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相続した不要な農地を売却したい!売りやすくする方法とかかる税金について解説

【更新日】2024-01-10
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相続した不要な農地を売却したい
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田舎の親族が無くなり、急に農地を相続することになった方も多いでしょう。

遠方の農地は所有していても使い道がないどころか、固定資産税の支払いなどで家計が圧迫されてしまうパターンもあります。

相続した不要な農地は、出来るだけ早く売却することでコストをカットしつつ、利益も得ることができます。

しかし、農地をそのまま売っても成約を取るのは困難です。

今回は、不要な農地を相続した場合にどうすれば売れるのか、税金などの費用はいくらかかるのかについて詳しく解説していきます。

農地を売却する方法!田んぼや畑を売る手続きの流れ・売買の条件

相続した農地を売却する流れ

➀相続した農地の所有権移転登記をおこなう

相続した農地を売るには、まず所有権の移転登記をおこなう必要があります。

相続した不動産は特別な手続きをしない場合、亡くなった親名義のままとなります。

ただ所有するだけなら、それで大きな問題が起こるのは稀ですが、売却の際は売主と名義人が一致している必要があるため、登記が必要になります。

遺言書・遺産分割協議書などを参照しながら、手続きを進めていきましょう。

この際、管轄の市区町村の農業委員会へ届け出をおこなう必要があります。(農地法第三条の三)

届け出を忘れると過料(罰金)が発生してしまうので注意しましょう。

②農地の売却活動をおこなう

登記が完了したら、実際に農地を売却していきます。

不動産売却は仲介業者に依頼するのが一般的ですが、農地の場合は農業委員会に斡旋してもらうこともできます。

農業委員会は農地を購入したい方からの相談にも対応しており、すぐに希望者とつなげてくれる可能性があります。

農業委員会の斡旋を希望する際は、斡旋申出書という書類を提出します。

③農業委員会から売却の許可を得る

購入希望者が見つかったら、取得予定者(買主)が農業委員会に売買の許可申請をおこないます。

この時、農業委員会は主に以下の5点をチェックします。

  • 全部効率利用要件:所有・借り入れている農地を耕作放棄していないこと、農地の全面を効率的に利用して耕作をおこなうこと
  • 地域との調和要件:規模・立地から見て地域の調和を満たしているか
  • 下限面積要件:最低限の面積があるか
  • 農作業常時従事要件:新しく農地を所有する人が原則で年150日以上農業に従事できるか
  • 農地所有適格法人要件:買主が法人の場合、農地を所有できる法人格を所有しているか

農業委員会の審査はシビアで、ここで売却が不認可になってしまう例も多数あります。

農地の相続放棄と相続後売却はどちらがお得?

