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【2024年】過去30年の公示地価推移から今後の全国・地方の住宅価格の短期・長期見通しを予測(グラフ付き)

【更新日】2024-01-09
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地価推移
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住宅価格は、国土交通省が発表している公示地価というデータを基準に決まっていきます。

このデータに基づいて調査をすると、全国の住宅価格の推移を詳しく知ることができます。

今回は、果たして住宅価格はどのように推移してきたのかを分かりやすく紹介していきます。

不動産価格は今後どう推移する?市場・市況の動向・価格高騰がいつまで続くかの見通しを徹底解説【2024年最新】

公示地価(地価公示・公示価格)とは何?分かりやすく紹介

国土交通省は毎年3月に、その年の1月1日時点の全国の標準地価格を公示しています。

この公示によって公表された価格が公示地価です。

地価公示の対象となる標準地は、土地の利用状況や環境などが通常と認められた住宅地、商業地、工業地などを指します。

その他、公示地価以外にも公的機関が算出する不動産価格の指標としては、路線価と基準地価があります。

公的機関が算出する不動産価格の指標
項目 公示地価路線価 基準地価
公表日 毎年3月 7~8月9月
調査主体 国土交通省 国税庁 都道府県 (発表は国土交通省がおこなう)
調査地点 約2万6000点 約33万6000点 約2万2000点
調査時期 1月1日 1月1日 7月1日
用途 一般の土地取引や税評価の目安、担保評価など 相続税、贈与税の算定など地価動向のチェックなど

3つある指標のうち、公示地価と基準地価は、調査元は違っていても内容的には同じで、一括りに公示価格と呼ばれます。

内容が同じでも、それぞれの調査時点が異なるので、比較することで年内の推移をチェックすることができます。

公示地価の調査は国土交通省土地鑑定委員会が主体

次に、公示地価の調査の仕組みを解説します。

公示地価の調査は、国土交通省土地鑑定委員会が主体となっておこないます。

調査の方法は、建物の価値を度外視して土地を更地と考えて評価していきます。

また前述の通り、調査の際は約2万6000点の調査地点を全国に設置し、調査をします。

特定の地点を評価して周辺地域の地価とするので、必ずしも全国のあらゆる箇所を網羅している訳ではないという欠点があります。

実勢価格(じっせいかかく)とは?調べ方や公示地価・基準地価や路線価との違いをわかりやすく解説

公示地価の活用事例

算出された公示地価は、以下のような用途に活用されます。

  • 個人間の不動産取引
  • 相続税評価の目安
  • 固定資産税評価の目安
  • 公共用地の取得
  • 金融機関の担保評価
  • 企業が保有する不動産の時価評価の基準

上記のように、公示地価は不動産のあらゆる評価の指標に使われます。

評価の基盤であり、人々の生活になくてはならないものなのです。

過去30年の公示地価推移の動向・住宅価格の変遷を詳しく解説

過去30年の公示地価・住宅価格推移グラフ

過去30年間で、地価も大きく変わりました。

公示地価はその時の経済状況によって変わる部分も大きいため、バブル崩壊からの長い不況、オリンピック特需などの変遷によって、公示地価も変動を続けています。

ここからは、過去30年の公示地価推移の動向を分かりやすく紹介していきます。

30年前(1990年)は不動産バブルの真っただ中!土地神話がまことしやかに囁かれる

今から30年前の1990年は不動産バブルの真っただ中でした。

ほとんどの地域の地価が高騰の影響を強く受けており、特に商業地は今と比べて地価の高いケースがほぼ100%になっています。

不動産バブルの時代には、土地は価格が下がらない安定投資資産という土地神話が本気でささやかれていました。

特に首都圏、関西圏、名古屋圏の地価は今と比べものにならないほどです。

20年前(2020年)は日本全体で地価が下落

2020年はバブル崩壊から長い不況の真っただ中となっており、地価も10年前に比べて大きく下がっています。

このタイミングでは郊外だけでなく都市部も下落基調となっていました。

10年前(2010年)はリーマンショック後で追い打ちをかけるように地価が下落

10年前の2010年は、リーマンショックによって更に景気が悪化したタイミングでした。

長い不況に追い打ちをかけるように経済は悪化し、郊外・都市部を問わず更に下落基調が進んでいきます。

2020年現在は都市部の地価が大幅に回復

2020年現在は10年前、20円前の相場に比べて、首都圏、関西圏、名古屋圏などの都市部の地価が大幅に回復しています。

これは、東日本大震災の復興が進んだことや第二次安倍政権になってから景気が回復基調になったこと、特に首都圏に関しては東京オリンピックの開催が決定したことにより都市開発が進んだことなどが挙げられます。

