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住宅ローン控除(減税)の基本的な内容と計算方法を初心者にも分かりやすく解説!

【更新日】2020-05-22
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住宅ローン控除

住み替えでマイホーム購入を検討している方が必ずチェックしておきたい制度が住宅ローン控除です。

住宅ローン控除を利用することでローンの支払いがお得になるため、活用しない手はありません。

ただ、そのためには住宅ローン控除の利用条件やどれくらい控除されるのかを事前に知っておく必要があります。

そこで今回は、住宅ローン控除の内容と、利用時のローンの計算方法を初心者にも分かりやすく解説していきます!

住宅ローン控除とは?詳しい内容を分かりやすく紹介

住宅ローン控除の正式名称は、住宅借入金特別控除と言います。

住宅ローンを組むケースは店舗・事務所などの事業所を購入する場合や、投資用マンションを購入する場合など様々ありますが、住宅ローン控除の場合は主に居住用物件(マイホーム)をローンで購入した場合に、一定割合の金額が所得税から控除される制度になります。

今の住まいを引っ越しで新居を購入する際に、住宅ローン控除を利用して経済的な負担を抑えることができます。

住宅ローン控除という名前からしてローンの返済額が引かれるように思えますが、そうではなく所得税が引かれるということに注意しましょう。

控除された所得税はどうなるの?

ローンや税金の初期コストを抑える制度は大きく分けて2つあり、1つが支払いを減額(減税)する制度で、もう1つが支払いを繰り延べる制度になります。

支払いを繰り延べる制度も初期費用はお得になりますが、後々同じ金額を支払う必要があるので、トータルでお得という訳ではありません。

住宅ローン控除の「控除」は減税と同じ意味になるので、ローン残高に応じて所得税が差し引かれ、還付されるようになります。

住宅ローン控除は古い制度で、実情に応じて内容が都度修正されているので、最新の控除制度を知っておかなければいけません。

住宅ローン控除の最新制度の特徴

2020年現行の住宅ローン控除制度は、令和3年(2021年)12月31日までに入居した場合、10年間控除が受けられる仕組みになっています。

また現在は消費税率が10%に増税されたのを考慮して、令和元年(2019年)10月1日~令和2年(2020年)12月31日の間に税率10%が適用された物件購入で新居を取得した場合は、控除期間が3年間延長されることになりました。

各年の控除限度額は最大40万円ですが、長期優良住宅など特定の条件※をクリアして優良住宅と認定されている場合は最大50万円が控除の上限額となります。

※住宅ローン控除の上限額が最大50万円となる認定
  • 一般住宅
  • 長期優良住宅
  • 低炭素住宅
  • バリアフリー改修促進税制
  • 省エネ改修促進税制
  • 三世代同居対応改修税制

