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不動産売却では瑕疵担保責任の理解・対策が必要!責任の内容・免責特約について解説

【更新日】2024-01-16
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不動産売却の瑕疵担保責任
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不動産売却をする時は、自分のいらない物件を処分できて、お金になれば良いといった程度の認識で手続きを進める方もいます。

しかし実際には、不動産売却で大損をするリスクだってあります。特に中古売買においては瑕疵担保責任の内容把握と対策が重要になります。

この記事では、瑕疵担保責任とはそもそも何か、どんな対策が有効かについて詳しく解説していきます。

不動産を売るには?不動産を売るなら最低限知っておきたい基本知識

瑕疵担保責任とは不動産の欠陥に対する責任のこと

瑕疵というのは、不動産の欠陥を指します。

中古の不動産売買での瑕疵担保責任は、「欠陥が見つかった時の責任は売主・買主のどちらにあるか」という内容で語られることが多いです。

原則、不動産を売買して持ち主が替わった時点で、責任の所在も売主から買主へと移ります。

しかし、購入時に気付かなかったシロアリ、雨漏りなどの欠陥が見つかった場合は、全て買主が負担しないといけないのでしょうか?それは不自然ですよね。

瑕疵担保責任は物件の所有権とは異なり、引き渡し後数か月間は売主に負われることが多いです。

故意に瑕疵を隠した場合は賠償責任が生じる

瑕疵担保期間中に物件の欠陥が見つかった場合、まずその瑕疵を売主がわざと隠したかどうかが問われます。

わざと隠して売った場合は、売買そのものが不成立になったり、詐欺罪に問われたりする可能性もあります。

瑕疵物件の売却!訳あり物件の理由別価格相場と売るときの注意点を解説

不動産の瑕疵は大きく分けて4種類

不動産の瑕疵に当てはまるのは、何も物件の傷・凹みといった欠陥だけではありません。

瑕疵に問われる欠陥は幅広く、大きく4つの性質に分けることができます。

物理的な欠陥

シロアリ被害や水漏れ、雨漏り、弱い耐震性や構造上の欠陥など、建物そのものに欠陥がある場合はもちろん瑕疵と扱われます。

これらに関しては、売主なら比較的気付きやすい内容でしょう。

法律的な瑕疵

建築基準法は年々変更されていますが、物件はその都度改修する訳ではありません。

現行の法律では再建築できない、建築制限をオーバーしているといったリスクを知らずに売買すると、瑕疵に問われる可能性があります。

心理的な瑕疵

売った物件の中で自殺・殺人が起きた、隣に新興宗教の施設や暴力団事務所があるなど、直接的な欠陥ではなくても、その物件に「新しく入居する人の安定した生活を阻害する」要素があるケースもあります。

