TOP > 不動産売却の基礎知識 > 不動産の財産分与を完全ガイド!移転登記の必要書類や離婚と相続の対応の違い・時効や税金などの注意点を解説

不動産の財産分与を完全ガイド!移転登記の必要書類や離婚と相続の対応の違い・時効や税金などの注意点を解説

【更新日】2020-08-07
このエントリーをはてなブックマークに追加
不動産の財産分与

離婚や相続で財産分与をするとなった場合、資産価値が最も大きく、財産の多くを占めるのが不動産です。

不動産の財産分与を円滑に進められるかによって結果が大きく左右されると言っても過言ではありませんが、金額が多い分、様々な注意点を知っておかなければいけません。

今回は、財産分与を検討している人にも分かりやすく、疑問・質問を解決していきます。

財産分与では不動産をどう取り扱うかが重要

財産分与とは、生計を一にしていた人が離別する際に、共通の財産を分割する方法です。

共通の財産の定義は難しいですが、以下のように様々なものが対象になります。

  • 不動産
  • 動産(車やインテリアなど)
  • 現金
  • 退職金・年金
  • 生命保険
  • ローン …

逆に結婚前から所有していた個人の財産や、衣類などの日用品、片方がギャンブルなどの私的な理由で抱えた借金などは財産分与の対象になりません。

共有財産の占める割合は不動産が最も大きい

ケースにも依りますが、財産分与の対象となる共有財産の中で最も大きな財産は不動産(住まい)であるケースがほとんどです。

そのため、離婚時に財産分与も含めた問題解決を模索する際は、まず現在の不動産価値を把握しておく必要があります。

財産分与の前に不動産を査定に出した方が良い理由

不動産の価値は専門家の判断を仰がなければ正確に算出するのは難しいです。

まず、基本的に家の価値は築年数の経過によって年々下がっていきます。

更に経済状況や周辺環境の変化などの様々な要因によって不動産の時価は変化してします。

特に近年では、経済状況の変化が不動産価格に大きな影響を及ぼしています。

例えばリーマンショックや東日本大震災の直後に購入した物件が、オリンピック特需によって築10年時に購入時の価値を超えるという事例も珍しくありませんでした。

加えて2020年に新型コロナウィルスが世界的に流行したことで、再び相場が下がる可能性も出てきています。

このように、不動産価格に影響する要因は逐一変化しているので、専門家に頼まなければ自力で今の価値を知るのは難しいのです。

財産分与の前に不動産一括査定を利用しよう

不動産の評価額を知るためには不動産会社へ査定を依頼するのがおすすめですが、査定価格はピンキリなので、必ず複数社の査定結果を見比べる必要があります。

複数社に査定依頼をするのは時間がかかりますが、一括査定サイトを利用すればスムーズに依頼をすることができます。

申込に要する時間はわずか60秒ほど。価格だけ知りたい方でも完全無料で利用できます。

財産分与を意識した段階で、お早目に利用することをおすすめします。

不動産一括査定サイト33社を比較!2020年おすすめランキング

不動産の財産分与をおこなうケースは主に2通り

不動産の財産分与をおこなうケースは、主に以下の2通りです。

  1. 離婚時に分与する
  2. 相続時に分与する

どのパターンに当てはまるかによって、方法等に違いが生じます。

離婚時に不動産を財産分与するケース

夫婦共同で購入し、暮らしていた住まいは離婚時に財産分与の対象になります。

片方が物件の所有権を譲り受けて住み続けることもありますが、ここで争点になってくるのが住宅ローンの存在です。

優位的に財産を与えられたほうが残債を継続的に返済していくとなると、トラブルの種を離婚後に残してしまったのとほぼ同じです。

片方だけ継続的に返済をおこなうのは経済的・精神的にも大きな負担ですし、もう片方からすればキッチリ完済してもらえる確証のないまま不安を残して生活するようになります。

こうしたケースを避けるために、離婚時に家を売り、代金を分与してそれぞれ新生活を迎えるのがおすすめです。

相続時に不動産を財産分与するケース

親の物件を2人以上の兄弟が相続する場合、基本的に権利を均等に分与されます。

この時、不動産は1コしかありませんが、不動産の所有権を分割したという考え方になります。

不動産の財産分与は換価分割という考え方でおこなわれる

財産の中では、文字通り物理的に均等分与できるものもあります。

しかし、不動産は物理的に分割することができません。このことが、遺産トラブルを引き起こす大きな要因となっています。

では、不動産はどう財産分与をするかというと、換価分割という考え方に基づいておこなわれます。

換価分割とは、財産を一旦価格に換算した上で、財産分与をする方法です。

  1. 2,000万円の物件を4人で相続した場合:1人につき500万円分(25%)の権利が分与される
  2. 2,000万円・4人で相続した物件を売却した場合:1人につき500万円 (25%)ずつ取得をする