斯うした背景から大幅に都市部の地価が回復していることは確認できますが、依然として地方は大きな上昇傾向にはありません。

これは、上記要因が地方に大きな影響を与えていないということもありますが、30年前に比べて地方の財政悪化が進み、都市部への人口集中傾向にあることなども大きな理由と考えられます。

主要都市の公示地価に基づく住宅価格の推移を解説

地価公示に基づく住宅価格の推移で特に注意したいのが、首都圏・地方を含む主要都市です。

郊外は大きな値動きが見られにくい一方で、こうした都市部は動きやすく、動向を注視しなければいけません。

主要都市の地価推移は似た動きを見せる

バブル期に大きく高騰した地価は平成4年から急落、その後、平成20年に起こったミニバブルで微増するものの、再びリーマンショックで下落しています。

その後、アベノミクスによる金融緩和が平成26年に始まってからは、どの都市部も住宅価格が緩やかな上昇傾向となっています。

過去10年は東京以外は低調な横ばい推移

ただ、アベノミクスによる金融緩和が起こった後は、東京が大きな上昇傾向を見せているのに対し、他の都市部は上昇がみられるものの、低調な上がり幅になっています。

特に東京の上がり方は大きく、商業地の価格推移を見るとバブル期の地価を超えて過去最高値を記録しているところも多いです。

大阪、名古屋の大都市圏でも大きな推移が見られない理由は、かつてに比べて東京との経済格差が更に広がったことも要因と考えられます。

福岡の住宅価格の上昇推移に注目

バブル期からの地価推移を見ると、地方都市の中でそこまで序列の高くなかった福岡が、大阪・名古屋に次ぐ動きを見せているというのは特筆すべき事項でしょう。

これは西日本・九州の中で福岡の中核都市機能が進んでいったことが大きな要因だと考えられます。

このように、都市の発展を占う上でも公示地価は大きな指標となります。

都市内の地価は立地・利用方針が大きく関係している

1つ1つの都市の地価を見るとそれぞれ推移を見せていますが、各都市内にも細かいエリアによって地価の推移動向は異なります。

これは、それぞれのエリアがどんな機能を要しているかによって大きく変わります。

工業地の地価推移には、物流の拠点であるか、工場が網羅的に配備されているかなども大きく影響します。

このような産業の拠点であるエリアは、景気の回復による恩恵を受けやすいです。

ただ、人気の住宅エリアも2020年現在は横ばいではありますが、上昇傾向を見せています。

首都圏・関西圏・名古屋圏の3大都市圏の公示地価推移から住宅価格の見通しを予測

ここまで公示地価推移に関する解説をしてきましたが、日本の公示地価推移をチェックする上で最も重要なのが、首都圏・関西圏・名古屋圏の3大都市圏です。

この3拠点が日本経済の要と言っても過言ではなく、他の都市もここに引っ張られて推移する傾向にあります。

大都市圏は現在までどんな動きを見せてきたのか、今後の見通しはどうなのか詳しく解説していきます。

【2024年】マンション価格の推移を解説!最新の市場動向と今後の下落の可能性(グラフ・データ付き)