不要な親の農地は最初に相続放棄をしてしまうか、一旦相続をした後に売却をするかの2通りから選ぶのが一般的です。

相続する農地が早期売却できるあてがあるなら、一旦相続してしまうことをおすすめします。

すぐ売るのであれば維持コストもあまりかかりませんし、少額でも不労所得を得られればデメリットはありません。

問題になってくるのは条件が悪く、売れる見込みが少ない農地です。

条件が悪くても1年、2年と市場に売り出していれば、いつかは売れる可能性があります。

しかし、売れるまで時間がかかればその期間中の維持費を負担しなければいけませんし、売れ残ったら実質的な負債となってしまいます。

相続放棄の内容を理解した上で遺産に占める農地の割合で決める

相続放棄か相続後売却かを考える上で必ず理解したいのが、相続放棄をしたら全ての遺産を手放すことになるということです。

農地が不要だからと言って相続放棄をすると、預金口座やその他金品など全てを手放すことになってしまいます。

そのため、多くの方は農地はいらないけど、他の遺産が欲しいから相続放棄はしないのです。

相続放棄をするかどうかは、遺産に占める農地の割合がどれくらいかで決めましょう。

もし遺産が農地だけなら、相続放棄をしても何ら問題がないかと思います。

将来的な管理コストも考えると、不要な農地が全体の3割を超える場合は相続放棄、それ以下なら相続をするのがおすすめです。

相続した農地を売りやすくするポイント

相続した農地は直近まで耕作放棄されていることも多く、状態は決して良くありません。

農地自体、基本的に農家にしか売れないという強い制限があって売りにくいので、かなり苦戦することを想定しなければいけません。

ただ、相続した農地を売れやすくするために施策をおこなうこともできます。

ここからは、成約率をアップさせるコツを紹介します。

まずは第一印象をアップさせる

条件がどんなに良い農地でも、第一印象が悪ければ売れ残ります。

その逆も然りで、条件の悪さを見栄えの良さでカバーするのは十分可能です。

遠方の農地を売却する場合は一度現地で現況を確認した上で、対応することをおすすめします。

農地を転用してから売る

農地転用とは、農地を潰して宅地などにする方法です。

転用をすれば農家にしか売れないという制限がなくなる他、用途が増えるので売れやすくなります。

ただ、農地を転用するためには農業委員会の許可が必要なので、確実に転用できる訳ではありません。十分注意しましょう。

仲介業者と専任媒介契約を結ぶ

農地を売る際は、仲介業者と契約を結び、売却を委託します。

この契約を媒介契約と言いますが、媒介契約には3種類の方法があります。

契約の種類 契約の有効期間 売り手自身が買い手を見つけること 依頼可能な業者数 仲介業者からの報告※
専属専任媒介契約 3ヶ月以内 できない 1社のみ 1週間に1回、メールか文書で連絡
専任媒介契約 3ヶ月以内 できない 1社のみ 1週間に1回、メールか文書で連絡
一般媒介契約 3ヶ月以内 可能 複数社と契約可能(契約数の上限なし) なし

専属専任媒介>専任媒介>一般媒介の順で結び付きが強くなる傾向にあります。

専属専任媒介は業者変更が難しいですが、一方で業者からすれば確実に仲介手数料を得られるので販売コストを捻出しやすく、モチベーションも高い傾向にあります。

しかし、ここで注意したいのが農地の特殊性です。

一般的な宅地ならエリア外から転勤してくる人がメインターゲットになりますが、農地はそういった方が基本的にいないので、近隣の方が耕作面積を拡大するために購入するケースが多いです。

もともと顔なじみの方に売却を打診するには、本人がやるのが一番です。しかし、専属専任媒介は自己発見取引(仲介業者ではなく売主自身が営業をかけて取引をする)を禁止しているので、おすすめできません。

一方で専任媒介なら専属専任の良さを残しつつ、自己発見取引も認めてくれているので、農地の売却にピッタリと言えます。

相続した農地の売却にかかる税金・手数料

相続した農地の売却にかかる税金・費用は、基本的に以下の4種類です。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税
  • 仲介手数料

ここから、それぞれの内容を詳しく見てきましょう。

農地(田んぼ・畑)売却にかかる税金はいくら?計算方法・特別控除を徹底解説

印紙税

印紙税は、売買契約書に相応の印紙を貼り付けて納付する税金です。

国や自治体が安全な不動産取引を担保してくれた謝礼・報酬という意味合いがある税金で、納税額は売却価格に応じて以下のように決まっています。

不動産売却代金 印紙税額
100万円以下 500円
500万円以下 1,000円
1,000万円以下 5,000円
5,000万円以下 10,000円

登録免許税

登録免許税は、所有権移転登記の際にかかる費用のことを指します。

農地にかかる免許登録税は、2019年4月1日を境に金額が変わっているので注意しましょう。

  • 売却価格の1000分の15(2019年3月31日まで)
  • 売却価格の1000分の20(2019年4月1日以降)

譲渡所得税

農地の売却価格が取得時の費用を上回った場合、その差益に対して課される税金が譲渡所得税です。

譲渡所得税は、以下の計算式で求めることができます。

譲渡所得税=税率×{譲渡価格-(取得費+売却費用) }

譲渡所得税の仕組みは複雑なので、こちらの記事を参考にしてください。

不動産売却でかかる税金はいくら?費用の計算方法から節税・控除のポイントまで分かりやすく解説

仲介手数料

仲介業者に農地売却を依頼した場合、成約のあかつきに報酬として売主から支払われる費用が仲介手数料です。

仲介手数料は売却価格に応じて、以下の式で計算するようになります。

売却価格 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 売却額×5%
200万円超400万円以下 売却額×4%+2万円
400万円超 売却額×3%+6万円

例えば農地が1,000万円で売れた場合、仲介手数料は1,000万円×3%+6万円=36万円となります。

相続した農地の売却は余裕を持って進めていこう

相続した不要な農地は、出来るだけ早く売り払ってしまうのが理想的です。

しかし、近年の農業人口の急減も相まって、農地を売るのは簡単ではありません。

状態の良い農地だとしても、最低半年~1年くらいは売れるまでかかると想定して、長めにスケジュールを設定しておくことをおすすめします。

土地を売りたい時は何が必要?売却の流れと方法・かかる費用や税金・注意点を解説
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