この方法によって、不動産が物理的に分割できなかったとしても、財産分与をすることが出来るのです。

代償分割によって財産分与することも可能

不動産の財産分与は換価分割の他にも、代償分割という方法があります。

例えば、A・B・C・Dの4人のうちAが2,000万円の物件の権利を100%取得したとします。

この場合、分割された権利の割合は以下となります。

  1. A :100%
  2. B・C・D :各0%

その後、Aが物件を委譲せず、B・C・Dに現金500万円ずつ譲渡すると、以下のようになります。

  1. A :25%(2,000万円-1,500万円)
  2. B・C・D :各25%(500万円)

いびつな形にも見えますが、これでも4人が均等に財産分与できたことになります。

財産分与をする際の状況はそれぞれ異なりますが、この考え方を持つことで幅広いケースに対応できます。

不動産の財産分与は子供も入れて計算する?

離婚で不動産の財産分与をする場合、基本的には子供を連れていく方もいかない方も同じく50%ずつで分け合います。

子供の養育をする方がお金もかかるので、多く取得しないとおかしいと感じる方も多いでしょう。

ただ、子供の養育の経済的問題は養育費によって解決します。財産分与は結婚時に財産を共有していたかどうかが重要なので、離婚後の状況はあまり関係ありません。

ただ、状況によっては通常の財産分与(清算的財産分与)以外にも、双方の承諾があれば以下2種類の財産分与の方法を選択することができます。

特殊な財産分与の方法 内容
扶養的財産分与 片方が高齢・病気・育休などで就業が難しい際に、財産分与の配当を増やす
慰謝料的財産分与 片方の不倫、DVなどが原因で離婚をした際に、もう片方の配分を増やす

財産分与の請求期限に時効はない!それでも早めにすべき理由

実は、財産分与の請求期限には時効がありません。

慰謝料には時効があるのですが、財産分与は長い話し合いが終わった時や思い出した時などに、いつでも請求をすることができるのです。

ただ、“請求期限がない”という言い方には少しカラクリがあるので注意が必要です。

2年を過ぎても請求できない場合は任意での分与となる【除斥期間】

財産分与に請求期限はありませんが、強い法的根拠を持って請求が出来るのは2年間と定められています。

2年以内であれば、相手が拒否をしたとしても、財産分与を請求できる権利があります。

一方、2年を超えても財産分与の請求は可能ですが、この際は相手側が応じてくれなければ話合いのテーブルに付くことは出来ません。

そのため2年以内に請求できるに越したことはないですが、 2年を過ぎたとしても調停・裁判によって除斥期間を延長することが可能です。

条件付きで不動産の財産分与が認められるケース

事実上の夫婦(内縁関係)である

籍を入れていない内縁関係の夫婦の場合、財産分与が認められるかどうかは以下の条件によって変わってきます。

  • 結婚の意思があったかどうか
  • 一定期間以上の同居があったかどうか

上記2点をチェックして事実上の婚姻関係があると認められた場合、財産分与が成立します。

片方が死別してしまった

財産分与を検討している段階で片方が死別してしまった場合は、子供がいればそちらに相続をするという処理の仕方をします。

一方で子供がいない場合、離婚した元夫婦というのは遺産相続の関係ではありません。

そのため、財産分与は死亡した方の相続人に対して行使されます。

例えばA・Bの離婚後にBが死別した場合、AとBの相続人間で財産分与をおこないます。

死亡によって関係が解消されるケース

死亡によって婚姻関係が解消された場合、遺産を相続する形で処理されるので財産分与はおこないません。

一方で、死亡によって内縁関係が解消された場合は財産分与をすることができず、遺産相続も出来ない可能性があるので注意しましょう。

ただ、内縁解消後に死亡した場合は相続人に財産分与請求をすることができます。

財産分与の除斥期間2年を延長する方法

前述の通り、2年を過ぎると法的な財産分与の請求権を失効してしまいます。

この場合、原則として除斥期間を延長することは出来ません。

そうなると、相手側との話し合いでお互い納得し、財産分与をおこなう必要が出てきます。

ただ、家庭裁判所に調停を申し出れば除斥期間を延長することは可能です。

家庭裁判所に調停を申し出て除斥期間を延長する

家庭裁判所に調停を申し立てれば、双方で話し合いをおこなって折り合いがついたら調停成立となります。

つまり、双方の話がまとまらずに2年を過ぎてしまった場合でも、調停を申し出れば納得がいくまで話し合いをすることができます。

調停をしていくら話し合っても結論が出ない場合、裁判に移行します。

財産分与で相手が財産を隠していた時はどう対処する?

財産分与で相手が財産を隠していた場合はどう対処するのでしょうか?