【首都圏】東京は大幅上昇・3県は震災前の水準に回復

東京は2013年にオリンピックが決定したことなのがきっかけで都市開発が急速に進みました。

2013~2020年の間に起こった特筆すべきできごとはこちらです。

  • 港区で新駅開通に伴い、周辺エリアの街づくりが進む
  • 渋谷区でスクランブルスクエア開業や銀座線、埼京線のホーム移設が進む

こうした動きを受けて大きく地価が上昇しています。

千葉、神奈川、埼玉の3県も東京ほどではありませんが緩やかに上昇しており、震災前の水準まで回復しています。

その中でも武蔵小杉や京浜東北線沿線、浦安、中央区などマンション開発が急速に進むエリアは、地価が高めになっています。

【関西圏】人口減の影響で2014年から横ばい傾向が続く

関西圏も上昇傾向を見せてはいますが、2014年から比較的横ばい推移が続いています。

その理由としては、大阪の周辺都市が府内に勤務するというようなベットタウン構造が人材の東京などへの流出で若干崩れてきたことなどが影響しています。

関西圏の中でも得に上昇推移を見せているのが京都ですが、こちらは観光客の増加にともなう財源増加や、再開発の進展などが原因と考えられます。

【名古屋圏】愛知の急上昇と対照的に岐阜・三重は下落が続く

愛知県も東京と同様に2013年から上昇傾向を見せています。

自動車の製造拠点近くでマンション開発が進み、地価上昇を後押ししました。

一方で、岐阜や三重は下落傾向が止まりません。

これは2県で起きている人口減少が原因である他、一戸建て世帯が多くマンション開発が進まないことが大きな要因として考えられます。

2020年以降の住宅価格は都市部と郊外の二極化が更に進む見通し

2013、2014年あたりから住宅価格は回復傾向を見せていると言われていますが、前述の通り経済圏の中核都市は上昇傾向を見せているものの、従来では恩恵を受けていた周辺都市の地価は下がり続けているというケースが多くみられるようになりました。

この傾向は2020年以降も進んでいくと考えられます。

住宅街とオフィス街の一体化が少子高齢化でより進む

近年の都市開発の特徴として、東京でいうところの六本木、新宿、渋谷といったオフィス街のある都市の中にタワマンを開発し、住まいと勤務地の距離をどんどん近づけているという点があげられます。

これにより従来のように、中核都市の地価が推移することでベットタウンの土地需要が上がるという恩恵を受けにくくなってきています。

都市部のサービス産業への主要産業移行がより進み、更に少子高齢化によって戸建て住宅の需要が減り続ければ、この傾向は進展し続けると考えられます。

行政はこうした一極集中を批判しているように見えますが、人口が集中することで公務員の人件費削減、税徴収の効率化が進むこともあり、必ずしもデメリットばかりではないことが大胆なアクションを妨げています。

マンション需要の無いエリアは地価回復の見通しが難しい

大都市圏で近年、地価の回復が見られたエリアは、マンション開発の恩恵を受けているケースが多いです。

ただ、全国どのエリアにもマンション開発の需要がある訳ではありません。

戸建て住宅に何代も住むケースの多いエリアは、地価減少の歯止めがきかない可能性が高いです。

郊外になるほどマンション開発の件数は圧倒的に少ないことも、二極化を助長すると考えられます。

新型コロナウィルスの拡大に伴い公示地価推移に伴う住宅価格の動きは当面停止か

2020年前半は新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、経済に大きな打撃を受けました。

これにより首都圏だけでなく、全国的に不動産市場の停止がおこると予想されます。

コロナショック以降の公示地価推移はどうなるのでしょうか?

短期的な住宅価格の下落リスクは大きくない

短期的に住宅の取引件数が低下する可能性は高いですが、価格が急落する可能性は低いと考えられます。

コロナショックの構造上、リーマンショックのように実体経済へダイレクトに影響した訳ではないので、影響が出るまで時間がかかると考えられるためです。

長中的には全国的な地価下落のリスクもある

短期的には大きな影響を受けそうにない公示地価ですが、今後雇用や給与に影響が出てくると、地価が下落する可能性はあります。

住宅は生活に根付いたものなので、生活レベルに影響が出れば下落する可能性は極めて高いのです。

中古住宅の購入見送りや売却による現金化が進んでいけば、再び下落推移に戻ってしまうでしょう。

トヨタの業績伸長に支えられている名古屋圏はどうなる?

新型コロナウィルスは世界的に感染を拡大したため、航空会社などの国際的な企業が大きな業績悪化の影響を受けました。

首都圏などは多くの中小企業によって経済を支えられていますが、主にトヨタ自動車の業績伸長に支えらえていた名古屋圏は、今年度トヨタの業績利益が8割減るという見通しと共に、大幅な下落を受ける可能性があります。

大都市圏の中でもトップレベルで危険な構造になっているため、動向を注意する必要があるでしょう。

公示地価推移による住宅価格の変化は個人レベルにも大きな影響がある

公示地価の推移は経済レベルでの影響だけではなく、個人レベルにも大きな影響があります。

前述の通り公示地価はそのエリアの活況ぶりを占う重要な要素ですし、住宅を今後売却・購入することを考えている方は地価をチェックすることで、売り時、買い時のタイミングを知ることができます。

毎年3月にニュースで公示地価が取り上げられる際は、一度注目してみましょう。

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