住宅ローン控除の対象になる住宅の内容と適用条件

住宅ローン控除はどんな住宅でも利用できる訳ではありません。

また、新居が新築か中古かによっても適用条件は変わってきます。

また、増築・リフォームでも住宅ローン控除を利用することはできますが、この際も住宅ローン控除の適用条件は変わります。

住宅ローン控除を受ける際の2つの前提条件

住宅ローン控除の適用条件は住宅の状況によっても異なりますが、どの項目でも以下2つの条件をクリアしておく必要があります。

  1. 合計所得が3,000万円以下
  2. 住宅ローンの返済期間が10年

その他の項目は、それぞれ異なってきます。

新築住宅の住宅ローン控除の適用条件

新築住宅の住宅ローン控除は、以下の3つが条件となります。

  • 新築・取得日から6か月以内に入居
  • 床面積が50㎡以上
  • 床面積の50%以上が居住用である

床面積に関しては登記簿に記載されている面積が判断基準になるので、実際の面積と異なる可能性があります。十分注意しましょう。

新築取得時に契約書に記載されている床面積も、登記していなければ必ずしも登記簿の数字とイコールではありません。

また、特に注意したいのが新築マンションを購入した場合です。

内法と壁心

登記簿に記載される面積は内法で記載されますが、資料では壁心で記載されます。

そのため、登記簿上のマンションの床面積は資料で見るよりも狭くなるのが一般的です。

住宅ローン控除の利用を検討している方は、事前に内法を調べておきましょう。

中古住宅の住宅ローン控除の適用条件

中古住宅の住宅ローン控除の適用条件は、前述の共通条件の他に以下の条件を満たす必要があります。

  • 取得時点で築25年以内である【耐火建築物】
  • 取得時点で築20年以内であり、一定の耐震基準をクリアしている※【耐火建築物以外】
  • 生計を一にする親族以外からの購入である
  • 贈与された中古住宅ではない

※一定の耐震基準をクリアしているとみなされるには、以下の条件を最低一つクリアしている必要があります。

  • 耐震基準的業証明書を取得している
  • 住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得している
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入している

中古のリノベーション物件などでも、上記の基準を満たしていれば住宅ローン控除を受けることができます。

増築・リフォーム時の住宅ローン控除の適用条件

増築、リフォームのように新たに物件を取得しない場合でも、新築住宅の適用条件+下記の条件を満たしていれば住宅ローン控除を受けることが出来ます。

  • 自己が所有・居住する住宅のリフォームである
  • 一定以上の目的・規模の修繕である
  • 100万円以上の工事費用を要する
  • 居住部分のリフォーム費用が全体の50%以下である【店舗併設住宅など】