財産分与は結婚当時の共同財産が対象になるので、本人同士が洗いざらい財産を出すしか方法はありません。

この時、相手が財産を隠していれば公正な財産分与が出来なくなってしまいます。

この場合の対処法を見ていきましょう。

除斥期間内なら弁護士会照会制度が利用できる

除斥期間内なら、弁護士に依頼をして隠し財産を見つけることができます。

これは弁護士会照会制度という仕組みで、事実関係を調べるために口座残高を調査することが許されているのです。

ただ、弁護士は銀行の支店名まで知らないと調査が出来ないので、隠し口座があった場合は財産を見つけることが出来ません。

口座の存在は離婚前からチェックをしておきましょう。

2年を過ぎた時の財産要求は根拠が必要

2年を過ぎた場合、民事裁判を起こして財産要求をするようになります。

ただ、民事裁判を起こすには証拠が必要になるので、相手が財産を隠し持っているという証拠情報は出来るだけ多く取得しておくことが大切です。

不動産の財産分与に税金はかかる?

不動産の財産分与では、原則として贈与税はかかりません。

例えば離婚後に財産分与で片方が家に住み続ける場合も、これは贈与ではなく財産分与義務に基づく給付と見なされます。

財産分与で不動産を受け取った側には税金がかかる

一方、不動産を受け取った側には主に3種類の税金がかかります。※ケースによって種類の増減あり。

  • 登録免許税
  • 不動産所得税
  • 固定資産税

こちらは不動産を受け取った側にしかからず、双方で分担して納税するという決まりもありません。

ケースによっては贈与税・所得税がかかる

不動産の価値は一定ではなく、経済情勢や周辺環境の変化によって変わる可能性があります。

例えば、共同で購入した不動産が好況の煽りを受けてどんどん価値が上昇している場合は、実質的な贈与と見なされる可能性があります。

また、不動産の価値があまりに高い場合も、贈与と見なされる傾向にあります。

不動産は売却してから財産分与をした方が良い理由

不動産の財産分与は、建物を残したまま分割する方法(片方が物件を取得し、その価値の50%に相当する金額を支払う)と、建物を売って得た代金を分割する方法があります。

この2通りの方法のうち、不動産を売ってから財産分与をする方がメリットは大きい傾向にあります。

その理由をここから紹介します。

売却をする方が分割できる金額を大きくできる

物件を残して財産分与をおこなう場合、固定資産税評価額や不動産会社の査定額を参考にして金額を割り出し、それを基準にします。

この金額も時価(実勢価格)と言いますが、これは売却で得る金額(成約価格)とは必ずしもイコールではありません。

例えば築年数が古い、敷地が広すぎるなどの要因でマイナス評価を受けた不動産を売らない場合、そこで評価額は確定します。

ただ、実際に売却するとなった場合、売り出し価格は売主の意思で査定額よりも高く設定することが可能です。

その後、掃除をして第一印象をアップしたり、マイナス評価を受けた部分を気にしない買主が現れたりしたら、そのまま査定額以上の金額で売れてしまいます。

財産分与の段階で価値がないと思われていた不動産でも、高く売ってくれる業者に頼めば金額をアップすることができるのです。

ただ、査定額より高く売り出すと“割高物件”というイメージを持たれ、売れ残る可能性も増えてしまうので一括査定サイトを使って複数の業者をよく吟味する必要があります。

物件・ローンを残さないことでその後のトラブルを避ける

ローン付きの物件を片方が所有することになった場合、その人がローンを返済し続けることが前提になります。

もしその人がローンの返済を放棄したなら、離婚後でも元配偶者が肩代わりしなければいけません。

物件・ローンを残しておくことでこのようなトラブルがいつ起こるか分かりません。

売却をしてトラブルの元をなくし、気持ちよく新生活をスタートさせたほうがお互いのためになります。

財産分与では不動産をどうするか優先的に考えよう

前述の通り、夫婦の共有資産に占める割合は、不動産が最も大きいです。

これをどうするか優先的に考えることで、トラブルを減らすことができます。

不動産は様々な専門家が絡むものなので、売却するにしても時間がかかります。

早めに方針を決めて、早めの対応をしていくようにしましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連する他の記事

銀座の不動産を売る!不動産相場と査定・売却におすすめの会社紹介!
銀座はブランド力の高いエリアですが、近年は地価相場が減少し、仲介売却などはあまり多くありません。そ…
不動産価値と築年数の関係を解説!築20年と10年の売却価格はいくら違う?
不動産価値は、築年数に応じて大きく低下します。特に一戸建ては築20年をこえると価値がゼロになります。…
不動産売却で代理人を立てる方法!未成年も代理人がいれば家を売れる?
不動産売却で代理人をとることは頻繁にあります。しかし、一般的な方法とはいえリスクが伴うので注意をし…

おすすめ・特集記事!

不動産一括査定サイト33社を比較!2020年おすすめランキング
不動産査定サイトのメリットとしては、複数業者に査定依頼できる、無料でネットから申し込める事の他にも…
【2020年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較!信頼できるのはどこ?
不動産会社ランキングの決定版!総合売上、売却仲介実績、過去の利用者の口コミ・評判からおすすめの不動…