TOP > 不動産売却の基礎知識 > 不動産売却で損失が発生したら税金に注意!繰越控除特例で節税しよう

不動産売却で損失が発生したら税金に注意!繰越控除特例で節税しよう

このエントリーをはてなブックマークに追加
不動産の模型を持って相談する女性

不動産売却は、利益がマイナスになってしまうことも多々あります。

そもそも不動産は築年数が一定の年数を超えると価値がなくなってしまう、仲介手数料をはじめとする費用が100万円前後はかかってしまうということを考慮すると損失が出てしまう事態は十分に想定できますが、不動産という高額資産を売るというイメージ上、損失が出た場合を予測しておらず、対応が後手に回ってしまう人が多いです。

今回は、不動産で損失が出てしまった場合の対処法について解説します。

不動産売却では損失が出るのが一般的

ここまで不動産売却でマイナスになるケースを紹介しましたが、そもそも不動産取引に限らず、ものを売る場合は新品購入時の費用よりも中古売却時の利益の方が安くなるのが普通です。

たとえば2020年に控えている東京オリンピックのような大イベントが近づくにつれて、新築時の価値を追い越してしまうということも少なからずありますが、一般的ではありません。

2022年問題で不動産価格の今後の推移はどうなる?

そのため、紹介した例も全くもって一般的なシチュエーションではあるのですが、このときに重要なのがローンの残債です。

上記の例のように、マイナスになるとローンを返せなくなる可能性が高くなるので注意をしましょう。

不動産の住み替えはローン残債が生まれやすい

ただ、不動産の住み替えで損をしてしまう理由は、単に相場が上がったからではありません。

家に価値がつくのは築20年までといわれており、築10年前後が売却するのに最も良い時期だといわれています。

しかし、住宅ローンはこうした期間よりも長く組むことが多いので、売るときは残債が残ってしまいがちです。

ローン残債は不動産の引き渡しまでに完済する必要がありますが、残額が大きければ売却代金を完済にあてるのに精一杯で、引っ越し費用や新居購入費が捻出できない可能性もあります。

ほとんどの場合で損失が出るなら不動産売却しないべき?

ただ、不動産売却はマイナスになることがほとんどだといっても、売るメリットは多数存在します。

そもそも、不動産売却は利益を得ることを大きな目的としている方もいますが、国に処分を依頼するのと同じく、有効な処理の方法だと見なす人も多いです。

利用しなくなった不動産は、価値も落ち、税金や維持費が延々とかかってしまうので、持っているのが損です。

日本ではそれでも先祖に対する思いなどから相続していくのが一般的でしたが、現在では地縁・血縁が薄れてきたこともあり、売却をする方が多数存在します。

つまり、税金や維持費などの煩わしい費用を支払うくらいなら、不動産を処分してしまえば良い。その上、お金が入るのであれば尚良い、といった考え方と言えばよいでしょうか。

不動産売却で損失が出たときは損益通算と税金控除を受けるべし

不動産売却で利益が出ると、譲渡税が課されます。

不動産売却後も税金が!譲渡所得税の仕組みと注意点

一方、購入額が売却額を上回る場合は、「譲渡損失」と見なされます。

不動産の売却損は非常にコストが大きいため、譲渡税が課されないだけでなく、他の所得と相殺して減税をすることもできます。

これを損益通算と呼びます。

加えて、所得と相殺しても通算できないほど損失が大きい場合は、翌年以降の所得からも繰り越して税金を差し引けます。

これが繰越控除です。

繰越控除を使えば売った年の翌年から最長3年分の所得まで繰り越せるため、売った年から数えて最長4年の所得税・住民税を0にすることも可能です。

税金控除は住宅ローンと併用できる

この特例は、自宅を売却した前年、前々年に以下の特例を利用していると、使うことができません。

  1. 所有期間10年超の軽減税率特例
  2. 3000万円の特別控除

不動産売却は3000万円控除を利用すべし!
不動産売却でかかる税金は5年で大きく変化する!

ただ、この特例と住宅ローン控除は併用することができます。

上で紹介したマンションの例に当てはめると、4年めに税金が発生した年から住宅ローン控除が利用できます。

ただ、ここまでの満3年はすでに消化したと見なされるので、例えば10年の住宅ローン控除を受けた場合は適用は7年間となります。

不動産を買い換えるときの住宅ローン活用方法

買い替え時に損失が発生したときに使える繰越控除を紹介

譲渡損失の繰越控除には2タイプがあり、まず一つ目が自宅の買い替えで売却損が出たときに利用できるタイプです。

近年では自宅を売る理由の50%弱が「より良い住まいへの引っ越し費用にするため」と回答しているので、この控除を使うケースが圧倒的に多いと思います。

このケースで使える控除は「マイホームの買換えの場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」というものです。

どういうものなのか、利用条件と内容を詳しく解説していきます。

買換え時の控除利用条件

買換え時に使える控除の利用条件は以下の通りです。

  1. 所有期間5年超の自宅を売った
  2. 自宅の敷地面積が500㎡以内の部分まで適用
  3. 合計所得金額が3000万円以内

さらに、買換え先の新居にも以下の条件があります。

  1. 旧宅売却の年の前年1月1日から翌年12月31日までに取得
  2. 取得した翌年の12月31日までに入居見込み
  3. 床面積が50㎡以上
  4. 返済期間10年以上の住宅ローンを借りている