この場合、あくまで対象は本人が今住んでいる物件となります。

また、住宅ローン控除を受けられる工事の内容も、耐震基準の向上、バリアフリー化、省エネ化と目的が定められています。

控除の対象にならない住宅ローンの条件

住宅ローンと一口にいっても金融機関・ローン商品が違えば全く違う商品の内容になります。

そのため、全ての住宅ローンが控除の対象になる訳ではありません。

借入先によって控除できない可能性もあるので、じゅうぶん注意しましょう。

借入先が特殊な場合は住宅ローン控除が受けられない

住宅ローン控除の受けられる条件として、第一に債権者である金融機関などが一定の規模や評価を受けていることが挙げられます。

  • 民間金融機関
  • 独立行政法人
  • 地方公共団体
  • 公務員共済組合
  • その他の法人
  • 勤務先

住宅ローン控除を受けられる金利条件

民間の銀行から住宅ローンを借りる際は、原則金利が何%でも控除の対象になります。

しかし、給与所得者が事業主団体から借入をおこなう場合、または利子の補助を受ける場合は、金利が年0.2%を下回る場合に住宅ローン控除の対象外となります。

親族・相続人から受け継ぐ住宅ローンは控除の対象外

相続時などにもともと残っていた住宅ローンの返済を受け継ぐ場合は、住宅ローン控除の対象外になります。

また、個人的な親族等からの借入の場合、住宅目的であったとしても控除の対象にはなりません。

住宅ローン控除の計算方法

住宅ローン控除を利用すると、返済期間の10年間は年末時のローン残高の1%分の所得税減税がおこなわれます。

ただ、控除後に重要な還付の金額に関しては、各人の納税額や住宅の購入額、条件によって変わってきます。

条件をおさらいすると、住宅ローン控除で戻ってくる金額は、以下の通りです。

認定住宅 認定住宅以外
戻ってくる金額(各年) 最大50万円最大40万円
戻ってくる金額(10年) 500万円 最大400万円

この最大控除額を受け取るためには、以下の2点を満たしている必要があります。

  • ローン残高が10年間の各年の年末時に4000万円を超えている
  • 年間の所得税+住民税が40万円超

こちらのポイントを抑えたら、次に計算方法を紹介していきます。

年末の住宅ローン残高に控除率1%をかけて計算する

住宅ローンの控除額を計算する方法は簡単で、以下の式に当てはめるだけです。

・住宅ローンの年末残高×控除率1%

例えば年末のローン残高が4,000万円の場合、控除可能な金額は最大40万円となります。

ここで注意したいのが、上記の計算式と最大控除額40万円を比較して、小さいほうが適用されるということです。

例えば残高が5,000万円(控除額50万円)の場合は、最大控除額の40万円が適用されます。

一方で残高が3,000万円(控除額30万円)の場合は、そのまま30万円が適用されます。

ただ、注意してほしいのはここで算出した金額がそのまま戻ってくる訳ではないという点です。

控除期間が13年の場合の最大控除額も40万円

前述のとおり、消費税10%で2020年12月31日までに住まいを購入した場合は、住宅ローン控除の期間が13年に延長されます。

今回延長された11~13年目は10年目までと同じレベルの控除を受けられないのではないか?と心配する方も多いですが、最後まで最大40万円が適用されます。

住宅ローン控除でいくら戻ってくるか計算シミュレーション

住宅ローン控除で戻ってくる対象は実際に納付した税金になります。

そのため、納税額以上の金額は戻ってきません。

戻ってくる対象は所得税+住民税で納めた金額になりますが、住民税にのみ戻る上限が13万6,500円と定められています。

※物件取得時に消費税の減免がおこなわれた場合、上限は9万7,500円となる。

例えば、住宅ローン最大控除額が40万円で、所得税が6万円、住民税が15万円となります。

この時、所得税6万円+住民税13万6,500円=19万6,500円が戻ってくることになります。

次に、住宅ローンの年末残高が1,500万円(最大控除額15万円)の場合は、最大控除額以上の税金は戻ってこないので、最大15万円が戻ってくることになります。

住宅ローン控除を受ける手続き・必要書類を解説

住宅ローン控除は、何もしなくても勝手に受けられる訳ではありません。

利用するためには新居に入居した翌年1月1日に確定申告の中の「還付申告」を実施する必要があります。

確定申告では、書類を記入した上で管轄の税務署に提出する必要があります。

記入をする書類は、国税庁の公式HPからダウンロードすることができます。

住宅ローン控除を受ける際は、以下の書類を取得します。

  • 確定申告書(A様式)
  • 特定増改築等住宅借入金等特別控除申告書
  • 源泉徴収票
  • 住民票(コピー)
  • 住宅ローンの年末残高証明書
  • 売買契約書・工事請負契約書(コピー)
  • 登記事項証明書

会社員・公務員は確定申告を実施した経験がほとんどないと思われるので、記入方法はお早目に管轄の税務署へ確認することをおすすめします。

その他、本人確認書が提出時に必要になる他、優良住宅などの認定を受けるためには、そちらの証明書のコピーも必要になります。

住宅ローン控除を利用する際の注意点

繰り上げ返済の金額によっては住宅ローン控除が受けられない

住宅ローンの繰り上げ返済は元金をダイレクトに減らすことができるので、トータルの利息を減らし、早めに完済したい方におすすめです。

ただ、繰り上げ返済によって住宅ローンの返済期間が10年を切った場合、住宅ローン控除が受けられないことになります。

金融機関も繰り上げ返済は得しかないと手放しですすめる事例が多いですが、場合によっては繰り上げ返済をせずに住宅ローン控除を受けたほうが良いケースもあるので注意しましょう。

売却を伴う住み替えの場合は3,000万円特別控除と併用不可

以前の住まいを売って新居を購入した場合、住まいの売却に伴って譲渡所得税が発生するケースがあります。

課税額が高額になりがちですが、条件を満たしていれば最大3,000万円まで控除できる特別制度があります。

しかし、この3,000万円特別控除と住宅ローン控除を併用することは出来ません。

そのため、売却を伴う住み替えではどちらの控除を利用するのがお得なのかをしっかり見極める必要があります。

住宅ローン控除の特殊な条件も把握しておこう

住宅ローン控除の利用条件や計算方法はここまで紹介した通りですが、本人が不慮の事故や病にかかった場合には、柔軟に条件を変更してくれる可能性があります。

その他、新居購入後すぐに転勤などを通告され、入居できなかった場合でも住宅ローン控除が受けられるように制度変更されています。

このように、特定の事態が起きても相談してみると意外と住宅ローン控除が適用されるということはあるので、早めに税務署などへ問い合わせることをおすすめします。

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