マンションを建て替える場合は資金が必要になるため、実際に資金の工面が可能かも考えておく必要があります。
資金の工面が難しい場合は、建て替えを実施しようと思っても規模が限定的になってしまいます。
競合物件の有無
周辺に競合するマンションが多い場合、建て替えをおこなって住環境を向上させたとしても、入居者が分散してしまいます。
空室率
空室が多いマンションであれば、売却をすることで今後の経営リスクも軽減することが可能です。
入居者が多い・満室に近いマンションは、売却をする際に退去費用の支払いや、住民への売却理由の説明・クレームの対応などが必要になります。
ローン残債の有無
ローン残債が現在のマンションの資産価値を上回る場合、ローンが残ってしまうため売却対応は難しくなってしまいます。
この場合は、自己資金なども使ってローンを完済できるかどうかの判断が必要になります。
マンションは売却すべきか建て替えるべきか判断するポイントをおさらい
マンションは建て替え・売却どちらをすべき?
建て替え・売却はそれぞれにメリットがあります。
建て替えのメリットとしては、そのままの立地で住環境を改善できること、資産価値を向上させられることなどがあります。
売却のメリットとしては、建て替えと比較して低コストで処分できることなどがあります。
状況にあわせて、最適な選択肢をとる必要があります。
建て替えか売却かはどこで判断すべき?
建て替えをするべきマンションの特徴としては、下記があります。
- 広く、容積率に余裕がある。
- 高さ制限がない、または緩やかで階数を増やせる。
- 人気エリアで新規入居者の需要が高い。
- 建て替えに必要な資金の工面が可能。
- 周辺に競合するマンションが少なく、住環境向上による入居者の集客が期待できる。
一方、売却すべきマンションとしては、下記の特徴が挙げられます。
- 敷地が狭く、容積率の余裕がない。
- 高さ制限いっぱいで階数の増加が不可能。
- 需要が少なく、新規入居者の確保が難しい。
- 建て替えに必要な資金の工面が難しい。
- 周辺に競合物件が多く、入居者の獲得が困難。
- 空室が多い。