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不動産を認知症の親に代わって売却する方法!代理人が認められないケースもある?

【更新日】2018-07-18
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家を持つ家族

以前までは、不動産は代々子どもが相続するものという考え方が一般的でした。

ただ最近では地方から都会に出てくる若者が増えており、相続をしても有効活用できないケースが多くなっています。

こうした場合、不動産を築年数が経たないうちに売却してしまうのが、無駄な税金を払うことなく代金を得ることができておすすめです。

不動産価値と築年数の関係を種類別に解説

ただ、親が認知症を患っているなど、物件の所有者に手続きをおこなう力がなく、意思を確認することもできない場合があるので、注意しましょう。

【実家売却のコツ】親の死後に相続した空き家の実家を売るかで揉めた友人の話

親が認知症になってしまったときは不動産売却できる?

親が認知症を患ってしまって介護施設に入所するといった場合は、空き家を所有していても管理が大変になってしまうので売却するのをおすすめします。

ただ、基本的に登記簿に名義が記載されている本人の意思がなければ不動産売却は実行できません。

そのため、所有者の意思が確認できないというのは大きな問題です。

こうした場合は成年後見制度を利用することで、本人に代わり子どもが手続きをおこなうことができます。

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成年後見制度とは

この成年後見制度とは、認知症や障害により判断力が十分ではないと見なされた成人にとって代わり、後見人が財産の管理やさまざまな契約をおこなうというものです。

後見人になるには条件があり、以下のような方でなければ制度を利用できません。

  • 家族・親族
  • 弁護士
  • 司法書士
  • 社会福祉士
  • 法人

信頼のおける友人などは後見人になることはできないので気をつけましょう。

不動産所有者の意思が確認できないのに売ってもいいの?

これに関しては、簡単に結論付けられるものではありません。

親が認知症にかかる前に、不動産売却に反対する内容の文言が残っていれば話は別ですが、本人の意思が確認できなくなってしまったならばどうすることもできません。

この場合、家庭裁判所が申し出を許可してくれさえすれば売却は可能と考えて良いでしょう。

不動産の売り方・目標価格は代理人に委ねられる

不動産売却では、代理人はただ単に「本人の意思に沿って動く人」というだけではありません。

こちらはどちらかというと使者と呼ばれる人達のことで、代理人は「自らの意思で判断する人」という意味も含まれます。

特に所有者本人が認知症になってしまっている場合は特に代理人の判断が重要となります。自分の自由に売れるのは大きなメリットですが、その分責任も生じるので注意しましょう。

認知症の親に代わって不動産売却をするときの流れ

成年後見制度を利用して不動産売却をおこなう場合は、流れや期間が通常と大きく異なります。

この場合の基本的な流れは、以下の通りです。

  1. 審判申し立て
  2. 本人の意思能力を確認
  3. 後見人の選定
  4. 査定・媒介契約
  5. 売買契約
  6. 家庭裁判所の許可を得る
  7. 決済・引き渡し

媒介契約から物件の引き渡しまでの流れは同じですが、後見人が手続きをおこなう分、法的に認められるかどうかを逐一確認しなければいけません。

また、一つ一つの手続きに条件が組み込まれているので、しっかり確認しておきましょう。

1.審判申し立て

審判申し立ては、物件の所有者が住んでいる(住民票が登録されている)地域の家庭裁判所に出向き、後見人制度を利用することを申し立てます。

これを受けた家庭裁判所は、果たして制度を利用する資格があるのかを審判していきます。

家庭裁判所は数が少なく、東京でも八丈島、伊豆大島の出張所を除けば立川に一件しかありません。

アクセスにかかる時間もしっかりと計算しておきましょう。

2.本人の意思能力を確認

家庭裁判所で審判申し立てをすると、医師が不動産所有者のもとへ派遣されます。

医師は所有者が患っている認知症の状態や判断能力の有無を診察します。

本人では不動産売却の手続きや契約ができないと診察されれば、後見人制度を利用することができます。

3.後見人の選定

診察が終わると、後見人を選定します。

親の後見人は子どもがおこなうというのが自然ではありますが、離れて暮らしている場合は不便なので、近くに住む親族に任せるというのも1つの手です。

ただ、この場合も4親等以内でなければならないという決まりがあるなど、厳しい条件があるので注意が必要です。

3.査定・媒介契約

審判申し立てから後見人の選定まで3~4ヶ月かかるといわれています。

これらの手続きが終わると、やっと通常の不動産売却と同様に査定・媒介契約をおこないます。

この時、委任状を業者に提出するようになります。

不動産売却で委任状を作成する際の書き方と基本構成・注意点

査定を依頼する前に相談の時間を設けている業者が多いので、このタイミングで後見人である旨や細かい状況を報告しておきましょう。

4.売買契約

代理人による不動産売却は、代理人の本人確認書類の他に所有者の確認書類も提出する必要がありました。

一方、後見人を立てる場合は、後見人が代行して必要書類を集めてしまっても構いません。

ただ、その分後見人の負担は大きくなってしまいます。

不動産売買契約の流れ・注意点を徹底解説!

