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不動産売却でかかる復興特別所得税とは?内容と計算方法・課税額を減額するポイント

【更新日】2020-05-15
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不動産売却でかかる復興特別所得税

2011年3月に発生した東日本大震災により各地に甚大な被害が発生しました。

大きな道路の地割れや倒壊した住宅の撤去などは大方完了していますが、損失を受けた地方経済の立て直しなどには、まだまだ時間とお金が必要になります。

こうした復興財源を集めるために、2013年から復興特別所得税の徴収が実施されています。

馴染みのない方も多いかもしれませんが、2013年からサラリーマンの方の給与所得などから自動で天引きされています。

不動産売却時にも、この復興特別所得税が発生する仕組みになっているので注意しましょう。

今回は、そもそも復興特別所得税とは何なのか、不動産売却時にはいくらかかるのか、減額は可能なのかについて詳しく解説していきます。

不動産売却でかかる税金(譲渡所得税)はいくら?計算シミュレーションの方法と節税のコツ

不動産売却で発生する復興特別所得税とは?内容・課税条件を詳しく解説

復興特別所得税は、2011年12月に公布された「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」によって創設された、比較的新しい税金のことです。

課税のスタートは2013年からなので、ニュースになってから期間がかなり空いており、存在自体忘れされているような税金です。

ただ、実際に会社員に支払われる給与からは、自動でこの復興特別所得税が天引きされています。

復興特別所得税の課税対象は所得税の納税義務がある個人全員

復興特別所得税の課税対象は、所得税の納税義務がある個人全てとなります。

彼らの各年の所得に対して課税されるという仕組みですが、個人の状況によって課税条件は変わってきます。

区分 基準所得総額
非永住以外の居住者 全所得に対する所得税額
非永住者の居住者
  • 国内源泉所得+国外源泉所得のうち、国内払いのもの対する所得税額
  • 国内に送金されたものに対する所得税額
非居住者 国内源泉所得に対する所得税額

居住者とは国内に生活の本拠をおく方のことで、非居住者とは国外に生活の本拠をおく方のことです。

よく「居住者=国内に住所のある方」という表現をする場合がありますが、法律上の住所は、必ずしも現住所という訳ではありません。

例えば国内に自分が建てたマイホームのある方が、海外に単身赴任をしていたとします。

この時、彼の現住所は海外になりますが、短期の単身赴任の場合は「生活の拠点は国内にあり、仕事のために一時的に海外に住んでいる」という認識になり、居住者扱いになります。

海外生活がどれくらいの長さだと非居住者扱いになるのかに関しては、税務署が各個人の状況を見て判断するようになるので、一概には言えません。

普通に日本国籍で日本に定住している方は、日永住者以外の居住者という扱いになります。

不動産売却時の復興特別所得税はいくらかかる?税率・計算シミュレーション

ここからは、実際に不動産売却時に復興特別所得税がいくらかかるのかを計算していきます。

復興特別所得税は基準所得税額に課税される

復興特別所得税は、基準所得税額に上乗せされるようになります。

この基準所得税額は、以下の計算式で求めることができます。

基準所得税額=譲渡所得×所得税率

譲渡所得とは、不動産を売却した際に得た利益のことで、以下の計算式で求めます。

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)

求めた譲渡所得に税率をかけるのですが、所得税率は売却した不動産の所有期間が5年以内か、5年超かによって変化します。

短期譲渡所得(不動産所有期間が5年以内) 長期譲渡所得(不動産所有期間が5年超)
所得税 30.63% 15.315%
住民税 9% 5%

ここで基準所得税額が算出できたら、次に復興特別所得税率をかけていきます。

復興特別所得税の計算にはこうした2段階の計算が必要になるので注意しましょう。

復興特別所得税の税率は一律2.15%(年)で計算する

実際に復興特別所得税の課税額を計算する場合は、税率を一律2.15%で計算するようになります。

この税率はどんな時も固定で、例えば不動産売却時には、課税対象金額や所有条件などには全く影響されませんし、納税者の所得額なども影響しません。

不動産売却時の復興特別所得税を計算シミュレーション

ではここから、実際に不動産売却でかかる復興特別所得税を計算シミュレーションしていきましょう。

ちなみに、計算する不動産の条件は以下の通りとします。

  • 譲渡所得:6,000万円
  • 所有期間:5年以内(所得税:15.315%・住民税:9%)

条件が分かったら、以下の流れで計算をしていきます。

  1. 基準所得税額=6,000万円×15.315%=9,189,000円
  2. 復興特別所得税額=2.1%×9,189,000円=192,969円

復興特別所得税は譲渡所得がマイナスの場合は発生しない

復興特別所得税は譲渡所得税と同じく、譲渡所得税がマイナスの場合は発生しません。

つまり、不動産の売却価格が購入時の費用を下回る場合は原則発生しないということです。

不動産の中でも家、マンションなどの建物は築年数の経過により価値が下落していくので、譲渡所得がプラスになるケースはほとんどありません。

そのため、ほとんどの場合、不動産売却で復興特別所得税を支払うことはないと考えておいてよいでしょう。

ただ、リーマンショックや東日本大震災、2020年のコロナショックなど、経済に大きな影響を及ぼした自体の直後は不動産が相場よりも安くなっているため、再び相場が持ち直した数年後に売却をすると、譲渡所得がプラスになりやすいです。

不動産売却時は万が一に備えて、復興特別所得税の内容を把握しておきましょう。

特例控除を利用すれば復興特別所得税の支払いを減額できる

復興特別所得税が発生しても、譲渡所得税と同じく特例控除を利用することで、課税を減額することができます。

不動産売却で利用できる税金の特例控除まとめ
控除が利用できるケース 所有期間 特例控除の内容
売却益が発生 10年超
  • 買い換え特例
  • 3,000万円特別控除
  • 軽減税率特例
売却益が発生 5年超10年以下 3,000万円特別控除※控除しきれない所得に長期譲渡所得の税率が課される
売却益が発生 5年以下 3,000万円特別控除※控除しきれない所得に短期譲渡所得の税率が課される

例えば3,000万円の特例控除を利用すれば、譲渡所得が3,000万円差し引かれた金額で課税額を計算するようになります。

そのため、譲渡所得が+3,000万円以内であれば、復興特別所得税の発生は0となります。

前述のような相場が大きく変動するタイミングでも、こうした特例控除を利用すれば、ほとんどの場合で課税を0にすることができます。

ただ、特例控除にはそれぞれ条件があるので、誰でも利用できる訳ではありません。事前にそれぞれの条件をしっかりチェックしておきましょう。

不動産売却時には復興特別所得税の発生を恐れる必要はない

不動産売却時に売却価格が購入費用を上回った場合、復興特別所得税が発生します。

だからといって、あえて購入費用を下回るように価格を調整する必要はありません。

復興特別所得税以外の税金・費用も基本的には不動産の売却価格に比例して上乗せされていきますが、例えば同じ不動産を1,500万円で売った場合と2,000万円で売った場合では、コストが高いのは後者ですが、最終的な手残りが多いのも後者となります。

まずは高く売ることを目指して最大限努力した上で、最終的に税金が発生したら不動産会社と相談をして、節税の方法がないかを聞いていきましょう。

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