上記のような情報を隠して取引をした場合も、瑕疵に問われる可能性が高いです。

環境的な瑕疵

前述のように、周囲に警戒すべき施設・団体がある他、騒音・振動が生活を阻害するレベルの時も、瑕疵に問われる可能性があります。

ただ、周辺環境は売主がどうこうできることではないので、担保責任まで負わされるかというと微妙なところです。

ケースによるというのが正直なところでしょう。

瑕疵担保責任は不動産売却から原則2~3か月ほど

法律で規定されている瑕疵担保責任は最大10年間と設定されています。

ただ、実際の中古売買では売主の瑕疵担保責任は引き渡しから2~3か月で設定されているのが一般的です。

契約不適合責任とは?売主が不利になる?瑕疵担保責任との違い・契約時の注意点をわかりやすく解説

不動産売却で瑕疵担保責任に問われない方法

不動産売却が完了してほっと一息ついている間もなく、瑕疵担保責任に問われるケースがあります。

物件引き渡し後に賠償責任が発生するのはかなりのダメージを受けるので、出来れば事前に対策を取っておきたいところです。

ここからは、瑕疵担保責任の具体的な対策法を紹介します。

気付いたところは全て言う

故意に隠した訳でないのに瑕疵担保責任に問われる方は、自分で「この欠陥は瑕疵には当てはまらない」と判断してしまった可能性があります。

不動産売却は専門的な知識が必要なこと、大きなお金が動くことを考えると、リスクは出来るだけ少なく抑えるべきです。

欠陥かどうか分からない部分は全て不動産会社に伝えましょう。

徹底的に物件のチェックをしてもらう

仲介業者に事前に物件のチェックをしてもらい、100%瑕疵がないというお墨付きをもらいましょう。

100%瑕疵がないと言われることで、言い方は悪いですがもしもの時は仲介業者の責任になります。

ちゃんと検査してくれない、断定してくれない場合はプロとして信用できないので、契約をおすすめしません。

売買契約で必ず瑕疵担保責任の取り決めをおこなう必要がある

瑕疵担保責任に関しては、故意に知っていたか、知らなかったなどの線引きが曖昧で、なかなか判断が難しい部分でもあります。

だからこそ、売買契約時に売主と買主の話し合いのもと、柔軟に契約内容や条件を設定することが認められているのです。

瑕疵担保責任の内容に関しても話し合いで進めることが出来るので、しっかりと話し合うことをおすすめします。

契約時に話し合いたい瑕疵担保責任の3つのポイント

契約時には、以下の3つの項目を規定するようにしましょう。

  • そもそも瑕疵担保責任は必要か(免除でも良いか)
  • どこからどこまでを瑕疵担保責任に含むか
  • いつまでを瑕疵担保責任期間とするか

この3点を確実に規定しておき、かつ契約書に盛り込むことで売主にとって有利な契約が結べますし、後のトラブルも抑えることができます。

話し合いをおこなわないのは売主の一方的な不利になる

話し合いを特におこなわない場合は、法律で定められた基本的な瑕疵担保責任の内容がそのまま適用されることになります。

そうなると、買主が瑕疵を見つけてから1年間も行使の猶予を持てるなど、売主にとって不利な内容で契約させられるようになります。

買主優位の中古不動産取引でこちらから条件を言うのに抵抗のある方も少なくないでしょうが、逆に取引の条件を優位にしたいのであれば、瑕疵担保責任を交渉材料にすることもできます。

何もせず、何の規定もないまま話を進めるのが最も危険なので注意しましょう。

瑕疵担保責任を交渉材料に使って不動産を高額売却することも可能

瑕疵担保責任の存在は売主にとってプレッシャーになりますが、実際のところは何でもかんでも賠償請求につながる訳ではありません。

逆に瑕疵担保責任の条件を買主有利にする代わりに、本来は売主が負担することの多い固定資産税や管理費などの半金の支払いを買主へ自然に要請することもできます。

それ以外にも、交渉時にはあらゆるものが交渉材料となります。

賢く活用して、売主の有利な方向にもっていくことが、不動産売却成功のカギになります。

瑕疵担保責任については不動産売却前に気にしすぎるのはNG

瑕疵担保責任が生じたらどうしようと考えすぎて、売る前に物件を何度も隅から隅まで確認するといった対応は不要とは言えませんが、そこまで神経質になりすぎるのも良くありません。

瑕疵担保責任は基本的に、居住者にもわかるような箇所が議論になるよりも、構造や耐震性といった専門家がキチンと調べて初めて分かることが、責任の対象になるケースのほうがずっと多いです。

そのため、素人が目視で調査をしても100%防止できないということは、肝に銘じておくべきでしょう。

それでも気になるのであれば、インスペクションなどの検査を事前に依頼することをおすすめします。

瑕疵担保責任の保証・保険は幅広く提供されている

大手仲介業者の多くは、瑕疵担保責任が発生した時に売主に対してお金を交付するような保証サービスを提供しています。

あなたと契約しているのが大手業者ではない場合も、別途で瑕疵担保責任に関する保険というものが提供されているので、こちらを利用することもできます。

このように、瑕疵担保責任に関する保証・保険は幅広く提供されており、利用することでリスクを事前に防ぐことができます。

瑕疵担保責任の重みは個人と法人で異なる?

瑕疵担保責任の重みは売主が個人か法人・事業主かによっても大きく異なります。

個人の場合は免責も可能ですが、法人や事業主の場合はより公的な責任をもって不動産を提供しなければいけないことになっているので、個人よりも厳しく瑕疵担保責任を問われます。

特に不動産会社の場合は不動産がメインの商品になる訳ですから、強く責任が問われるだけでなく、欠陥の発見は会社全体の評判にもつながることを認識しなければいけません。

瑕疵担保責任の免責特約は条件付きで利用できる

個人が不動産を売却する際は、瑕疵担保責任を免責にすることができます。

しかし、免責特約を利用するには、売主が買主に現状知りうるリスクを全て共有していることが条件になります。

瑕疵担保責任の免責特約を必ず利用すべき理由

瑕疵担保責任の免責特約は、たとえ自分の物件に少しの欠陥がないと思っている方でも必ず利用すべきです。

瑕疵担保責任に問われるのは物理的な欠陥だけでなく、室内で過去に自殺・殺人があった、過度の騒音がする、近くに危険な施設があるといった心理的な欠陥もあります。

こうしたデメリットを欠陥とみなすかどうかに関しては売主の主観による部分も大きく、あなたが大したことないと思っている出来事が新しい入居者にとっては大問題の可能性だってあります。

実はこうした心理的欠陥のほうが瑕疵担保責任に問われやすい部分もあるので、検査をしっかりやっていたとしても、必ず免責特約は結ぶべきです。

不動産売却は「そのままでOK」な訳ではない

不動産売却の時はリフォームなどは不要で、原則そのまま売れるというルールになっています。

ただ、これは瑕疵があってもOKという意味ではありません。

売買契約書に「現状有姿」などと書かれていても瑕疵担保責任には問われるので注意しましょう。

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