上記の条件を全て満たしている場合のみ、買い替え控除を利用することができます。

繰越控除の具体例

例えば、所得が年500万円の人が家を買い換えて、2500万円の譲渡損失が発生したとします。

この場合、控除は年々以下のように段階的におこなわれます。

売却してからの時間 所得 控除した結果
売却した当年 500万円 2500万-500万=2000万円→課税0
2年目 500万円 2000万-500万=1500万円→課税0
3年目 500万円 1500万円-500万=1000万円→課税0
4年目 500万円 1000万-500万=500万円→課税:500万円

結果的に、給与の4年分の税金を節税することができました。

買い替え以外で損失が出たときは繰越控除特例を使おう

不動産売却の手続きとして良く紹介されるものの中には、利益が出ることを前提にしている手続きもあります。

その中の1つが確定申告です。

不動産売却に必要な確定申告の流れと内容

確定申告は課税の対象となるような所得を申告するものなので、利益(所得)がないならば申告をする必要はありません。

ただ、場合によっては結果がマイナスになっても確定申告をした方が良いです。

不動産売却で損失が出たときは確定申告して特例を受けるべし

そのケースとは、繰越控除の特例を受ける場合です。

この特例を利用すると不動産売却でマイナスになった分を最大3年間他の所得から控除できる、繰り越しができるというメリットがあります。

これをするとどうなるのか。あるケースを例にして解説しましょう。

10年前に合計4,000万円で購入した不動産を2,500万円で売った場合、購入費が利益を下回るのでマイナスと見なされます。

良くある間違いですが、目標額に至るか至らないかがプラス・マイナスではないので注意しましょう。

住宅ローンの残債によって控除額は変化

このとき、住宅ローンが残っていると抵当権が付きっぱなしになってしまうので、遅くても売却時には完済する必要があります。

繰越控除は完済を支援するものなので、損益通算と控除の対象になる金額は、住宅ローンの残高から売却価格を差し引いた金額となります。

例えば、以下のマンションを例に考えていきましょう。

取得費+譲渡費用2000万円
売却価格1500万円
住宅ローン残高 1700万円

通常、この場合の売却損は2000万円-1500万円=500万円だが、控除の対象となるのはローン残高と売却価格の差額:200万円となります。

この控除は売り手にとっても嬉しい内容ですが、買い手にとっても大きなメリットがあります。

なぜなら、住宅ローンを返済できなかった場合は契約解除となってしまうからです。

そこだけで考えれば買い手に落ち度がないように思えますが、もし買い手が住み替えを考えていた場合は、購入の方が契約解除となってしまったので、今度は売却を自発的にキャンセルしなければなりません。

こうした連鎖を防ぐためにも、繰越控除利用は有効なのです。

損失を避けるには不動産を高く売却すべし

当たり前のことですが、不動産売却をマイナスに終わらせないようにするためには高額で売るのが一番です。

誰にでもわかる理屈ですが、中にはそれよりもローンの支払いや節税などに力を入れてしまう方も存在します。

ただ、こうした節税が上手くいったとしても安く抑えられるのは数十万円が関の山といったところでしょうが、不動産は同じものでも売り方によって300万円前後は価格が変化するので、節税よりも売却を重視するほうが効率は良いのです。

一括不動産査定を利用しよう!

売却利益を高める方法として最も手っ取り早く効果的なのが、一括査定サイトを使うことです。

これは複数業者に査定を依頼するサービスで、算出額を比較することによって、どこに仲介をしてもらうと利益が出やすいかを調べることもできます。

ポータルサイトの登場により新しい情報が重視されるようになったため、最初の売り出し額が適切かどうかが結果に直結するようになりました。

査定時からしっかり準備をしておくことで、今は利益が出やすくなりますよ!

高望みせず損失を避ける方法もある

築年数が経った不動産を新築と同じくらいの高値で売るのは非常に難しいです。

それにも関わらず、古家に高い売り出し価格をつければ、なかなか物件が売れず、期間が伸びる分だけ価格は値下がりしていきます。

こうした見積もりの甘い売り出しは最終的に売り手が損をしますし、新居購入の計画なども再検討が必要になってしまいます。

物件の価値を客観的に評価し、現実的な範囲で住み替えやローン返済を計画していくことが何よりも大切です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連する他の記事

任意売却のメリット・デメリットとおすすめ業者ランキング
家の住宅ローンが完済されていない場合でも売却できる方法を、任意売却といいます。競売にくらべ売却額も…
売買前に知りたい!土地の分譲のメリット・デメリット
分譲された土地は、区画が整理されているといったメリットがあります。隣との距離が近い分、買い手は近所…
家を売却するなら掃除が重要!ポイントと注意点 
家を高額で売却するためには、掃除をおこなうことが重要です。商品価値を高めるだけではなく、業者、購入…
マンションを売る方法!手続きの流れと費用・税金・手数料を節約するコツ
マンションを売却する場合は、売り出しから成約にいたるまで、苦労が絶えません。その分利益も大きいので…

おすすめ・特集記事!

【2018年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較
不動産会社ランキングの決定版!総合売上、売却仲介実績、過去の利用者の口コミ・評判からおすすめの不動…
不動産一括査定サイト33社を比較!2018年おすすめランキング
不動産査定サイトのメリットとしては、複数業者に査定依頼できる、無料でネットから申し込める事の他にも…