5.家庭裁判所の許可を得る

売買契約が成立した後も、取引が法的に認められたものだという家庭裁判所の許可が必要になります。

ここで許可を得ることができなければ不動産を引き渡せません。

6.決済・引き渡し

家庭裁判所の許可を得ることができれば、不動産を引き渡します。

通常の不動産売却は査定から引き渡しまで3~6ヶ月かかるのが相場となっているので、そこに後見人選定までの時間を加えると、スムーズにいったとしても1年前後はかかるという計算になります。

不動産売却の期間は3~6ヵ月!短縮する方法はある?

いくら代理で売却をおこなうといっても時間が拘束されるなどの制約が多数あるので、安易な気持ちで後見人はできるものではありません。

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2017.05.25
不動産売却の流れは複雑ではありませんが、お金を払うタイミングなどはしっかりと抑えておくべきです。また、相場の調査や流れの確認など、自分で行う作業が結果を分けるので、業者に頼り切りはやめましょう。

家庭裁判所が代理人申し立てを断るケースも!特に買主への対応は慎重に

ここまでの説明を見ると、家庭裁判所に申し立てさえすれば代理で子どもが売却できるように感じますが、実際はすんなり申し立てが通るわけではありません。

よくある理由に「老人ホーム入居費を準備するため」というものがありますが、老人ホーム入居後に容体が回復し実家に戻る可能性が少しでもあれば、この理由は認められません。

また、家裁への申し立てが通ったとしても、契約時に不動産会社・購入希望者が敬遠する可能性も十分あります。

実際の権利者と意思疎通が取れないとなると、買主が住宅ローン審査に通るのが難しくなる可能性があり、高リスクです。

売却の際は、必ず状況を伝えるようにしましょう。

事故物件でも売れる?欠陥内容は告知すべき?訳あり不動産の売却について

認知症の親に代わって不動産を売る場合は高額売却を目標に!

認知症の親の代理で不動産を売る場合、まず懸念されるのが代理人の物件に対する知識不足です。

買った時の事情や周辺地域の特徴をうまく買主に説明できないと、成約を逃す可能性も多くなってしまいます。

このように準備が不十分だと、たとえ成約が取れたとしても金額は不十分になってしまいます。

まずは登記簿謄本を確認し、不動産の詳細情報をチェックするようにしましょう。

不動産売却の必要書類と取得方法をタイミング別に徹底解説

上手く売れないと代理人が責任を問われることも

「親の老人ホーム入居費を蓄えるため」など、売却理由が親のためと判断されて家庭裁判所から認可が下りることもあります。

ただ、結果的に高値で売れず目標価格に届かなかったら、何のために売ったのかわからなくなってしまいます。

場合によっては、代理人に責任を問われるケースもあるので注意しましょう。

その他にもさまざまな売却理由はありますが、どんな理由であれ不動産を高く売りさえすれば、目標をクリアすることは可能です。

こちらに不動産を高く売る方法がまとめているので、ぜひ参考にしてください!

専門家100人から聞いた不動産を高く売る方法!

一括査定サイトを活用しよう

不動産を高く売るには、一括査定サイトの利用が不可欠となります。

これは所要60秒ほどで簡単な物件情報を入力・送信するだけで、複数業者に一括で査定依頼ができる優れものです。

査定額に関してはさまざまな解釈ができますが、現在は査定額と成約価格はニアイコールとなるので、査定額を比較して最高額をつけた業者と契約すれば高額売却できる可能性はかなり高くなります。

こちらで紹介されている大手業者も多数登録されており、充実した保証・検査サービスを受けることができます。

【2018年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較

一括査定サイトの詳しい使い方・おすすめのサイト紹介はこちらにまとめてあります!ぜひ参考にしてください!

不動産一括査定サイトおすすめランキング!評判・口コミ徹底比較
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